83 / 282
商人への道?
77.寛ぎの時間です
しおりを挟む
テクテクと街の南側まで歩いてきた。
これまで入ったことのなかった小道を抜けると、洒落た佇まいの店舗が並んでる。
「おお……なんかお高そうだな!」
思わず足を止めて呟いちゃった。道行く人の多くは、身なりがきちんとしてる商人っぽい。
おそるおそる歩きながら看板を眺める。
「貴金属店、宝石店、服飾店……おしゃれだなぁ」
ショーウィンドウに飾られてるキラキラに目を惹きつけられたけど、書かれてる値段の凄まじさに、そっと離れる。……高すぎだよ。家を買えちゃう……。
僕でも入れそうなところはどこ? というか、コーヒー豆専門店がこの店の並びにあるの?
「――あ、あった!」
コーヒーカップのイラストが描かれた看板。
ガラス扉からちょっと中を窺ってみる。……うん、僕でも入れそう。買えるかどうかはわからないけど。
「こんにちは?」
「はわわっ……こんにちは!」
不意にカラン、と音を立てて扉が開いて、紳士な感じのおじいさんが顔を出して微笑む。慌てちゃったけど、なんとか挨拶できた。
「コーヒーに興味があるのでしたら、どうぞお入りください。試飲も可能ですよ」
「ほんとに? あ、でも、僕はコーヒーのこと詳しいわけじゃないんだ……」
ブラックでも飲めるけど、カフェラテとかカフェモカみたいな甘い方が好き。こういうちゃんとしたところのコーヒーって、味がわかる人が買うイメージで気後れしちゃう。
「初心者さんでも大丈夫ですよ。一緒に好みのものをお探しします」
「いいの? 僕、ミルク入れて飲むのが好きだよ?」
「では、ミルクと合うコーヒーをご紹介しましょう」
穏やかな微笑みに背中を押されて入店。ふわっと香るコーヒーの香りに、ちょっと気分が安らぐ。コーヒーって、なんでこんなに良い香りなんだろう。
僕の友だちで、コーヒーは飲めないけど香りは大好きって人いるよ。アロマフレグランスとして部屋の芳香剤にしたい、って真顔で言ってて、僕も頷いちゃった。
「こちらにお掛けください」
「失礼しまーす」
椅子に座ったら、おじいさんがカウンターの向こうに立って微笑む。
「私は店主のフェンダーです。本日はご来店ありがとうございます」
「僕はモモ。普段は冒険者とか……まぁ、いろいろしてる」
自己紹介もそこそこに、いくつかコーヒー豆を提案された。酸味とか苦みとか、いろいろ説明されてもよくわからない。
「では、カフェラテにしてご試飲しますか?」
「お願いします!」
わくわく。
コーヒーの淹れ方は、現実とほぼ同じっぽい。聞いてみたら、料理スキルの【淹れる】でコーヒーにすることはできるけど、専用の道具を使って丁寧に淹れた方が美味しくできるんだって。
「どうぞ」
「ふわぁ……美味しそう……」
小さめのカップから香るコーヒーの香りにうっとりする。一口飲んでみると、ちょっぴり苦みを感じるけどミルクのコクと甘みで気にならないくらいで、すっごく美味しい。
「――うまうま……」
「お気に召していただけて嬉しいです」
フェンダーさんが次のコーヒーを用意してくれる。「よろしければ」と言いながらクッキーまで出してくれて、本格的に寛いじゃいそう。ここ、カフェじゃなくてコーヒー豆店なんだけど。
「どれも美味しいよ!」
三杯のコーヒーをもらって、ちょっと悩む。全部美味しかったから、買って帰ってもいいんだけど、コーヒー豆って結構お高い。十杯分のコーヒー豆で千リョウする。
それに、僕はまだ料理スキルの【淹れる】を覚えてないから、専用の道具も揃えなくちゃいけないし……。
「――【淹れる】って、どの段階で覚えられる?」
「料理スキルレベル4で覚えるもののはずですよ。まだ覚えていないのでしたら、【熟練度強化・仮想システム】を使ってみてはどうでしょう?」
「なぁに、それ?」
初耳だぞ?
僕がきょとんとしたら、フェンダーさんは「おや?」と首を傾げてから説明してくれた。
「異世界の方にはまだ知られていないのでしょうか。【熟練度強化・仮想システム】はスキルを仮想空間で使用し、効率的に熟練度を高められるシステムです。たいていの街にある【仮想施設】で利用できますよ。第二の街ですと、役場敷地内にあります」
どうぞ、と地図を差し出された。このパターンは――。
〈〈【熟練度強化・仮想システム】がプレイヤーによって解禁されました。第二の街以降で【仮想施設】の利用が可能になります〉〉
まさかのワールドミッション達成アナウンスだった! うっそでしょ……。
〈ワールドミッション『仮想システム解禁』を達成しました。報酬として、称号【解き放つ者】とアイテム【スキルリスト】が贈られます〉
ふあっ!? スキルリストくれるとか、破格の報酬だね! スキルリストにあるスキルを一つ習得できるんだもん。
まだ使ってないスキルリストを一個持ってるけど、あればあるほど嬉しいよ。
称号【解き放つ者】は『街中のシークレットミッションを達成しやすくなる』という効果だった。よくわかんないけど、すごく便利なんじゃないかな?
〈【仮想施設】の地図を入手しました。今後、第二の街の役場を利用可能になります〉
役場って何ができるんだろう? 行ったことも、見たこともないから、たぶんシークレットエリアなんだよね。
マップを確認してみたら、街中心部近くに役場があった。これまで住宅街表記で入れなかったところ。
この街、シークレットエリアが多いなぁ。探索しがいがあるね。
「……そっか。行ってみる! あ、この豆を買ってくね!」
アナウンスに気が取られて、フェンダーさんに返事をしてなかった。首を傾げてるのを見て、慌てて答える。
ついでに、すごい報酬をもらえたお返しにコーヒー豆を買っていくことにした。三つの中で最初に飲んだやつ。
「ありがとうございます。またいつでもご来店ください」
「うん。こっちこそありがとう! すごくリラックスできたよ」
手を振ってお別れ。
お気に入りのお店がみつかって嬉しいな。
コーヒー豆を鑑定してみたら、『栽培するためには、第三の街で許可を得る必要がある』ってあったから、今後もフェンダーさんのお世話になりそう。
るんるんとした気分で、カランと扉を開けて、通り沿いに並ぶ店を眺める。
この調子で、良い物がいっぱいみつかるかな? 気になるものがあったら怖気づかずに中に入ってみようっと!
******
◯NEWシステム
【熟練度強化・仮想システム】
仮想施設でスキルを使用することで、通常の五倍の経験値を取得でき、効率的に熟練度を高められる。一日に強化できるスキルは一つ。レベルが1上がると、その日は仮想施設の利用ができなくなる。
【オースの役場】
第二の街オースのシークレットエリアの一つ。【仮想施設】の地図を入手すると、利用できるようになる。
◯NEW称号
【解き放つ者】
街中のシークレットミッションを達成しやすくなる。
******
これまで入ったことのなかった小道を抜けると、洒落た佇まいの店舗が並んでる。
「おお……なんかお高そうだな!」
思わず足を止めて呟いちゃった。道行く人の多くは、身なりがきちんとしてる商人っぽい。
おそるおそる歩きながら看板を眺める。
「貴金属店、宝石店、服飾店……おしゃれだなぁ」
ショーウィンドウに飾られてるキラキラに目を惹きつけられたけど、書かれてる値段の凄まじさに、そっと離れる。……高すぎだよ。家を買えちゃう……。
僕でも入れそうなところはどこ? というか、コーヒー豆専門店がこの店の並びにあるの?
「――あ、あった!」
コーヒーカップのイラストが描かれた看板。
ガラス扉からちょっと中を窺ってみる。……うん、僕でも入れそう。買えるかどうかはわからないけど。
「こんにちは?」
「はわわっ……こんにちは!」
不意にカラン、と音を立てて扉が開いて、紳士な感じのおじいさんが顔を出して微笑む。慌てちゃったけど、なんとか挨拶できた。
「コーヒーに興味があるのでしたら、どうぞお入りください。試飲も可能ですよ」
「ほんとに? あ、でも、僕はコーヒーのこと詳しいわけじゃないんだ……」
ブラックでも飲めるけど、カフェラテとかカフェモカみたいな甘い方が好き。こういうちゃんとしたところのコーヒーって、味がわかる人が買うイメージで気後れしちゃう。
「初心者さんでも大丈夫ですよ。一緒に好みのものをお探しします」
「いいの? 僕、ミルク入れて飲むのが好きだよ?」
「では、ミルクと合うコーヒーをご紹介しましょう」
穏やかな微笑みに背中を押されて入店。ふわっと香るコーヒーの香りに、ちょっと気分が安らぐ。コーヒーって、なんでこんなに良い香りなんだろう。
僕の友だちで、コーヒーは飲めないけど香りは大好きって人いるよ。アロマフレグランスとして部屋の芳香剤にしたい、って真顔で言ってて、僕も頷いちゃった。
「こちらにお掛けください」
「失礼しまーす」
椅子に座ったら、おじいさんがカウンターの向こうに立って微笑む。
「私は店主のフェンダーです。本日はご来店ありがとうございます」
「僕はモモ。普段は冒険者とか……まぁ、いろいろしてる」
自己紹介もそこそこに、いくつかコーヒー豆を提案された。酸味とか苦みとか、いろいろ説明されてもよくわからない。
「では、カフェラテにしてご試飲しますか?」
「お願いします!」
わくわく。
コーヒーの淹れ方は、現実とほぼ同じっぽい。聞いてみたら、料理スキルの【淹れる】でコーヒーにすることはできるけど、専用の道具を使って丁寧に淹れた方が美味しくできるんだって。
「どうぞ」
「ふわぁ……美味しそう……」
小さめのカップから香るコーヒーの香りにうっとりする。一口飲んでみると、ちょっぴり苦みを感じるけどミルクのコクと甘みで気にならないくらいで、すっごく美味しい。
「――うまうま……」
「お気に召していただけて嬉しいです」
フェンダーさんが次のコーヒーを用意してくれる。「よろしければ」と言いながらクッキーまで出してくれて、本格的に寛いじゃいそう。ここ、カフェじゃなくてコーヒー豆店なんだけど。
「どれも美味しいよ!」
三杯のコーヒーをもらって、ちょっと悩む。全部美味しかったから、買って帰ってもいいんだけど、コーヒー豆って結構お高い。十杯分のコーヒー豆で千リョウする。
それに、僕はまだ料理スキルの【淹れる】を覚えてないから、専用の道具も揃えなくちゃいけないし……。
「――【淹れる】って、どの段階で覚えられる?」
「料理スキルレベル4で覚えるもののはずですよ。まだ覚えていないのでしたら、【熟練度強化・仮想システム】を使ってみてはどうでしょう?」
「なぁに、それ?」
初耳だぞ?
僕がきょとんとしたら、フェンダーさんは「おや?」と首を傾げてから説明してくれた。
「異世界の方にはまだ知られていないのでしょうか。【熟練度強化・仮想システム】はスキルを仮想空間で使用し、効率的に熟練度を高められるシステムです。たいていの街にある【仮想施設】で利用できますよ。第二の街ですと、役場敷地内にあります」
どうぞ、と地図を差し出された。このパターンは――。
〈〈【熟練度強化・仮想システム】がプレイヤーによって解禁されました。第二の街以降で【仮想施設】の利用が可能になります〉〉
まさかのワールドミッション達成アナウンスだった! うっそでしょ……。
〈ワールドミッション『仮想システム解禁』を達成しました。報酬として、称号【解き放つ者】とアイテム【スキルリスト】が贈られます〉
ふあっ!? スキルリストくれるとか、破格の報酬だね! スキルリストにあるスキルを一つ習得できるんだもん。
まだ使ってないスキルリストを一個持ってるけど、あればあるほど嬉しいよ。
称号【解き放つ者】は『街中のシークレットミッションを達成しやすくなる』という効果だった。よくわかんないけど、すごく便利なんじゃないかな?
〈【仮想施設】の地図を入手しました。今後、第二の街の役場を利用可能になります〉
役場って何ができるんだろう? 行ったことも、見たこともないから、たぶんシークレットエリアなんだよね。
マップを確認してみたら、街中心部近くに役場があった。これまで住宅街表記で入れなかったところ。
この街、シークレットエリアが多いなぁ。探索しがいがあるね。
「……そっか。行ってみる! あ、この豆を買ってくね!」
アナウンスに気が取られて、フェンダーさんに返事をしてなかった。首を傾げてるのを見て、慌てて答える。
ついでに、すごい報酬をもらえたお返しにコーヒー豆を買っていくことにした。三つの中で最初に飲んだやつ。
「ありがとうございます。またいつでもご来店ください」
「うん。こっちこそありがとう! すごくリラックスできたよ」
手を振ってお別れ。
お気に入りのお店がみつかって嬉しいな。
コーヒー豆を鑑定してみたら、『栽培するためには、第三の街で許可を得る必要がある』ってあったから、今後もフェンダーさんのお世話になりそう。
るんるんとした気分で、カランと扉を開けて、通り沿いに並ぶ店を眺める。
この調子で、良い物がいっぱいみつかるかな? 気になるものがあったら怖気づかずに中に入ってみようっと!
******
◯NEWシステム
【熟練度強化・仮想システム】
仮想施設でスキルを使用することで、通常の五倍の経験値を取得でき、効率的に熟練度を高められる。一日に強化できるスキルは一つ。レベルが1上がると、その日は仮想施設の利用ができなくなる。
【オースの役場】
第二の街オースのシークレットエリアの一つ。【仮想施設】の地図を入手すると、利用できるようになる。
◯NEW称号
【解き放つ者】
街中のシークレットミッションを達成しやすくなる。
******
1,485
お気に入りに追加
3,112
あなたにおすすめの小説
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
思わず呆れる婚約破棄
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある国のとある夜会、その場にて、その国の王子が婚約破棄を言い渡した。
だがしかし、その内容がずさんというか、あまりにもひどいというか……呆れるしかない。
余りにもひどい内容に、思わず誰もが呆れてしまうのであった。
……ネタバレのような気がする。しかし、良い紹介分が思いつかなかった。
よくあるざまぁ系婚約破棄物ですが、第3者視点よりお送りいたします。
隠された第四皇女
山田ランチ
ファンタジー
ギルベアト帝国。
帝国では忌み嫌われる魔女達が集う娼館で働くウィノラは、魔女の中でも稀有な癒やしの力を持っていた。ある時、皇宮から内密に呼び出しがかかり、赴いた先に居たのは三度目の出産で今にも命尽きそうな第二側妃のリナだった。しかし癒やしの力を使って助けたリナからは何故か拒絶されてしまう。逃げるように皇宮を出る途中、ライナーという貴族男性に助けてもらう。それから3年後、とある命令を受けてウィノラは再び皇宮に赴く事になる。
皇帝の命令で魔女を捕らえる動きが活発になっていく中、エミル王国との戦争が勃発。そしてウィノラが娼館に隠された秘密が明らかとなっていく。
ヒュー娼館の人々
ウィノラ(娼館で育った第四皇女)
アデリータ(女将、ウィノラの育ての親)
マイノ(アデリータの弟で護衛長)
ディアンヌ、ロラ(娼婦)
デルマ、イリーゼ(高級娼婦)
皇宮の人々
ライナー・フックス(公爵家嫡男)
バラード・クラウゼ(伯爵、ライナーの友人、デルマの恋人)
ルシャード・ツーファール(ギルベアト皇帝)
ガリオン・ツーファール(第一皇子、アイテル軍団の第一師団団長)
リーヴィス・ツーファール(第三皇子、騎士団所属)
オーティス・ツーファール(第四皇子、幻の皇女の弟)
エデル・ツーファール(第五皇子、幻の皇女の弟)
セリア・エミル(第二皇女、現エミル王国王妃)
ローデリカ・ツーファール(第三皇女、ガリオンの妹、死亡)
幻の皇女(第四皇女、死産?)
アナイス・ツーファール(第五皇女、ライナーの婚約者候補)
ロタリオ(ライナーの従者)
ウィリアム(伯爵家三男、アイテル軍団の第一師団副団長)
レナード・ハーン(子爵令息)
リナ(第二側妃、幻の皇女の母。魔女)
ローザ(リナの侍女、魔女)
※フェッチ
力ある魔女の力が具現化したもの。その形は様々で魔女の性格や能力によって変化する。生き物のように視えていても力が形を成したもの。魔女が死亡、もしくは能力を失った時点で消滅する。
ある程度の力がある者達にしかフェッチは視えず、それ以外では気配や感覚でのみ感じる者もいる。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
どうぞ「ざまぁ」を続けてくださいな
こうやさい
ファンタジー
わたくしは婚約者や義妹に断罪され、学園から追放を命じられました。
これが「ざまぁ」されるというものなんですのね。
義妹に冤罪着せられて殿下に皆の前で婚約破棄のうえ学園からの追放される令嬢とかいったら頑張ってる感じなんだけどなぁ。
とりあえずお兄さま頑張れ。
PCがエラーがどうこうほざいているので消えたら察してください、どのみち不定期だけど。
やっぱスマホでも更新できるようにしとかないとなぁ、と毎度の事を思うだけ思う。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。
死に戻り公爵令嬢が嫁ぎ先の辺境で思い残したこと
Yapa
ファンタジー
ルーネ・ゼファニヤは公爵家の三女だが体が弱く、貧乏くじを押し付けられるように元戦奴で英雄の新米辺境伯ムソン・ペリシテに嫁ぐことに。 寒い地域であることが弱い体にたたり早逝してしまうが、ルーネは初夜に死に戻る。 もしもやり直せるなら、ルーネはしたいことがあったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる