不運募金

clemena

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幸運を求めて

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翌日僕はまたあの男に会っていた。

「昨日はありがとうございました!おかげでプロポーズの準備も進んでいます。」

「それは良かったです。」

「ちなみに不運募金はどれだけでも募金できるんですか?」

「はい。もちろんです。今まで体験した不運であれば募金が可能です。上限はございません。」

こうして僕は僕はこれまであった不運なストーリーを思いつく限り話尽くした。

話に夢中になったのもあってか、数時間は話していたみたいだ。

「はぁー!なんかスッキリしました!それではよろしくお願いします!」

「かしこまりました。」

これで僕は募金をした分だけの幸運がやってくる。



そうして僕は大事なプロポーズの日を迎えることができた。
レストランでの食事も終わる頃、ついにプロポーズの時が。


僕が指輪を取り出して彼女にプロポーズをするとここからサプライズがスタートする。



そんな時だった。




バタッッ





彼女が苦しそうに倒れた。





その後病院へと運ばれ、命は取り留めたkものの、アレルギーが原因であることが判明した。


僕は彼女のアレルギーを把握していた。

彼女の両親からも聞かされていた。

だが、レストランから空きができたという電話をもらって、舞い上がり、アレルギーがあることを伝え忘れていたのだ。
彼女の両親は、アレルギーがあることを知っているにも関わらず、殺すつもりだったのかと、怒り狂い、金輪際、関わらないことを約束してくれと言われ、僕はその場を去った。


人生の大一番こんなことがあるのか。。。



不運募金もして幸運になってるはずなのに!!


その後の僕は、どこか調子が悪かった。

無くしたスマホ見つかったのは良かったが、警察署に取りに行けば、
犯罪で使われた可能性があると事情聴取され、
友達の忘れ物がクローゼットから見つかり、それを返しに持っていけば、
受け取った彼女が中身を見て中身が浮気の証拠になったらしくそのまま破局。

その友達には理不尽に怒鳴りつけられた。

何かがおかしい。

「どうなってるんですか!!!」

「どうなってるんですかというと?」

「不運募金したのに、またさらに不運、、いや、前よりもひどくなっている気がする!!」

「それは僕のせいではありません。」

「じゃあどうしてこういうことが起きるんだ!!!」

「あなたのいう不運自体は解決したのではないのですか?レストランを予約でき、スマホも見つかり、忘れ物も見つけた。」

「確かにそうだけど、、」

「不幸は幸せの準備ということを知っていますか?
この世は不幸の分だけ幸せをもらえるようになっています。
そして、今不幸と感じていることでも、幸せへ導くために必要なことかもしれないということです。
今目の前の不幸を取り除けば、すぐに悩みは無くなります。
ですがその先の幸せまでは保証できないのです。それでは失礼します。
ご利用ありがとうございました。」







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