腐男子★恋愛事情

７. 腐男子だってパトロール

お待ちかねの昼休みがやってきたのだ♪♪♪

今日の僕の萌えは何処かな～？ちょっと遠くの東棟にやってきましたよ！

ここは廃墟的な教室があってですね、使ってない教室なんだけどこんなところで萌えちゃうカップルがいそうなんだよね！

それも学校では内緒の秘密の恋とかねっ！使われていない旧教室とかありそうでしょぐふふふふくふっ！！

しかし、あくどい場所でもある。

旧教室って多人数で一人の生徒を強、げふんげふんな事も起きやすい地帯じゃないか！？

そ、それはダメだそれだけは萌対象外だ。そんなの犯罪！！

もしもだけど、そんな現場を見かけても僕は助けられる気がしない。

でっかい男衆だし……うーん。対処方法を考え得てたらスマホに確か前生徒会長のアドレスが登録されてたことを思い出した。

いつの間に登録されたのか仰天だけど、この際文句も言ってられないから前生徒会長を使おう。

そーっと忍び足で各教室を覗いて歩いた。目的が変わってる気がするけど助けるのも腐男子の使命のような気がしてきた。

だってこんな廃墟的な場所なんて普通生徒はまず来ないだろう、腐のにほいを求めて来るのは腐男子である僕くらいだと断言出来るからね……！


ガタンッ

｢むむ？｣

誰もいないはずの何処かの教室から音がした！ これはまさかの強か……！？

『ひゃっ』

ひゃっ、ですと！？こ、こここっここれはマジで本物強姦現場！？

どこ？どこだ？どこの教室なのだ！？

爪先を立てて器用に音を出さないで走った。

屈んで教室のドアを少し開けた。

ダンッと音がした。この教室に間違いない。

机や椅子はバラバラになっててちょっと埃っぽいな。後方の奥の方に人の足が見えた。
人は見えないので足の数を数えよう。何本あるかな……１，２３４５…６本の足があるって事は３人、で、捕まってるのは一人だから４人いるんだ！
ってことは、告白タイムでも秘密のにゃんにゃんでもなく、間違いなくご、ごご強姦現場！？

（やばいマジやばい本当に遭遇してしまった！！）

僕は焦りながら先ほどから爪先歩きのままくるくるその場を回っていた。

そ、そうだ、前生徒会長に知らせよう！！とにかくこの場合は権力を大きに活用しなくては！

プルプル―って二回コールですぐ出てくれた。

「んぁ？どうした。ふぁ～…お前が珍しいな｣

なんかのんびり声。欠伸なんかして寝起きだな前会長！はッ！横にはチワワんが……って！！

「そんな場合じゃない！！阿呆ぅ前生徒会長！！」

「ア″？ お前に阿呆呼ばわりはして欲しくないな｣ 

なに逆ギレしてるんですかね！


ドンドンッ


「……ヒャッ！！！！」


誰かが蹴り上げてる！！や、あっ！やややばい。

｢ぜ、ぜんぜん前会ちょ！助けてとにかく助けて！！旧教室に男達厳ついの襲われてる！！｣

ぎゅっとスマホを握りしめて前生徒会長に助けを伝えた。

つい焦ってまとまらない言葉だったけど、来てくれるよね！？前生徒会長！！

｢おい、誉？どこだって！？ 早く言えッ！！｣

 急にゆるい話し方からドでかい声出して叫んだから耳がキーンってなるでしょが！！

けど本気出して走って来てくれそうで良かった。

僕は東棟の教室の事を伝えてスマホを切った。声が漏れたらやばいから……。

あの調子ならだれか数人連れて来てくれそうだ。

中の人、もう少しだ、我慢してくれ！！！