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POSITION・4 ヴィラ
ヴィラ 3
しおりを挟む強引に押し込まれ、奥まで突き付けられる欲望は、淫らな性欲を映して、いる。それを舐め、吸って、フィンは言われるままに舌を使い、奉仕を続けた。苦しさに息を詰まらせながら、充分に欲望をそそり立たせる。
「いいぜ、坊主……」
男は恍惚たる表情で、さらに喉の奥へと突き立てた。
「……!」
苦しさに、白い爪が、手のひらに食い込む。
「うっ」
短い呻きと共に、男が昂まっていた欲望を、吐き出した。その解放に、フィンは、口に押し込まれるモノを吐き出し、注ぎ込まれた放射物に噎せ返りながら、背中を丸めた。
白い唇を汚す精液は、淫靡な匂いを纏って、いる。
「さあ、今度はこっちだ」
男の面貌には、再び欲望の色が、灯っていた。白い肢体を弄りながら、華奢な腰を抱え込み、後ろの蕾を指先で――そして、舌で充分に、弄ぶ。
フィンはされるがままに抗いもせず、ただ茫と虚空を見つめていた。薬のもたらす無気力感のせいだけでなく、きっと、何もかも諦め切ってしまっていたのだ。
「いい子だ」
再びそそり立った官能で、男は後ろからフィンの蕾を貫いた。
「く――っ」
体に入り込んだ異物の熱に、フィンは刹那、息を、止めた。
男の腰は、卑猥な動きでフィンを責め立て、氷魚の肢体を貪っていく。
それは、何と滑稽な姿だったのだろうか。
だが、笑うこともできない滑稽さだったに、違いない。
フィンは、冷めた瞳のままで、そこにいた。
「こいつを弄ってもらわなきゃ感じないかい?」
男の手が、フィンの中心をつかみ取る。
抑制剤に浸る中、勃ってもいないその中心を、手のひらに収めて、扱き始める。
「……ぅ」
「ほら、もっと腰を突き出せよ。そうすりゃ良くなるさ」
「あ……ぅ……っ」
体は確かに、反応していた。
抱え上げられた腰を嬲る責めは、官能をもたらす愛撫と共に、フィンの肢体に熱い疼きをもたらして行く。
「さあ、サルヴァトーレ様に聴かせてやってるような啼き声を出してみろよ」
最後の時を促すように、動きはさらに激しくなった。男は指で官能を昂めながら、汗ばむ腰を突き付けた。
「う……あ、あっ……。ああ――っ!」
氷魚が、跳ねる。儚いほどに透き通る白さで、幻想的なほどに美しく。
水の流れに逆らうことも出来ない鮎の幼魚は、白色半透明の肢体を反らし、上流からの小石に傷つきながら、なす術もなく、流されて、行く。
その神秘を見つめながら、男も呻いて、欲望を、果たした。刹那だった。
バタン――っ、と勢いよくドアが開き、数人の男たちが部屋の中へと飛び込んで来た。皆、イタリア人である。手に手に銃を構えている。
「なっ、何だ、貴様ら――」
男の言葉は、続かなかった。
「おまえに用はない」
その言葉と共に、一斉に銃弾が降り注いだ。
何発も体を貫く衝撃に、男は、カッ、と瞳を見開いた。欲望を纏う肌に朱蕾が刻まれ、華やかな真紅の葩を開花させる。その花びらは、ベッドに横たわる氷魚の肢体に零れ落ち、白い肌を、赤く、染めた。
「きさ……ま……ガンビ……ノ……の……」
それだけで、男は、バタン、と床に崩れ落ちた。
「さあ、我々と一緒に来てもらおうか、坊や」
部屋はそれっきり静かになった……。
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