189 / 376
再認と期待
【13】再認
しおりを挟む
同じく克主研究所内。忒畝はひとつの部屋の前に来ていた。気持ちは進まないが、おもむろに右手を上げる。
コンコンコン
返答はない。忒畝は再びノックをする。
コンコンコン
変わらず、無音のままだ。ため息が出る。だが、忒畝はわずかに扉を開け、声をかけた。
「聖水、いないの?」
返答が聞こえるようにと多少の間を開けるが、何も聞こえてこない。忒畝はこのまま扉を閉めて、来なかったことにしようかと──そんな考えが頭を一瞬過ったが、迷いを消すようにドアを開ける。
すると、ドアノブをつかんでいる右腕を握られた。ドキリとしてつかんだ主を見ると、聖水だった。
「いるなら返事してよ」
忒畝は苦笑いだ。相変わらず返事はないが、忒畝はそれを責めない。聖水はきょとんとしている。そう、そもそも返事をする習慣が聖水にはないのだ。
左手で忒畝が扉を閉めると、右腕に聖水がスルスルと絡んできた。忒畝はため息を堪え、冷静にソファーへ座るようにと促す。
聖水は大人しく従う。──そう、言葉は理解できる。行動できる。ただ、習慣にない返事をするのが聖水には難しいだけだ。
得意なことと不得意なことを判断し、接していかなくては聖水を再教育できないと忒畝は認識して接している。
「少しは部屋から出てる?」
忒畝は聖水に与えた宿題を見つけ、目を通しながら言う。──が、返答はない。頭でわかっていることを、忒畝も一回一回こうして認識する。
宿題を持ったまま、聖水の前に忒畝は座る。
「君が皆を知らないように、皆も君を知らないんだから。何も怖がらなくて平気だよ? それに克主研究所の配置も、皆の名前も少しずつ覚えていけばいい。ただ、それには部屋から出ていかないと。ね?」
忒畝の口調は子どもに言い聞かせているようなもの。一方の聖水は話を聞いていないのか、ぼんやりしたままだ。
聖水は立ち上がり、忒畝のとなりに座り直す。更には、片足を忒畝の膝に乗せ、顔を近づける。
「忒畝」
「聖水、近い」
忒畝は顔を背ける。
「だって」
聖水はしょんぼりと下を向き、今にも泣きそうになる。
忒畝は少しでも身を離そうと、聖水と反対側を向く。しかし、ソファーは二人掛け。隙間は余分にない。忒畝は別の策を選ぶことにする。
「はいはい、わかったから」
向き直り、聖水を妹のように抱き寄せて頭をなでる。
忒畝の仕草を勘違いしたのか、聖水は歓喜し、ひっつく。
聖水をなでながら、忒畝はふうと息をもらす。正直、聖水が苦手だ。何度、聖水に苦手意識を向けないようにと試みたところで、無理なのは承知の上。忒畝が前世の記憶を甦らせた夜のことは、どうやっても割り切れないでいる。
けれど、割り切っているように振舞うしかないわけだ。親族だと認めたのだから。
「あのさ……聖水の気持ちはもう充分知っているよ。でもね、本当に僕を想っているというのなら、僕をあまり刺激しないで」
「どうして?」
ひっついていた聖水がグンと両腕を伸ばす。そうして忒畝を食い入るように見るが、聖水の瞳はまるで捨て猫のよう。見られている忒畝には、もどかしい。
「あのね、僕にとって男の欲望は体内の毒素を増殖させて苦痛を伴う。自殺行為と同じなの」
「忒畝はやく死んじゃうの?」
「そうだね。寿命を縮めることになるね」
「そっか。それは嫌だなぁ……どうすればいい?」
忒畝は力なく笑う。聖水に通じるように言ったつもりなのに、肝心な部分がまったく伝わっていないようで。
「まず、今みたいに体を密着させないでくれること、かな」
「悲しい」
「離れてくれる?」
柳葉色の瞳をきちんと見て忒畝は聞いたが、当の本人は呆然としてる。
「ねぇ、聖水」
聞いているかと忒畝が言おうとしたときだ。聖水がグラリと揺れた。咄嗟に忒畝は聖水を支える。
意識を失ったように見えたが──聖水は眠っていた。人のことなどお構いなしに、気持ちよさそうに眠る聖水を見て、忒畝は三度ため息をつく。
聖水は、心も体もまだまだ不安定なのだろう。疲れがたまりやすく、意識が飛ぶように眠ってしまうのかもしれない。子どもそのものだ。
忒畝は聖水を抱え、ベッドに寝かせる。無防備に眠る姿を見て、思い出したくないことを鮮明に思い出しまう。
『最後に、体が徐々に壊死していく感じと似ていたんだろう?』
竜称が言った言葉に、前世の死の淵に立ったときの苦しみ、痛みが蘇る。愛おしく想った人を思い出す。
憧れる血の色を思わせる、蘇芳色の髪の毛を持つ人。
じんわりと体内に広がっていく痛み。忒畝は動悸を覚え、何とか堪えようと胸に手を当ててしゃがみ込む。
だが、痛みは引かず、徐々に強くなっていく。込み上げてくる吐き気を感じ、忒畝は洗面台へと急ぐ。
「うっ……ぁっ、はっ」
白い洗面台に濃い青色の液体が広がる。
忒畝はその場に崩れるように座り、悔いるように呟く。
「僕は……望まないのに……」
体が熱くなるのを感じつつ、体内を貫く激痛に耐える。思い出した屈辱も、あふれそうになる涙もこらえながら。
ふと、過去生で想っていた人と重ねた人が思い浮かぶ。過去生が最期に思い浮かべた人と重なるのは、想いの深さも酷似していて。
さびしさでいっぱいになる。愛おしさでいっぱいになる。狂おしくなる。もどかしい。愚かしい。そうしてまた、無性にさびしくなる。
『生まれ変わっても……いつまでも、貴男のそばにおります』
過去生の最期、苦しみに耐え妻を求めたときに降り注いだ癒しの声。似た苦しみに思い起こした言葉は、心をも苦しめる。
もどかしい感情に、屈してしまいそうになる。
無意識に求めた人だと自覚したのは、数週間前。
自覚してから目にしたのは、先日。
その人は別の男のためにウエディングドレスを着て、輝かしく微笑んでいた。
体が引き裂かれるほどに切なく、黎馨と交わした約束は忘れようと決意した。過去生でのことは、過去生で終わっている。忒畝はそう自らに言い聞かせ、美しく残酷な姿を脳裏に焼きつけてきたばかりだ。
──もう、会うこともない。そもそも、彼女と接点がない。考えれば会話らしい会話を交わしたこともない。
『どうか、『私』を見つけてください。そして、見つけたら……決して『私』を離さないでください』
──本当に、どうかしている。
美しい姫君だと噂にしても、気にしていなかった。話題のひとつだっただけで、初めて会ったとき残った何かがこんなに大きなものに変わるとは思ってもみなかった。
二回目に会ったときには泣いていて、泣き顔に珍しく動揺しただけだと思っていた。『私』を無意識に感じて、見つけていたとは思いもしなかった。
忒畝は深く息を吐き、大きく吸い込む。
──会うことがあるとしても、遠い先の話だろう。時間が経てば、この気持ちも……きっと、忘れられる。
会ったのは、二回だけ。それから数ヶ月経って、忒畝が一方的に見ただけにすぎない。そう、だからこそ忒畝はどうかしていると自身を否定する。決して『私』を離したくないと、心が引きちぎられた感覚を。
ゆっくりと忒畝は体を起こす。全身の痛みが和らいだのか、静かに聖水の部屋を出た。
コンコンコン
返答はない。忒畝は再びノックをする。
コンコンコン
変わらず、無音のままだ。ため息が出る。だが、忒畝はわずかに扉を開け、声をかけた。
「聖水、いないの?」
返答が聞こえるようにと多少の間を開けるが、何も聞こえてこない。忒畝はこのまま扉を閉めて、来なかったことにしようかと──そんな考えが頭を一瞬過ったが、迷いを消すようにドアを開ける。
すると、ドアノブをつかんでいる右腕を握られた。ドキリとしてつかんだ主を見ると、聖水だった。
「いるなら返事してよ」
忒畝は苦笑いだ。相変わらず返事はないが、忒畝はそれを責めない。聖水はきょとんとしている。そう、そもそも返事をする習慣が聖水にはないのだ。
左手で忒畝が扉を閉めると、右腕に聖水がスルスルと絡んできた。忒畝はため息を堪え、冷静にソファーへ座るようにと促す。
聖水は大人しく従う。──そう、言葉は理解できる。行動できる。ただ、習慣にない返事をするのが聖水には難しいだけだ。
得意なことと不得意なことを判断し、接していかなくては聖水を再教育できないと忒畝は認識して接している。
「少しは部屋から出てる?」
忒畝は聖水に与えた宿題を見つけ、目を通しながら言う。──が、返答はない。頭でわかっていることを、忒畝も一回一回こうして認識する。
宿題を持ったまま、聖水の前に忒畝は座る。
「君が皆を知らないように、皆も君を知らないんだから。何も怖がらなくて平気だよ? それに克主研究所の配置も、皆の名前も少しずつ覚えていけばいい。ただ、それには部屋から出ていかないと。ね?」
忒畝の口調は子どもに言い聞かせているようなもの。一方の聖水は話を聞いていないのか、ぼんやりしたままだ。
聖水は立ち上がり、忒畝のとなりに座り直す。更には、片足を忒畝の膝に乗せ、顔を近づける。
「忒畝」
「聖水、近い」
忒畝は顔を背ける。
「だって」
聖水はしょんぼりと下を向き、今にも泣きそうになる。
忒畝は少しでも身を離そうと、聖水と反対側を向く。しかし、ソファーは二人掛け。隙間は余分にない。忒畝は別の策を選ぶことにする。
「はいはい、わかったから」
向き直り、聖水を妹のように抱き寄せて頭をなでる。
忒畝の仕草を勘違いしたのか、聖水は歓喜し、ひっつく。
聖水をなでながら、忒畝はふうと息をもらす。正直、聖水が苦手だ。何度、聖水に苦手意識を向けないようにと試みたところで、無理なのは承知の上。忒畝が前世の記憶を甦らせた夜のことは、どうやっても割り切れないでいる。
けれど、割り切っているように振舞うしかないわけだ。親族だと認めたのだから。
「あのさ……聖水の気持ちはもう充分知っているよ。でもね、本当に僕を想っているというのなら、僕をあまり刺激しないで」
「どうして?」
ひっついていた聖水がグンと両腕を伸ばす。そうして忒畝を食い入るように見るが、聖水の瞳はまるで捨て猫のよう。見られている忒畝には、もどかしい。
「あのね、僕にとって男の欲望は体内の毒素を増殖させて苦痛を伴う。自殺行為と同じなの」
「忒畝はやく死んじゃうの?」
「そうだね。寿命を縮めることになるね」
「そっか。それは嫌だなぁ……どうすればいい?」
忒畝は力なく笑う。聖水に通じるように言ったつもりなのに、肝心な部分がまったく伝わっていないようで。
「まず、今みたいに体を密着させないでくれること、かな」
「悲しい」
「離れてくれる?」
柳葉色の瞳をきちんと見て忒畝は聞いたが、当の本人は呆然としてる。
「ねぇ、聖水」
聞いているかと忒畝が言おうとしたときだ。聖水がグラリと揺れた。咄嗟に忒畝は聖水を支える。
意識を失ったように見えたが──聖水は眠っていた。人のことなどお構いなしに、気持ちよさそうに眠る聖水を見て、忒畝は三度ため息をつく。
聖水は、心も体もまだまだ不安定なのだろう。疲れがたまりやすく、意識が飛ぶように眠ってしまうのかもしれない。子どもそのものだ。
忒畝は聖水を抱え、ベッドに寝かせる。無防備に眠る姿を見て、思い出したくないことを鮮明に思い出しまう。
『最後に、体が徐々に壊死していく感じと似ていたんだろう?』
竜称が言った言葉に、前世の死の淵に立ったときの苦しみ、痛みが蘇る。愛おしく想った人を思い出す。
憧れる血の色を思わせる、蘇芳色の髪の毛を持つ人。
じんわりと体内に広がっていく痛み。忒畝は動悸を覚え、何とか堪えようと胸に手を当ててしゃがみ込む。
だが、痛みは引かず、徐々に強くなっていく。込み上げてくる吐き気を感じ、忒畝は洗面台へと急ぐ。
「うっ……ぁっ、はっ」
白い洗面台に濃い青色の液体が広がる。
忒畝はその場に崩れるように座り、悔いるように呟く。
「僕は……望まないのに……」
体が熱くなるのを感じつつ、体内を貫く激痛に耐える。思い出した屈辱も、あふれそうになる涙もこらえながら。
ふと、過去生で想っていた人と重ねた人が思い浮かぶ。過去生が最期に思い浮かべた人と重なるのは、想いの深さも酷似していて。
さびしさでいっぱいになる。愛おしさでいっぱいになる。狂おしくなる。もどかしい。愚かしい。そうしてまた、無性にさびしくなる。
『生まれ変わっても……いつまでも、貴男のそばにおります』
過去生の最期、苦しみに耐え妻を求めたときに降り注いだ癒しの声。似た苦しみに思い起こした言葉は、心をも苦しめる。
もどかしい感情に、屈してしまいそうになる。
無意識に求めた人だと自覚したのは、数週間前。
自覚してから目にしたのは、先日。
その人は別の男のためにウエディングドレスを着て、輝かしく微笑んでいた。
体が引き裂かれるほどに切なく、黎馨と交わした約束は忘れようと決意した。過去生でのことは、過去生で終わっている。忒畝はそう自らに言い聞かせ、美しく残酷な姿を脳裏に焼きつけてきたばかりだ。
──もう、会うこともない。そもそも、彼女と接点がない。考えれば会話らしい会話を交わしたこともない。
『どうか、『私』を見つけてください。そして、見つけたら……決して『私』を離さないでください』
──本当に、どうかしている。
美しい姫君だと噂にしても、気にしていなかった。話題のひとつだっただけで、初めて会ったとき残った何かがこんなに大きなものに変わるとは思ってもみなかった。
二回目に会ったときには泣いていて、泣き顔に珍しく動揺しただけだと思っていた。『私』を無意識に感じて、見つけていたとは思いもしなかった。
忒畝は深く息を吐き、大きく吸い込む。
──会うことがあるとしても、遠い先の話だろう。時間が経てば、この気持ちも……きっと、忘れられる。
会ったのは、二回だけ。それから数ヶ月経って、忒畝が一方的に見ただけにすぎない。そう、だからこそ忒畝はどうかしていると自身を否定する。決して『私』を離したくないと、心が引きちぎられた感覚を。
ゆっくりと忒畝は体を起こす。全身の痛みが和らいだのか、静かに聖水の部屋を出た。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる