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二日目の朝

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目が覚めると、私は、ローウェンの逞しい胸筋とイケメンの顔がそこにあった。


パチパチと瞬きしても目の前の光景は消えない。



異世界転移は、夢ではなかったらしい。




と、いうことは昨日の夜の出来事も夢ではないということ?


えっと、確かキスをして、ローウェンが、とそこまで思い出して、記憶にストップをかける!



え、や、ヤバい!
とんでもないことしちゃってるじゃん!


私の脳がテンパり始めた。


あ、でも、最後までしてない!!
これってセーフ?


ローウェンはどうして、そこまでしたんだろう?
それに、最後までしなかったのは何でだろう?


私は、昨晩の極度に緊張した自分を思い出した。


そっか、私の緊張をほぐすため!


私は閃いた。




男性経験のない私が硬くなってるのを不憫に感じて、優しくほぐして寝かしつけてくれたんだわ!


やり過ぎてる気がしないでもないけど、ローウェンに触られて嫌ではなかったし、おかげで気持ちよく眠れたのは間違いなかった。

またシテ欲しいとも思わないでもないくらい気持ち良かった。
恥ずかしくてとても自分からは頼めないけど、彼のキスも指も、アソコを舐められのも信じられないくらいの快感で、また機会があったら拒める気がしない。

このまま、何も経験しないカチカチの独身女より、イケメンのスーパーテクニックを知った私では、何となく人生を得したような気がする。


うん、いい思い出できたよ!
きっと、ローウェンは、誰にでもそういうことができちゃうんだろうな。
ちょっと、悲しいような、寂しいようなのは私の気のせい。
どっちにしても、ローウェンは私には格好良すぎだ。
心までローウェンに持っていかれないようにしよう、と強く自分に暗示をかける。




私がぼんやりと、ローウェンを見つめながらそんなことを考えてるとローウェンが目を覚ました。

「レイナ」


ローウェンの気だるげの目と掠れた起きがけの声がとてつもなく色っぽい。


「は、はい」

「おはようのキスをして」


えっ?おはようのキス?


ローウェンは、グイと私の顎をつまみ上げると、チュッと軽くキスをした。


「おはようレイナ」


「お、おはよう」




えっ、この甘い雰囲気はなに?




私が勘違い女だったら、ローウェンが私に惚れてると自惚れてしまいそうだ。
もちろん私はすぐに勘違いする女じゃないからそんな心配はご無用だけど。



「ローウェン、朝ごはんだよ」



朝ごはんは、パンとソーセージを軽く焼いたもの。
飲み物は、ヤクルト。


そろそろ、コーヒー飲みたい。



「このヤクルト、昨日も飲んだけど、美味しいね。
この細長いのは?」

「これは、ソーセージよ。中にひき肉にしたお肉が入ってるの」

「旨そうだ」



私達は、早速いただきますして、食べるとローウェンは、かなりソーセージが気に入ったみたい。
パリッとジューシーなのは、某メーカーの企業努力の賜物。日本人の好みを取り入れてるんです。


はあ、でもそれもソーセージが無くなったら、もう食べることできないんだよね。





でも、待って!私のチートって言語のみ?
よくよく考えると、もしかして、もっとチート能力あるのでは?


魔法とか、ストレージ(格納庫)とかさ。


ゲーム的な、画面が見えちゃったり?


あまりにも、冷静にと思い考えてなかったが、よくよく考えてみると、定番のチートがあるかの確認を怠っていたようだ。



でも、ローウェンの前で、中二病を拗らせたような発言は出来ないし、したくない。

ムムッ


そうだ!トイレ!その隙に確かめてみよう!





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