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第一章 エリミア辺境王国編
26.大賢者が巻き込まれる闇
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《賢者の塔》
王城壁内にあり、王の住む王宮と対を成し存在する場所。賢者達が管理者となり、5つの塔に別れて存在する。
東西南北に別れる各塔には塔の長が存在し、中央塔にて大賢者がその全てをまとめる。
賢者の塔自身の力と所属する賢者及び賢者見習い等によって、国全体の水供給施設と境界壁、及び王城壁、それらの魔石と魔力の管理を担っている。
そんな文言がエリミアの王国史には記載されている。
大賢者リーシェライルは国王に呼び出されていた。
賢者の塔、中央塔。
その者が転移の間に降り来ると、各塔の賢者の長達が揃い並び立っていた。
正式な賢者のローブを着込み、皆、同じ格好で礼をして恭しく大賢者リーシェライルを迎える。
知らぬものが、この図を見たら誰もがこの者こそ最高権力者であると思うに違いない。礼を受けた者は同じローブを纏ってはいるが、他者に比する事の出来ない雰囲気も纏っていた。
銀の滴が天から降りてきたようなさらりとした髪に、光はらむ宵闇の薄青紫の瞳をした整った顔立ち。
その者は場に現れた瞬間、空気を変えた。
天上に住まう高貴なる者が地上に舞い降りたが如く存在し、その動きに合わせて自然と皆が畏まり跪く。
その者は軽く会釈を皆に返すと、他の錚々たる者達を従えゆっくりと謁見の間へ向かう。
王は謁見の間で既に待ち構えていた。
本来なら王宮の謁見の間にて待ち、呼び出すべき立場だ。その場から離れられない大賢者のために幾度となく足を運んできた。
王の風貌は、この国の頂点に立つ者が持つ威厳に溢れ、他を圧倒する重厚な雰囲気も持っていた。賢王と呼ばれるだけあり、その瞳からは知性を感じる…が同時に無関心で無気力な倦怠感を纏っていた。
「王と言う名の傀儡よ」
今まで何度となく聞こえてきたであろう囁き。
事実であり、王自身でも自嘲めいて呟いてしまうこともある言葉。
王に就任したばかりの頃、若さと希望と夢を持っていた。この国がより一層の繁栄を目指せればと思い奮起したが、周りはそのまま無難に維持することを求めた。今の状態が賢者頼りであり、良くないことは解っていた。
頼りすぎた事を反省し自分達の力でも前に進むべきだと思い様々な政策を用意し話し合いを求めたが、連綿と営まれ完成された組織はお飾りで頂点に立つ者しか必要としていなかった。
大賢者は王が小さき頃より、話しかける総ての言葉に興味を示し、耳に止め、時には助言を返し、優しく微笑んでくれた。それは王のことを応援してくれているのだと思っていた。
そのたおやかな風情で話を聞いてくれるだけで、王は勇気を貰える気がした。
しかし、この大賢者が200年の時を生き長らえている老獪な化け物であることを思い出す日が来る。
最初はどこからともなく耳に入るようになった。
「アハトの粛清を思い起こされよ…」
王位簒奪を目論んだ者に大賢者が一夜にしてもたらした鉄槌。その粛清が行なわれたからこそ現王家が存続している。
そう言われ学んできた。
でも、これには裏の意味も有るようだと親切な者が伝えてくれた。
アハトの街は未来を目指し、エリミアに眠る機構の解明に乗り出したから粛清された。
誰のものでも無い口が、色々な所から語ってくる。
大賢者リーシェライル様が、天より導き出したる力にて直接その御手を下した。
故に王が目指す道はアハトの二の舞になると…。
リーシェライルが謁見の間へ入って来ることで王は物思いから引き戻された。
大賢者は王の前に片膝つき頭を深く垂れ恭しく挨拶する。
「この度陛下のご尊顔拝し奉りましたこと誠に僥倖であります。大変珍しき急なお呼び出しと思われますが、どのようなご要件でございましょうか?」
「久々に、ゆるりと顔を見て話したかったのじゃが…申し訳ないのお…」
王は挨拶をゆっくり受け流し、リーシェライルの崩れぬ恭しき姿に見惚れた。
幼き頃から変わらぬ容姿。そのたおやかで優しげな微笑みを差し向けられれば、今でも心踊る思いが沸き起こるであろう。王はそんな思いに蓋をし、無表情に遠方を見やる。
リーシェライルは心ここに在らぬ王の様子と王城壁から帰り来る魔力の状態、探索の魔力を使い推測できる事より、今起きている事態を想定する。
「王よ…何に委ね、何を選び取ってしまったのかお分かりか?」
大賢者が、その花のような顔を曇らせて憂いを示した。
「解ってはいるのだが、心に住む妖異を切り離すのは難儀でな…」
王は何かを待っていた。
そして、遠方からと思われる魔力の衝撃が走る。
賢者の塔、謁見の間に立ち入っていた賢者の塔長やその他回路の強い者は軒並み、塔の奥底から湧き上がる魔力の奔流を受け崩折れた。
そして回路が一番開かれている大賢者リーシェライルは最大の衝撃を受けるはずであった。だが、その夥しい魔力の奔流の中心地に立ちながらも憂いを含む優しい笑みを浮かべ佇んでいた。
ただし、その口からは幾つもの鮮やかなが筋がするすると流れ落ち、喉元と口にやった掌の上に深紅の花を咲かせていた。
王はその現実を確認したくないのか遠くにやった視線を戻すことはなかった。
「御主が我ともっと心から向き合ってくれていたなら…あるいは…」
王は悲しげな表情で呟いた。
もともと時間で塔へ進入するよう手配していた王城の兵達が賢者の塔の謁見の間へと至った。
その者達に王が声をかけ、重々しい態度で告げる。
「大賢者リーシェライルと賢者の塔長達を大事ならぬよう丁重に保護し、賢者の塔より排せ」
それは、実質の拘束命令であった。
王城壁や境界壁の破壊に目をつぶることが自らの首を締める行いであると分かってはいても、もう王はその流れから逃れる事が出来なかった。
行動的にも気持ち的にも…。
小さな頃からの王の姿が微かに記憶残っている。
実際はリーシェライルでの対応ではなかった。
継承した大賢者達の統合人格である大賢者の助言者レイナルとして対応していた。
大賢者リーシェライルではあるがリーシェライルではない者。
小さき頃の王、イズハージェスは庭でフレイの様にまとわりつき遊びをねだってきていた。その姿が印象付けられているのかリーシェライルにも記憶を引き出せた。
正しきこの国の色を持ち、前王と前王妃にそっくりの顔立ち。何一つ自身の立場や存在に疑問を抱くこともなく真っ直ぐ育っていた長子。
王の系譜を正しく受け継ぎしものだった。
その尊き者がこの道を選びとった理由。
王城の有志による賢者の塔の排斥及び、賢者達の中枢への関与禁止についての発議が発端であった。密かに身内に潜り込んだヴェステの間者による王妃の略取と言う脅迫をもって要求が成された。
以前よりヴェステから、王には色々な情報が直接献上されていた。
「賢者の塔の下には超越遺物が存在しそれを究明できれば、このエリミアの未来が変わります」
「大賢者は知っているのに報告せず、その存在を賢者達のみの利益に変えようとしている」
「大賢者は偽りを述べている」
それらの話の内容は眉唾物の話と思われるものも多かったが、王の知る過去に滅ぼされた街の真実と被った。
王の中で疑惑への真実味は増した。
大賢者の偽り…。
王が動いても周りが大賢者の意向を気遣い何も動かぬ日々に諦め、安寧に身を埋めると決めてから、なるべくその疑惑から気持ちを遠ざけるようにしてきた。
大賢者がこの国の発展を閉ざし、その可能性に蓋をして飼い殺している…。
王もこの国の水資源の管理や境界壁の維持などの機構が、他国より優れ勝っていることは分かっていた。ただ、それが当然であり疑問にも思わなかった。
だが他国からの使者によりその事を讃えられ是非にと情報を求められ、何もないこの国の新たなる価値に心踊った。
それを利用すれば国が民が豊かになると…。
国を豊かにすること…それは王になった日からの目標であり夢でもあった。
アハトの粛清を語る者が身の回りに増え助言する。
「決して大賢者様に問うてはなりませぬ」
口止めされた。
その様々な事より "起こるであろう事を見過ごす" と言う消極的手段であっても王国を揺るがすものへ荷担してしまうぐらいに、王の心の中で "大賢者の偽り" それは真実となり確信となってしまっていた。
リーシェライルは拘束はされたが大切に運ばれているのは感じた。
ただ如何様に運ばれようと、この塔の領域限界を越えてしまえば国の中枢の管理機構は失われる。
そして大賢者の肉体も。
既に肉体が悲鳴をあげているのを感じる。
体内に宿す魔石も次なる者の器無くしては継承叶わず、連面と繋がる賢者の思考と意思としての機能は失われる。
『これが運命であっても必然ではない』
リーシェライルは思った。
『自分が引き寄せるか、他が引き寄せるかはまだ決まってない』
リーシェライルは自身でも足掻き、現状を変えていく決意をした。
王城壁内にあり、王の住む王宮と対を成し存在する場所。賢者達が管理者となり、5つの塔に別れて存在する。
東西南北に別れる各塔には塔の長が存在し、中央塔にて大賢者がその全てをまとめる。
賢者の塔自身の力と所属する賢者及び賢者見習い等によって、国全体の水供給施設と境界壁、及び王城壁、それらの魔石と魔力の管理を担っている。
そんな文言がエリミアの王国史には記載されている。
大賢者リーシェライルは国王に呼び出されていた。
賢者の塔、中央塔。
その者が転移の間に降り来ると、各塔の賢者の長達が揃い並び立っていた。
正式な賢者のローブを着込み、皆、同じ格好で礼をして恭しく大賢者リーシェライルを迎える。
知らぬものが、この図を見たら誰もがこの者こそ最高権力者であると思うに違いない。礼を受けた者は同じローブを纏ってはいるが、他者に比する事の出来ない雰囲気も纏っていた。
銀の滴が天から降りてきたようなさらりとした髪に、光はらむ宵闇の薄青紫の瞳をした整った顔立ち。
その者は場に現れた瞬間、空気を変えた。
天上に住まう高貴なる者が地上に舞い降りたが如く存在し、その動きに合わせて自然と皆が畏まり跪く。
その者は軽く会釈を皆に返すと、他の錚々たる者達を従えゆっくりと謁見の間へ向かう。
王は謁見の間で既に待ち構えていた。
本来なら王宮の謁見の間にて待ち、呼び出すべき立場だ。その場から離れられない大賢者のために幾度となく足を運んできた。
王の風貌は、この国の頂点に立つ者が持つ威厳に溢れ、他を圧倒する重厚な雰囲気も持っていた。賢王と呼ばれるだけあり、その瞳からは知性を感じる…が同時に無関心で無気力な倦怠感を纏っていた。
「王と言う名の傀儡よ」
今まで何度となく聞こえてきたであろう囁き。
事実であり、王自身でも自嘲めいて呟いてしまうこともある言葉。
王に就任したばかりの頃、若さと希望と夢を持っていた。この国がより一層の繁栄を目指せればと思い奮起したが、周りはそのまま無難に維持することを求めた。今の状態が賢者頼りであり、良くないことは解っていた。
頼りすぎた事を反省し自分達の力でも前に進むべきだと思い様々な政策を用意し話し合いを求めたが、連綿と営まれ完成された組織はお飾りで頂点に立つ者しか必要としていなかった。
大賢者は王が小さき頃より、話しかける総ての言葉に興味を示し、耳に止め、時には助言を返し、優しく微笑んでくれた。それは王のことを応援してくれているのだと思っていた。
そのたおやかな風情で話を聞いてくれるだけで、王は勇気を貰える気がした。
しかし、この大賢者が200年の時を生き長らえている老獪な化け物であることを思い出す日が来る。
最初はどこからともなく耳に入るようになった。
「アハトの粛清を思い起こされよ…」
王位簒奪を目論んだ者に大賢者が一夜にしてもたらした鉄槌。その粛清が行なわれたからこそ現王家が存続している。
そう言われ学んできた。
でも、これには裏の意味も有るようだと親切な者が伝えてくれた。
アハトの街は未来を目指し、エリミアに眠る機構の解明に乗り出したから粛清された。
誰のものでも無い口が、色々な所から語ってくる。
大賢者リーシェライル様が、天より導き出したる力にて直接その御手を下した。
故に王が目指す道はアハトの二の舞になると…。
リーシェライルが謁見の間へ入って来ることで王は物思いから引き戻された。
大賢者は王の前に片膝つき頭を深く垂れ恭しく挨拶する。
「この度陛下のご尊顔拝し奉りましたこと誠に僥倖であります。大変珍しき急なお呼び出しと思われますが、どのようなご要件でございましょうか?」
「久々に、ゆるりと顔を見て話したかったのじゃが…申し訳ないのお…」
王は挨拶をゆっくり受け流し、リーシェライルの崩れぬ恭しき姿に見惚れた。
幼き頃から変わらぬ容姿。そのたおやかで優しげな微笑みを差し向けられれば、今でも心踊る思いが沸き起こるであろう。王はそんな思いに蓋をし、無表情に遠方を見やる。
リーシェライルは心ここに在らぬ王の様子と王城壁から帰り来る魔力の状態、探索の魔力を使い推測できる事より、今起きている事態を想定する。
「王よ…何に委ね、何を選び取ってしまったのかお分かりか?」
大賢者が、その花のような顔を曇らせて憂いを示した。
「解ってはいるのだが、心に住む妖異を切り離すのは難儀でな…」
王は何かを待っていた。
そして、遠方からと思われる魔力の衝撃が走る。
賢者の塔、謁見の間に立ち入っていた賢者の塔長やその他回路の強い者は軒並み、塔の奥底から湧き上がる魔力の奔流を受け崩折れた。
そして回路が一番開かれている大賢者リーシェライルは最大の衝撃を受けるはずであった。だが、その夥しい魔力の奔流の中心地に立ちながらも憂いを含む優しい笑みを浮かべ佇んでいた。
ただし、その口からは幾つもの鮮やかなが筋がするすると流れ落ち、喉元と口にやった掌の上に深紅の花を咲かせていた。
王はその現実を確認したくないのか遠くにやった視線を戻すことはなかった。
「御主が我ともっと心から向き合ってくれていたなら…あるいは…」
王は悲しげな表情で呟いた。
もともと時間で塔へ進入するよう手配していた王城の兵達が賢者の塔の謁見の間へと至った。
その者達に王が声をかけ、重々しい態度で告げる。
「大賢者リーシェライルと賢者の塔長達を大事ならぬよう丁重に保護し、賢者の塔より排せ」
それは、実質の拘束命令であった。
王城壁や境界壁の破壊に目をつぶることが自らの首を締める行いであると分かってはいても、もう王はその流れから逃れる事が出来なかった。
行動的にも気持ち的にも…。
小さな頃からの王の姿が微かに記憶残っている。
実際はリーシェライルでの対応ではなかった。
継承した大賢者達の統合人格である大賢者の助言者レイナルとして対応していた。
大賢者リーシェライルではあるがリーシェライルではない者。
小さき頃の王、イズハージェスは庭でフレイの様にまとわりつき遊びをねだってきていた。その姿が印象付けられているのかリーシェライルにも記憶を引き出せた。
正しきこの国の色を持ち、前王と前王妃にそっくりの顔立ち。何一つ自身の立場や存在に疑問を抱くこともなく真っ直ぐ育っていた長子。
王の系譜を正しく受け継ぎしものだった。
その尊き者がこの道を選びとった理由。
王城の有志による賢者の塔の排斥及び、賢者達の中枢への関与禁止についての発議が発端であった。密かに身内に潜り込んだヴェステの間者による王妃の略取と言う脅迫をもって要求が成された。
以前よりヴェステから、王には色々な情報が直接献上されていた。
「賢者の塔の下には超越遺物が存在しそれを究明できれば、このエリミアの未来が変わります」
「大賢者は知っているのに報告せず、その存在を賢者達のみの利益に変えようとしている」
「大賢者は偽りを述べている」
それらの話の内容は眉唾物の話と思われるものも多かったが、王の知る過去に滅ぼされた街の真実と被った。
王の中で疑惑への真実味は増した。
大賢者の偽り…。
王が動いても周りが大賢者の意向を気遣い何も動かぬ日々に諦め、安寧に身を埋めると決めてから、なるべくその疑惑から気持ちを遠ざけるようにしてきた。
大賢者がこの国の発展を閉ざし、その可能性に蓋をして飼い殺している…。
王もこの国の水資源の管理や境界壁の維持などの機構が、他国より優れ勝っていることは分かっていた。ただ、それが当然であり疑問にも思わなかった。
だが他国からの使者によりその事を讃えられ是非にと情報を求められ、何もないこの国の新たなる価値に心踊った。
それを利用すれば国が民が豊かになると…。
国を豊かにすること…それは王になった日からの目標であり夢でもあった。
アハトの粛清を語る者が身の回りに増え助言する。
「決して大賢者様に問うてはなりませぬ」
口止めされた。
その様々な事より "起こるであろう事を見過ごす" と言う消極的手段であっても王国を揺るがすものへ荷担してしまうぐらいに、王の心の中で "大賢者の偽り" それは真実となり確信となってしまっていた。
リーシェライルは拘束はされたが大切に運ばれているのは感じた。
ただ如何様に運ばれようと、この塔の領域限界を越えてしまえば国の中枢の管理機構は失われる。
そして大賢者の肉体も。
既に肉体が悲鳴をあげているのを感じる。
体内に宿す魔石も次なる者の器無くしては継承叶わず、連面と繋がる賢者の思考と意思としての機能は失われる。
『これが運命であっても必然ではない』
リーシェライルは思った。
『自分が引き寄せるか、他が引き寄せるかはまだ決まってない』
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