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本編
65 二度目の終わり
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それから私は外に出てダグラス公子を探し続けた。会場の外に行ったということ以外には何の手掛かりもないため、かなりの時間を費やしてようやく彼を見つけることが出来た。
ダグラス公子は会場から少し離れたところに一人でいた。
(どうしてこんなところに・・・?)
そう思ったものの、私は遠くを眺めているダグラス公子の後ろ姿に声をかけた。
「公子様!」
私のその声にダグラス公子が振り返った。彼は私を見て驚いたように目を見張った。
「お前・・・何でここに・・・」
「公子様にお礼を言いに来たんです」
「お礼?」
その言葉にダグラス公子が首をかしげた。私はそんな彼に深々と頭を下げた。
「はい、舞踏会でのことです。ありがとうございました」
「・・・俺は別に何もしてない」
「そんなことありません。ダグラス公子様がああ言ってくれて助かりました」
「・・・」
別に悪いことをしたわけでもないというのにダグラス公子は何故だかずっと浮かない顔をしていた。私はそんな彼に疑問を抱き、尋ねた。
「公子様?どうかなさったのですか?」
「・・・眠れないんだ」
「え・・・?」
その言葉に驚いて聞き返した私に彼が今度はハッキリと言った。
「あの断罪劇からもうずっと眠れないんだ」
「公子様・・・」
そこまで言うと、ダグラス公子は苦しそうに顔を歪ませた。
「俺はッ・・・俺はッ・・・十年近くアンジェリカの傍にいておきながらアイツがあんなことしていただなんて全く知らなかったッ・・・!」
「公子、様・・・」
そう言ったダグラス公子は悔しそうに拳を握りしめていた。
「毎晩、アンジェリカが夢に出てくるんだ・・・俺を罵倒するアンジェリカが」
「・・・!」
そこで私は彼がかなり疲れた顔をしていた意味をようやく理解した。きっとダグラス公子はあの舞踏会を終えてからずっと悪夢に悩まされていたのだろう。
ダグラス公子の瞳は水に濡れていて、今にも涙が溢れてきそうなほどだ。そして彼は弱々しい声で私に言った。
「本当は・・・俺も・・・あのとき一緒に罰を受けるべきだったんじゃないかって・・・」
「―その必要はありませんよ、公子様」
「聖女・・・?」
ダグラス公子が驚いたような顔で私を見た。私の言葉が信じられない、といったような顔だ。
「アンジェリカ元王女と公子様は全くの別人ですから」
「俺と・・・アイツがか?」
「はい、たしかに少し前までの公子様はアンジェリカ元王女と同じ嫌なヤツだったかもしれません」
「・・・」
「失礼ながら、私も最初はそう思っておりました。ですが、公子様と元王女には明確な違いがあります。それは何だと思いますか?」
「違い・・・?」
ダグラス公子はたしかに傲慢な人だったかもしれない。しかし、だからといってアンジェリカ元王女と同じ人ではない。
「元王女は根元から腐っていて、最後の最後まで救いようのない方でした。あの方に関しては更生など不可能だったでしょうね」
「・・・」
元王女のことを考えると複雑な心境になるのか、彼は黙り込んだ。
「ですが、公子様は違います。貴方は人の幸せを心の底から願うことが出来る方です」
「だが、それはアンジェリカのことが好きだったから・・・」
「いいえ、好きな人が幸せなら自分の元へ来てくれなくても構わないだなんてそんなことを言える人はそうそういませんよ。憎まれ、罵倒されてもいいから無理矢理傍に置こうとする方もいるはずです」
「・・・!」
そう、ダグラス公子のようなことを言える人間が貴族社会で何人いるだろうか。誰かの幸せを願うことが出来る人がこの世界に何人いるだろうか。思えば彼は本当は優しい人だった。ただ周りが彼を傲慢にさせているだけで。
「その時点で、公子様は元王女とは違う方です。あの方には誰かの幸せを願うことなど出来ないでしょうから」
「聖女・・・」
「大丈夫です、公子様。貴方が罰を受ける必要はどこにもありません」
私はニッコリと笑いながらそう言ったが、それでも彼の不安げな表情が消えることはなかった。
「だが、周りの貴族たちは・・・」
「―きっと公子様は誤解されやすい方なんだと思いますよ」
「え・・・?」
私の言葉にダグラス公子が目を丸くした。
「私も最初は怖い方だと思ってましたから!だけど今は公子様のこと全然怖くないです!」
「そ、それは本当か・・・?」
「はい、ですからこれからは積極的に人と関わってみてはどうでしょうか?」
「積極的に・・・人と関わる・・・」
「そうすれば、きっとみんなが公子様の良さを分かってくださいますよ」
「・・・!」
それを聞いたダグラス公子が嬉しそうに頬を染めた。どうやら元気を取り戻したようだ。彼のこんなに嬉しそうなところは初めて見る。
(ダグラス公子がいつも通りになって良かった)
私は目の前で穏やかな笑みを浮かべているダグラス公子を見て心の底からそう思った。それから彼はしばらくの間恥ずかしそうにモジモジとした後、私を見て口を開いた。
「・・・・・・・・・・聖女、ありが―」
「―ソフィア」
突然聞こえた声に驚いて後ろを振り返った。
「陛下?」
「探していたよ、こんなところにいたのか」
陛下は私の傍まで来て肩をそっと抱いた。どうやら突然会場からいなくなった私を心配していたようだ。
「心配かけて申し訳ありません、陛下」
「いいや、君に何も無いのなら大丈夫だ」
「ありがとうございます」
そう言うと、彼は私の手を握って微笑んだ。
「連れて行きたいところがあるんだが、ついて来てくれるか?」
「あ・・・はい・・・分かりました・・・」
(連れて行きたいところってどこだろう・・・?)
そのことを疑問に思いながらも、私は頷いた。
「公子様、お先に失礼いたしますね」
「あ、ああ・・・」
それから私は陛下に連れて行かれるようにしてダグラス公子の前から立ち去った。
◇◆◇◆◇◆
アルベールは会場の外で一人、離れていく二人の後ろ姿をじっと見つめていた。
「・・・」
今思えば、最初に彼女と出会ったときもこのような構図だった気がする。
―聖女ソフィア
聖女としての力を発現させ、王宮で暮らすようになった元平民の女。アルベールの中で聖女とはその程度の存在だった。大して興味も無い、顔を知っているだけの平民の女。
彼の幼馴染であるアンジェリカは何故か聖女を敵視していたが、だからといって必要以上に関わろうとは思わなかった。
彼と彼女の出会いは最悪だったと言っていいだろう。アルベールは感情が昂ると相手にキツいことを言ってしまう癖があった。
両親以外であんな風に彼のことを叱ったのは彼女が初めてだった。あの日、アルベールは王太子殿下に言われてからようやく自分の犯した失態に気が付いた。王宮での一件を知った父から叱責を受け、聖女の奉仕活動を手伝えと言われたときは卒倒するかと思った。
聖女はきっと自分の顔も見たくないと思っているだろう。他の貴族たちと同じように彼を軽蔑の眼差しで見つめるだろう。そう思うとどうしても気が乗らなかった。
だが、聖女はアルベールが思っていた人物とはかなり違った。
『―公子様』
そう言いながら優しく微笑むその姿はまさに聖女の名に相応しかった。
(何故だ?何故お前は敵にこんなに優しく出来るんだ?)
彼女からしたらアルベールは間違いなく敵だった。
聖女に頭を撫でられたとき、心が温かくなった。アンジェリカと一緒にいるときですら感じたことのない感情だった。アンジェリカと共にいたときは温かさを感じたことなど無かった。むしろ、いつまでも彼を見てくれない彼女に体は冷たくなるばかりだった。そう、アンジェリカはアルベールを愛していなかった。それどころか友達としての”好き”すらも抱いていなかった。アルベール本人もそのことをよく理解していた。
しかしそれでもアンジェリカはアルベールにとっての唯一だった。だからこそ長い間彼女を愛し、傍にいた。だが、今はどうだろうか。今、彼の頭の中を占めているのはアンジェリカではなく・・・
「―ソフィア」
そのとき彼は初めて彼女の名前を口にした。本人の前ではずっと聖女と呼んでいたからか、何だか慣れない。その名を呼んだ瞬間、彼の胸がトクンと音を立てた。この気持ちの正体に気付きかけている自分がいた。だけど、あえてそれを口にはしなかった。この気持ちは、誰にも明かすべきではないと思っていたから。
(悪かった・・・そして・・・・・・―ありがとう)
そのとき、彼の瞳から一筋の涙が流れた。
アルベールは最後の最後まで彼女に言えずじまいだった言葉を心の中でそっと呟いて二度目の恋に終わりを告げた。
ダグラス公子は会場から少し離れたところに一人でいた。
(どうしてこんなところに・・・?)
そう思ったものの、私は遠くを眺めているダグラス公子の後ろ姿に声をかけた。
「公子様!」
私のその声にダグラス公子が振り返った。彼は私を見て驚いたように目を見張った。
「お前・・・何でここに・・・」
「公子様にお礼を言いに来たんです」
「お礼?」
その言葉にダグラス公子が首をかしげた。私はそんな彼に深々と頭を下げた。
「はい、舞踏会でのことです。ありがとうございました」
「・・・俺は別に何もしてない」
「そんなことありません。ダグラス公子様がああ言ってくれて助かりました」
「・・・」
別に悪いことをしたわけでもないというのにダグラス公子は何故だかずっと浮かない顔をしていた。私はそんな彼に疑問を抱き、尋ねた。
「公子様?どうかなさったのですか?」
「・・・眠れないんだ」
「え・・・?」
その言葉に驚いて聞き返した私に彼が今度はハッキリと言った。
「あの断罪劇からもうずっと眠れないんだ」
「公子様・・・」
そこまで言うと、ダグラス公子は苦しそうに顔を歪ませた。
「俺はッ・・・俺はッ・・・十年近くアンジェリカの傍にいておきながらアイツがあんなことしていただなんて全く知らなかったッ・・・!」
「公子、様・・・」
そう言ったダグラス公子は悔しそうに拳を握りしめていた。
「毎晩、アンジェリカが夢に出てくるんだ・・・俺を罵倒するアンジェリカが」
「・・・!」
そこで私は彼がかなり疲れた顔をしていた意味をようやく理解した。きっとダグラス公子はあの舞踏会を終えてからずっと悪夢に悩まされていたのだろう。
ダグラス公子の瞳は水に濡れていて、今にも涙が溢れてきそうなほどだ。そして彼は弱々しい声で私に言った。
「本当は・・・俺も・・・あのとき一緒に罰を受けるべきだったんじゃないかって・・・」
「―その必要はありませんよ、公子様」
「聖女・・・?」
ダグラス公子が驚いたような顔で私を見た。私の言葉が信じられない、といったような顔だ。
「アンジェリカ元王女と公子様は全くの別人ですから」
「俺と・・・アイツがか?」
「はい、たしかに少し前までの公子様はアンジェリカ元王女と同じ嫌なヤツだったかもしれません」
「・・・」
「失礼ながら、私も最初はそう思っておりました。ですが、公子様と元王女には明確な違いがあります。それは何だと思いますか?」
「違い・・・?」
ダグラス公子はたしかに傲慢な人だったかもしれない。しかし、だからといってアンジェリカ元王女と同じ人ではない。
「元王女は根元から腐っていて、最後の最後まで救いようのない方でした。あの方に関しては更生など不可能だったでしょうね」
「・・・」
元王女のことを考えると複雑な心境になるのか、彼は黙り込んだ。
「ですが、公子様は違います。貴方は人の幸せを心の底から願うことが出来る方です」
「だが、それはアンジェリカのことが好きだったから・・・」
「いいえ、好きな人が幸せなら自分の元へ来てくれなくても構わないだなんてそんなことを言える人はそうそういませんよ。憎まれ、罵倒されてもいいから無理矢理傍に置こうとする方もいるはずです」
「・・・!」
そう、ダグラス公子のようなことを言える人間が貴族社会で何人いるだろうか。誰かの幸せを願うことが出来る人がこの世界に何人いるだろうか。思えば彼は本当は優しい人だった。ただ周りが彼を傲慢にさせているだけで。
「その時点で、公子様は元王女とは違う方です。あの方には誰かの幸せを願うことなど出来ないでしょうから」
「聖女・・・」
「大丈夫です、公子様。貴方が罰を受ける必要はどこにもありません」
私はニッコリと笑いながらそう言ったが、それでも彼の不安げな表情が消えることはなかった。
「だが、周りの貴族たちは・・・」
「―きっと公子様は誤解されやすい方なんだと思いますよ」
「え・・・?」
私の言葉にダグラス公子が目を丸くした。
「私も最初は怖い方だと思ってましたから!だけど今は公子様のこと全然怖くないです!」
「そ、それは本当か・・・?」
「はい、ですからこれからは積極的に人と関わってみてはどうでしょうか?」
「積極的に・・・人と関わる・・・」
「そうすれば、きっとみんなが公子様の良さを分かってくださいますよ」
「・・・!」
それを聞いたダグラス公子が嬉しそうに頬を染めた。どうやら元気を取り戻したようだ。彼のこんなに嬉しそうなところは初めて見る。
(ダグラス公子がいつも通りになって良かった)
私は目の前で穏やかな笑みを浮かべているダグラス公子を見て心の底からそう思った。それから彼はしばらくの間恥ずかしそうにモジモジとした後、私を見て口を開いた。
「・・・・・・・・・・聖女、ありが―」
「―ソフィア」
突然聞こえた声に驚いて後ろを振り返った。
「陛下?」
「探していたよ、こんなところにいたのか」
陛下は私の傍まで来て肩をそっと抱いた。どうやら突然会場からいなくなった私を心配していたようだ。
「心配かけて申し訳ありません、陛下」
「いいや、君に何も無いのなら大丈夫だ」
「ありがとうございます」
そう言うと、彼は私の手を握って微笑んだ。
「連れて行きたいところがあるんだが、ついて来てくれるか?」
「あ・・・はい・・・分かりました・・・」
(連れて行きたいところってどこだろう・・・?)
そのことを疑問に思いながらも、私は頷いた。
「公子様、お先に失礼いたしますね」
「あ、ああ・・・」
それから私は陛下に連れて行かれるようにしてダグラス公子の前から立ち去った。
◇◆◇◆◇◆
アルベールは会場の外で一人、離れていく二人の後ろ姿をじっと見つめていた。
「・・・」
今思えば、最初に彼女と出会ったときもこのような構図だった気がする。
―聖女ソフィア
聖女としての力を発現させ、王宮で暮らすようになった元平民の女。アルベールの中で聖女とはその程度の存在だった。大して興味も無い、顔を知っているだけの平民の女。
彼の幼馴染であるアンジェリカは何故か聖女を敵視していたが、だからといって必要以上に関わろうとは思わなかった。
彼と彼女の出会いは最悪だったと言っていいだろう。アルベールは感情が昂ると相手にキツいことを言ってしまう癖があった。
両親以外であんな風に彼のことを叱ったのは彼女が初めてだった。あの日、アルベールは王太子殿下に言われてからようやく自分の犯した失態に気が付いた。王宮での一件を知った父から叱責を受け、聖女の奉仕活動を手伝えと言われたときは卒倒するかと思った。
聖女はきっと自分の顔も見たくないと思っているだろう。他の貴族たちと同じように彼を軽蔑の眼差しで見つめるだろう。そう思うとどうしても気が乗らなかった。
だが、聖女はアルベールが思っていた人物とはかなり違った。
『―公子様』
そう言いながら優しく微笑むその姿はまさに聖女の名に相応しかった。
(何故だ?何故お前は敵にこんなに優しく出来るんだ?)
彼女からしたらアルベールは間違いなく敵だった。
聖女に頭を撫でられたとき、心が温かくなった。アンジェリカと一緒にいるときですら感じたことのない感情だった。アンジェリカと共にいたときは温かさを感じたことなど無かった。むしろ、いつまでも彼を見てくれない彼女に体は冷たくなるばかりだった。そう、アンジェリカはアルベールを愛していなかった。それどころか友達としての”好き”すらも抱いていなかった。アルベール本人もそのことをよく理解していた。
しかしそれでもアンジェリカはアルベールにとっての唯一だった。だからこそ長い間彼女を愛し、傍にいた。だが、今はどうだろうか。今、彼の頭の中を占めているのはアンジェリカではなく・・・
「―ソフィア」
そのとき彼は初めて彼女の名前を口にした。本人の前ではずっと聖女と呼んでいたからか、何だか慣れない。その名を呼んだ瞬間、彼の胸がトクンと音を立てた。この気持ちの正体に気付きかけている自分がいた。だけど、あえてそれを口にはしなかった。この気持ちは、誰にも明かすべきではないと思っていたから。
(悪かった・・・そして・・・・・・―ありがとう)
そのとき、彼の瞳から一筋の涙が流れた。
アルベールは最後の最後まで彼女に言えずじまいだった言葉を心の中でそっと呟いて二度目の恋に終わりを告げた。
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