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皇太子アルフレッド編

晩餐

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「・・・もうこんな時間か。」


私は部屋に飾ってある時計を見て言った。


もうすぐ晩餐の時間だ。


「はぁ・・・。」


私はため息をついた。


この時間は私にとって一日のうちで最も苦痛だったからだ。


「・・・殿下、そろそろ」


隣にいたフランクが私に声をかけた。


「ああ、分かってる。今行くよ。」


私は執務に区切りをつけて食堂へと向かった。




◇◆◇◆◇◆◇


「陛下、アルフレッド皇太子殿下がいらっしゃいました。」


「おお、よく来たな。アルフレッド。」


中に入ると父上とキャサリン、プリシラが既に席に着いていた。


「あら、アルフレッド様!来てくれたのね!」


私を見たキャサリンが言った。


「アルフレッドお兄様~!」


プリシラも嬉しそうな顔で私を見る。


(・・・)


私は顔が引きつりそうになるのを必死で抑え、椅子に座った。


するとキャサリンが口を開いた。


「私、アルフレッド様とも仲良くなりたいと思っていたのよ。だって私たちは家族になるんだから。」


キャサリンは甘ったるい声でそう言った。


(家族・・・?笑わせるな!母上を毒殺した女が!)


皇帝だけではなく私にも媚びを売ろうというのか。


私はキャサリンの言葉にはらわたが煮えくり返った。


本当は今すぐにでも罵倒してやりたい。


しかしそうするわけにはいかない。


私にはやらなければいけないことがあるからだ。


「ええ・・・私もそう思っております。」


私は必死で笑顔を作ってそう言った。


私の計画のために、キャサリンやプリシラとは仲良くしておく必要がある。


「まぁ、そうだったの!」


私の言葉に、キャサリンが感激したような顔をした。


その時、プリシラが突然会話に割って入った。


「お兄様!私もお兄様ともっと仲良くなりたいですわ!」


「・・・そう言ってくれて嬉しいよ、プリシラ。」


(・・・裏でシャーロットを虐げてるクソ女が。)


プリシラも母親と同じく嬉しそうな顔をした。


この母娘は外見だけではなく性格も似ているらしい。


どうやら皇帝はこんな女を本気で皇后にしようとしていたらしい。


(馬鹿なのか・・・?)


結局貴族たちに猛反対されて諦めたようだが。


まぁ平民が皇后なんてありえないよな。


それくらい誰だって分かる。


「アルフレッド、キャサリンやプリシラと仲良くしろよ。お前の母親と妹なのだからな。」


長いこと黙り込んでいた皇帝が突然口を開いた。


「はい、もちろんです。」


(表面だけだがな。)


キャサリンは母親ではないし、プリシラも皇帝の血を引いていないので妹ではない。


愚かな皇帝はそれを知らないようだ。


(・・・こんな地獄みたいな日々は私が終わらせる。)


私は目の前にいる愚かな三人を見て、強くそう思った―


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