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第五章 ヴェステ王国編

おまけ4 フレイリアルの小さな悩み 2

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「へっへー、端からみても今のオレの大人感ってば隠しきれないんだなぁ」

ぐるりと回って変な姿勢で格好つけ、ドヤ顔示すミーティ。

「そっか、そっかぁー。オレってば短期間で著しく成長しちゃってるからなぁ。何ーか無意識に凄さ滲み出てる? 大人の男…に見えちゃうってか?」

「「「???」」」

柔らかで暖かな雰囲気のモーイの横…訳の分からないフレイリアルとブルグドレフを前に、得意満面で自画自賛するミーティ。
疑問符を付けた状態で唖然とし…対応に困る3人を前に、…鬱陶しさ増し…遠慮したくなる勢いで自分語りを始める。

「まぁオレも子供の頃は色々と迷い…誤った選択をしたかもしれないけど、成年っつー節目を迎えて目指すべき道がハッキリと見えるようになったっつーのかなぁ~。色々と幸せーな出来事を自分の力で手繰り寄せ…機会を掴み、決断すべき時に実行出来る大人の行動力っつーのが備わっちゃった感じなんだよなぁー」

ミーティの言動は何とも意味深で…気になる部分もあるのだが、其れ以上ににモヤっとした気分生み出し…尋ねる気が失せる。
それでも現状のミーティの残念さ問い質すべく、フレイリアルは気力振り絞り声掛け…てしまった。

「ホント…一体どうしちゃったの?」

最初に尋ねた…輝かしき表情浮かべる仲間への現状尋ねる好意的な問いとは異なる、引き気味のフレイリアルからの質問。
だが…場の雰囲気…言葉の意図…全く汲み取らぬミーティは、称賛と受け取る。故に…其処から "ミーティの有頂天ヤラカシ劇場" が幕を開け、同席する3人は強制的に…観覧させられる事となった。

「オレってば、樹海での任務完遂して悟ったつーか…新たな門出迎えちゃった感じ? 大人としての自覚を持って出直すって…覚悟を決めたっ…て言うんかなぁ。ふふふっ、大人なオレを目標にして見習ってくれても良いんだよぉ~。まぁ~実質お子ちゃまなフレイには無理そうだけどなぁ~」

成年して1の年程度…何ら其れ以前と変わらぬミーティが自信満々に語る…嫌味な姿を見ていると、誰もが…後ろから小突きたくなるのではないかと思う。
いやっ、ハッキリ言ってド突いて踏み潰したくなる水準の失礼な態度。
有頂天で鼻高々なドヤ顔が一層腹立たしい。
フレイリアルはどうにか気を紛らわしつつ静観し、ブルグドレフは素知らぬふりして遣り過ごす。
苛立たしき戯れ言から距離を置き、無我の境地開き…気持ち収める努力する。

「モーイも其処んとこ分かってくれたんじゃないかなぁ~。勇気出し告げる真実の思いって…魅力的っしょ?」

パチリと片目瞑り、モーイの方をチラリと見やる。
訳の分からぬ行動に寒気を催す面々に対し、ミーティの辟易とするような自分語りは続く。
鬱陶しさが毒薬水準に至り、ミーティに情緒ある甘い雰囲気持っていたモーイさえも…凍てつく表情へと変貌する。自身の甘い思いに酔いしれるミーティは、モーイの変化を察する機敏など持たぬ。
何も気付かぬミーティだけが…熱い思い視線に宿し、最初と変わらず…横目でチラリチラリとモーイを追い続ける。

樹海の集落での任務完遂し…色々思う所のあったミーティ、真剣な思いで…モーイの生涯の同行者としての名乗り上げる決意を固め…実行した。
純粋で清々しき心意気で…不安押し殺しながらも勇気出し、未来へと歩み進め…愛しき者からの答え待つ姿は微笑ましきものになるはず…であった。

本来なら答え聞くまで、気を揉み…悶え…弱気に過ごす様な中途半端な期間。
たとえ呑気でお馬鹿なミーティであっても、落ち着かない状況なのは同じである。
しかし…モーイから明確な回答が中々得られぬミーティは、若干…独特の反応示す。

『くあぁ~苛々する! でも此処で何度もモーイに答え促すのは男が廃る。余裕で待つのが粋…大人…だよな』

変な余裕を捻り出し…厄介さに磨きを掛けてしまったのが、鬱陶しい苛立ちをもたらす今のミーティ。
ジッとしていられない様なもどかしさ込み上げるミーティは、異様な程に活気付き…奮冷めやらぬ…っと言った感じである。
其の為なのか、妙に自慢げで鼻持ちならない態度に陥っているようだ。

浮き足立つ思いは、良からぬ方へ突き進む。
気付かぬうちに他者を…フレイリアルを揶揄い、茶化す事で気を紛らわす。

「マダマダお子様なフレイに、大人のアレコレは理解出来ないかもしれないよなぁ。ブルグドレフだって婚約者役やってても、此の餓鬼っぽいのが相手じゃあ気い抜けるっしょ?」

ブルグドレフが同意するのに困るような言葉を言い放つミーティ。

「婚約者役って笑っちゃうよねぇ、引き受けてても一苦労なんじゃね?」

口から飛び出す、かつての仲間に対しての…節度無き軽口。
いくら親しかろうと、あからさまに相手を侮蔑する不快な言葉は紡いじゃいけない。
甘い雰囲気纏いつつ…然り気無く寄り添っていたモーイも、ミーティがヤラカシ発言を重ねる毎に…表情の強張りが強くなる。
其れなのに、浮わついて調子づくミーティの言動は一向に収まらない。

ブルグドレフとミーティは初対面である。
ミーティが考え無しであっても、本来なら此処まで気軽に接する事は少ない。
フレイリアル達とは此の1の年程直接会うことは無かったが…様々な困難共に乗り越えた深い絆持つ無二の旅仲間であり、近況の遣り取りは密にしている。
お互いの周囲の新たな人物や状況も…フレイリアル経由で聞き知り、ブルグドレフの人物像も把握していた。
最初から強い親近感を持つ。

『仲間の仲間は丸ごと仲間だもんな、仲良く楽しくが一番!』

主人公級大団円思い描く、蹴りを入れたくなるような…短絡的思考。
ミーティのお気楽で善良な呑気さは、良識吹き飛ばし…持つべき礼儀を欠如させる。

気軽な仲間内で交わす会話は…美酒に酔うが如く心地良くミーティの気持ち緩ませ、まるで…モーイの了承得て既に婚姻結んだかの様な態度示す。
自身の大人度傲語し…間違った気さくさに浸り…人に助言与える程の経験積み重ねたが如き大口は、実情と比べるとかなり痛い。

「いくら乳がデカくても、中身も顔もお子様じゃあ…流石に魅了されないよなぁ」

フレイリアルの子供っぽい部分と成熟した部分の落差際立たせ、自身が成年迎えた事を自慢し続けるミーティ。
其れこそ…大人げないとしか言いようが無いのだが、浮かれた状態は維持される。
自覚は全く無いようだ。
1の年程前…ヴェステの宿…フレイリアルの温かな対応と…大人で艶麗な肢体に魅了され、其の顔や中身がお子様な者に…色々とやらかそうとした記憶などスッポリ抜けているらしい。
若しくは…子供の頃の過ちと、ひと括りにして捨て去ったつもりなのか…。
だが…フレイリアルへの不埒な行動を制したのがモーイだった事は、綺麗サッパリと…忘れてしまったのかもしれない。

人は…酒の力など無くともチョットした気分の高揚で有頂天へと達し、通常なら至らぬ過ちへと言動導く。

「ブルグドレフってば凄すぎるよ! 仕事でも…たとえ偽装であっても、婚約だよ? コ・ン・ヤ・ク!! ククッ、しかも此のフレイとだよ? オレだったら笑っちゃって無理だわぁ…ハハハッ、聞いただけでも笑っちまう」

悪気など無くとも、十分すぎるほど嫌な奴に落ちたミーティ。
ケラケラと笑いころげ、無神経に揶揄い続ける。
しかもブルグドレフが敢えて近付かぬよう…細心の気遣い心掛けているフレイリアルとの関係性へも、考え無しに踏み込み…話振る。

「そのまま本気の婚約しちゃうとかもあり? ブルグドレフ的にはどうなのさ?」

「絶対にあり得ません!! 便宜上…婚約関係を公表させて頂いてるだけです」

力強くキッパリと答える。
此処までならば、ブルグドレフに限って言えば…何ら問題は無かったであろう。

だが…道化た未熟者の言動に踊らされ、愚に転じる者が現れる。
危険孕む言動に反応せず…ただ流していたならば… "巻き込まれただけ" と主張出来たのかもしれないのに、自ら奈落へと落ちていく…其の様な者。
調子に乗ったミーティが冗談で投げ掛けた問い…であったのに、ブルグドレフは声高に論じる。

「ミーティ様が仰るように、私がフレイリアル様に女性としての魅力を感じる事はいっさい御座いません。そもそも私にとって女性として意識できるような年齢でも風貌でもありませんし、子供に性的興奮感じるような嗜好もございません。型破りな行動に驚愕し…頭悩まされる事はあっても、心誘われる事は一切無いです」

フレイリアルに対し恋情など持ち得ないと、強く否定する。
かなりミーティに誘導されてはいるが、ブルグドレフもブルグドレフで結構に酷い言いよう。

だが自ら紡ぐ言葉が…真実にそぐわぬ取り繕ったもの…であると、ブルグドレフ自身も気付いている。
リーシェライルからの…身も心も息絶えそうな危険な思いを向けられぬため、自身の安全図るべく立ち回り導き出された答え。
心の中に潜む思いは、異を唱える。


この1の年…フレイリアル達に関わり、共に行動してきたブルグドレフ。
エリミアの水の機構を改修するため、2人に良いように使われ…奔走させられてきた。

王城中枢担う権力者たちの足の引っ張りあいに巻き込まれぬよう、躱し…抗い…企て…若干楽しみながら様々な危機を乗り越え…遣り過ごす。
一見弱そうであっても…逞しく強かなフレイリアルを補助しつつ、特別な1人以外には危険で怜悧狡猾無情なリーシェライルの指揮下で…災難に巻き込まれぬよう堅実に行動してきた。
色々な経験積み重ね、かなり刺激的で…今までになく愉快な…ある意味生きている事を心底感じられる…濃厚な日々を送っている。

「貴方達と働き過ごす事は…私にとって、今までに無く…刺激的な時を得る機会となってます。もっとも…危険及び過酷な労働と引き換えなのは頂けませんがね…」

ブルグドレフは其のままの思いを晒す。

「ドルが居てくれて、ホント凄く助かってるよ! 働きもんだよねっ」

「まぁ…僕からも及第点をあげようかな。取り敢えず分をわきまえてるし、邪魔にならないよ」

2人合わせて7割程度の評価得ている実感も持つ。

「恐悦至極にございます。評価の程を報酬にて示して頂けるならば、尚一層…懸命に働けるかと…」

「ふふっ、君の対応や位置取りは…結構気に入ってるからね、考えておくよ。…だからガッカリさせないでね」

「心しておきます」

「まだまだ利用価値はありそうなんだから、精々処分されぬよう動いて」

「精進させて頂きます」

こんな風に…お互い毒含み…和やかに戯れられるぐらいには、フレイリアルとリーシェライル…2人で1人な者達の部下? として侍る事を許されてきた。

ブルグドレフは慎重に慎重を重ね、フレイリアルに対しての感情乗せぬよう言動に気遣う。
リーシェライルが飛び抜けて危険な存在であるのは、直接対峙する立場に陥るより前…大賢者であったリーシェライルの下…青の塔に所属する賢者として働く頃から把握している。
其の逆鱗がフレイリアルである事も、関わって直ぐ…身をもって理解した。

フレイリアルやリーシェライルと共に過ごし…其の近くに存在許されたのは、ひとえに…ブルグドレフに空気読む能力と慎重さがあったからこそである。
細心の注意払い対応してきたつもりではあるが、最近のブルグドレフの心の中…何らかの思い動く時がある。
自分の中の…心惹かれる…特別な心情を実感した瞬間、恐怖する。
心にある思いが表に出てしまえば、危地に陥り生還できぬ事態が生じる…かもしれない。
それだけ対峙する相手が、フレイリアル以外に非情…だと言うことを思い知らされてきた。

だからこそ…下手な手立てと知りつつ、ミーティの軽口に乗り…フレイリアルに対する思いを完全に否定しておかねばならなくなったのだ。
今…お気楽呑気なミーティにより、其の危険な渦中へブルグドレフは投げ入れられてしまった。
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