11 / 18
十一話
しおりを挟む
11話
「–––ま」
……寝ている私を誰かが起こそうとしている。少女か、まだ変声期を迎えていない男児のような声だ。
……本来なら悪魔族に睡眠など必要ないのだが、別に寝れないわけではない。嗜好品としては楽しめるのだ。
「お–––き–––く–––」
おきく……人の名前かな?なら私ではなく別の誰かを呼んでいるんだろう。ならもう一度寝て–––
「–––起きろと言うのが聞こえないのか!この駄メイド悪魔ッ!」
「ひょわっ?!」
突然の怒鳴り声に、思わず奇声を上げてしまった。飛び起きた目の前にはご主人様の顔があった。
「おはようございます。ご主人様。駄メイドは余計でございます」
「……そのご主人様がピンチになっているのに寝ているお前が駄メイドではないと?」
ピンチになっている?疑問に思った私は、蟻程度の魔力しかない見知らぬ人間が気配察知に引っかかっていることに気づいた。
「……前に5人、背後に6人ですか」
「ああ。御者のやつは中に俺がいることを盗賊に告げて、金貨を手に握らせて逃げやがった」
ご主人様ははあ、と大きくため息を吐いた。
おそらくですが商人と盗賊の間に暗黙の了解があるんでしょう。それか盗賊の頭が悪いか。
このどちらかですね。
「ヒャッハァ!!女と荷物置いてを置いていきな!そしたら命だけは助けてやるよ!二人乗ってることはわかっているんだぜ!」
野太い男の嘲るような声が聞こえた。どうやら私がいることは盗賊にバレてしまっているようだ。
「……蹴散らしますか?」
「……ああ、命令だ。あの–––クズを体現したような盗賊どもを蹴散らせ」
「かしこまりました。蹴って散らします」
私はニッコリと笑みを浮かべて返事をし、馬車から降りた。そして私は見た感じ盗賊の親玉っぽい男に視線を向けた。
「ははっ!男じゃなくて女が出てきやがったぞ!お前の相方か?腑抜けた野郎だな!」
盗賊の親玉らしき男はご主人様をバカにするような発言をして、私に対し不躾な視線を向けてきた。
ご主人様が腑抜けという点には激しく同意しますね。もって言っちゃってください。
「それにしても……結構な上玉だな。散々楽しんでから奴隷商にでも売り飛ばしてやるよ!」
盗賊の親玉らしき男は舌舐めずりをして、他の盗賊たちもそれに同調するようにニヤリと下卑た笑みを浮かべた。
「はあ。ご主人様の命令です。蹴って散らさせていただきます」
「はっ!女ごときがなにを–––」
パァン、ベチャッ。何かが破裂し、飛び散るような音が私の耳に入った。
「女ごときが、なんですって?」
盗賊の親玉らしき男に私は聞き返すも、返事はない。なぜなら彼は、私の蹴りでその身が飛び散ってしまったからだ。
『経験値を5万6000獲得しました。Lvが13→14に上昇しました。HP、MP、SPが100上昇しました。SLPを1獲得しました』
『魂食により経験値を5万6000獲得しました』
『一定の条件を達成したことにより、戦闘技能〈爆裂脚〉を体得しました』
なぜか蟻程度の魔力しかない盗賊の経験値があのドラゴンの二倍以上あった。
ということは、魔物を殺すよりNPCを殺した方が経験値の効率がいい……?
「まあ、今は盗賊の殲滅が先ですね」
私は顔を青くしてこちらを見ている盗賊たちに視線を向けた。
盗賊たちは私の視線が自分たちに向いていることに気づいたのか、表情を強張らせて
「ひっ……!!に、逃げろ!!」
踵を返し、私に背中を向けて走り出した。敵を前に背を向けて逃げるとは、殺してくださいと言っているのと同じですよ?
「すみませんが、ご主人様には全員蹴散らせと言われておりますので、逃亡は許しませんよ?」
私はニッコリと笑みを浮かべてそう呟き、地面を力強く蹴った。
「二人目」
空中で身体を捻り、回し蹴りを喰らわせた。パアンという音を立てて、二人目の盗賊は断末魔の悲鳴をあげる間も無く、その身を散らした。
『経験値を4万1000獲得しました』
『魂食により経験値を4万1000獲得しました。Lvが14→15に上昇しました。HP、MP、SPが100上昇しました。SLPを2獲得しました』
『一定の条件を満たしたことにより、戦闘技能〈回転脚〉を体得しました』
全身に血を被ってしまうが、あとで綺麗にすればいいので気にしない気にしない。
「三人目」
身を小さく屈め、地面を蹴った。……いったいどれくらいのスピードが出ているのだろうか。蹴っただけで人の体が爆散する速さである。私には想像がつかない。
–––私は空中で身体を半回転させ、某ゲームの主人公が徘徊している敵を踏み潰すように、盗賊を蹴り潰した。
『経験値を4万2000獲得しました』
『魂食により経験値を4万2000獲得しました』
盗賊はあと八人。遠くに行かれては探すのが面倒くさくなるかもしれないし、パパッとやっちゃおうか。
私はインベントリから二本のテーブルナイフを取り出して、それぞれ一本ずつ盗賊へと投擲した。
二本のテーブルナイフは木々の合間を縫って見事盗賊の頭に突き刺さった。
『腕力上昇のレベルが【2/10】→【3/10】に上昇しました』
『食器戦闘技術のレベルが【2/30】→【4/30】に上昇しました』
『投擲技術のレベルが【3/10】から【4/10】に上昇しました』
『経験値を4万4000獲得しました』
『魂食により経験値を4万4000獲得しました。Lvが15→16に上昇しました。HP、MP、SPが100上昇しました。SLPを1獲得しました』
『経験値を4万6000獲得しました』
『魂食により経験値を4万6000獲得しました』
『称号:〈無慈悲なる者〉がイアに付与されました』
盗賊二人の死を確認した私は、残りの六人を仕留めるために気配察知に意識を集中させた。
「……これは」
森の中へと逃げた六人の盗賊たちは、全員同じところにいた。
「ふーむ、アジトかなにかですかね?」
盗賊のアジトといえば、盗んだ品を溜め込んでいるイメージがあるけど……。うん、潰しに行こう。ついでに戦利品として盗まれた品も頂こう。
その旨をご主人様に伝えるため、私は一旦馬車に戻った。
「……もう終わったのか?」
ご主人様は怪訝そうに、馬車に入ってきた私を見つめてきた。
「いえ、あと六匹ほど残っています。そのことについてなのですが、盗賊のアジトにある盗難品の所有権はどういった風に決められているのでしょうか?」
「……僕の国では盗賊に品を盗まれても自己責任。よっぽどのことじゃない限り国は動かなかったな。盗難品に関しては、見つけたものの好きにしてよかったはずだ」
その言葉に私はニヤリと笑みを浮かべた。おっけーらしいですし、お宝頂戴しに……じゃなくて盗賊を殲滅しに行きましょうか!
「それでは行ってまいります。ご主人様」
「いや、行くってどこへ……。ちょ、ま、おいっ!」
私は馬車を降りて、盗賊たちのアジトであろう場所に向かって一直線に走り出した。
ご主人様、大丈夫です。危険が迫ったら私に通達されるよう、契約術を行なっておりますゆえっ!
「そういう問題じゃないっ!」
そんなご主人様の叫び声が聞こえた気がしたが、きっと気のせいだろう。たぶん。
無造作に置かれたいくつもの酒樽。木で作られたテーブルは年季が入っているようで、ボロボロだ。
椅子は丸太を切り取っただけの簡単なもので、こちらもボロボロだった。
テーブルの上には酒、酒、肉、酒。野菜や果物などは見当たらない。どれだけ不健康な生活をしていたのだろうか。
–––なんて思ったのは先ほどで、現在はその全てが真っ赤に染まっている。
「さて、盗賊はこれで片付きましたかね?」
私は魔銀製のテーブルナイフをインベントリに仕舞い、頰に付着していた血を服の裾で拭った。
『空間魔法のレベルが【2/30】→【3/30】に上昇しました』
『経験値を3万9000×6獲得しました。Lvが16→17に上昇しました。HP、MP、SPが100上昇しました。SLPを1獲得しました』
『魂食により経験値を3万9000×6獲得しました』
血濡れた手袋はそこら辺に捨てて、新しい手袋を創りそれを手にはめた。
胴体から頭が取れかかっている盗賊たちの死体はとりあえず放置しておく。こんなところで燃やしたら大変なことになるからね。
「……おや。どうやら捕まっているものがいるようですね」
正直どうでもいいが、放置したらしたらでご主人様になにかと言われそうなので、捕まっているものを助けに行くことにした。
「……これはこれは。なにかと思えばこんな珍しいものが捕まっているとは」
牢屋の檻に手をかけて、私が入れる程度に無理やり押し曲げた。そこから牢の中へと入る。
「ッ!」
突然目の前にサバイバルナイフのようなものが飛んできた。私は半歩横にずれることでそれを避けた。
私に向かって投擲されたサバイバルナイフのようなものは石でできた壁に柄の部分まで刺さっていた。私を殺すつもりで投げたんだろうと推測できる。
「……なにもんだ、てめえ」
私は牢の奥へと目を向ける。
–––そこにいたのは、一匹の獣だった。いや、獣だったものだった。
黒色の髪、銀色の瞳。何より目立つのは、頭部に生えている黒色の獣耳と、黒色の尻尾だ。
尻尾や耳の形状からして、猫の獣人に至ったものだろうか。
「お初にお目にかかります。私の名はイア。あなたを助けに来たものです」
それにしても初めて見したよ。進化によって獣人に至った魔物なんて。……まあ、初めてみるのが当たり前なんですけどね。このゲーム始めてまだ間もないですし。
「–––ま」
……寝ている私を誰かが起こそうとしている。少女か、まだ変声期を迎えていない男児のような声だ。
……本来なら悪魔族に睡眠など必要ないのだが、別に寝れないわけではない。嗜好品としては楽しめるのだ。
「お–––き–––く–––」
おきく……人の名前かな?なら私ではなく別の誰かを呼んでいるんだろう。ならもう一度寝て–––
「–––起きろと言うのが聞こえないのか!この駄メイド悪魔ッ!」
「ひょわっ?!」
突然の怒鳴り声に、思わず奇声を上げてしまった。飛び起きた目の前にはご主人様の顔があった。
「おはようございます。ご主人様。駄メイドは余計でございます」
「……そのご主人様がピンチになっているのに寝ているお前が駄メイドではないと?」
ピンチになっている?疑問に思った私は、蟻程度の魔力しかない見知らぬ人間が気配察知に引っかかっていることに気づいた。
「……前に5人、背後に6人ですか」
「ああ。御者のやつは中に俺がいることを盗賊に告げて、金貨を手に握らせて逃げやがった」
ご主人様ははあ、と大きくため息を吐いた。
おそらくですが商人と盗賊の間に暗黙の了解があるんでしょう。それか盗賊の頭が悪いか。
このどちらかですね。
「ヒャッハァ!!女と荷物置いてを置いていきな!そしたら命だけは助けてやるよ!二人乗ってることはわかっているんだぜ!」
野太い男の嘲るような声が聞こえた。どうやら私がいることは盗賊にバレてしまっているようだ。
「……蹴散らしますか?」
「……ああ、命令だ。あの–––クズを体現したような盗賊どもを蹴散らせ」
「かしこまりました。蹴って散らします」
私はニッコリと笑みを浮かべて返事をし、馬車から降りた。そして私は見た感じ盗賊の親玉っぽい男に視線を向けた。
「ははっ!男じゃなくて女が出てきやがったぞ!お前の相方か?腑抜けた野郎だな!」
盗賊の親玉らしき男はご主人様をバカにするような発言をして、私に対し不躾な視線を向けてきた。
ご主人様が腑抜けという点には激しく同意しますね。もって言っちゃってください。
「それにしても……結構な上玉だな。散々楽しんでから奴隷商にでも売り飛ばしてやるよ!」
盗賊の親玉らしき男は舌舐めずりをして、他の盗賊たちもそれに同調するようにニヤリと下卑た笑みを浮かべた。
「はあ。ご主人様の命令です。蹴って散らさせていただきます」
「はっ!女ごときがなにを–––」
パァン、ベチャッ。何かが破裂し、飛び散るような音が私の耳に入った。
「女ごときが、なんですって?」
盗賊の親玉らしき男に私は聞き返すも、返事はない。なぜなら彼は、私の蹴りでその身が飛び散ってしまったからだ。
『経験値を5万6000獲得しました。Lvが13→14に上昇しました。HP、MP、SPが100上昇しました。SLPを1獲得しました』
『魂食により経験値を5万6000獲得しました』
『一定の条件を達成したことにより、戦闘技能〈爆裂脚〉を体得しました』
なぜか蟻程度の魔力しかない盗賊の経験値があのドラゴンの二倍以上あった。
ということは、魔物を殺すよりNPCを殺した方が経験値の効率がいい……?
「まあ、今は盗賊の殲滅が先ですね」
私は顔を青くしてこちらを見ている盗賊たちに視線を向けた。
盗賊たちは私の視線が自分たちに向いていることに気づいたのか、表情を強張らせて
「ひっ……!!に、逃げろ!!」
踵を返し、私に背中を向けて走り出した。敵を前に背を向けて逃げるとは、殺してくださいと言っているのと同じですよ?
「すみませんが、ご主人様には全員蹴散らせと言われておりますので、逃亡は許しませんよ?」
私はニッコリと笑みを浮かべてそう呟き、地面を力強く蹴った。
「二人目」
空中で身体を捻り、回し蹴りを喰らわせた。パアンという音を立てて、二人目の盗賊は断末魔の悲鳴をあげる間も無く、その身を散らした。
『経験値を4万1000獲得しました』
『魂食により経験値を4万1000獲得しました。Lvが14→15に上昇しました。HP、MP、SPが100上昇しました。SLPを2獲得しました』
『一定の条件を満たしたことにより、戦闘技能〈回転脚〉を体得しました』
全身に血を被ってしまうが、あとで綺麗にすればいいので気にしない気にしない。
「三人目」
身を小さく屈め、地面を蹴った。……いったいどれくらいのスピードが出ているのだろうか。蹴っただけで人の体が爆散する速さである。私には想像がつかない。
–––私は空中で身体を半回転させ、某ゲームの主人公が徘徊している敵を踏み潰すように、盗賊を蹴り潰した。
『経験値を4万2000獲得しました』
『魂食により経験値を4万2000獲得しました』
盗賊はあと八人。遠くに行かれては探すのが面倒くさくなるかもしれないし、パパッとやっちゃおうか。
私はインベントリから二本のテーブルナイフを取り出して、それぞれ一本ずつ盗賊へと投擲した。
二本のテーブルナイフは木々の合間を縫って見事盗賊の頭に突き刺さった。
『腕力上昇のレベルが【2/10】→【3/10】に上昇しました』
『食器戦闘技術のレベルが【2/30】→【4/30】に上昇しました』
『投擲技術のレベルが【3/10】から【4/10】に上昇しました』
『経験値を4万4000獲得しました』
『魂食により経験値を4万4000獲得しました。Lvが15→16に上昇しました。HP、MP、SPが100上昇しました。SLPを1獲得しました』
『経験値を4万6000獲得しました』
『魂食により経験値を4万6000獲得しました』
『称号:〈無慈悲なる者〉がイアに付与されました』
盗賊二人の死を確認した私は、残りの六人を仕留めるために気配察知に意識を集中させた。
「……これは」
森の中へと逃げた六人の盗賊たちは、全員同じところにいた。
「ふーむ、アジトかなにかですかね?」
盗賊のアジトといえば、盗んだ品を溜め込んでいるイメージがあるけど……。うん、潰しに行こう。ついでに戦利品として盗まれた品も頂こう。
その旨をご主人様に伝えるため、私は一旦馬車に戻った。
「……もう終わったのか?」
ご主人様は怪訝そうに、馬車に入ってきた私を見つめてきた。
「いえ、あと六匹ほど残っています。そのことについてなのですが、盗賊のアジトにある盗難品の所有権はどういった風に決められているのでしょうか?」
「……僕の国では盗賊に品を盗まれても自己責任。よっぽどのことじゃない限り国は動かなかったな。盗難品に関しては、見つけたものの好きにしてよかったはずだ」
その言葉に私はニヤリと笑みを浮かべた。おっけーらしいですし、お宝頂戴しに……じゃなくて盗賊を殲滅しに行きましょうか!
「それでは行ってまいります。ご主人様」
「いや、行くってどこへ……。ちょ、ま、おいっ!」
私は馬車を降りて、盗賊たちのアジトであろう場所に向かって一直線に走り出した。
ご主人様、大丈夫です。危険が迫ったら私に通達されるよう、契約術を行なっておりますゆえっ!
「そういう問題じゃないっ!」
そんなご主人様の叫び声が聞こえた気がしたが、きっと気のせいだろう。たぶん。
無造作に置かれたいくつもの酒樽。木で作られたテーブルは年季が入っているようで、ボロボロだ。
椅子は丸太を切り取っただけの簡単なもので、こちらもボロボロだった。
テーブルの上には酒、酒、肉、酒。野菜や果物などは見当たらない。どれだけ不健康な生活をしていたのだろうか。
–––なんて思ったのは先ほどで、現在はその全てが真っ赤に染まっている。
「さて、盗賊はこれで片付きましたかね?」
私は魔銀製のテーブルナイフをインベントリに仕舞い、頰に付着していた血を服の裾で拭った。
『空間魔法のレベルが【2/30】→【3/30】に上昇しました』
『経験値を3万9000×6獲得しました。Lvが16→17に上昇しました。HP、MP、SPが100上昇しました。SLPを1獲得しました』
『魂食により経験値を3万9000×6獲得しました』
血濡れた手袋はそこら辺に捨てて、新しい手袋を創りそれを手にはめた。
胴体から頭が取れかかっている盗賊たちの死体はとりあえず放置しておく。こんなところで燃やしたら大変なことになるからね。
「……おや。どうやら捕まっているものがいるようですね」
正直どうでもいいが、放置したらしたらでご主人様になにかと言われそうなので、捕まっているものを助けに行くことにした。
「……これはこれは。なにかと思えばこんな珍しいものが捕まっているとは」
牢屋の檻に手をかけて、私が入れる程度に無理やり押し曲げた。そこから牢の中へと入る。
「ッ!」
突然目の前にサバイバルナイフのようなものが飛んできた。私は半歩横にずれることでそれを避けた。
私に向かって投擲されたサバイバルナイフのようなものは石でできた壁に柄の部分まで刺さっていた。私を殺すつもりで投げたんだろうと推測できる。
「……なにもんだ、てめえ」
私は牢の奥へと目を向ける。
–––そこにいたのは、一匹の獣だった。いや、獣だったものだった。
黒色の髪、銀色の瞳。何より目立つのは、頭部に生えている黒色の獣耳と、黒色の尻尾だ。
尻尾や耳の形状からして、猫の獣人に至ったものだろうか。
「お初にお目にかかります。私の名はイア。あなたを助けに来たものです」
それにしても初めて見したよ。進化によって獣人に至った魔物なんて。……まあ、初めてみるのが当たり前なんですけどね。このゲーム始めてまだ間もないですし。
0
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
魔法が存在しない世界でパリィ無双~付属の音ゲーを全クリした僕は気づけばパリィを極めていた~
虎柄トラ
SF
音ゲーが大好きな高校生の紫乃月拓斗はある日親友の山河聖陽からクローズドベータテストに当選したアーティファクト・オンラインを一緒にプレイしないかと誘われる。
始めはあまり乗り気じゃなかった拓斗だったがこのゲームに特典として音ゲーが付いてくると言われた拓斗はその音ゲーに釣られゲームを開始する。
思いのほかアーティファクト・オンラインに熱中した拓斗はその熱を持ったまま元々の目的であった音ゲーをプレイし始める。
それから三か月後が経過した頃、音ゲーを全クリした拓斗はアーティファクト・オンラインの正式サービスが開始した事を知る。
久々にアーティファクト・オンラインの世界に入った拓斗は自分自身が今まで何度も試しても出来なかった事がいとも簡単に出来る事に気づく、それは相手の攻撃をパリィする事。
拓斗は音ゲーを全クリした事で知らないうちにノーツを斬るようにパリィが出来るようになっていた。
また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記
一色 遥
SF
運動神経抜群な普通の女子高生『雪奈』は、幼なじみの女の子『圭』に誘われて、新作VRゲーム『Freelife Frontier(通称フリフロ)』という、スキルを中心としたファンタジーゲームをやることに。
『セツナ』という名前で登録した雪奈は、初期スキルを選択する際に、0.000001%でレアスキルが出る『スーパーランダムモード』(リセマラ不可)という、いわゆるガチャを引いてしまう。
その結果……【幻燈蝶】という謎のスキルを入手してしまうのだった。
これは、そんなレアなスキルを入手してしまった女の子が、幼なじみやその友達……はたまた、ゲーム内で知り合った人たちと一緒に、わちゃわちゃゲームを楽しみながらゲーム内トップランカーとして走って行く物語!
Bless for Travel ~病弱ゲーマーはVRMMOで無双する~
NotWay
SF
20xx年、世に数多くのゲームが排出され数多くの名作が見つかる。しかしどれほどの名作が出ても未だに名作VRMMOは発表されていなかった。
「父さんな、ゲーム作ってみたんだ」
完全没入型VRMMOの発表に世界中は訝、それよりも大きく期待を寄せた。専用ハードの少数販売、そして抽選式のβテストの両方が叶った幸運なプレイヤーはゲームに入り……いずれもが夜明けまでプレイをやめることはなかった。
「第二の現実だ」とまで言わしめた世界。
Bless for Travel
そんな世界に降り立った開発者の息子は……病弱だった。
ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜
八ッ坂千鶴
SF
普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。
そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……!
Unlimited Possibilities Online
勾陣
SF
超人気VRMMO【Unlimited Possibilities Online】専用のヘッドギアを、気まぐれに応募した懸賞でうっかり手に入れてしまった主人公がのんびりと?‥マイペースで楽しむお話し?
※R15、残酷な描写ありは保険です
初投稿です
作者は超絶遅筆です
督促されても更新頻度が上がることはありません
カクヨム様、小説家になろう様にも重複投稿してます
攻撃と確率にステ振りしていたら最強になりました
りっくり
SF
〜あらすじ〜
ゲーム知識ゼロの日比谷悠斗(ヒビト)が友達の成瀬友哉(トモ)に誘われて、ゲーム《グレイド・リヴァー・オンライン》を始めることになったのだが、トモはお母さんの機嫌が悪いから今日はプレイできないと言い出します。
ヒビトは仕方なく一人でゲームをすると決心し、下調べをせずゲームプレイを行います。
ゲームを始めてすぐにヒビトは美人プレイヤー月城玲奈(ツキナ)に最初に出会い、いろいろな情報を教えてもらいながらプレイをすることになります。そしてツキナはヒビトを見たときから一目ぼれをしてしまったみたいで、リアル情報を教えて欲しいという無理なお願いを了承してくれます。
リアル情報をお互いに交換して、親睦を深めた二人はフィールドに行きレベ上げを行うことに……。
言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい
工藤 流優空
SF
社畜?社会人4年目に突入する紗蘭は、合計10連勤達成中のある日、VRMMOの世界にダイブする。
ゲームの世界でくらいは、ほのぼのライフをエンジョイしたいと願った彼女。
女神様の前でステータス決定している最中に
「言霊の力が活かせるジョブがいい」
とお願いした。すると彼女には「言霊エンチャンター」という謎のジョブが!?
彼女の行く末は、夢見たほのぼのライフか、それとも……。
これは、現代とVRMMOの世界を行き来するとある社畜?の物語。
(当分、毎日21時10分更新予定。基本ほのぼの日常しかありません。ダラダラ日常が過ぎていく、そんな感じの小説がお好きな方にぜひ。戦闘その他血沸き肉躍るファンタジーお求めの方にはおそらく合わないかも)
Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~
百々 五十六
ファンタジー
極振りしてみたり、弱いとされている職やスキルを使ったり、あえてわき道にそれるプレイをするなど、一見、非効率的なプレイをして、ゲーム内で最強になるような作品が流行りすぎてしまったため、ゲームでみんな変なプレイ、ロマンプレイをするようになってしった。
この世界初のフルダイブVRMMORPGである『Alliance Possibility On-line』でも皆ロマンを追いたがる。
憧れの、個性あふれるプレイ、一見非効率なプレイ、変なプレイを皆がしだした。
そんな中、実直に地道に普通なプレイをする少年のプレイヤーがいた。
名前は、早乙女 久。
プレイヤー名は オクツ。
運営が想定しているような、正しい順路で少しずつ強くなる彼は、非効率的なプレイをしていくプレイヤーたちを置き去っていく。
何か特別な力も、特別な出会いもないまま進む彼は、回り道なんかよりもよっぽど効率良く先頭をひた走る。
初討伐特典や、先行特典という、優位性を崩さず実直にプレイする彼は、ちゃんと強くなるし、ちゃんと話題になっていく。
ロマンばかり追い求めたプレイヤーの中で”普通”な彼が、目立っていく、新感覚VRMMO物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる