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花菜香・風雅の留学と大戦

婚約者との小旅行

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「ハナカさん、一度領地を案内したいのですが、予定はよろしいですか?」


 花菜香はなかの婚約者となったジョージア・リーガンズが花菜香はなかたずねる。


「えぇ、かまいません。でも、領地に数分で着く予定でいてくださいね」

「数分ですか。分かりました」


 そして、出発当日、麻宗家の玄関前にリーガンズ家の馬車が2台来た。


「ハナカ様、荷物は?」

「魔法で異空間に収納してますの。手ブラで旅行に行けますわ」

「ジョージア君、送っていくのは領都でいいのかな?」

「はい。領都にお願いします。それではハナカさん、お手をどうぞ」


 ジョージアのエスコートで馬車に乗る花菜香はなか


「では、行って参ります」

「気をつけてな」


 そして二郎がゲートで馬車をリーガンズ領の領都、エスコティエに送るのであった。


「おぉ!本当に一瞬で来ましたな!」


 ジョージアは初めて見る魔法に驚いていた。

 馬車はエスコティエのメインストリートに入り、


「この辺りを少し歩きませんか?」

「えぇ、そうしましょう」


 一緒に来た護衛2人に守られながら、お店をハシゴする。


「これ、付けてみてもらえませんか?」

「はい」


 花菜香はなかは赤いさんごのネックレスを首からげる。


「似合ってますよ」

「そうですか?」

「プレゼントしましょう」

「いえ、悪いですよ」

「プレゼントさせて下さい」

「分かりました。いただきます」


 そうして花菜香はなかはネックレスををもらうのであった。


 それからまた少し店をぶらついた後に、


「今から海を見に行きませんか?」


 また馬車に乗り、海に向かった。


「綺麗な海ですね」

「そうですか?海なんてどこも変わらないと思いますが」

「産まれたところの国の海はここまで綺麗ではありませんでしたので」


 しばし海を眺める2人。


「ハナカさんが海を綺麗と言ってくれる女性で良かったです」


 今はまだ午前中。花菜香はなかは2泊3日の旅を楽しむのであった。



「ステファニーさんは行きたいところ、ありますか?」

「学校っていうところに行ってみたいです。フウガさんの通っていた学校を一度見てみたいです」

「それでは今度、行ってみますか?」

「でも、外国で遠いんでしょ?馬車の旅で随分かかるんじゃ?」

「あまり日にちはかからないですよ」

「え?そうなんですか?なら行ってみたいです」


 そして風雅ふうがとステファニーは、旅行プランを立てるのであった。


 そして当日。馬車2台でステファニーを迎えにフリーテージ邸を尋ねるのであった。


「荷物を預かりましょう」

「え?フウガさんが?」


 風雅ふうがは荷物をアイテムボックスの魔法で異空間に保管した。


「初めて見る魔法です。便利ですね」


 風雅ふうがはステファニーを馬車に招き入れると、ゲートの魔法で馬車ごとアハントルト王国の首都のペンテレストロフの目の前へ。


「本当に一瞬で来られてしまうんですね」


 馬車はペンテレストロフの門を抜け、一路アハントルト王立魔法学校へ。


「土地は広いし建物も大きいですね。こんな大きな建物、見たことがありません」


 ステファニーは物珍しそうに校内を歩く。

 講堂、教室、体育館、図書館、魔法第1訓練場、魔法第2訓練場、魔法第3訓練場と見て回る。


「何もかも大きいですね。サガンガニアにある学園と規模が違いますね」


 すると、ステファニーは少し寂しげに、


「あと、言葉もサガンガ王国と違います。文字も何が書いてあるのか分かりません。やっぱり異国なんですね」

「言葉は覚えればいいですよ。それほど難しくはありませんし」

「そうなんですか?」

「ええ」


 校内を巡っていると、もう日が随分ずいぶんと傾いていた。


「屋敷へ戻りましょうか?」


 そして、馬車はペンテレストロフの麻宗邸へとやって来るのであった。


「屋敷も大きいですね」

「国に貢献したとかで、国王からもらえたみたいです」


 そしてその晩は屋敷に泊まるのであった。 


 翌朝からも、町並みを見に行ったり、楽団の演奏を聴きに行ったり、劇を見に行ったり2人は旅行を楽しんだ。


「フウガさんと一緒になるといろいろな国へ行けてしまうんですね」

「若いうちだけですけどね。サガンガ王国以外の領地や屋敷は弟や妹がぎますから」


 風雅ふうがはステファニーを、二郎の領地、サンガローニの領都、アレストロフへも連れて行った。


「ここら辺一帯が麦畑だよ」

「広い畑ですね」


 時期が悪いことに今年の麦はもう刈り取られ、他の作物が植わっていて麦は見る影もなかった。


「今はこのサンガローニ領とサガンガ王国のアレストバート領やクアレシス領が仲がいいから、ここからアレストバート領やクアレシス領まで麦が運ばれたりするんだ」

「安くて良質な麦を領民が食べられるんですね」


 風雅ふうがは少しながめた後、


「あまり見るところもないし、王都へ戻るか」

「そうですね」


 2人は王都、ペンテレストロフまで戻り、大通りの店へ寄った。風雅ふうがは旅の記念にステファニーにネックレスをプレゼントし、また1泊して帰国。旅は終わるのであった。
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