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10 花火大会
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花火大会の日。
アオとヒカリコは二人。家の庭でスイカを食べながら花火を見るそうです。
私は一人、花火大会の会場に行きました。
屋台がたくさんあります。
べっこう飴屋さんなどヒカリコちゃんがとても喜びそうです。
一つお土産に買いました。
成くんと合流すると、なんと浴衣を着ていました。
「制服なんだ……」
「制服じゃないんだ……」
私がおかしいのだと周りの恰好を見て察しました。
リサーチを怠ったのがいけませんでした。
二人で花火がよく見えそうな土手に行くと、明らかに他と違う動きをする集団がおりました。二組も。
「あ、あれ……」
「なにしてんだ?」
周りがざわつく声を受けながら二組ともベントラーベントラーと叫んでいます。
「神のメッセンジャーよぉぉ!!!」
「「「うぉおおおおお!!!!」」」
こちら宇宙倶楽部のみなさんのようです。
「宇宙人! うっちゅうっじん! 私たちと友達になりましょう!!」
「部長! 落ち着いて!」
「そうです、人が見てます!」
「ベント? なんだっけ? なむ……?」
「なむあみだぶつ!!」
こちらオカルト同好会です。
どうやらあれは宇宙船を呼び出す儀式のようです。連れてってほしいならいくらでも片道切符を差し上げるのですが。
「ば、場所、変える?」
「……ん」
塩原部長がいつもより回転率が上がっていたような気がいたします。
花火とても綺麗です。
それに宇宙教と部長がいない土手は静かでとても夏っぽい感じがしました。浴衣を着てくればよかったかな。
夏は体験したことがなかったので新鮮です。
「なぁ、空野」
成くんが私にいいました。
「空野、好きかも」
夏は人を好きになる季節なんでしょうか?
「かも、なら止めた方が良いですよ。傷は浅い方が良いのです」
「ん」
「死んでしまいたくなっても構わないなら」
「ん」
「それでも良いなら、一緒にいましょう」
「……うん」
もしかしたら私はずるいのでしょう。
とてもずるいのです。
アオとヒカリコは二人。家の庭でスイカを食べながら花火を見るそうです。
私は一人、花火大会の会場に行きました。
屋台がたくさんあります。
べっこう飴屋さんなどヒカリコちゃんがとても喜びそうです。
一つお土産に買いました。
成くんと合流すると、なんと浴衣を着ていました。
「制服なんだ……」
「制服じゃないんだ……」
私がおかしいのだと周りの恰好を見て察しました。
リサーチを怠ったのがいけませんでした。
二人で花火がよく見えそうな土手に行くと、明らかに他と違う動きをする集団がおりました。二組も。
「あ、あれ……」
「なにしてんだ?」
周りがざわつく声を受けながら二組ともベントラーベントラーと叫んでいます。
「神のメッセンジャーよぉぉ!!!」
「「「うぉおおおおお!!!!」」」
こちら宇宙倶楽部のみなさんのようです。
「宇宙人! うっちゅうっじん! 私たちと友達になりましょう!!」
「部長! 落ち着いて!」
「そうです、人が見てます!」
「ベント? なんだっけ? なむ……?」
「なむあみだぶつ!!」
こちらオカルト同好会です。
どうやらあれは宇宙船を呼び出す儀式のようです。連れてってほしいならいくらでも片道切符を差し上げるのですが。
「ば、場所、変える?」
「……ん」
塩原部長がいつもより回転率が上がっていたような気がいたします。
花火とても綺麗です。
それに宇宙教と部長がいない土手は静かでとても夏っぽい感じがしました。浴衣を着てくればよかったかな。
夏は体験したことがなかったので新鮮です。
「なぁ、空野」
成くんが私にいいました。
「空野、好きかも」
夏は人を好きになる季節なんでしょうか?
「かも、なら止めた方が良いですよ。傷は浅い方が良いのです」
「ん」
「死んでしまいたくなっても構わないなら」
「ん」
「それでも良いなら、一緒にいましょう」
「……うん」
もしかしたら私はずるいのでしょう。
とてもずるいのです。
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