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本編
58 舞台の裏側
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アンジェリカ王女殿下が会場から連れ出され、私はふぅと一息ついた。
(本当に騒がしい人だったなぁ・・・)
そんなことを考えていたら、殿下が後ろを振り返って尋ねた。
「ソフィア、大丈夫か?」
「ええ、私は平気ですよ」
殿下の背に守られながら私は数時間前のことを思い出していた。
「キャーーーーーー!!!」
ダグラス公子に通された部屋で、後ろから誰かが覆いかぶさってきたのだ。襲われる、と思ったのも束の間私はその人物に後ろからギュッと抱きしめられた。
「・・・・・・え?」
逞しい腕が私の体をしっかりと抱きしめて離さない。耳元では荒い息遣いが聞こえてくる。おそるおそる後ろを振り向いてみると、そこにいたのは―
「お、王太子殿下・・・?」
「ソフィア、無事でよかった・・・!」
泣きそうな顔で私を見つめる王太子殿下だった。彼は私がここにいることを確かめるように力強く私を抱きしめた。私を後ろからギュッと抱きしめる彼はいつもより余裕が無さそうに見えた。気のせいか美しい紫色の瞳が少しだけ水に濡れているような気もする。
そして、その後ろにはこの光景を呆然と見つめているダグラス公子の姿もあった。
(ハッ!)
ダグラス公子が見ていることに気が付いた私は慌てて自分を抱きしめる殿下の胸に手を置いて彼と距離を取った。
「で、殿下!放してください・・・これは一体どういう・・・」
「ああ、まずは状況の説明からだな。話すと長くなるんだが・・・」
それから私たちは部屋の灯りを付け、椅子に座ってダグラス公子を交えて三人で話した。どうやら王宮の端にあるこの部屋は誰も使っていない空き部屋だったらしい。私がそこで殿下から聞いたのは衝撃的な話だった。
「そ、それは本当なんですか・・・!」
「ああ、今の話で合ってるよな?ダグラス公子」
「・・・はい、殿下」
ダグラス公子は俯くようにして頷いた。
殿下の話によると、どうやらダグラス公子はアンジェリカ王女殿下に私の殺害を依頼されたらしい。そしてそれを何と舞踏会の直前で王太子殿下に全てを話しに行ったのだという。
私は目の前に座るダグラス公子を驚愕の眼差しで見つめた。
(ダグラス公子がアンジェリカ王女殿下を裏切るだなんて・・・!)
王女殿下が私を本当に殺そうとしていたことにももちろん驚いたが、私にとってはそっちの方が衝撃的だった。
「・・・」
ダグラス公子はさっきからずっと虚ろな目をしていた。どうやら今回の一件でかなり疲弊しているようだ。こんなに生気の無い彼は初めて見るかもしれない。それと同時に私の部屋に訪れたときの彼の顔色が随分と悪くなっていた理由も察した。
(そりゃあそうだよね・・・こんなことを依頼されたんだもの・・・)
それも相手はアンジェリカ王女殿下だった。大切な人にそんな頼み事をされた彼は今どんな気持ちだろうか。ダグラス公子はそんなことに使われたのだ。きっと私では想像出来ないほどの深い悲しみに暮れているのだろう。
「公子様・・・」
「ソフィア、愚妹が本当に申し訳ない」
ダグラス公子の隣にいた殿下はそう言いながら座ったまま頭を下げた。
「君の婚約者を奪っただけでは飽き足らず、まさか殺そうとするとは・・・」
「・・・殿下、私は大丈夫です。それに殿下は何も悪くないではありませんか。どうかお気になさらないでください」
「ソフィア・・・」
殿下は彼を安心させようとして笑ってみせた私を悲しげに見つめていたが、それからすぐに真剣な顔つきになった。
「―だが、これでようやくアンジェリカを断罪することが出来る」
「・・・・・・・え?断罪?」
その言葉の意味が分からなかった私は殿下に聞き返した。
「ああ、今日の舞踏会で私は貴族たちの前で妹―そして、父の罪を全て明らかにするつもりだ」
「罪・・・ですか?」
「ああ、ソフィア。君もこんな目に遭ったんだ。話しておく必要があるだろう」
そして殿下はアンジェリカ王女殿下と国王陛下が過去に犯した罪を包み隠さず全て私に話した。その話を聞いた私は開いた口が塞がらなかった。
「う、嘘でしょう・・・?それは・・・一体・・・」
「・・・残念だが、今言ったことは全て紛れもない事実だ」
殿下はグッと苦しそうな顔でそう言った。
(まさか国王陛下と王女殿下がそんなことをしていただなんて・・・!)
私もこれには驚きを隠すことが出来なかった。たしかにあの二人はお世辞にも人格者とは言えない人たちだった。しかし、まさか裏でそんなおぞましいことをしているとは思いもしなかった。
「―私は今日、何が何でもあの二人を断罪する。もう被害者は出さない」
殿下は決意のこもった強い瞳でそう言った。彼のそんな姿は物凄く頼もしかった。
「・・・もしかして、フローレス公爵様が最近よく殿下の元へいらしていたのはそのためですか?」
「そうだ、この日のために計画を立てていたんだよ。叔父上は信頼出来る人間だからな」
「そうだったのですね・・・」
殿下は先ほどとは打って変わって優しい笑みを浮かべながらそう言った後、今度はダグラス公子の方に目をやった。
「―ダグラス公子」
「・・・はい、殿下」
「あの二人を断罪するためにはお前の力も必要だ。アンジェリカの聖女殺害未遂の件を今日の舞踏会で証言してくれないか?」
「・・・」
それを聞いたダグラス公子が何かを考え込むかのように黙り込んだ。おそらく殿下は彼を証人にして王女殿下を断罪したいのだろう。ダグラス公子はアンジェリカ王女殿下と深く関わりがある上に名門ダグラス公爵家の令息だった。もし彼が直々に王女殿下の悪事を証言すればかなりスムーズに事が進むはずだ。私ですらそのことが容易に想定出来た。
(ダグラス公子・・・)
先ほどからずっと黙り込んでいるダグラス公子をじっと見つめていた王太子殿下がゆっくりと口を開いた。
「・・・しかし私は、お前がどれだけアンジェリカを大切に思っているのかをよく知っている。もしお前がアンジェリカを裏切れないというのなら―」
「―いいえ、お話します」
そのとき、ダグラス公子は突然顔を上げてハッキリとそう言った。
「「・・・!」」
その力強い声に私も殿下もハッと息を呑んだ。
「今日の舞踏会で、私は知っていることを全てお話します」
「そうか・・・」
「公子様・・・」
これには殿下も驚いたのか、目を丸くして隣にいた彼を見ていた。
「ありがとう、ダグラス公子。お前のおかげで断罪が上手くいきそうだ」
「いえ、私は当然のことをするまでです」
ダグラス公子はそう言いながら何かを諦めたような表情をした。愛する人を裏切るのは簡単なことではないのだろう。彼は今複雑な気持ちを抱いてるはずだ。
「これで話は一旦終わりだ。私は一足先に会場へ向かうとする。おそらくもう舞踏会が始まっている頃だろう。ダグラス公子は私がさっき言った通りに動いてくれ」
「はい、殿下」
ダグラス公子が返事をした。
「ソフィアは―」
「・・・」
「ソフィア、どうした?」
口をポカンと開けて自分を見ていた私を不思議に思ったのか、殿下が尋ねた。
「・・・名前」
「え?」
「呼び捨てだなぁって」
「・・・ッ!」
そう言った途端、殿下は今ようやく気付いたかのようにハッとなって顔を赤くした。こんなにも動揺しているだなんて彼らしくなくてつい笑ってしまった。
「す、すまない・・・婚約者でもない女性に対して失礼だったな・・・」
「ふふふ、別にかまわないですよ」
「・・・え」
私のその言葉に殿下の瞳が揺れた。私はそんな彼に笑いながら言った。
「全ッ然、不快じゃありませんから」
「・・・それは本当か?」
「はい、殿下だからいいんです」
「そうか・・・」
それを聞いた彼は少し嬉しそうだった。
それから私はダグラス公子と別れ、王太子殿下が会場に入るまで彼と行動を共にした。その間、彼は私がまた狙われるのではないか心配なようで私から一時も離れなかった。
そして今。
私は舞踏会の会場を見渡してみる。
床に膝を着いてガックリと項垂れている国王陛下、無表情で何を考えているのか分からないアレックス、顔を手で覆って嗚咽を上げている者、呆然と立ち尽くしている者。反応は三者三様だ。
そして私を庇うようにして立っている王太子殿下は、実の父である国王陛下をこれ以上ないくらい冷たい目で見下ろしていた。憎悪、軽蔑、悲哀。その瞳からは様々な感情が見て取れた。少なくとも息子が父親に向ける目ではなかった。
(殿下・・・)
アンジェリカ王女殿下が捕らえられ会場から連れ出されたが、この断罪劇はまだ終わっていない。
「―陛下」
「・・・フィリクス」
殿下の声に、陛下が顔を上げた。
(本当に騒がしい人だったなぁ・・・)
そんなことを考えていたら、殿下が後ろを振り返って尋ねた。
「ソフィア、大丈夫か?」
「ええ、私は平気ですよ」
殿下の背に守られながら私は数時間前のことを思い出していた。
「キャーーーーーー!!!」
ダグラス公子に通された部屋で、後ろから誰かが覆いかぶさってきたのだ。襲われる、と思ったのも束の間私はその人物に後ろからギュッと抱きしめられた。
「・・・・・・え?」
逞しい腕が私の体をしっかりと抱きしめて離さない。耳元では荒い息遣いが聞こえてくる。おそるおそる後ろを振り向いてみると、そこにいたのは―
「お、王太子殿下・・・?」
「ソフィア、無事でよかった・・・!」
泣きそうな顔で私を見つめる王太子殿下だった。彼は私がここにいることを確かめるように力強く私を抱きしめた。私を後ろからギュッと抱きしめる彼はいつもより余裕が無さそうに見えた。気のせいか美しい紫色の瞳が少しだけ水に濡れているような気もする。
そして、その後ろにはこの光景を呆然と見つめているダグラス公子の姿もあった。
(ハッ!)
ダグラス公子が見ていることに気が付いた私は慌てて自分を抱きしめる殿下の胸に手を置いて彼と距離を取った。
「で、殿下!放してください・・・これは一体どういう・・・」
「ああ、まずは状況の説明からだな。話すと長くなるんだが・・・」
それから私たちは部屋の灯りを付け、椅子に座ってダグラス公子を交えて三人で話した。どうやら王宮の端にあるこの部屋は誰も使っていない空き部屋だったらしい。私がそこで殿下から聞いたのは衝撃的な話だった。
「そ、それは本当なんですか・・・!」
「ああ、今の話で合ってるよな?ダグラス公子」
「・・・はい、殿下」
ダグラス公子は俯くようにして頷いた。
殿下の話によると、どうやらダグラス公子はアンジェリカ王女殿下に私の殺害を依頼されたらしい。そしてそれを何と舞踏会の直前で王太子殿下に全てを話しに行ったのだという。
私は目の前に座るダグラス公子を驚愕の眼差しで見つめた。
(ダグラス公子がアンジェリカ王女殿下を裏切るだなんて・・・!)
王女殿下が私を本当に殺そうとしていたことにももちろん驚いたが、私にとってはそっちの方が衝撃的だった。
「・・・」
ダグラス公子はさっきからずっと虚ろな目をしていた。どうやら今回の一件でかなり疲弊しているようだ。こんなに生気の無い彼は初めて見るかもしれない。それと同時に私の部屋に訪れたときの彼の顔色が随分と悪くなっていた理由も察した。
(そりゃあそうだよね・・・こんなことを依頼されたんだもの・・・)
それも相手はアンジェリカ王女殿下だった。大切な人にそんな頼み事をされた彼は今どんな気持ちだろうか。ダグラス公子はそんなことに使われたのだ。きっと私では想像出来ないほどの深い悲しみに暮れているのだろう。
「公子様・・・」
「ソフィア、愚妹が本当に申し訳ない」
ダグラス公子の隣にいた殿下はそう言いながら座ったまま頭を下げた。
「君の婚約者を奪っただけでは飽き足らず、まさか殺そうとするとは・・・」
「・・・殿下、私は大丈夫です。それに殿下は何も悪くないではありませんか。どうかお気になさらないでください」
「ソフィア・・・」
殿下は彼を安心させようとして笑ってみせた私を悲しげに見つめていたが、それからすぐに真剣な顔つきになった。
「―だが、これでようやくアンジェリカを断罪することが出来る」
「・・・・・・・え?断罪?」
その言葉の意味が分からなかった私は殿下に聞き返した。
「ああ、今日の舞踏会で私は貴族たちの前で妹―そして、父の罪を全て明らかにするつもりだ」
「罪・・・ですか?」
「ああ、ソフィア。君もこんな目に遭ったんだ。話しておく必要があるだろう」
そして殿下はアンジェリカ王女殿下と国王陛下が過去に犯した罪を包み隠さず全て私に話した。その話を聞いた私は開いた口が塞がらなかった。
「う、嘘でしょう・・・?それは・・・一体・・・」
「・・・残念だが、今言ったことは全て紛れもない事実だ」
殿下はグッと苦しそうな顔でそう言った。
(まさか国王陛下と王女殿下がそんなことをしていただなんて・・・!)
私もこれには驚きを隠すことが出来なかった。たしかにあの二人はお世辞にも人格者とは言えない人たちだった。しかし、まさか裏でそんなおぞましいことをしているとは思いもしなかった。
「―私は今日、何が何でもあの二人を断罪する。もう被害者は出さない」
殿下は決意のこもった強い瞳でそう言った。彼のそんな姿は物凄く頼もしかった。
「・・・もしかして、フローレス公爵様が最近よく殿下の元へいらしていたのはそのためですか?」
「そうだ、この日のために計画を立てていたんだよ。叔父上は信頼出来る人間だからな」
「そうだったのですね・・・」
殿下は先ほどとは打って変わって優しい笑みを浮かべながらそう言った後、今度はダグラス公子の方に目をやった。
「―ダグラス公子」
「・・・はい、殿下」
「あの二人を断罪するためにはお前の力も必要だ。アンジェリカの聖女殺害未遂の件を今日の舞踏会で証言してくれないか?」
「・・・」
それを聞いたダグラス公子が何かを考え込むかのように黙り込んだ。おそらく殿下は彼を証人にして王女殿下を断罪したいのだろう。ダグラス公子はアンジェリカ王女殿下と深く関わりがある上に名門ダグラス公爵家の令息だった。もし彼が直々に王女殿下の悪事を証言すればかなりスムーズに事が進むはずだ。私ですらそのことが容易に想定出来た。
(ダグラス公子・・・)
先ほどからずっと黙り込んでいるダグラス公子をじっと見つめていた王太子殿下がゆっくりと口を開いた。
「・・・しかし私は、お前がどれだけアンジェリカを大切に思っているのかをよく知っている。もしお前がアンジェリカを裏切れないというのなら―」
「―いいえ、お話します」
そのとき、ダグラス公子は突然顔を上げてハッキリとそう言った。
「「・・・!」」
その力強い声に私も殿下もハッと息を呑んだ。
「今日の舞踏会で、私は知っていることを全てお話します」
「そうか・・・」
「公子様・・・」
これには殿下も驚いたのか、目を丸くして隣にいた彼を見ていた。
「ありがとう、ダグラス公子。お前のおかげで断罪が上手くいきそうだ」
「いえ、私は当然のことをするまでです」
ダグラス公子はそう言いながら何かを諦めたような表情をした。愛する人を裏切るのは簡単なことではないのだろう。彼は今複雑な気持ちを抱いてるはずだ。
「これで話は一旦終わりだ。私は一足先に会場へ向かうとする。おそらくもう舞踏会が始まっている頃だろう。ダグラス公子は私がさっき言った通りに動いてくれ」
「はい、殿下」
ダグラス公子が返事をした。
「ソフィアは―」
「・・・」
「ソフィア、どうした?」
口をポカンと開けて自分を見ていた私を不思議に思ったのか、殿下が尋ねた。
「・・・名前」
「え?」
「呼び捨てだなぁって」
「・・・ッ!」
そう言った途端、殿下は今ようやく気付いたかのようにハッとなって顔を赤くした。こんなにも動揺しているだなんて彼らしくなくてつい笑ってしまった。
「す、すまない・・・婚約者でもない女性に対して失礼だったな・・・」
「ふふふ、別にかまわないですよ」
「・・・え」
私のその言葉に殿下の瞳が揺れた。私はそんな彼に笑いながら言った。
「全ッ然、不快じゃありませんから」
「・・・それは本当か?」
「はい、殿下だからいいんです」
「そうか・・・」
それを聞いた彼は少し嬉しそうだった。
それから私はダグラス公子と別れ、王太子殿下が会場に入るまで彼と行動を共にした。その間、彼は私がまた狙われるのではないか心配なようで私から一時も離れなかった。
そして今。
私は舞踏会の会場を見渡してみる。
床に膝を着いてガックリと項垂れている国王陛下、無表情で何を考えているのか分からないアレックス、顔を手で覆って嗚咽を上げている者、呆然と立ち尽くしている者。反応は三者三様だ。
そして私を庇うようにして立っている王太子殿下は、実の父である国王陛下をこれ以上ないくらい冷たい目で見下ろしていた。憎悪、軽蔑、悲哀。その瞳からは様々な感情が見て取れた。少なくとも息子が父親に向ける目ではなかった。
(殿下・・・)
アンジェリカ王女殿下が捕らえられ会場から連れ出されたが、この断罪劇はまだ終わっていない。
「―陛下」
「・・・フィリクス」
殿下の声に、陛下が顔を上げた。
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