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森の中

うさぎさん

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「きゅーっ??」

不思議になってその声がする方に行くと、ウサギさんがいた。二匹。

一匹は足に怪我を追っていて、動けないらしく、一匹はその子を守るように僕のことを威嚇している。

「ノウル、あれ、なおせない?」

『あれっていうのがケガのことなら治せる』

「ならよかった。なおしてあげて」

『いいが・・・』

ノウルは怪我している一匹によっていって、草魔法を使った。

僕のときと同じように、花から液が垂れると、ぎゅぎゅっと皮膚が作られていく。

見るのは二回目だけど、やっぱりなれない。

怪我が治ったのを確認するように二匹はぴょんぴょんと跳ね回ると、ノウルの背中に乗った。

『は?ふざけるな。早く降りろ。・・・・嫌に決まってる。・・・・・・・・・・・・もうちょっと詳しく教えろ。・・・・・・・・』

きゅーっ、きゅーっと、ウサギさんが鳴くのに合わせて、ノウルも独り言をつぶやいている。

「なにしてるの?」

『ウサギさんと話してるんだよ。ちづきには聞こえないんだった・・・俺が翻訳してあげるよ!』

と、ルフラが翻訳してくれた。

『僕たちの家に帰りたいの。送ってって』

『嫌に決まってる』

『私達フフランの双子なの。お母さんの元に帰らないと怒られちゃう・・・』

『もうちょっと詳しく教えろ』

『私達、遊んでたら、行っちゃいけないところまで行っちゃてて・・・人間の罠にハマって、びっくりして逃げて、気づいたらここにいたの』

『レプスのフフランか・・・放っておいたら、あいつに次あったとき殺されるな・・・はぁ、仕方ない連れ行ってやる。しかし、人間の姿が見えたら貴様らだけで行け。わかったな?』

『『ありがとう!!』』

うさぎの双子の声が全部ルフラだったのは少し違和感があったけど、双子がこの森に迷い込んだことだけはわかった。

「レプスのフフランって?」

『レプスという神獣です。フフランは名前ですね。強いものと契約ができたと前に喜んでいましたから』

「しんじゅうと、しりあい、なんて、すごいね!」

《その神獣を二匹、幻獣を二匹も従えているあなたはもっと凄いのですよ・・・》

ラグワがなんだか複雑そうな顔でこっちを見てきた。どうしたんだろう?

『明日は少し行き先を変更するぞ。ケンソーク領地へ行く。こいつらの母親の主人が今そこにいるらしい』

ノウルはめんどくさいという顔で、嬉しそうに飛び跳ねている双子を見た。

もう夕日が差して夜が近づいているから、今日はもう寝ることにした。

双子はノウルになついたらしく、ノウルの上で飛び跳ねている。

うわあ、痛そうだな・・・と引いてしまうくらいに高く飛び上がっている。その下にいるノウルは本当に嫌だという顔をしていた。

僕、あんな顔見たことない。僕は今日はレドラの羽の中で寝ることにした。
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