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招かざる者
【23】恋人(2)
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「似合いすぎ」
倭穏はうつむき、どこかソワソワしている。
「そんなに似合うと思わなかったんだもん。本当に、ここの人なんだって……思っちゃったんだもん。瑠既を、こんなに遠い存在の人に感じるなんて、思わなかった」
怒っているような、それでいて照れた様子で涙声になる倭穏。瑠既は思わず手を伸ばし、うしろから抱き締める。
「バカだなぁ。なぁに言ってんの。俺は俺じゃん」
「ねぇ。瑠既」
「あん?」
「私のこと、本当に好きなの?」
瑠既は綺にいるときと変わらぬ態度でいたつもりだが、倭穏は見えない壁を感じていたのかもしれない。
それはそうだ。倭穏はただでさえ、貴族や城といったものと無関係の世界にいた。雑多で、いつも賑やかで、繁華街の中心にいた。鴻嫗城に突然来て、別世界に迷いこんだような錯覚、戸惑いを感じても仕方ない。
いつになく元気がない声に聞こえた瑠既は、何も気づいていないかのように明るく返事をしてみせる。
「なぁ~に言ってんだよ」
「ハッキリ言ってよ!」
怒りが爆破した。倭穏は、不真面目な口調が気に入らなかったようだ。瑠既はそれをまるっと受け止め、口調を改めて言う。
「ったく、愚問だな。愛してるよ」
「本当?」
ふと振り向いた倭穏は、涙ぐんでいる。
瑠既は驚く。ここまで追い詰めているとは思いもしなかった。
目を丸くした瑠既を見て、倭穏は目を背ける。その様子に、瑠既は笑う。めったに見せないそぶりが愛らしく、そっと耳元に唇を近づける。
「ああ、何なら今ここで、いつも通り抱いてやろうか?」
次の瞬間、倭穏を押し倒す。
ただ、それに勢いはつかず。瑠既は両肘をついたまま、倭穏の頬と髪をなでまわし、ジッと見つめる。
ふたりの視線は合ったまま──倭穏はいてもたってもいられなくなった。スッとすり抜けて上半身を起こすと、
「バカ! い~、い~わよ。もう……聞いた私が悪かったわっ」
照れながら怒る。その様子には安堵が感じられ、
「はい、わかればそれでいい」
と、瑠既は倭穏を強く包み込んだ。
梛懦乙大陸に到着する前の晩、倭穏は気丈にも、
「なんて言うのが正しいのか、話して」
と、瑠既の問いに言った。瑠既の身分をわかっても、倭穏は一緒に鴻嫗城へと来ていたのだ。
昨夜、船のバルコニーでのこと。
船は進んでいた。夜は明け、よく晴れた空が広がっている。大陸の中でも温暖な楓珠大陸にいたせいか、朝の空気はより冷たいものに感じられた。梛懦乙大陸に近づいている証拠だ。
瑠既は弟と会えるのも恐らく今回が最後だと思い、たくさん話したいと思っていた。
──しかし、今更何を。
そう思いを巡らせていたときだった。
「瑠既」
静かな空気を背後からの声が揺らした。倭穏だ。
「目が覚めたら、また姿がなかったんだもん。もしかしてと思って、バルコニ─に来てよかった」
風で揺られる髪を抑え、倭穏は瑠既のとなりまで来る。
「他の大陸は寒いとは聞いていたけど、本当ね。私たちがいた楓珠大陸より、空気が冷たい。……体が冷える前に中に入ろう? そろそろ着くんでしょ」
倭穏の声は、ただ瑠既の耳を通過した。気づけば、祖母から聞いた話を話していた。
「お前は、これから着く絢朱から鴻嫗城にかかる海の一部を、正式には何と呼ぶか……知っているか?」
遠くの波を見たまま、瑠既は倭穏に問いかける。
「え?」
瑠既はぼんやりしているようなのに、その表情はどこかさみしそうに見えて、倭穏は言葉を詰まらせる。
「絢朱にいる人たちでさえも、半数くらいしか知らないような話だ。楓珠大陸で生まれたお前は知らなくて当然か」
終わってしまいそうな口ぶりに、倭穏は咄嗟に口を開いた。
「なんて言うのが正しいのか、話して」
閉じかけた瑠既の口は、促されるように動き始める。
「海胡というんだ。これは鴻嫗城の者が婚式の前夜のみに開かれる、聖なる泉の『懐迂』に由来している。その儀式は、清い体のままのふたりが暗い泉の中で婚約者を捜すらしい。同時刻に離れた場所から視界も聴覚もなく、さまよって探し当てるんだ。心底愛し合う者同士なら、朝を迎えるまでに出逢える。そして、それが誓いの証拠。ふたりが愛を誓えたなら、泉は海胡と共鳴をして祝福し、美しく光り輝いて絢朱の街にも喜びを伝えるのさ。……もっとも、この数百年間は輝いてないらしいから、忘れられちまっても仕方のないことけどな」
冷たい風の吹く中、倭穏は言葉を失った。瑠既の声までもが悲しそうに聞こえた理由がわかってしまった気がして。この船に乗ってから、彼が見せる悲しげな表情の意味までわかってしまった気がして。
今まで意識したことがなかった。それに、今更気づいた。瑠既は髪も瞳も、高貴な血を継ぐ者しか持ちえないクロッカスの色だ。
──どうして、そんなことに、今まで気づかなかったのか。いや、見ないふりをしていて、一緒にいるうちに見慣れてしまって、忘れてしまっていただけだったのかもしれない。
確かに瑠既が叔に抱きかかえられて、初めて綺に来たとき──その髪は、長髪だった。
綺に来て数日が経ったころ、瑠既は泣きながら長い髪を切っていた。倭穏は偶然目にしてしまい、その場から逃げた。当時はふしぎに思っていたが、数年後にはわかった気になっていた。
倭穏が十五歳のとき、初めて瑠既と結ばれた。恋人になって結ばれたわけじゃない。あれは、慰めだった。そのとき、瑠既は倭穏以上に震えて、崩れ落ちていきそうな心に耐えながら、綺に来る前のことを、誰にも言えないことを教えてくれた。
「少女の人形のように扱われていた」
倭穏の体験よりも幼いときに、尚且つ、同性からの体験はどんなに辛かっただろう。──髪を切ったときに泣いていた理由は、ずっとその思い出が刻まれていたからだと倭穏は勘違いしていた。
長髪を短く切る──その行動は貴族にとって、生家との決別を意味する。瑠既がいくら少女のような扱いを受けても、髪を切らずに耐えたのは、そういう理由だ。切ったときの思いは倭穏にはわからない。だが、泣いていた理由は、その行動の意味を噛み締めていたからで。
瑠既は、負の感情は滅多に見せない。瑠既と恋人になってからも、倭穏は気を惹きたくて浮気をしても、怒りもしない。しんみりする話も、パッと明るくしてみせる。人見知りの激しかった彼が、いつの間にかそんな人になって──だから、忘れてしまっていた。
「さて、悪かったな。冷えただろ、入るか」
無口になった倭穏を見、瑠既は肩に触れる。倭穏はコクンとうなづくだけで、瑠既は更に言葉を続ける。
「あ~あ。だ~から待ってりゃあよかったのに」
「私、船降りたらすぐ帰ってもいいよ」
「あのな」
「だって、連れてきたくなかったんでしょ」
「余計な心配をするからな、お前は」
互いに言葉を被せる様な勢いで話していたが、倭穏が何も言えなくなったと感じた瑠既は肩を抱き寄せ、頭をなでる。
「はい。俺にとったら懐かしい風でも、お前にとったら単に冷たい風だ。ほら、行くぞ」
倭穏をパッと離し歩き出す瑠既。その手を倭穏は引っ張り、強く握った。
それだけで、彼女の不安が瑠既に痛いほど伝わった。
絢朱に着く前からふたりは船の出入り口にいた。降りてから、倭穏は船をふり返った。戻った方が迷惑にならないのではないかと思って。
それに気づいた瑠既は倭穏の手を引いた。
「折角来たんだから、俺の生まれた家……観光だと思って見ていけばいいじゃん」
この言葉を聞いて、倭穏はようやく瑠既が生家を知られたくなかったんだと気づいた。気づかれたからこそ、来いと言っている。
「そうね……一生の思い出になりそうだから、思いっきり楽しむとするわ!」
倭穏の返事に、瑠既はうれしそうに笑った。
絢朱から木々を避けて道を進めば、すぐに半球体や円錐の臙脂色の屋根が見えてきた。外観はアーチを描いている部分が多く、独特な形状が懐かしい。緋倉も絢朱も、鴻嫗城の大きさに敵わない。
呆然と見上げながら歩く倭穏の手を引き、鴻嫗城には正門から入った。
「瑠既が帰ったと言えば、大臣は飛んでくる」
そう門番に伝えたら、本当に大臣は飛んできた。そして、
「俺の恋人」
と、倭穏を紹介したのだった。
倭穏はうつむき、どこかソワソワしている。
「そんなに似合うと思わなかったんだもん。本当に、ここの人なんだって……思っちゃったんだもん。瑠既を、こんなに遠い存在の人に感じるなんて、思わなかった」
怒っているような、それでいて照れた様子で涙声になる倭穏。瑠既は思わず手を伸ばし、うしろから抱き締める。
「バカだなぁ。なぁに言ってんの。俺は俺じゃん」
「ねぇ。瑠既」
「あん?」
「私のこと、本当に好きなの?」
瑠既は綺にいるときと変わらぬ態度でいたつもりだが、倭穏は見えない壁を感じていたのかもしれない。
それはそうだ。倭穏はただでさえ、貴族や城といったものと無関係の世界にいた。雑多で、いつも賑やかで、繁華街の中心にいた。鴻嫗城に突然来て、別世界に迷いこんだような錯覚、戸惑いを感じても仕方ない。
いつになく元気がない声に聞こえた瑠既は、何も気づいていないかのように明るく返事をしてみせる。
「なぁ~に言ってんだよ」
「ハッキリ言ってよ!」
怒りが爆破した。倭穏は、不真面目な口調が気に入らなかったようだ。瑠既はそれをまるっと受け止め、口調を改めて言う。
「ったく、愚問だな。愛してるよ」
「本当?」
ふと振り向いた倭穏は、涙ぐんでいる。
瑠既は驚く。ここまで追い詰めているとは思いもしなかった。
目を丸くした瑠既を見て、倭穏は目を背ける。その様子に、瑠既は笑う。めったに見せないそぶりが愛らしく、そっと耳元に唇を近づける。
「ああ、何なら今ここで、いつも通り抱いてやろうか?」
次の瞬間、倭穏を押し倒す。
ただ、それに勢いはつかず。瑠既は両肘をついたまま、倭穏の頬と髪をなでまわし、ジッと見つめる。
ふたりの視線は合ったまま──倭穏はいてもたってもいられなくなった。スッとすり抜けて上半身を起こすと、
「バカ! い~、い~わよ。もう……聞いた私が悪かったわっ」
照れながら怒る。その様子には安堵が感じられ、
「はい、わかればそれでいい」
と、瑠既は倭穏を強く包み込んだ。
梛懦乙大陸に到着する前の晩、倭穏は気丈にも、
「なんて言うのが正しいのか、話して」
と、瑠既の問いに言った。瑠既の身分をわかっても、倭穏は一緒に鴻嫗城へと来ていたのだ。
昨夜、船のバルコニーでのこと。
船は進んでいた。夜は明け、よく晴れた空が広がっている。大陸の中でも温暖な楓珠大陸にいたせいか、朝の空気はより冷たいものに感じられた。梛懦乙大陸に近づいている証拠だ。
瑠既は弟と会えるのも恐らく今回が最後だと思い、たくさん話したいと思っていた。
──しかし、今更何を。
そう思いを巡らせていたときだった。
「瑠既」
静かな空気を背後からの声が揺らした。倭穏だ。
「目が覚めたら、また姿がなかったんだもん。もしかしてと思って、バルコニ─に来てよかった」
風で揺られる髪を抑え、倭穏は瑠既のとなりまで来る。
「他の大陸は寒いとは聞いていたけど、本当ね。私たちがいた楓珠大陸より、空気が冷たい。……体が冷える前に中に入ろう? そろそろ着くんでしょ」
倭穏の声は、ただ瑠既の耳を通過した。気づけば、祖母から聞いた話を話していた。
「お前は、これから着く絢朱から鴻嫗城にかかる海の一部を、正式には何と呼ぶか……知っているか?」
遠くの波を見たまま、瑠既は倭穏に問いかける。
「え?」
瑠既はぼんやりしているようなのに、その表情はどこかさみしそうに見えて、倭穏は言葉を詰まらせる。
「絢朱にいる人たちでさえも、半数くらいしか知らないような話だ。楓珠大陸で生まれたお前は知らなくて当然か」
終わってしまいそうな口ぶりに、倭穏は咄嗟に口を開いた。
「なんて言うのが正しいのか、話して」
閉じかけた瑠既の口は、促されるように動き始める。
「海胡というんだ。これは鴻嫗城の者が婚式の前夜のみに開かれる、聖なる泉の『懐迂』に由来している。その儀式は、清い体のままのふたりが暗い泉の中で婚約者を捜すらしい。同時刻に離れた場所から視界も聴覚もなく、さまよって探し当てるんだ。心底愛し合う者同士なら、朝を迎えるまでに出逢える。そして、それが誓いの証拠。ふたりが愛を誓えたなら、泉は海胡と共鳴をして祝福し、美しく光り輝いて絢朱の街にも喜びを伝えるのさ。……もっとも、この数百年間は輝いてないらしいから、忘れられちまっても仕方のないことけどな」
冷たい風の吹く中、倭穏は言葉を失った。瑠既の声までもが悲しそうに聞こえた理由がわかってしまった気がして。この船に乗ってから、彼が見せる悲しげな表情の意味までわかってしまった気がして。
今まで意識したことがなかった。それに、今更気づいた。瑠既は髪も瞳も、高貴な血を継ぐ者しか持ちえないクロッカスの色だ。
──どうして、そんなことに、今まで気づかなかったのか。いや、見ないふりをしていて、一緒にいるうちに見慣れてしまって、忘れてしまっていただけだったのかもしれない。
確かに瑠既が叔に抱きかかえられて、初めて綺に来たとき──その髪は、長髪だった。
綺に来て数日が経ったころ、瑠既は泣きながら長い髪を切っていた。倭穏は偶然目にしてしまい、その場から逃げた。当時はふしぎに思っていたが、数年後にはわかった気になっていた。
倭穏が十五歳のとき、初めて瑠既と結ばれた。恋人になって結ばれたわけじゃない。あれは、慰めだった。そのとき、瑠既は倭穏以上に震えて、崩れ落ちていきそうな心に耐えながら、綺に来る前のことを、誰にも言えないことを教えてくれた。
「少女の人形のように扱われていた」
倭穏の体験よりも幼いときに、尚且つ、同性からの体験はどんなに辛かっただろう。──髪を切ったときに泣いていた理由は、ずっとその思い出が刻まれていたからだと倭穏は勘違いしていた。
長髪を短く切る──その行動は貴族にとって、生家との決別を意味する。瑠既がいくら少女のような扱いを受けても、髪を切らずに耐えたのは、そういう理由だ。切ったときの思いは倭穏にはわからない。だが、泣いていた理由は、その行動の意味を噛み締めていたからで。
瑠既は、負の感情は滅多に見せない。瑠既と恋人になってからも、倭穏は気を惹きたくて浮気をしても、怒りもしない。しんみりする話も、パッと明るくしてみせる。人見知りの激しかった彼が、いつの間にかそんな人になって──だから、忘れてしまっていた。
「さて、悪かったな。冷えただろ、入るか」
無口になった倭穏を見、瑠既は肩に触れる。倭穏はコクンとうなづくだけで、瑠既は更に言葉を続ける。
「あ~あ。だ~から待ってりゃあよかったのに」
「私、船降りたらすぐ帰ってもいいよ」
「あのな」
「だって、連れてきたくなかったんでしょ」
「余計な心配をするからな、お前は」
互いに言葉を被せる様な勢いで話していたが、倭穏が何も言えなくなったと感じた瑠既は肩を抱き寄せ、頭をなでる。
「はい。俺にとったら懐かしい風でも、お前にとったら単に冷たい風だ。ほら、行くぞ」
倭穏をパッと離し歩き出す瑠既。その手を倭穏は引っ張り、強く握った。
それだけで、彼女の不安が瑠既に痛いほど伝わった。
絢朱に着く前からふたりは船の出入り口にいた。降りてから、倭穏は船をふり返った。戻った方が迷惑にならないのではないかと思って。
それに気づいた瑠既は倭穏の手を引いた。
「折角来たんだから、俺の生まれた家……観光だと思って見ていけばいいじゃん」
この言葉を聞いて、倭穏はようやく瑠既が生家を知られたくなかったんだと気づいた。気づかれたからこそ、来いと言っている。
「そうね……一生の思い出になりそうだから、思いっきり楽しむとするわ!」
倭穏の返事に、瑠既はうれしそうに笑った。
絢朱から木々を避けて道を進めば、すぐに半球体や円錐の臙脂色の屋根が見えてきた。外観はアーチを描いている部分が多く、独特な形状が懐かしい。緋倉も絢朱も、鴻嫗城の大きさに敵わない。
呆然と見上げながら歩く倭穏の手を引き、鴻嫗城には正門から入った。
「瑠既が帰ったと言えば、大臣は飛んでくる」
そう門番に伝えたら、本当に大臣は飛んできた。そして、
「俺の恋人」
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