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小さな天使 ~真人の気持ち~
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残酷なあの日の事故からのあとの4年間は、全く生きている実感が持てなかった。
俺は、すっかり人が変わったと言われた。
今でも付き合いのある友人は、俺が真由を失って悲しんでることを知っている高校の時の友人くらいだろうか。
他は、俺から少しずつ離れていった。
それでも、構わなかったし、かえって気楽になった。
しかし、また生まれ変わって俺の前に現れてくれるとは思わなかった。
神をずっと呪い殺さんばかりに恨んでいたため、今更ながら神様にありがとうとは、調子がよすぎて言えないが。
また、笑えるようになったのは、間違いなく真由のおかげだな。
あの小さな愛らしい天使の顔を思い出して、頬が緩む。
真由は、俺が小学生の頃に引っ越してきたばかりの新しく建てた家の近所に住む女の子だった。
「同級生なの?よろしくね」
と可愛らしく笑って握手してくれた。
真由は、優しくて可愛らしくて、いつも楽しませてくれた。勉強は得意で、成績は俺と真由でいつも上位を争ってたけど、勝っても負けても、真由の態度は変わらなくて、いつも裏表もない真由をどんどん好きになっていった。
「好きだ」
告白したのは、高校生になって、ますます可愛くなった真由が、他の男子に盗られたくないと思ったからだった。
クラスメートの中には、真由を好きなヤツがわんさかいて、真由に告白するって騒いでるのを聞いて焦った。
真由は、俺の告白に「いいよ、付き合う」と素っ気なく言いはしたけど、耳が赤くなり、口元がユルユルで喜びを隠しきれてなくて、可愛かった。
可愛くて、素直じゃないところも、照れ屋なところも何もかもが愛おしい。
それは、どんな姿になっても変わらないと誓える。
一度だけ、彼女とのキスは、ほんの僅か一瞬、口と口を掠めただけ。
だけど、その時の真由の赤く染まった頬と潤んだ瞳が忘れられない。
また真由とキスをして、更に先へ進みたいとどれほど思ったか。
まだ遠い未来の話だが、真由が居ないという絶望の4年間に比べたら、菜津が16才まで待つのは、大したことはないないように思った。
希望があるから。
もちろん、16才になった後、すぐに手を出すつもりはない。
そうなると、キス以上の関係は、更に待つことになるだろうがそれでも、真由の側に居られるなら構わなかった。
菜津という3才の女の子になったと聞いて、ガリガリに痩せた姿を見た時も、痛ましかったが愛おしい気持ちは少しも変わらなかった。
真由の記憶があるのなら尚更、俺の気持ちが揺らぐことはないとはっきりした。
しかし、久々にあった菜津は、すっかり健康そうな身体に見えた。
あまりの可愛さに、ついつい抱っこして、頬にキスをしてしまったが、やりすぎただろうか?
真由の時も可愛いかったが、菜津は、また子ども特有の可愛いらしさと愛しさがある。
カズの言う通りだなと思う。
俺に縛られて欲しいという気持ちがないわけじゃない。
捕らわれて、俺だけを思ってくれたらと思う。
今後も、カズは虫除けとして役に立ってくれそうだし、そういう意味では霧島兄弟は、助けになりそうだ。
菜津、大きくなっても側を離れてくれるなよ。
何度生まれ変わっても、俺を選んでくれ。
俺は、すっかり人が変わったと言われた。
今でも付き合いのある友人は、俺が真由を失って悲しんでることを知っている高校の時の友人くらいだろうか。
他は、俺から少しずつ離れていった。
それでも、構わなかったし、かえって気楽になった。
しかし、また生まれ変わって俺の前に現れてくれるとは思わなかった。
神をずっと呪い殺さんばかりに恨んでいたため、今更ながら神様にありがとうとは、調子がよすぎて言えないが。
また、笑えるようになったのは、間違いなく真由のおかげだな。
あの小さな愛らしい天使の顔を思い出して、頬が緩む。
真由は、俺が小学生の頃に引っ越してきたばかりの新しく建てた家の近所に住む女の子だった。
「同級生なの?よろしくね」
と可愛らしく笑って握手してくれた。
真由は、優しくて可愛らしくて、いつも楽しませてくれた。勉強は得意で、成績は俺と真由でいつも上位を争ってたけど、勝っても負けても、真由の態度は変わらなくて、いつも裏表もない真由をどんどん好きになっていった。
「好きだ」
告白したのは、高校生になって、ますます可愛くなった真由が、他の男子に盗られたくないと思ったからだった。
クラスメートの中には、真由を好きなヤツがわんさかいて、真由に告白するって騒いでるのを聞いて焦った。
真由は、俺の告白に「いいよ、付き合う」と素っ気なく言いはしたけど、耳が赤くなり、口元がユルユルで喜びを隠しきれてなくて、可愛かった。
可愛くて、素直じゃないところも、照れ屋なところも何もかもが愛おしい。
それは、どんな姿になっても変わらないと誓える。
一度だけ、彼女とのキスは、ほんの僅か一瞬、口と口を掠めただけ。
だけど、その時の真由の赤く染まった頬と潤んだ瞳が忘れられない。
また真由とキスをして、更に先へ進みたいとどれほど思ったか。
まだ遠い未来の話だが、真由が居ないという絶望の4年間に比べたら、菜津が16才まで待つのは、大したことはないないように思った。
希望があるから。
もちろん、16才になった後、すぐに手を出すつもりはない。
そうなると、キス以上の関係は、更に待つことになるだろうがそれでも、真由の側に居られるなら構わなかった。
菜津という3才の女の子になったと聞いて、ガリガリに痩せた姿を見た時も、痛ましかったが愛おしい気持ちは少しも変わらなかった。
真由の記憶があるのなら尚更、俺の気持ちが揺らぐことはないとはっきりした。
しかし、久々にあった菜津は、すっかり健康そうな身体に見えた。
あまりの可愛さに、ついつい抱っこして、頬にキスをしてしまったが、やりすぎただろうか?
真由の時も可愛いかったが、菜津は、また子ども特有の可愛いらしさと愛しさがある。
カズの言う通りだなと思う。
俺に縛られて欲しいという気持ちがないわけじゃない。
捕らわれて、俺だけを思ってくれたらと思う。
今後も、カズは虫除けとして役に立ってくれそうだし、そういう意味では霧島兄弟は、助けになりそうだ。
菜津、大きくなっても側を離れてくれるなよ。
何度生まれ変わっても、俺を選んでくれ。
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