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狙われるザッパムーン星

シミュレータ―3

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(これはちゃんと説明していなかった僕が悪かったな)


 エミールが反省しながら、


(でも、これでやっと本題のシミュレーション施設の案内ができるぞ)


 エミールはほっとするやら、ちょっとなさけない気持ちになりながらも気を取り直して、


「それでは訓練をするための施設を順に紹介します」


 予定していた順路通りに案内しよう。

 まずは最初に重鎮じゅうちんたちが集められ、ンディバス星と、このザッパムーン星の戦力差を知り、恐れおののいた巨大戦艦のレプリカの前にやって来た。


「このレプリカは、動力で飛行したり、搭載されている武器が形だけで攻撃力が無いなど、戦闘部分は全面カット、それに、実際これで戦うわけではないので、材質は安価な別のものを使っています」

「それで、我々の兵士たちはこれを使って何の訓練をするのですか?」


 そんな重鎮じゅうちんたちの質問に、エミールは、


「船内に慣れてもらうためです。内装から自分の関連場所の把握はあく、どの道を通れば目的地に到着できるかなど、船内で生活するために必要なことをおぼえてもらいます」

「ほう。それは重要なことですな」


 重鎮じゅうちんたちは、納得顔であった、


 それから重鎮じゅうちんたちに艦内を案内してから艦内を出て移動して、


「これは、敵を攻撃するための魔道具です。魔力は魔晶石から供給するので魔法適正に関係なく使用することができます。これはシミュレーターなので攻撃はできませんが、投影魔法によって擬似的な地形や魔物が現われ、実践さながらの練習ができます」


 メティスシステムを始め、多くのコンピューターにシミュレーターのデータやら、実際の戦闘のデータが残っていたのだ。時間が無いこともあり、今回はそれらのデータを流用させてもらった。

 それから、操舵室、機関室などのシミュレーターに、調理室。ミサイルも積む予定のため、そちらの設備のシミュレーター等々、いろいろ見せて回った。


 終わりに、


「これらで練習を重ねれば、ペンテレストロフの崩壊も防げるのか?」

「ペンテレストロフはれいに出しただけですよ。しかし、この施設できちんと練習を積めば、街に無傷で運行は可能でしょう」

「それを聞いて安心しました」


 そして、エミールは一拍おいてから、


「これを各国複数台納品予定です」


 重鎮じゅうちん一同は絶句した。


「…これを各国複数台ですか?」


 エミールは笑みをたたえて、


「はい」


 続けて、


「戦艦は80かん建造予定です。我々世界は15日カ国。1カ国当たり5~6かん納品予定です。逆に言えば、それだけの戦艦を納品時には操縦してもらう必要があるわけです。しかもあまり時間が無い。そこで、シミュレーターで操舵そうだに慣れてもらい、納品時にはある程度動かせるようになっていてもらおうと思っております」


 重鎮じゅうちんたちは顔を見合わせ、


「なるほど」


 納得するのであった。



 ザッパムーン星各国には作物の生産には向かないなどで、使われていない土地があった。

 後日、エミールの手配によって、そんな土地に、各国に船艦シミュレータは配られ、戦艦担当者は詰め込まれて日夜訓練をすることとなった。

 そして、実際に戦艦が納品されると、練習の甲斐かいあって、なんなく操縦してみせるのであった。


 決戦は、もうすぐそこまで近づいているのであった。
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