200 / 282
もふもふいっぱい?
181.仲良くなる方法はいろいろあるね
しおりを挟む
浄化といえばユキマル。ということで召喚です。自分でも浄化できるように、いつかスキルを覚えたいなぁ。
「【召喚】ユキマル!」
「ぴぅ!」
現れたユキマルが『寒いっ!』とプルプル震えた。端の方から氷のように固まっていってるように見えるのは――気のせいじゃないね!?
「これあげる!」
ユキマルにほかほかシールをくっつける。途端に元の姿を取り戻したから良かったぁ。このアイテムは効果絶大だ。
「ぴぅ」
「お礼はいらないよ。それより、また浄化をお願いしていい?」
「ぴぅ!」
任せて、と跳ねたユキマルが、光りながら狂雪獣の方へ転がっていった。
……そんな進み方するの? 雪深いから、跳ねて進むのは難しそうだとは思ったけど、また僕が飛んで連れて行っても良かったんだよ?
「ギュオッ」
転がり近づくユキマルに対して、狂雪獣が爪を向ける。攻撃を躊躇っているみたいで勢いはないけど、ユキマルに当たったら結構ダメージがありそう。
「危なっ――」
「ぴっ!?」
警告をしようとしたところで、ユキマルが跳ねて方向転換した。ユキマルの近く、スレスレの雪原に爪が突き刺さる。
そのことに怯えつつも、ユキマルは光ったまま狂雪獣の前足に触れた。
「ナイス! よく回避できたねー」
「ぴーぅ」
誇らしげに鳴くユキマルと、その近くできょとんとした表情で佇む狂雪獣を眺める。
狂雪獣の体色が、濃灰から白銀色に変わっていった。これは、浄化成功かな? よし、鑑定だー。
「――うんうん。バッチリ浄化できてる。君は銀雪狐っていうんだね」
鑑定結果を見て頷く。
銀雪狐は白銀色の大きな狐だった。寒い中で生きているだけあって、もっふもふだぞー。顔も賢そうで可愛いし、ファンができそう。
「キュオ」
「もう攻撃してこない? えっと、テイムできるかなー?」
魅了状態でも、岩砕熊のように確実にテイムできるわけではないようなので、ちょっぴり躊躇っちゃう。
まぁ、できなかったら、フードで友好度上げればいいんだけど。銀雪狐はなにが好物かな?
――なんてことを考えてたら、銀雪狐が近づいてきた。
ふんふん、と匂いを嗅がれるので、首を傾げる。僕、なんかおかしな匂いでもする?
「キュオ?」
「え、同族じゃないよ。うん、子どもの銀雪狐でもないけど――あ!」
銀雪狐からぼんやりと伝わってくる意思に答えてたら、ふと自分の格好を思い出した。
僕、今は子狐みたいな防寒具着てるんだった! そのせいで、銀雪狐は僕を同族の子どもなのかも、って考えてるみたい。でも、匂いが違うし、混乱させちゃってる。
とりあえず、一旦防寒具を脱いでみる。幸い、銀雪狐は吹雪を解除してくれてて、寒さが和らいでるし、ほかほかシールだけでなんとかなりそうだから。
「キュア!?」
「え、皮剥いでないよっ! 今まで服を着てただけ!」
とんでもない誤解をされちゃって、『大丈夫!?』と心配された。服っていう概念、伝わらない?
ペロペロと舐められるのを、甘んじて受け入れる。案外気持ちいい。ベトベトになるわけでもないし、マッサージされてる感じ。
「――僕は天兎なんだよー」
「キュオ」
銀雪狐は『あ、知ってる』と言って頷いた。天兎は霊峰に住んでる仲間っていう認識らしい。
もともと、銀雪狐は霊峰の上層部に生息してて、あまり人の前には現れないんだって。だから、資料に載ってなかったんだね。
「とりあえず、テイム試してみようかな」
なんとなく友好度が高い気がするので、テイムスキルを使ってみる。
銀雪狐の周囲をパァと光が走った。
〈野生の銀雪狐をテイムしました〉
「やったー! 新しいお友だち!」
成功したことを喜び、銀雪狐に抱きつく。驚きのもっふもふ具合! 気持ちいいよ~。
これまでと同じように名前を考えて、悩んだ末に『オギン』にした。銀色だからっていう安直さ。お色気担当ではないんだよ?
モンスター空間(草原)はオギンに適した環境じゃないみたいだから、入れないことを選択。早く違うモンスター空間を手に入れたいなぁ、と思いながらオギンが消えるのを見送った。
〈レアモンスターを五種テイムしました。その功績により、称号【希少種集め】が贈られます〉
称号!? なんか久しぶりな気がする~。
他のプレイヤーたちはどれくらいの数の称号を入手してるのかな?
そんなことを考えながら、称号の詳細を確認。
称号【希少種集め】の効果は『出現頻度の低いモンスターと出会いやすくなる』だった。
「……さらにレアモンスターばっかりの集団にしようとしてる?」
レアがレアじゃなくなる気がするんだけど。レアとは?
でも、きっとありがたいことなんだろうな。たぶん。
とりあえずそう思っておくことにして「うん」と頷く。
「あとは報告したらミッションクリアだねぇ」
そうとなれば、街に帰ろう――と転移スキルを使う前に、再びアナウンスが聞こえてくる。
〈モンスターを六体テイムし、テイマー職レベル0で保有可能なモンスターの最大数に達しました。詳細は追加されたヘルプをご確認ください〉
「ふぁっ!?」
なんですと?
言われた通りヘルプを確認してみる。
テイマーは職業レベルによって、保有できるモンスターの数が変わるらしい。テイマーの職に就いてない人は、テイマー職レベル0としてモンスターを六体保有できるんだって。
他のモンスターをテイムしたい場合は、職業レベルを上げるか、既にテイムしてるモンスターとお別れ――システムメニューのフレンドモンスター欄に『お別れ』という選択肢があった――する必要がある。
「いやいや、せっかく仲良くなれた子とお別れするとかムリー!」
ということは、次にモンスターをテイムしたい場合は、テイマーの職に就かないといけないってことだ。
テイマーになるために必要なミッションは、あとは『サブリングを入手する』ことだけ。
現在、イベント交換用ドロップアイテムは千五百個ほど集まってるから、もうちょっと頑張らないとね。
「早くテイマーになって、街でもみんなと遊ぶぞー」
俄然やる気が出てきた。僕ならできる、やってやるぞー!
「【召喚】ユキマル!」
「ぴぅ!」
現れたユキマルが『寒いっ!』とプルプル震えた。端の方から氷のように固まっていってるように見えるのは――気のせいじゃないね!?
「これあげる!」
ユキマルにほかほかシールをくっつける。途端に元の姿を取り戻したから良かったぁ。このアイテムは効果絶大だ。
「ぴぅ」
「お礼はいらないよ。それより、また浄化をお願いしていい?」
「ぴぅ!」
任せて、と跳ねたユキマルが、光りながら狂雪獣の方へ転がっていった。
……そんな進み方するの? 雪深いから、跳ねて進むのは難しそうだとは思ったけど、また僕が飛んで連れて行っても良かったんだよ?
「ギュオッ」
転がり近づくユキマルに対して、狂雪獣が爪を向ける。攻撃を躊躇っているみたいで勢いはないけど、ユキマルに当たったら結構ダメージがありそう。
「危なっ――」
「ぴっ!?」
警告をしようとしたところで、ユキマルが跳ねて方向転換した。ユキマルの近く、スレスレの雪原に爪が突き刺さる。
そのことに怯えつつも、ユキマルは光ったまま狂雪獣の前足に触れた。
「ナイス! よく回避できたねー」
「ぴーぅ」
誇らしげに鳴くユキマルと、その近くできょとんとした表情で佇む狂雪獣を眺める。
狂雪獣の体色が、濃灰から白銀色に変わっていった。これは、浄化成功かな? よし、鑑定だー。
「――うんうん。バッチリ浄化できてる。君は銀雪狐っていうんだね」
鑑定結果を見て頷く。
銀雪狐は白銀色の大きな狐だった。寒い中で生きているだけあって、もっふもふだぞー。顔も賢そうで可愛いし、ファンができそう。
「キュオ」
「もう攻撃してこない? えっと、テイムできるかなー?」
魅了状態でも、岩砕熊のように確実にテイムできるわけではないようなので、ちょっぴり躊躇っちゃう。
まぁ、できなかったら、フードで友好度上げればいいんだけど。銀雪狐はなにが好物かな?
――なんてことを考えてたら、銀雪狐が近づいてきた。
ふんふん、と匂いを嗅がれるので、首を傾げる。僕、なんかおかしな匂いでもする?
「キュオ?」
「え、同族じゃないよ。うん、子どもの銀雪狐でもないけど――あ!」
銀雪狐からぼんやりと伝わってくる意思に答えてたら、ふと自分の格好を思い出した。
僕、今は子狐みたいな防寒具着てるんだった! そのせいで、銀雪狐は僕を同族の子どもなのかも、って考えてるみたい。でも、匂いが違うし、混乱させちゃってる。
とりあえず、一旦防寒具を脱いでみる。幸い、銀雪狐は吹雪を解除してくれてて、寒さが和らいでるし、ほかほかシールだけでなんとかなりそうだから。
「キュア!?」
「え、皮剥いでないよっ! 今まで服を着てただけ!」
とんでもない誤解をされちゃって、『大丈夫!?』と心配された。服っていう概念、伝わらない?
ペロペロと舐められるのを、甘んじて受け入れる。案外気持ちいい。ベトベトになるわけでもないし、マッサージされてる感じ。
「――僕は天兎なんだよー」
「キュオ」
銀雪狐は『あ、知ってる』と言って頷いた。天兎は霊峰に住んでる仲間っていう認識らしい。
もともと、銀雪狐は霊峰の上層部に生息してて、あまり人の前には現れないんだって。だから、資料に載ってなかったんだね。
「とりあえず、テイム試してみようかな」
なんとなく友好度が高い気がするので、テイムスキルを使ってみる。
銀雪狐の周囲をパァと光が走った。
〈野生の銀雪狐をテイムしました〉
「やったー! 新しいお友だち!」
成功したことを喜び、銀雪狐に抱きつく。驚きのもっふもふ具合! 気持ちいいよ~。
これまでと同じように名前を考えて、悩んだ末に『オギン』にした。銀色だからっていう安直さ。お色気担当ではないんだよ?
モンスター空間(草原)はオギンに適した環境じゃないみたいだから、入れないことを選択。早く違うモンスター空間を手に入れたいなぁ、と思いながらオギンが消えるのを見送った。
〈レアモンスターを五種テイムしました。その功績により、称号【希少種集め】が贈られます〉
称号!? なんか久しぶりな気がする~。
他のプレイヤーたちはどれくらいの数の称号を入手してるのかな?
そんなことを考えながら、称号の詳細を確認。
称号【希少種集め】の効果は『出現頻度の低いモンスターと出会いやすくなる』だった。
「……さらにレアモンスターばっかりの集団にしようとしてる?」
レアがレアじゃなくなる気がするんだけど。レアとは?
でも、きっとありがたいことなんだろうな。たぶん。
とりあえずそう思っておくことにして「うん」と頷く。
「あとは報告したらミッションクリアだねぇ」
そうとなれば、街に帰ろう――と転移スキルを使う前に、再びアナウンスが聞こえてくる。
〈モンスターを六体テイムし、テイマー職レベル0で保有可能なモンスターの最大数に達しました。詳細は追加されたヘルプをご確認ください〉
「ふぁっ!?」
なんですと?
言われた通りヘルプを確認してみる。
テイマーは職業レベルによって、保有できるモンスターの数が変わるらしい。テイマーの職に就いてない人は、テイマー職レベル0としてモンスターを六体保有できるんだって。
他のモンスターをテイムしたい場合は、職業レベルを上げるか、既にテイムしてるモンスターとお別れ――システムメニューのフレンドモンスター欄に『お別れ』という選択肢があった――する必要がある。
「いやいや、せっかく仲良くなれた子とお別れするとかムリー!」
ということは、次にモンスターをテイムしたい場合は、テイマーの職に就かないといけないってことだ。
テイマーになるために必要なミッションは、あとは『サブリングを入手する』ことだけ。
現在、イベント交換用ドロップアイテムは千五百個ほど集まってるから、もうちょっと頑張らないとね。
「早くテイマーになって、街でもみんなと遊ぶぞー」
俄然やる気が出てきた。僕ならできる、やってやるぞー!
1,198
お気に入りに追加
3,112
あなたにおすすめの小説
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
思わず呆れる婚約破棄
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある国のとある夜会、その場にて、その国の王子が婚約破棄を言い渡した。
だがしかし、その内容がずさんというか、あまりにもひどいというか……呆れるしかない。
余りにもひどい内容に、思わず誰もが呆れてしまうのであった。
……ネタバレのような気がする。しかし、良い紹介分が思いつかなかった。
よくあるざまぁ系婚約破棄物ですが、第3者視点よりお送りいたします。
【完結】聖女ディアの処刑
大盛★無料
ファンタジー
平民のディアは、聖女の力を持っていた。
枯れた草木を蘇らせ、結界を張って魔獣を防ぎ、人々の病や傷を癒し、教会で朝から晩まで働いていた。
「怪我をしても、鍛錬しなくても、きちんと作物を育てなくても大丈夫。あの平民の聖女がなんとかしてくれる」
聖女に助けてもらうのが当たり前になり、みんな感謝を忘れていく。「ありがとう」の一言さえもらえないのに、無垢で心優しいディアは奇跡を起こし続ける。
そんななか、イルミテラという公爵令嬢に、聖女の印が現れた。
ディアは偽物と糾弾され、国民の前で処刑されることになるのだが――
※ざまあちょっぴり!←ちょっぴりじゃなくなってきました(;´・ω・)
※サクッとかる~くお楽しみくださいませ!(*´ω`*)←ちょっと重くなってきました(;´・ω・)
★追記
※残酷なシーンがちょっぴりありますが、週刊少年ジャンプレベルなので特に年齢制限は設けておりません。
※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。
※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
どうぞ「ざまぁ」を続けてくださいな
こうやさい
ファンタジー
わたくしは婚約者や義妹に断罪され、学園から追放を命じられました。
これが「ざまぁ」されるというものなんですのね。
義妹に冤罪着せられて殿下に皆の前で婚約破棄のうえ学園からの追放される令嬢とかいったら頑張ってる感じなんだけどなぁ。
とりあえずお兄さま頑張れ。
PCがエラーがどうこうほざいているので消えたら察してください、どのみち不定期だけど。
やっぱスマホでも更新できるようにしとかないとなぁ、と毎度の事を思うだけ思う。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。
嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる