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皇女シャーロット編
断罪①
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「キャサリンとその娘のプリシラが犯した罪に関してですわ!」
私がそう言うと周りの貴族はざわざわし始める。
それを聞いたキャサリンとプリシラが言い返す。
「何を言っているのか分からないわ。私とプリシラが罪を犯したですって?ウィルに愛されなかったからって私たちに復讐するの?醜いわ!」
「お姉様は本当に性悪ね!アルフレッドお兄様~!お姉様が私たちに嫌がらせをするの!」
お兄様は私の方を見て尋ねる。
「言ってみろ。」
「お兄様。まずはこれを見てください。」
私は隠していた書類をお兄様に手渡す。
それはキャサリンが国庫に手をつけていた証拠の資料だった。
「キャサリンは前皇帝陛下が存命する頃から国庫に手をつけておりました!」
それを聞いた周りの貴族は口々に言った。
「キャサリン様は国庫に手をつけていたのか!?」
「たしかにあのドレスや宝石類は皇室の予算で買える範囲内ではないな・・・。」
「国庫に手をつけていたのなら納得だ。」
キャサリンは顔が真っ青だ。
書類をじっと見ていたお兄様が呟いた。
「相当な額だな・・・。」
キャサリン、あなたの罪はこれだけではないわ。
まだ断罪は始まったばかりなのよ。
「それだけではありません。キャサリンは前皇后陛下を虐げ、さらには食事に毒を盛るように皇宮内の者に指示していました!」
「そんなの言いがかりよ!!!」
キャサリンは顔を真っ赤にして私を怒鳴りつけた。
「私はそんなことしていないわ!あの女は勝手に死んだのよ!!!」
取り乱すキャサリンの姿に周りは蔑む視線を向ける。
「皇帝陛下の母君である前皇后陛下をあの女呼ばわりしているぞ・・・。」
「これだから下賤な女は・・・」
キャサリンはお兄様に必死で訴えていた。
「アル!!!違うのよ!!!私は・・・」
だがお兄様はキャサリンの方を見もせず、私に尋ねた。
「シャーロット。証拠はあるのか?」
「ええ、もちろんですわ。」
私は懐から書類を取り出してお兄様に渡す。
「これは前皇后陛下が存命だった頃の使用人達の証言ですわ。」
お母様が亡くなってから辞めさせられた使用人達の証言を集めたのだ。
するとみんなが揃って同じようなことを口にした。
「キャサリンは皇帝の寵愛を笠に着て前皇后陛下を虐げるように指示していたのです!!!」
「シャーロット!!!!」
キャサリンが私につかみかかろうとする。
その腕を止めたのはアーク公爵令息だった。
「キャサリン様、みっともないですよ。」
アーク公爵令息はキャサリンの腕を掴んで冷たく言い放った。
お兄様は相変わらず証拠の資料をじっと見つめている。
周りの高位貴族たちはキャサリンを罵倒した。
「下賤な女が!公爵令嬢であり、皇后でもあるフレア様を虐げていたなんて!」
「いくら前皇帝陛下に愛されていたからって勘違いも甚だしいわ。」
下位貴族たちは困惑しているようにみえる。
「前皇后陛下は・・・悪女ではなかったのか・・・?」
「今の話だとまるでキャサリン様が悪女のようだ・・・。」
キャサリンは俯いてプルプルと震えている。
こんなものでは終わらない。
ここから貴方達二人はさらなる地獄へ堕ちるんだから―
私がそう言うと周りの貴族はざわざわし始める。
それを聞いたキャサリンとプリシラが言い返す。
「何を言っているのか分からないわ。私とプリシラが罪を犯したですって?ウィルに愛されなかったからって私たちに復讐するの?醜いわ!」
「お姉様は本当に性悪ね!アルフレッドお兄様~!お姉様が私たちに嫌がらせをするの!」
お兄様は私の方を見て尋ねる。
「言ってみろ。」
「お兄様。まずはこれを見てください。」
私は隠していた書類をお兄様に手渡す。
それはキャサリンが国庫に手をつけていた証拠の資料だった。
「キャサリンは前皇帝陛下が存命する頃から国庫に手をつけておりました!」
それを聞いた周りの貴族は口々に言った。
「キャサリン様は国庫に手をつけていたのか!?」
「たしかにあのドレスや宝石類は皇室の予算で買える範囲内ではないな・・・。」
「国庫に手をつけていたのなら納得だ。」
キャサリンは顔が真っ青だ。
書類をじっと見ていたお兄様が呟いた。
「相当な額だな・・・。」
キャサリン、あなたの罪はこれだけではないわ。
まだ断罪は始まったばかりなのよ。
「それだけではありません。キャサリンは前皇后陛下を虐げ、さらには食事に毒を盛るように皇宮内の者に指示していました!」
「そんなの言いがかりよ!!!」
キャサリンは顔を真っ赤にして私を怒鳴りつけた。
「私はそんなことしていないわ!あの女は勝手に死んだのよ!!!」
取り乱すキャサリンの姿に周りは蔑む視線を向ける。
「皇帝陛下の母君である前皇后陛下をあの女呼ばわりしているぞ・・・。」
「これだから下賤な女は・・・」
キャサリンはお兄様に必死で訴えていた。
「アル!!!違うのよ!!!私は・・・」
だがお兄様はキャサリンの方を見もせず、私に尋ねた。
「シャーロット。証拠はあるのか?」
「ええ、もちろんですわ。」
私は懐から書類を取り出してお兄様に渡す。
「これは前皇后陛下が存命だった頃の使用人達の証言ですわ。」
お母様が亡くなってから辞めさせられた使用人達の証言を集めたのだ。
するとみんなが揃って同じようなことを口にした。
「キャサリンは皇帝の寵愛を笠に着て前皇后陛下を虐げるように指示していたのです!!!」
「シャーロット!!!!」
キャサリンが私につかみかかろうとする。
その腕を止めたのはアーク公爵令息だった。
「キャサリン様、みっともないですよ。」
アーク公爵令息はキャサリンの腕を掴んで冷たく言い放った。
お兄様は相変わらず証拠の資料をじっと見つめている。
周りの高位貴族たちはキャサリンを罵倒した。
「下賤な女が!公爵令嬢であり、皇后でもあるフレア様を虐げていたなんて!」
「いくら前皇帝陛下に愛されていたからって勘違いも甚だしいわ。」
下位貴族たちは困惑しているようにみえる。
「前皇后陛下は・・・悪女ではなかったのか・・・?」
「今の話だとまるでキャサリン様が悪女のようだ・・・。」
キャサリンは俯いてプルプルと震えている。
こんなものでは終わらない。
ここから貴方達二人はさらなる地獄へ堕ちるんだから―
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