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美味を求めて
39.楽しみにしてました
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ログインして、フルーオさんおすすめの『黄金りんごの宿』の部屋を見たら気づいた。
これ、セーブ地点変更されちゃったから、死に戻りしてもはじまりの街に戻れないよね?
「……やらかしたぁあ!」
ぐてっとベッドに倒れ込む。
ベッドの寝心地がいいから、ついまったりしちゃいそうになるけど、ちょっとこの先のことを色々と考えないといけない。
第二の街オースに着いた時は、ここに転移ピンさして死に戻りしたら、はじまりの街に帰れるなーって思ってたんだよ。
お腹いっぱいの幸せで、うっかり忘れて普通に宿借りてログアウトしちゃったけど!
自力ではじまりの街に戻れないと、ずっと第二の街に居続けることになっちゃう。
……リリとルト、早く来ないかなぁ。
「――やったことはしょうがない。とりあえず、第二の街を楽しむか!」
レベリングもできれば、普通にはじまりの街に帰れるだろうしね。気分を切り替えて行ってみよう!
今は朝じゃないから果物収穫バイトはできないし、前回に引き続き街探索かな。バトルフィールドの情報ももらえるといいけど。結果的に第二の街に一番乗りしちゃったから、全然情報ないもんなぁ。
「あ! ここだと、農地を持てるはず! 聞いてみないと」
前にルトが言ってたことを思い出して、なんだかワクワクしてきた。農地ってどんな感じかなー? 持てるなら、何を育てよう?
適当に部屋を片付けて、宿の一階へ。
ここ『黄金りんごの宿』って名前だから、高級宿かなって思ってたけど、見た目も値段も普通の宿なんだ。ところどころに金色のりんごのオブジェがあるだけで。……どういう意味があるんだろうね? 招き猫的な?
一階では、女将さんが受付の周囲をお掃除してた。
「こんにちはー」
「二階のお客さんね。よく眠れた?」
「うん、たぶん」
ベッド入ってすぐログアウトだったので、寝てたとは言えないかもしれないけど。
頷きながら首を傾げる。
「ちょっと聞きたいことあるんだけど、いい?」
「いいわよ」
「僕、農業をやってみたいんだけど、この街って、農地を持てる?」
「ああ、農業ね。えっと、確か、異世界の人は、まずは借りることからだったはずね」
「借りるの?」
女将さん曰く、住人ではないから農地を一定期間借りて、十分に農業できると判断された人だけが、農地の購入権をもらえるらしい。
「借りるなら、不動産ギルドに行くといいわよ。あそこが土地や建物の管理をしてるから」
「不動産ギルドかぁ。わかった! もしかして、家を買うのもそこ?」
「ええ。異世界の人は、家も借りて信用を得てから購入できるようになるはずよ」
なかなか世知辛いね。でも、考え方を変えると、お試し期間があるってことでお得なのかな。
「そっか。じゃあ行ってみる」
「行ってらっしゃい。街の外に行くと、凶暴なモンスターがいるから気をつけてね」
なんか怖いことを言い添えられた。この街の外のモンスターって、そんなに強いんです? ソロだと無理なのかなー。
うーん、と悩みながら街を歩く。
中心部にある宿からは、不動産ギルドはあんまり遠くないみたい。人通りは多くないし、のんびり観光できていいね。
今のところプレイヤーらしき人を一人も見かけてないんだけど、まだ到着してないのかな?
確か、今日の早朝にゲームのアップデートがあって、第二の街に行けなくなってた不具合は解消されてるらしいけど。
……そんな不具合が出てたこと、僕はお知らせ見て初めて知ったよ。なんでも、道がマグマ状態になってて、進もうとしたら死に戻りしちゃう感じだったらしい。
もしかしなくても、それってイグニスさんの仕業だよね。運営さん側の想定を超える被害を残してたって、どういうことなの。
「――あ、ここだ」
大通り沿いに、間取りが載ったチラシがガラスにペタペタと貼られた建物があった。見るからに不動産会社……って、デカデカと『不動産ギルド』って文字が扉に書かれてる。
わかりやすいけど、もうちょっとデザインを考えてもいいのでは? よりによって、明朝体……。
扉を押し開けたら、カランと古風なドアベルの音がした。
「いらっしゃいませ……あ、異世界の方ですね」
「うん、その反応慣れたよ」
まず僕の頭上を見て、首を傾げてから視線を下ろし、驚いた顔をした後、笑顔を取り繕う。一連の流れは、最近でも黄金りんごの宿で経験済みです。
「失礼いたしました。本日は物件をお探しで? それとも土地ですか?」
カウンターに案内されて、椅子に座る。
この椅子くるくる回るやつだー。これ座ると永遠と回りたくなっちゃうのって僕だけ?
「……回しますか?」
「いえ、大丈夫です」
羽ばたいてゆっくり回ってたら、微妙な笑顔で提案された。子どもっぽいことしてて、申し訳ない。
真剣に話すことにして、カウンターに身を乗り出す。
「僕、農地がほしいんだ。家もほしいけど。どっちも、まずは借りてみてから、って聞いたんだけど」
「さようでございます。では、異世界の方が借りられるものをお見せしましょう」
不動産屋さんが宙に手を翳したら、ブンッと半透明のスクリーンが現れた。ステータス見る時と同じ感じだ。
「まずは農地ですね。異世界の方には街の北側にある農地が用意されています。全部で百区画ありますが、まだ一人も借りていらっしゃらないので、どこでも契約できますよ」
碁盤目状に線が引かれた土地が示された。
僕が歩いてきたのは街の西側が主だったから、北側はまだ行ったことないエリアだ。マップから考えると、第三の街に続く方面かな。
……強いモンスターが出るエリアに面したところが、プレイヤーに割り振られてる気がする。
「百個もあるのかー。どこがおすすめとか、ある?」
「街に近い方が、利便性はいいですね」
「それはそうだろうね」
それしか言わないということは、区画ごとに作物の育ち方の違いはないっぽい。
「――じゃあ、街に近いところの端がいいな」
「通りに面したところではなくていいのですか?」
一番西の端にある一区画を指したら、不思議そうな顔をされた。
農地を半分に分けるように街から延びた道があって、それが北門に続いてるみたいだから、そこの近くが一番便利なのは僕もわかってる。
「そこ、目立つでしょ? 僕、ジロジロ見られるの嫌だもん」
「あー……ただでさえ、目立つご容姿ですしね」
苦笑された。理解してもらえてなによりです。
はじまりの街でも、結構視線感じたもんなー。話しかけてくる人は不思議といなかったけど。
「――では、ここをご契約ということで。農地一区画の賃料は、三十日で千リョウです」
「安い……?」
ゲーム内時間で三十日というと、現実だと一週間ちょっとだね。それで千リョウって考えると、農業して遊ぶのはお手軽な気がする。
「もう一区画追加でお貸しすることも可能ですよ」
「うーん、それはやってみてから考えようかな」
一区画でどれくらい収穫できるんだろう? 種とかをどこで買えるかも、調べないといけないね。
「わかりました。農地をご購入可能になるのは、三十日農業をしていただいて、その収穫物を農業ギルドが判定し『優』と認定された上で、継続的に農業を行う意思を誓約していただいた後になりますので」
「農業ギルドね。りょうかいです」
マップを確認したら、北の農地近くに農業ギルドがあるみたい。農地確認がてら、行ってみようかな。
「続いて、家の賃貸についてですが、ご希望の間取りはございますか?」
「間取り……とりあえず、寝室と工房があるといいなーって思ってるけど」
「寝室はもちろんどの物件にもございますが、工房となると……。ご職業は?」
「錬金術士だよ」
不動産屋さんが頷いて、スクリーンを操作してる。
暫くして、二件の物件が表示された。
「どちらも、すでに錬金術士用の工房が備えられています。一軒目は大通り沿いに建つ築百年のレンガ造りの一軒家ですね。一階が工房で、二階が居住空間になっています。二階の間取りは1LDK」
一人で過ごすには十分そうだな。部屋自体はそんなに大きくなさそうだけど、僕小さいし。リリたちを呼ぶってなったら、ちょっと狭く感じるかも。
「築百年なので、ある程度はリフォーム可能ですよ」
「ある程度?」
「壁紙や床の変更、水回り設備の変更ですね」
「なるほどー……」
そこまでこだわりないや。
僕が適当に頷いたのを感じ取ったのか、不動産屋さんはサクサクと次の物件の説明に移った。
「二軒目は築三年の鉄筋コンクリート造りの一軒家です。こちらも一階が工房で、二階が居住空間になっています。間取りは2LDKです」
「あ、こっち広い! しかもお値段が安いね」
一軒目の方に表示されている賃料は、三十日で千リョウだった。二軒目の方は、三十日で七百リョウだ。
「こちらの物件は立地が街から離れていまして……北の農地に近いんですよ。住民からは人気がなく……」
不動産屋さんが苦笑してる。
前の住人が、建てたはいいけどすぐに街を出ることになって、それからずっと空き家状態の家らしい。ほぼ新築同様な感じなんだって。
「僕にとっては便利なところだね! ここ借りる!」
良いところがみつかった。
多少街の中心部に行くのが不便だとしても、僕の場合、転移スキルで楽できるし問題ない。
「ありがとうございます。こちら、三十日経過後は販売も可能になると思いますので、その時はご相談ください」
不動産屋さんも僕もニコニコだ。お互いに良い取引になった感じだね。
「はーい」
「では、農地と家にご案内します」
マイホームと農地、楽しみだな!
……賃貸物件だけど。
******
◯NEWシステム
【農地】
各街でプレイヤーが借りたり、買ったりできる土地。一区画ごとの値段は街によって異なる。農地を購入するためには、まずは三十日間借りて農業実績を作り、農業ギルドからの信頼を得ることが必要。
農地が全て使用されている状態では、新規の契約が不可能になる。農地取得数制限はない。
【家】
各街でプレイヤーが借りたり、買ったりできる建物。物件ごとに値段は異なる。家を購入するためには、まずは三十日間借りて信用を得ることが必要。賃料は低めに設定されているが、購入には多額の費用が必要となる場合が多い。
家が全て使用されている状態では、新規の契約が不可能になる。家取得数制限はない。
******
これ、セーブ地点変更されちゃったから、死に戻りしてもはじまりの街に戻れないよね?
「……やらかしたぁあ!」
ぐてっとベッドに倒れ込む。
ベッドの寝心地がいいから、ついまったりしちゃいそうになるけど、ちょっとこの先のことを色々と考えないといけない。
第二の街オースに着いた時は、ここに転移ピンさして死に戻りしたら、はじまりの街に帰れるなーって思ってたんだよ。
お腹いっぱいの幸せで、うっかり忘れて普通に宿借りてログアウトしちゃったけど!
自力ではじまりの街に戻れないと、ずっと第二の街に居続けることになっちゃう。
……リリとルト、早く来ないかなぁ。
「――やったことはしょうがない。とりあえず、第二の街を楽しむか!」
レベリングもできれば、普通にはじまりの街に帰れるだろうしね。気分を切り替えて行ってみよう!
今は朝じゃないから果物収穫バイトはできないし、前回に引き続き街探索かな。バトルフィールドの情報ももらえるといいけど。結果的に第二の街に一番乗りしちゃったから、全然情報ないもんなぁ。
「あ! ここだと、農地を持てるはず! 聞いてみないと」
前にルトが言ってたことを思い出して、なんだかワクワクしてきた。農地ってどんな感じかなー? 持てるなら、何を育てよう?
適当に部屋を片付けて、宿の一階へ。
ここ『黄金りんごの宿』って名前だから、高級宿かなって思ってたけど、見た目も値段も普通の宿なんだ。ところどころに金色のりんごのオブジェがあるだけで。……どういう意味があるんだろうね? 招き猫的な?
一階では、女将さんが受付の周囲をお掃除してた。
「こんにちはー」
「二階のお客さんね。よく眠れた?」
「うん、たぶん」
ベッド入ってすぐログアウトだったので、寝てたとは言えないかもしれないけど。
頷きながら首を傾げる。
「ちょっと聞きたいことあるんだけど、いい?」
「いいわよ」
「僕、農業をやってみたいんだけど、この街って、農地を持てる?」
「ああ、農業ね。えっと、確か、異世界の人は、まずは借りることからだったはずね」
「借りるの?」
女将さん曰く、住人ではないから農地を一定期間借りて、十分に農業できると判断された人だけが、農地の購入権をもらえるらしい。
「借りるなら、不動産ギルドに行くといいわよ。あそこが土地や建物の管理をしてるから」
「不動産ギルドかぁ。わかった! もしかして、家を買うのもそこ?」
「ええ。異世界の人は、家も借りて信用を得てから購入できるようになるはずよ」
なかなか世知辛いね。でも、考え方を変えると、お試し期間があるってことでお得なのかな。
「そっか。じゃあ行ってみる」
「行ってらっしゃい。街の外に行くと、凶暴なモンスターがいるから気をつけてね」
なんか怖いことを言い添えられた。この街の外のモンスターって、そんなに強いんです? ソロだと無理なのかなー。
うーん、と悩みながら街を歩く。
中心部にある宿からは、不動産ギルドはあんまり遠くないみたい。人通りは多くないし、のんびり観光できていいね。
今のところプレイヤーらしき人を一人も見かけてないんだけど、まだ到着してないのかな?
確か、今日の早朝にゲームのアップデートがあって、第二の街に行けなくなってた不具合は解消されてるらしいけど。
……そんな不具合が出てたこと、僕はお知らせ見て初めて知ったよ。なんでも、道がマグマ状態になってて、進もうとしたら死に戻りしちゃう感じだったらしい。
もしかしなくても、それってイグニスさんの仕業だよね。運営さん側の想定を超える被害を残してたって、どういうことなの。
「――あ、ここだ」
大通り沿いに、間取りが載ったチラシがガラスにペタペタと貼られた建物があった。見るからに不動産会社……って、デカデカと『不動産ギルド』って文字が扉に書かれてる。
わかりやすいけど、もうちょっとデザインを考えてもいいのでは? よりによって、明朝体……。
扉を押し開けたら、カランと古風なドアベルの音がした。
「いらっしゃいませ……あ、異世界の方ですね」
「うん、その反応慣れたよ」
まず僕の頭上を見て、首を傾げてから視線を下ろし、驚いた顔をした後、笑顔を取り繕う。一連の流れは、最近でも黄金りんごの宿で経験済みです。
「失礼いたしました。本日は物件をお探しで? それとも土地ですか?」
カウンターに案内されて、椅子に座る。
この椅子くるくる回るやつだー。これ座ると永遠と回りたくなっちゃうのって僕だけ?
「……回しますか?」
「いえ、大丈夫です」
羽ばたいてゆっくり回ってたら、微妙な笑顔で提案された。子どもっぽいことしてて、申し訳ない。
真剣に話すことにして、カウンターに身を乗り出す。
「僕、農地がほしいんだ。家もほしいけど。どっちも、まずは借りてみてから、って聞いたんだけど」
「さようでございます。では、異世界の方が借りられるものをお見せしましょう」
不動産屋さんが宙に手を翳したら、ブンッと半透明のスクリーンが現れた。ステータス見る時と同じ感じだ。
「まずは農地ですね。異世界の方には街の北側にある農地が用意されています。全部で百区画ありますが、まだ一人も借りていらっしゃらないので、どこでも契約できますよ」
碁盤目状に線が引かれた土地が示された。
僕が歩いてきたのは街の西側が主だったから、北側はまだ行ったことないエリアだ。マップから考えると、第三の街に続く方面かな。
……強いモンスターが出るエリアに面したところが、プレイヤーに割り振られてる気がする。
「百個もあるのかー。どこがおすすめとか、ある?」
「街に近い方が、利便性はいいですね」
「それはそうだろうね」
それしか言わないということは、区画ごとに作物の育ち方の違いはないっぽい。
「――じゃあ、街に近いところの端がいいな」
「通りに面したところではなくていいのですか?」
一番西の端にある一区画を指したら、不思議そうな顔をされた。
農地を半分に分けるように街から延びた道があって、それが北門に続いてるみたいだから、そこの近くが一番便利なのは僕もわかってる。
「そこ、目立つでしょ? 僕、ジロジロ見られるの嫌だもん」
「あー……ただでさえ、目立つご容姿ですしね」
苦笑された。理解してもらえてなによりです。
はじまりの街でも、結構視線感じたもんなー。話しかけてくる人は不思議といなかったけど。
「――では、ここをご契約ということで。農地一区画の賃料は、三十日で千リョウです」
「安い……?」
ゲーム内時間で三十日というと、現実だと一週間ちょっとだね。それで千リョウって考えると、農業して遊ぶのはお手軽な気がする。
「もう一区画追加でお貸しすることも可能ですよ」
「うーん、それはやってみてから考えようかな」
一区画でどれくらい収穫できるんだろう? 種とかをどこで買えるかも、調べないといけないね。
「わかりました。農地をご購入可能になるのは、三十日農業をしていただいて、その収穫物を農業ギルドが判定し『優』と認定された上で、継続的に農業を行う意思を誓約していただいた後になりますので」
「農業ギルドね。りょうかいです」
マップを確認したら、北の農地近くに農業ギルドがあるみたい。農地確認がてら、行ってみようかな。
「続いて、家の賃貸についてですが、ご希望の間取りはございますか?」
「間取り……とりあえず、寝室と工房があるといいなーって思ってるけど」
「寝室はもちろんどの物件にもございますが、工房となると……。ご職業は?」
「錬金術士だよ」
不動産屋さんが頷いて、スクリーンを操作してる。
暫くして、二件の物件が表示された。
「どちらも、すでに錬金術士用の工房が備えられています。一軒目は大通り沿いに建つ築百年のレンガ造りの一軒家ですね。一階が工房で、二階が居住空間になっています。二階の間取りは1LDK」
一人で過ごすには十分そうだな。部屋自体はそんなに大きくなさそうだけど、僕小さいし。リリたちを呼ぶってなったら、ちょっと狭く感じるかも。
「築百年なので、ある程度はリフォーム可能ですよ」
「ある程度?」
「壁紙や床の変更、水回り設備の変更ですね」
「なるほどー……」
そこまでこだわりないや。
僕が適当に頷いたのを感じ取ったのか、不動産屋さんはサクサクと次の物件の説明に移った。
「二軒目は築三年の鉄筋コンクリート造りの一軒家です。こちらも一階が工房で、二階が居住空間になっています。間取りは2LDKです」
「あ、こっち広い! しかもお値段が安いね」
一軒目の方に表示されている賃料は、三十日で千リョウだった。二軒目の方は、三十日で七百リョウだ。
「こちらの物件は立地が街から離れていまして……北の農地に近いんですよ。住民からは人気がなく……」
不動産屋さんが苦笑してる。
前の住人が、建てたはいいけどすぐに街を出ることになって、それからずっと空き家状態の家らしい。ほぼ新築同様な感じなんだって。
「僕にとっては便利なところだね! ここ借りる!」
良いところがみつかった。
多少街の中心部に行くのが不便だとしても、僕の場合、転移スキルで楽できるし問題ない。
「ありがとうございます。こちら、三十日経過後は販売も可能になると思いますので、その時はご相談ください」
不動産屋さんも僕もニコニコだ。お互いに良い取引になった感じだね。
「はーい」
「では、農地と家にご案内します」
マイホームと農地、楽しみだな!
……賃貸物件だけど。
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◯NEWシステム
【農地】
各街でプレイヤーが借りたり、買ったりできる土地。一区画ごとの値段は街によって異なる。農地を購入するためには、まずは三十日間借りて農業実績を作り、農業ギルドからの信頼を得ることが必要。
農地が全て使用されている状態では、新規の契約が不可能になる。農地取得数制限はない。
【家】
各街でプレイヤーが借りたり、買ったりできる建物。物件ごとに値段は異なる。家を購入するためには、まずは三十日間借りて信用を得ることが必要。賃料は低めに設定されているが、購入には多額の費用が必要となる場合が多い。
家が全て使用されている状態では、新規の契約が不可能になる。家取得数制限はない。
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