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第四章 タラッサ連合国編

29.戯れ思う

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ニューモ達が本神殿に向かった日の朝食時、モーイはキミアに申し出る。

「お前は…貴方は大賢者で、此処の神殿の管理もしているのだよな。もし、ここで魔力や戦闘の訓練など行っているのならアタシもにも受けさせて欲しい」

此処に残ることには納得したけど自身の無力さには納得していなかった。
少しでも力ある者に近づきたかった。

「モーイは勤勉だな…この後なら時間が有るから僕が指導してあげるよ」

能力、行動共に怪しい大賢者様だが、一応本物であり…指導を受ける事になった。
支度が整い次第中庭に…との事で四分の1の時後ほどで…集まる。

「何故この格好が必要なんだ?」

モーイはフレイが最初に連れ去られ神殿へ赴いた時に着せられた服を着ていた。
あの、露出過多な服を…。
キミアはモーイの言葉を無視して、フレイの時同様に身体鑑定を行う。
足の先から首、頭まで隈なく触り判じていく…モーイの堪忍袋の緒が切れそうな所まで。

「モーイは足から腰にかけてはヤッパリ線が完璧だよ…癖になりそうな触り心地だね。腕と胸の筋量が少な目だから胸も…。骨格はシッカリと問題なく出来上がってるのだから、筋肉で覆って整えていけば…」

「おいっ、必要なことなのか?」

フレイの時と同様、呟きながら判定し容赦なくさわりまくる。

「おいっ、此は必用なことなのか?」

正当な理由を答えないキミアに苛立ち再度問うモーイ、額に青筋立ちそうだった。
逆にキミアは至って冷静に微笑みながら告げる。

「もし嫌なら裸でも良いよ! むしろその方がもっと把握しやすいし…単純に楽しいっ」

「!!!」

キミアは決して身体鑑定を諦めない…諦めて従うしかないモーイだった。

ミーティも指導を一緒に受ける事を申し出たのでかなり短めの肌袴を下だけ着せられ確認を受ける。大人なキミアはミーティより頭1つ分背が高く、背後から覆い被さるように確認する。

「やっぱり綺麗な筋肉だね…一つ一つ筋が浮き立つように存在する」

そう言いながら溜息つきつつ惚れ惚れと見つめ、ミーティの筋肉を何とも言えない触りかたでなぞるキミア。
ミーティの顔色が恐怖と羞恥にどんどん変化する…青くなったり赤くなったり忙しい。

「巡る魔力を支えるのに最適の身体つきだよ…。この素敵な筋肉が有れば女の子には出来ないようなあれやこれやが出来そうだよ…僕が個人的に鍛えたいな…」

「なっなにゃにおうっ」

言葉が言葉にならないが、頭の中でミーティは思う。

『森で遷化魔物の狩猟対象になったって此処までの恐怖は感じない』

ガッツリ捕まえられたミーティは何だかゾワゾワとした寒気を感じる。キミアは大して力入れて捕まえているようには見えないのに、離れたいのに離してもらえない状態だった。

「おいっ、ソイツが気に入ったならアタシに指導した後、何処となり2人で籠ってやってくれ」

モーイが何かを感じ取り、冷たい目で男二人を見やる。

「あぁ、モーイ放っておいて御免よ! 久々に趣味に合う筋肉だったもんでね、つい遊びたくなっちゃったんだ…あぁ、ミーティも何か期待しちゃった?」

「してない!!!」

少し食いぎみに答えるミーティ。
ミーティは別な意味でも危険を感じ早々に神殿から出立したくなった。
一応ふざけた半分趣味のような身体鑑定のその後は、本当に指導してくれた。

「今ミーティが逃れられなかったのも、魔力を表面に纏うだけじゃなかったからなんだよ。僕の魔力は筋組織に沿って流したから直接内側から強化されて通常の魔力体術よりもずっと強い力を得ていたんだよ」

実例とともに分かりやすく教示し、再度実践する。
突然仕掛けられ今度は組み敷かれたミーティは、キミアの距離の近さに動揺して思わず放心する。

「ミーティは自分の筋肉を意識して、腹から指先まで一つの流れを作るように巡らせつつ魔力を纏ってごらん…今までと段違いの力が得られると思うよ」

折角ご教授頂いたことが耳に入ってるか疑わしかった。

「モーイは腰から足はミーティと同じように筋肉を意識して…上半身は筋量補う為に魔力を少し厚めに纏うと動きの補助になって動作が早くなると思う」

そう言いつつ、モーイに伝えたことを実行してモーイを背後から抱きしめる様に羽交い締めにする。
不意打ちに抗えずモーイは頬に接吻までもらってしまう。
もちろん柔軟なモーイの足で反撃したが、大賢者様は防御も完璧な様だった。

「魔力を扱うにしても、身体は基本だよ。しっかり筋肉や姿勢や動きを意識するだけで切れが違うからやってみてごらん」

以外と役に立ちそうな事を、個人個人の特性に合わせて教えてくれたのだった。

最初っからこれなら信用もできるのだが、基本ふざけたキミアは色々と信用ならない気がしてしまう。
昼時前までキミアは結構真面目にみっちりと教えてくれた。

「体の構造を理解して魔力を使うのは効率的で有効な手段なんだよ…まぁ身体好きの僕の趣味も満たされるんだけどね」

この指導は自分の趣味8割と言った感じらしいので、お互いの実益にはなったようだ。
昼からはレグルスリヤ国王代理として国王に変わり執務を行ってくるとキミアは転移陣築き、姿変えを行い飛んだ。


そして重要人物の居ない隙間時間。
厄介な来訪者はそこを狙って遣ってくる。

「どうやって入ります?」

「あなたの好きで構いません」

「では正々堂々とお迎えに上がりましょう」

「勿論です、餌ごときを捕まえるのに躊躇する気はありません」

此処に、エリミアに異国から来ていた者達が久々に出会い、再び目的を同じにする仲となっていた。

「それではご要望通り、正面突破での略取を開始させて頂きます」

昼時に入ってからの神殿、一般参拝者の数は少ない。
賑わうのは、殆ど祭りの時と式典や祭祀がある時だ。時々、他国の王侯貴族が物見遊山でやって来ることはあっても普段は関係者のみである。

そんな中へ頭の天辺から足先までを包む黒紫のローブで身を包む2人組の者が祭壇の前へ詣でる。
神殿関係者が白を基調とした装束に身を包んでいるため一層目立ち、多方向から視線を受けている様だ。しかし、そんな状況を気にもせず行動している2人組。

「方向的にはこっちですよね」

怪しげな者の片割れがもう片方に尋ねる。だが尋ねられた者は興味無さそうにチラリと横目で見るだけだった。
その2つのローブの中に見える顔は、整った品のある厳格そうな中年男と普通の気弱そうな青年だった。
この者達の共通項は同じ職場…と言うことだった。
気弱そうな青年が、上司らしい男に更に確認を取る。

「陛下のウンチャラ何チャラ…ってお祈りの口上必要ですか?」

「好きになさい。私が忠誠を捧げるのは、あの御方のみです」

遠くを見やり思いを捧げ祈るように中年男が目を閉じる。

「いやっ、それ公然と口にしちゃダメなやつじゃないですか?」

「私が忠誠を捧げるあの御方は、陛下に忠誠を捧げてます。ですから構いません」

酷く独善的な解釈で自身の正当性を説くこの男に何を言っても通じない事は分かっていた。一応意向を確認した…と言う体裁は整えたので部下と思われる男は、サクッと始めることにする。

ローブの中に下げている5色の高級魔石を配した首飾り。そこの魔力を動かし導き出す。そして片腕には最近取り入れられた魔物魔石を配した腕輪をつけている。

その魔物魔石に男が目を閉じ思いを捧げる。
開かれた瞳に宿る色は、先ほど上司が見せた色と同じものだった、其々の思い捧げる者は違えど瞳に宿る色は…狂信者のモノだった。

導き出した魔力が辺りを照らすほど輝き出す。
周囲で遠巻きに見ていた神殿の者達が制止するために駆け寄ろうとした瞬間、攻撃魔力として方向づけされ放たれ、祭壇側の壁が大きく破壊された。
その先には大規模な防御結界陣と生活区画があった。

「これはこれは緩い結界ですね…歯ごたえも手ごたえも何もありません」

そう言って乗り気では無かった上司も参加し始めた。
目の前に広がる結界に、その結界の許容限界を超える魔力を注ぎ入れ破壊する…出来るならば一番手っ取り早い力技の破壊方法。
ただし周囲も吹き飛ぶ。
大爆発を起こした場所へと教会の警備が駆けつける。隣は王宮であり、展開し続けている探索魔力にはそちらからも反応があるようだった。

「人数が増えるのは面倒です。私が結界陣を立ち上げますので貴方が略取は実行なさい…」

「それって、途轍もなくサボリじゃないですか?」

「貴方の方こそ、この陣の仕込みを何も手伝わなかったでしょ?」

「ははっ、人には向き不向きがあるってことですね!」

「だったら向いてるものを完璧にこなして下さい」

「了解っす」

凸凹な組み合わせに見えるが意外と任務に対しての相性は良さそうであった。

上司らしい中年男は神殿の入り口まで戻り、予め細かく周囲を囲むように設置しておいた結界を連動させ立ち上げる。
外に居た者は中に入れず、中に居た者は出られず…今回人数が多くなかったので、見渡す限りは、立ち上がる結界の狭間に居たものが存在しなかったのは幸いだ。

結界立ち上げる場所に居た者は…そう言った者が居たときに確認すれば分かる事だが、通常目にしたくない状態になる。

「さて、私の仕事は終了したので傍観させて頂きましょう」

隠者Ⅰは休息の時を持つことにした。


もう一人…略取に乗り出し生活区画に侵入する男は先ほどの者と同じ隠者…そして旅する仲間達にとっては馴染みの者。
その者と出会った瞬間ミーティの顔が思わず、うげっ…という表情になる。
それは、毎回見事なぐらいウンザリした気分にさせてくれる隠者Ⅸだった。

「おやおや、鼠君。未だ健在とは何よりです…そろそろ何処かで野垂れ死んだかと思ってましたよ」

そう笑顔で言いながら、軽く攻撃打ち込んでくる。
軽く…なのだが、其のまま力を…魔力使わず受けたなら一撃で未知の世界へ旅立つだろう衝撃。

「おやっ、小癪な真似せず真っ向から受け止められるようにはなったのですね…驚きました。ならば少し遊びましょう」

この線の細い貧弱…とも言える男の何処から力が導き出されるのか不思議だ。それぐらい強力な魔力纏う体術による攻撃を操りだしてくる。
そんな表情を読み取ったのか隠者Ⅸが更にミーティに一方的に攻撃しながら話しかける。

「僕のこの体躯から、この威力の攻撃が出るのが不思議ですか?」

強力な攻撃を、何の気なしに…涼し気に打ち込みながら続ける。

「君のように恵まれた体型では無いので、結構努力したんですよ。僕は筋肉が付きにくいんですよ…」

さらに鋭さが増す攻撃が入る。

「だから、君みたいに自慢げに筋肉さらす人って嫌いなんです」

確かに、今のミーティは訓練時の恰好のままだったので上半身は何も着ていなかった。だが、防御一方になってきたミーティは考え反論する余裕さえない。

「…でも、君みたいな人で遊ぶのは大好きです…君って何~か、嗜虐性をそそるんですよね~」

ガッツリとミーティの腹に蹴りが入り、胃液吐きつつ腹を抱え地面に倒れた。
隠者Ⅸの足元に転がされたミーティは唯一着けている肌袴を踏まれ行動を制限される。

「君…モテたいのなら一部の強~い女性か、男性の方がお勧めですよ…だって、僕でさえ昂り楽しくなってきてしまいましたから…」

ミーティは腹の痛み以上の寒気を感じるのだった。
その時、魔力での攻撃が隠者Ⅸを襲う。
平然と防御結界で弾くが、その一瞬に足元のミーティが助け出されていた。

「素晴らしく華麗な奪還ですね…お嬢さん」

一応隠蔽魔力纏っていたが意味がなかったようだった。
隠者Ⅸが話しかけた何もなかった方向に…ミーティを隠者Ⅸの足元から引きずり出し移動し50メルの距離まで離れた場所に立っていたモーイ。隠蔽を解きミーティと共に現れた。

「お嬢さんなら隠者にもれますね…一緒の職場で働きませんか」

突然の場違いな勧誘に思わず脱力しそうになるモーイとミーティ。
モーイはあきれ返り冷たい目を向け言い切る。

「断る」

言葉と同時に攻撃しかけ、この場からの離脱をさぐるモーイ。

「やっぱり、先を見る目も確かですし…その冷えた眼差しと、背中の描く線と、足…ゾクゾクします…素敵です」

脈絡がなさ過ぎて余計に苛立ち心冷えるモーイ。

「お前黙ってろ!」

モーイの言葉に隠者Ⅸが残忍な笑み浮かべ、舌舐めずりして宣う。

「連れ帰るのが楽しみになりました…」
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