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第一章 エリミア辺境王国編

12.派手に巻き込まれたその後

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ニュールは肉食系お嬢様と、お付きの獰猛な番犬女騎士から逃れてフレイを留まらせた中央広場舞台前に向かった。
お嬢様から守護魔石を獲得し少し気が抜けていた。

大した休憩も入れず気を張り続けることに、ニュールは疲れていた。
ここの所、ゆったり快適に自分ペースでやる事にした配送の仕事に慣れてしまっていたから酷使される労働環境を忘れてしまった。

『絶対もうあんな職場には戻りたくない…。そもそも戻っても生かしておいてもらえるのかさえも解らないし、3日完徹余裕で当たり前みたいな人外の存在にもうなりたくない。だから少なくとも留学先の国は選べる様にしておかないと…でも姫さんが討たれたらどうなるんだろうな』

少し嫌な昔を思い出した後、ニュールはナルキサ商会を出る時にサージャにそっと伝えられた話を思い出した。

「ニュール、忠告しておくね。お姫様の事は何があっても守ってね」

あの混乱する中、真剣な表情でニュールだけに聞こえるように言った。

「大賢者様だけは怒らせちゃいけないよ。今までと比較になら無い様な無限地獄に永遠に落とされるからね。これだけは冗談じゃなく本気で覚えておいてね」

年下の者を嗜めるかのように、実際目にしたことのある恐怖を語るかのように話した。

サージャは強い。
英雄並みの力を持つと言う噂もある。しかも国内だけでなく何ヵ国かとの取引のある商会の商会長であり、ありとあらゆる情報を得ようと思えば得られるサージャだ。何の冗談でも無く伝えられた言葉が、嫌な重みを持っていた。

『姫さんが傷つくと、大賢者である保護者さまの怒りに触れてしまうって事か…』

伝えたときのサージャの雰囲気をもう一度思い出し、少しゾワリとした。

「少し手間取っちまったけど大丈夫かな…」

通常の出力を押さえた魔力探索は常に行っていた。問題は無かった…。
中央広場まで戻り、もうすぐ姫さんも見える場所。

『中央広場の催しは魔石夢幻魔術団の幻想奇術か。いかにも姫さん好みで良かったよ』

探索魔力の反響の中に混ざる見知った者の喜び楽しむ波動。

年齢よりも少し幼い見た目の子供が、子供らしく目を輝かせ楽しむ姿。ニュールは自分が無くしたものを埋め合わせているような気持ちになり、とても癒された。

『癒しって必要だよな…良くエイスの飲み仲間のジェイダが飲むと面倒になるやつ。自分の子供推しの推し語り。今ならちょっと分かるわ…って、俺、子供居ないし、オヤジでもないし、そもそもその前に嫁居ないし!』

疲れたり混乱してる時のニュールの一人ボケ突っ込みが炸裂した。

後、フレイまで30メルの所。探索魔法に違和感が生じた。


結界が切れる反応。


「?!?!」


ニュールは握る魔石の魔力を限界まで引き出し、その場で魔石が崩れ去る。足下に纏った魔力は、跳躍と同時に石畳を破壊するぐらい強力に炸裂した。

上空で目にした眼下に広がる光景は、フレイが切れた結界の中で思いきり楽しそうにはしゃいで舞台に集中し目を輝かせる姿があった。
そして、その隣に座っていた男が徐ろにフレイの方を向き、手にした魔石から最大限の魔力を引き出し振り絞り放つ瞬間だった。

「フレイィィィィ!!!!」

ニュールは叫び、男へ空気を切り裂く魔力を放つ。手に持っていた魔石は跳躍で使い潰してしまったので体内魔石による攻撃。
ニュールが体に持つ魔石は魔物由来魔石。人が取り込むことは難しいと言われているもの…弱肉強食の中で生き残るための殺戮を繰り返し、その力を高めていった魔石。

到達した力は男の座っている場所を砕き男を傷つけた。
フレイを襲撃した者の主が、寸前で展開した結界の中ででギリギリ生き残れた様だが虫の息と言った状態だった。

フレイは大きな魔力を受けた衝撃で吹き飛ばされていた。

ニュールが上空で発見した時には既に至近距離からフレイに魔力が放たれた後であり、どうしようも無かった。
真横から高められた魔力を直接当てられ、フレイだけでなく座っていた木製のベンチまで破壊の魔力が及び粉々になっている。

フレイは2メル横に飛ばされていた。

駆け寄り近づき、そのぐったりした体を抱き上げる。自分の甘さに歯噛みするような怒りを感じながら呟く。

「すまんっ、フレイ…」

「……ホントだよぉ。巻き込んだお仕置きにしては酷いよ~」

「!!!!!…?」

「…痛った~い手擦りむいちゃったよ。それに破壊したら弁償だよ! どうするの?」

口をとがらせ文句を言うフレイは、この騒ぎを全てニュールが引き起こしたかと思っていたようだ。
腕の中で元気に暴れ始めたフレイを無意識にギュット抱き締めた。温かく動くその子供に涙が出そうになる。

「…良かった…」

それ以上の言葉が出なかった。

暴れていたフレイも抱き締められる安心感と埋められていく何かを感じ、その温かさを受け入れた。

そんな温かさを感じている感動的な状況なのに、横で僅かに動く息絶え絶えな守護者候補が呟いた。

「…化け…物…め…」

その言葉をぶつけたかったのが、ニュールなのかフレイなのかは分からなかった。

「殺すつもりで攻撃したお前も十分化け物の仲間だよ…」

ニュールはフレイを立たせて怪我が他に無いか確認しながら、その呟きに答えた。


回りを見回し確認するとワラワラと人が集まってきていた。
一瞬警戒するが殺気は無い。
ただ皆一様に隠蔽魔力を出力し、賢者の塔に所属するもの達が纏うマントだけを認識することが出来た。

『これが観察者か』

手際良く作業を行い原状回復させていく。負傷した敵対守護者候補も手当てをされ回収されたが、結局仕えているだろう主の姿を見ることは無かった。

状態をある程度戻すと、作業している賢者の塔所属の観察者が一人こちらへやって来る。

『一応、椅子と石畳の損壊と敵以外に被害は無いと思うが…何を言われるか少し心配だな…』

軽い事務的な挨拶の後、早速本題となる話の内容を観察者の代表者が伝えてきた。

「今回の状態は双方の攻撃によるものと判断しましたが、相手片の初撃が誘因とはいえ割合としては7対3と言う比率で、7の負担をお願いします。請求は後日送らせて頂きますのでご確認下さい」

いきなり始まった対戦だったが、偉く事務的な処理で終了となった。
結局、守護魔石を所持している者は逃げててしまったにしても隠れているにしても会えなかった。色々壊して賠償責任だけが残ると言う何とも間抜けな終わり方だ。

「ところで何でお前は大丈夫だったんだ?」

ニュールは直球で尋ねた。
あの、練り上げ高められた魔力を真横から直接受ければ、確実にこの世に居られなかっただろう。その魔力を物ともせず今ここにいる。
さっきの守護者候補が呟いた言葉でフレイの表情が一瞬を強ばるのを見かけたが、今は問題ないようだ。
今なら聞いても大丈夫と判断したニュールはそのままの言葉で勝負してみたのだった。

「あれが化け物《取り替え子》の姫の怖い物語の元凶、魔力吸収だよ…」

明るく笑いながら話しているが、瞳の奥に隠された思いが見え隠れしている。


「「《取り替え子》の姫は、人の持つ魔力を啜りに闇夜に紛れて現れる…」」
「「《取り替え子》の姫は、魔力無き者には命を魔力に変えて啜りに来る…」」


この二つに色々な物語を付けられ面白おかしく伝えられ、今では国中が知る物語となっている。

最初は石樹の儀の後。

石を内包できなかったフレイリアルをからかうために起こしたイタズラが原因だった。
儀式に参加した子供たち数人で、内包したばかりの魔石の魔力を引き出しフレイリアルに当てた。性質を定めない純粋な魔力だったから、当たっても目眩がするぐらいのはずだった。
だが倒れたのはフレイリアルではなく、当てに来た子供たちの方だった。
2~3日昏睡した者もいたが、授かりたての魔力を無理に引き出したせいと処理された。

次に起きたのは、城で王族が通う学舎にて。

子供は6歳からの2~4年、行儀と常識を習うため日中基礎学習を行う。王城でも、賢者の塔に併設される学舎で学習が行われる。
その時は学舎で魔力操作実習が行われていた。又も蔑みやからかいがあって…そこから発展した。
魔石を使った水魔力を数人がかりでフレイリアルに当てようとしてきたのだ。
だがフレイリアルは無事やり過ごし事なきを得たが、イタズラを実行した首謀者たちは魔力暴走を引き起こし昏睡した。

もともと石樹の儀の失敗によって周りから人は消えていたが、この出来事を機に《取り替え子》の姫の噂は一気に広められた。

『あの頃、リーシェが迎えに来てくれたんだよね』

少し遠い目をしながら昔を思い出していた。

「その力のお陰で今回、無事にやり過ごせたんだな…本当に無事で何よりだ」

ニュールの言葉にフレイは何だかぴょんぴょん跳び跳ねていたい気持ちになった。

『ここにも居た』

自分を心配してくれる存在が増えたことの嬉しさ。フレイがあまりにもその場でジタバタぴょんぴょんしているので、ニュールは余計なお節介で声をかけた。

「我慢するな~。行けるとき行っとけ。丁度そこの店で貸してもらえるぞ~」

「ニュールの馬鹿! スットコドッコイ!!」

オヤジの空気の読み間違いで、小さな女子の怒りを買い、謂れなき悪口を頂戴することになった。


『手にしている守護魔石は2つ。17組の競う者達で2つずつ魔石を手に入れた者達が最大数居るとして8組。基本的には十分国内残留出来るはず。少なくとも留学先を選べる立場のはず』

今までの成果を確認し思う。

『最低限で最良を目指すなら引き時だな』

ニュールは時間的に大分余裕はあるが、もう城へ向かうべきと判断した。道々妨害がある可能性も否定できないし、油断ならないと思われる敵は直接目の前に現れない。

「フレイ、ゆっくりとでも城方面へ移動しよう。特に問題は無いか?」

「大丈夫だと思う…けどもう少し時間ある?」

もう半時で斜…昼時の4つ、おやつを食べたい時間。そして周りには屋台が並び尽くしている広場がある。今までの色々を忘れてしまう位、魅力的な甘い匂いが漂ってくる。

「この棒に刺さってる甘いいい匂いのは何?」

「アカンティラド産の甘酸っぱい実に溶かした砂糖を被せた物だぞ」

ひとつの物に納得すると次へ移動し、それを繰り返していた。

「あっちのいろんな形に焼けてる、ケーキみたいな匂いのは?」

「あれはここら辺で良くある焼き菓子だ、食ったこと無いか?」

「無い!」

全てが目新しいのかフレイは飽きることなく楽しそうにしている。

昼食時の食事屋台でもそうだったが、店の目の前を陣取り作業している者達の一挙手一投足を食い入るように見守る。余りにも熱心なので、店の兄さんやおばちゃんが味見で色々恵んでくれたりもした。
ニュールも売っていた焼き菓子を見て、自身が初めて村祭りに行った屋台で買ってもらったのを思い出しフレイにも買ってやった。
袋入りの焼き菓子を摘まみながら歩いていた二人だったが、フレイがふと思い出したように軽くニュールに尋ねた。

「ニュールは賢者なの?」

いきなり核心をついてくる。

「!!!?…違う」

また同じ質問を受けてしまった。

「そうなの? でもさっきの攻撃って体内魔石からでしょ? 回路パスも開いてる感じだし、きっとそうだよ。リーシェに確認してもらうと解るよ」

ニコニコしながら嬉しそうに説明してきた。

『いやっ! 確認してもらっちゃ困る。ヴェステから来た賢者なんて言われたら、どっかの国の軍事バカに追跡捕獲される!!』

頭の中で必死に拒否し、とっさに誤魔化すような話をフレイに振る。

「確認は要らないよ。あれは偶々手に入れた魔物魔石を使ったんだよ。結構強力で俺もびっくりだったよ!!」

フレイに付いてる魔石センサーが反応した。背中に冷たい汗をかきながら苦しい言い訳をしたニュールだったが、《魔石》と言う一言で解放された。

「どんな魔物魔石?」

相変わらず自分の興味に真っ直ぐなフレイは、目をキラキラと輝かせながら聞いてきた。

「昔、砂漠で拾った魔物魔石さ」
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