上 下
108 / 249
花菜香・風雅の留学と大戦

教育学とお見合い

しおりを挟む
 アハントルト王立魔法学校入学3年目。教育学の授業は講堂で行なわれていた。教育学の生徒は数が多いのである。


「テストをします。学科修了テストと同じものです。これに受かれば実際に先生をしてもらいます」


 花菜香はなか風雅ふうがはテストを受けた。手応えがあった。


「テストを返します。満点は178点です。呼ばれたら来るように」


 テストの結果が帰って来る。


「ハナカ・アソウ君、163点、合格です」

「やった!」


 そして、


「フウガ・アソウ君、160点、合格です」

「やった!」


 テストが返し終わり、


「今回一発合格したのはハナカ・アソウ君とフウガ・アソウ君ですね。授業が終わったら教授室に来るように」

「「はい」」


 そして、休業が終わり、教授室に行くと、


「学科試験合格おめでとう。それでは時間を調整して実際に教壇に立ってもらいます。ハナカ・アソウ君は魔法発掘学を、フウガ・アソウ君は魔法創造学を修了しているんだったね。それから便利魔法の実習で…講師役の経験があるんじゃないか。それじゃぁ1年生に便利魔法の実習をしてもらうのは決定として、他の教師と相談の上科目を決めさせてもらうよ」

「「はい。お願いします」」


 それから午前中は学科の復習をして、午後からはアハントルト王国王城の宮廷魔道士部屋に顔を出した。


「「バダック宮廷魔道士団長こんにちは」」

「こんにちは。今日は来る予定じゃなかったよね?どうしたんだい?」


 花菜香はなか風雅ふうがはジェイン宮廷魔道士団長に時間が空いたことを説明して、


「ザッテリーニ連邦国から来た魔道士にここの仕事の説明をしているんだけど書類がまっていてね。いつものように書類を片付けてもらえるかな?」

「「はい」」


 そうして花菜香はなか風雅ふうがは書類仕事をするのであった。


 そうして数日がち、


「ハナカ・アソウ君とフウガ・アソウ君、講義する学科が決まったよ。ハナカ君は魔法陣学Ⅰ、フウガ君は情報処理Ⅰをお願いできるかな?」

「「分かりました」」


 そして花菜香はなかは魔法陣学Ⅰを復習し、風雅ふうがは情報処理Ⅰを復習するのであった。

 その授業より、便利魔法の実習の時間が先に来た。これは2人で教える。生徒が良かったのであまり手間はかからなかったが、やはりできない者もて、次週に補講となった。

 そして花菜香はなか風雅ふうがもそれぞれの科目で教壇に立った。教室の後ろで教授が見ている。


「よく考えられた授業でした。この調子で前期の授業は任せます」

「はい」


 授業をするうちに、テストに合格して1人、2人と生徒が減っていく。そして前期の終わり頃で授業を受けている生徒が4人くらいになり、その4人も授業中のテストで合格となった。


「全員合格させるとは大したものです。教授には合格と知らせておきますので後日教授室に行くように」

「はい」


 そうして後日、


「ハナカ・アソウ君、フウガ・アソウ君、学科、実技共に合格しましたので教育学、修了となります。修了おめでとう」


 花菜香はなか風雅ふうがは修了証書とバッジをもらい、


「「ありがとうございます」」


 無事、教育学を修了するのであった。


「この後君たちは初等部、中等部の講師をして、そちらにも慣れてもらうこともできますし、高等部の選択科目の授業を受けてもらうこともできますが、期間が短いため他のゼミを取ることはできません。初等部、中等部の授業をしてみたくなったら後期開始までに声をかけて下さい。私からは以上です」

「「ありがとうございました」」


 修了したので夕食時にそれを報告する。


「それじゃぁ一旦サガンガ王国の家へ帰れ。これからお見合いを受けてもらうぞ」

「「お見合い?」」


 それから仕立てた衣装を試着したり、相手のことを憶えたりで忙しかった。こういうときには奥さんが多いって便利だなぁと思う2人であった。

 それから多くの人とお見合いをした。

 その中から花菜香はなかは大きな体をしたジョージア・リーガンズさん、


「ジョージア・リーガンズです。リーガンズ伯爵家の長男で、父はラガダー地方の海辺に領地を持っていまして、私はそこをぐ予定です。皆様これからよろしくお願いします」


 風雅ふうがは小柄な体型のステファニー・フリーテージさんを選んだ。


「ステファニー・フリーテージです。フリーテージ伯爵家の長女で、家は弟がぎます。皆様よろしくお願いします」


 今後お付き合いして、親睦を深めることになりそうだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

兎人ちゃんと異世界スローライフを送りたいだけなんだが

アイリスラーメン
ファンタジー
黒髪黒瞳の青年は人間不信が原因で仕事を退職。ヒキニート生活が半年以上続いたある日のこと、自宅で寝ていたはずの青年が目を覚ますと、異世界の森に転移していた。 右も左もわからない青年を助けたのは、垂れたウサ耳が愛くるしい白銀色の髪をした兎人族の美少女。 青年と兎人族の美少女は、すぐに意気投合し共同生活を始めることとなる。その後、青年の突飛な発想から無人販売所を経営することに。 そんな二人に夢ができる。それは『三食昼寝付きのスローライフ』を送ることだ。 青年と兎人ちゃんたちは苦難を乗り越えて、夢の『三食昼寝付きのスローライフ』を実現するために日々奮闘するのである。 三百六十五日目に大戦争が待ち受けていることも知らずに。 【登場人物紹介】 マサキ:本作の主人公。人間不信な性格。 ネージュ:白銀の髪と垂れたウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。恥ずかしがり屋。 クレール:薄桃色の髪と左右非対称なウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。人見知り。 ダール:オレンジ色の髪と短いウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。お腹が空くと動けない。 デール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。 ドール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。 ルナ:イングリッシュロップイヤー。大きなウサ耳で空を飛ぶ。実は幻獣と呼ばれる存在。 ビエルネス:子ウサギサイズの妖精族の美少女。マサキのことが大好きな変態妖精。 ブランシュ:外伝主人公。白髪が特徴的な兎人族の女性。世界を守るために戦う。 【お知らせ】 ◆2021/12/09:第10回ネット小説大賞の読者ピックアップに掲載。 ◆2022/05/12:第10回ネット小説大賞の一次選考通過。 ◆2022/08/02:ガトラジで作品が紹介されました。 ◆2022/08/10:第2回一二三書房WEB小説大賞の一次選考通過。 ◆2023/04/15:ノベルアッププラス総合ランキング年間1位獲得。 ◆2023/11/23:アルファポリスHOTランキング5位獲得。 ◆自費出版しました。メルカリとヤフオクで販売してます。 ※アイリスラーメンの作品です。小説の内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

ゲームのモブに転生したと思ったら、チートスキルガン積みのバグキャラに!? 最強の勇者? 最凶の魔王? こっちは最驚の裸族だ、道を開けろ

阿弥陀乃トンマージ
ファンタジー
 どこにでもいる平凡なサラリーマン「俺」は、長年勤めていたブラック企業をある日突然辞めた。  心は晴れやかだ。なんといってもその日は、昔から遊んでいる本格的ファンタジーRPGシリーズの新作、『レジェンドオブインフィニティ』の発売日であるからだ。  「俺」はゲームをプレイしようとするが、急に頭がふらついてゲーミングチェアから転げ落ちてしまう。目覚めた「俺」は驚く。自室の床ではなく、ゲームの世界の砂浜に倒れ込んでいたからである、全裸で。  「俺」のゲームの世界での快進撃が始まる……のだろうか⁉

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...