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叔父さん登場
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霧島家には、父と母と兄とカズの4人。
父は医者で母は看護師として働いて、兄も医者になったので、ほぼ家には帰ってこなく、カズも部活があり忙しく生活で、週に3回ほどくる家政婦さんが料理や掃除を頼んでいるのが今までの現状だったらしい。
だけど、私を預かるということで、そこが問題となり、母は仕事を辞め、専業主婦になることを決意した。
家政婦さんは、週に一度にしてもらい、疎かになっているところを掃除してもらっている。
私は、そのことを知ったのは、お父さんのお兄さん、霧島将(ショウ)と妻の香織(カオリ)が来たときのこと。
突然の来訪に驚いたが、親戚として血縁者なのは寧ろ香織が私にとっての叔母に当たるので仕方ないのだろう。
たまに、親戚の集まりで会ったことはあるが、あまり話したことがなかったからどんな人かは知らない。
お爺ちゃんが大病院の院長で、長男の叔父さんが後継者としか知らないなぁ。確か子供2人いたよね。今は、いくつになるっけ?私と同じくらいの女の子と、6つ違いの弟だったような気がする。
今は、20才と16才かな。元気でやってるかな?
「この子が、菫(スミレ)の?」
香織叔母さんが、私のことをお父さんに聞いた。
私の産んだ母って、スミレっていうんだ!タケシにスミレね。私は、ほうほうと聞いていた。
今、我が家の客室に、私達家族全員と叔父さんと叔母さんが集まって話を始めたところ。
因みに私は、お父さんの膝の上に座ってます。
「そうみたいだな」
お父さんは、どうでもよさそうだ。
「いや、そうみたいって、それならその子を引き取るべきは私達だろう?」
まぁ、血縁で考えるとそうなるよね。
「この子は、私を呼び、私達を家族として認めてくれてるんだ。血の濃さとは関係ないよ」
お父さんカッコいい!
私がキラキラとお父さんを見上げると、お父さんもニコリとして、私の頭を安心させるように撫でた。
「ちょ、ちょっと待ってください。妹に子供が居たことを今回初めて知ったんです。あの子突然家を飛び出して連絡も、寄越さないで。なのにどうして、この子のことを知ったんですか?」
スミレって家出してたんだね。
それじゃ、私の存在知るわけないか。
私の中にも記憶ないわけだ。
お父さんは、うーん、と困ったようにこちらをチラリと見た。
本当のことを話すかどうかを聞いてるのよね。
私は、しばし逡巡するとコクンと頷く。
お父さんは、了承の意を受けて今回の私からの連絡を受けてからの流れを話した。
「な、ば、馬鹿な!信じられん!ま、真由ちゃんだと?」
叔父さんが、奇異なモノを見るような目でお父さんを見た。だけど、香織叔母さん以外は、うちらの家族はみんな「そうなるよねー」と落ち着いた様子に困惑している。
もうここは私の出番だよね?
「叔父さん、香織叔母さん、久しぶりです。確か5年前のお正月の親戚の集まりでお会いしたのが最後でしたね」
私は、ニコリと真由と同じ仕草で両手を前に持っていき、ペコリと挨拶をした。
その時の叔父さんの目は、驚きだろうか恐怖だろうか?
いち早く正気に戻ったのは、香織叔母さんだった。
「真由ちゃん!真由ちゃんが?ホントに?」
「今は、菜津といいます。私に記憶が戻った時は、本当に死にそうで、意識を戻った時に頼れるのが前世の家族だったんです。遠い親戚と嘘をついたんですけど、本当に親戚だったとは知らなかったんですよ。香織叔母さんが今の私と血縁者と知って嬉しいです」
「菜津ちゃんて言うのね。いくら知らなかったとはいえ、あなたがそんな苦労してたなんて知らなくてごめんなさい。菜津ちゃんが助かって良かった」
香織叔母さんすまなさそうだ。
罪悪感を感じているのかな?
「信じられない、でも3才では有り得ないほどの話口調と、真由ちゃんの話し方も記憶と同じだ。信じるしかなさそうだ」
叔父さんは、やっと妻と話す3才の幼児を見て、信じるしかないと思ったようだ。
どこか疲れたような様子に同情するよ。
「そうか、今回菜津ちゃんをこちらで引き取ろうかと思って話に来たんだが「だ、ダメ!なっちゃんはどこにもやらない!」
カズが叔父さんの話を最後まで聞かないで反対意見を表明した。
嬉しいけどね、叔父さんの話しを最後まで聞こうよ。
私は、カズに向かって安心するように微笑む
「なっちゃんか、もうすっかり君は、ここの家族の一員のようだ」
叔父さんもニッコリした。
「香織、君の希望もあって、養女にすることを決めたけど諦めた方が良さそうだ」
叔父さんの言葉に皆がホッとする。
「ま、待ってください!真由ちゃん、えっとなっちゃん?」
「香織叔母さん、なっちゃんでいいですよ」
私がフォローする。
「なっちゃんは、いくら16才の記憶があっても3才の身体ということは、家に1人でいるということは世間体に難しいと思います。由利子さんは今、お仕事どうされてるのですか?」
由利子(ユリコ)はお母さんの名前です。
そういえば、お母さんは私がこの家に来てからずっと家に居たことを今更ながらに気付いた。
「私、仕事辞めたんです」
お母さんが何ともないように言った。
「由利子さんは、看護師の仕事すごく好きだったじゃないですか!後悔してないんですか?」
「後悔してません。私、今なっちゃんの側に居られることが幸せなんです。今まで親らしいことしてあげられてなかったから余計に今してあげることが嬉しいんです」
お母さんは、きっぱりと言いきって、香織叔母さんは、少し残念そうだ。
「そうですか。それならいいんです。もし、なっちゃんがうちの子どもになってくれたらと思ったのですが、由利子さんがそこまでの気持ちなら私も諦めます」
香織叔母さんは納得したようだったけど、私は、お母さんの仕事を奪ってしまったような気がしてモヤモヤしてしまった。
私、昔みたく家事を手伝ってお母さんの役にたつつもりだったのに、逆に迷惑をかけてしまったんじゃないの?
それは足元がガラガラっと崩れていくようでー、不安にかられて私は、声もなく涙がポロポロと零れ落ちた。
「な、なっちゃん?どうしたの?」
みんなが慌てて、駆け寄ったが、理由は言えることもなく、大丈夫だからって、必死に言うことしかできなかった。
父は医者で母は看護師として働いて、兄も医者になったので、ほぼ家には帰ってこなく、カズも部活があり忙しく生活で、週に3回ほどくる家政婦さんが料理や掃除を頼んでいるのが今までの現状だったらしい。
だけど、私を預かるということで、そこが問題となり、母は仕事を辞め、専業主婦になることを決意した。
家政婦さんは、週に一度にしてもらい、疎かになっているところを掃除してもらっている。
私は、そのことを知ったのは、お父さんのお兄さん、霧島将(ショウ)と妻の香織(カオリ)が来たときのこと。
突然の来訪に驚いたが、親戚として血縁者なのは寧ろ香織が私にとっての叔母に当たるので仕方ないのだろう。
たまに、親戚の集まりで会ったことはあるが、あまり話したことがなかったからどんな人かは知らない。
お爺ちゃんが大病院の院長で、長男の叔父さんが後継者としか知らないなぁ。確か子供2人いたよね。今は、いくつになるっけ?私と同じくらいの女の子と、6つ違いの弟だったような気がする。
今は、20才と16才かな。元気でやってるかな?
「この子が、菫(スミレ)の?」
香織叔母さんが、私のことをお父さんに聞いた。
私の産んだ母って、スミレっていうんだ!タケシにスミレね。私は、ほうほうと聞いていた。
今、我が家の客室に、私達家族全員と叔父さんと叔母さんが集まって話を始めたところ。
因みに私は、お父さんの膝の上に座ってます。
「そうみたいだな」
お父さんは、どうでもよさそうだ。
「いや、そうみたいって、それならその子を引き取るべきは私達だろう?」
まぁ、血縁で考えるとそうなるよね。
「この子は、私を呼び、私達を家族として認めてくれてるんだ。血の濃さとは関係ないよ」
お父さんカッコいい!
私がキラキラとお父さんを見上げると、お父さんもニコリとして、私の頭を安心させるように撫でた。
「ちょ、ちょっと待ってください。妹に子供が居たことを今回初めて知ったんです。あの子突然家を飛び出して連絡も、寄越さないで。なのにどうして、この子のことを知ったんですか?」
スミレって家出してたんだね。
それじゃ、私の存在知るわけないか。
私の中にも記憶ないわけだ。
お父さんは、うーん、と困ったようにこちらをチラリと見た。
本当のことを話すかどうかを聞いてるのよね。
私は、しばし逡巡するとコクンと頷く。
お父さんは、了承の意を受けて今回の私からの連絡を受けてからの流れを話した。
「な、ば、馬鹿な!信じられん!ま、真由ちゃんだと?」
叔父さんが、奇異なモノを見るような目でお父さんを見た。だけど、香織叔母さん以外は、うちらの家族はみんな「そうなるよねー」と落ち着いた様子に困惑している。
もうここは私の出番だよね?
「叔父さん、香織叔母さん、久しぶりです。確か5年前のお正月の親戚の集まりでお会いしたのが最後でしたね」
私は、ニコリと真由と同じ仕草で両手を前に持っていき、ペコリと挨拶をした。
その時の叔父さんの目は、驚きだろうか恐怖だろうか?
いち早く正気に戻ったのは、香織叔母さんだった。
「真由ちゃん!真由ちゃんが?ホントに?」
「今は、菜津といいます。私に記憶が戻った時は、本当に死にそうで、意識を戻った時に頼れるのが前世の家族だったんです。遠い親戚と嘘をついたんですけど、本当に親戚だったとは知らなかったんですよ。香織叔母さんが今の私と血縁者と知って嬉しいです」
「菜津ちゃんて言うのね。いくら知らなかったとはいえ、あなたがそんな苦労してたなんて知らなくてごめんなさい。菜津ちゃんが助かって良かった」
香織叔母さんすまなさそうだ。
罪悪感を感じているのかな?
「信じられない、でも3才では有り得ないほどの話口調と、真由ちゃんの話し方も記憶と同じだ。信じるしかなさそうだ」
叔父さんは、やっと妻と話す3才の幼児を見て、信じるしかないと思ったようだ。
どこか疲れたような様子に同情するよ。
「そうか、今回菜津ちゃんをこちらで引き取ろうかと思って話に来たんだが「だ、ダメ!なっちゃんはどこにもやらない!」
カズが叔父さんの話を最後まで聞かないで反対意見を表明した。
嬉しいけどね、叔父さんの話しを最後まで聞こうよ。
私は、カズに向かって安心するように微笑む
「なっちゃんか、もうすっかり君は、ここの家族の一員のようだ」
叔父さんもニッコリした。
「香織、君の希望もあって、養女にすることを決めたけど諦めた方が良さそうだ」
叔父さんの言葉に皆がホッとする。
「ま、待ってください!真由ちゃん、えっとなっちゃん?」
「香織叔母さん、なっちゃんでいいですよ」
私がフォローする。
「なっちゃんは、いくら16才の記憶があっても3才の身体ということは、家に1人でいるということは世間体に難しいと思います。由利子さんは今、お仕事どうされてるのですか?」
由利子(ユリコ)はお母さんの名前です。
そういえば、お母さんは私がこの家に来てからずっと家に居たことを今更ながらに気付いた。
「私、仕事辞めたんです」
お母さんが何ともないように言った。
「由利子さんは、看護師の仕事すごく好きだったじゃないですか!後悔してないんですか?」
「後悔してません。私、今なっちゃんの側に居られることが幸せなんです。今まで親らしいことしてあげられてなかったから余計に今してあげることが嬉しいんです」
お母さんは、きっぱりと言いきって、香織叔母さんは、少し残念そうだ。
「そうですか。それならいいんです。もし、なっちゃんがうちの子どもになってくれたらと思ったのですが、由利子さんがそこまでの気持ちなら私も諦めます」
香織叔母さんは納得したようだったけど、私は、お母さんの仕事を奪ってしまったような気がしてモヤモヤしてしまった。
私、昔みたく家事を手伝ってお母さんの役にたつつもりだったのに、逆に迷惑をかけてしまったんじゃないの?
それは足元がガラガラっと崩れていくようでー、不安にかられて私は、声もなく涙がポロポロと零れ落ちた。
「な、なっちゃん?どうしたの?」
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