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揺れる気持ち

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薄暗い部屋のベッドの中、さっさとフェラして寝ようと思っていた私。

目の前には、月夜の光が差し込んで、陽介のところがポッカリと明るい。月の光の中、静かに涙を流す姿に、息をのむ程、陽介は美しかった。


なんか、私って汚れてる!?
陽ちゃん、なんか美しすぎてビックリなんだけど!!

泣いてる理由って、私を真斗に先に処女を奪わせた後に、双子でエッチに持ち込む計画のことだよね。

普通に考えたら、怒髪天ものだよ。
でも、大事な幼馴染というのも本当で。

嫌でもなかったのは、その3人だったからだろうか?

色々と開発され、なんかもう沢山の壁というか羞恥心を突破られてしまってさ。

あれ?なんか悲しくなってきた。
泣いてもいいですか?


はぁぁ。


私は、大きくため息をついた。
ピクリと陽介の肩が揺れる。


「陽ちゃん、私ね、本当に陽ちゃん達のこと大事に思ってたよ。でも、陽ちゃん達がそんなんじゃ足りないってことに気づかなかった。知らない間に傷つけてたよね?」
「そんなことっ!・・・華は、1つも悪くないよ。・・・俺たちが、華を好き過ぎて、華に選ばれなかったら華と一緒に死ぬことを選んでしまう・・・俺たちが悪いに決まってる」

前にも言ってたあれね?
私が3人のうち誰かを選んだら、他の2人が暴走?それって・・ーー。


「私が、けっこう前に1人を選んでたりすれば良かったという話でもないわけ?真斗とエッチしちゃったあとに、陽ちゃんから選んでと言われた時に選んでても、私は他の2人に殺される可能性があったということ?」

陽介は、悲痛な顔をしながら頷く。

「ああ。俺たちは、かなり前から華にイカレテるからな、高校の時でもすでに遅いな」
「ええっ!?じゃあ、私が誰かを選んだ時点で大変ならことが起きてたってこと?」
「そうなる」

ひえぇぇぇっ!
私が想像した以上にひどいことになってる!!

「私が3人以外を選んでた場合は?それなら大丈夫だったかな?」
「華・・。それの方がもっと最悪だよ。その選ばれたやつは、俺たち3人できっと殺して、華に諦めさせるよ」
「うっ!」

ヤンデレ具合がひどい。


どうして、こんなイケメンが私なんか(なんかとまでは思ってないけど)こんなに好きなんだろう。
他にも世の中いっぱい美女で素敵な人なんて沢山いるよ。

「陽ちゃんは、私のどこがいいの?たまたま近所に住んでる1つ下の女の子でしかないよ?」

そう、みんなの気持ちを知ったからといって、どうしてそこまで思ってくれてるのかが理解できない。

「華からしてみると、こんなにイカレちゃうくらい俺たちに想われてるのが不思議?」
「うん」
「俺もいつからなんて覚えてないけど、結構最初から特別だったよ。天使みたいに可愛くて、俺と宗介のことを間違えなく名前で呼んでくれたりさ、ちゃんと違う人として認めてくれた。親でもたまに間違えたりすることもあったから、嬉しかったよ。陽ちゃん、すごい、かっこいいって褒められてさ、なんでも頑張ってこれたの華のおかげだよ」


涙で濡れた頬を、私はそっと手で触れた。


「華・・・好きだ。今回のこと、本当に許してくれてるの?」

陽介は、自分の頬を触る私の手をそっと握った。

「陽介は、私のこと助けてくれたんだね。今聞いてわかったよ。私が死なない選択肢を探してくれたんでしょ?もう怒ってないよ。とっくに許してたよ」

今までの陽介と今回の陽介では、ちょっと違ってた。普段なら言わないことを言って、流れを作ろうととしていたような気がする。
私が3人の誰とも選ばないように、そして逃げ出したりしないように。

「でも、こんなひどい計画、計画のうちにも入らないよ。真斗も宗介も、死んでもいいから自分を選んで欲しいって、かなり計画から外れた行動を起こしてるからヒヤヒヤしたし、いつ華が真斗か宗介を選ぶって言い出すんじゃないか心配した」

「陽ちゃん・・。この結果が最善なのはわかったけど、いつまでも4人仲良くなんて、無理があると思う。ほんの少し平和が訪れたに過ぎないし、第一、私の身体が持たないよ」
「そうだよね、ごめんよ。俺も俺自身が抑えが効かないし、華を諦めることもできないくて、俺って本当にダメなヤツだよな」
「よ、陽ちゃん、私、陽ちゃんのこと好きだよ?全然ダメじゃないよ。諦めないでくれて嬉しいよ。ね?」

おい、おい、おい!私ってば何言ってるんだろ?
でも、陽ちゃんに簡単に諦められないからヤンデレになってるんだし、ここは元気になってもらわないと更に悪い方向へ向かうんじゃないかな?
私は、自問自答してみる。

私は、もう覚悟を決めなきゃいけないのかも。また悩むだろうけど。

なぜか胸が熱い。

さっきまでの疲れが嘘のように引き、また下腹部がジンジンする。
私おかしいのかな?

「陽ちゃん、ね?ここ触って?」

呆然とする陽介の手を私の下半身に少しずつ移動させる。パンティの上から陽介の手が足の間の隙間へと届いた。

「・・華・・・、パンティの上からも濡れてる・・」
「うん、もうすっかり私の身体、エロくなっちゃったよ。陽ちゃん責任取ってくれる?」

陽介の顔が信じられないような、嬉しいような、口をパクパクさせて、片方の手で顔を覆った。

「はぁぁ、参った。華にはやられたよ。さっきお風呂で辛かったんじゃないの?」
「うん、本当は、陽ちゃんにフェラしてさっさと寝るつもりだったよ。でも、陽ちゃんと話してるうちに、私が陽ちゃんと2人きりで愛し合いたいって思ったの。ダメ?」

陽介の瞳から、またポロリと涙が零れた。

「俺のこと、こんなに煽って簡単に眠れると思ってるなら甘いよ?俺、華が好き過ぎて辛いよ・・」

陽介の熱い瞳の奥に、欲が垣間見える。
それが嬉しい。

「陽ちゃん、私も好き。特別は上げれないけど、陽ちゃんのこともちゃんと好き。シテ?」

陽介の身体が熱を持ち、私をそっと抱きしめた。

昨日の強引な進め方とは違う、陽介の愛し方。


陽介が、私の口づけをし、次第に深く絡まった。


もう止められないー。




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