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新しい生活
ジルベチア王国
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ここはハスピリーネ山脈の向こう、ジルベチア王国の王都へと繋がる街道の途中。また偶然馬車が襲われているのを発見した二郎は、宮廷魔道士に応援を呼び、馬車側の助っ人として戦いに乱入するのであった。
二郎たちの一方的な魔法の威力に、程なくして黒鎧を退け、
「馬車の者は無事か!」
二郎が馬車の1台を開け、確認すると、2人が矢を受け、うずくまっていた。
「ジロウ様、こちらも1名、矢を受けています」
まずは目の前の人から。年配の男性だ。矢を抜き、毒消しのアンチドーテの魔法をかけ、ハイヒールの魔法で癒やす。あと2人にも同様の処置を施す。
「矢を受けてあまり時間が経っていないため、矢に毒を受けていたとしても体に回らずにちゃんと毒消しが効いているものと思われます。このまま安静にしていれば大丈夫でしょう」
と言って、立ち去ろうとすると、
「申し訳ないのですが、これだけの警備の中襲われてしまいました。また襲われるやも知れません護衛をお願いしてもよろしいでしょうか?」
そうお願いされれば時間がもったいない気もするが、ジルベチア王国の調査に時間制限があるわけではない。護衛もやぶさかではない。と、考えていると、
「ジロウ様、私どもは、仕事が残っていまして…」
宮廷魔道士たちはいきなりの呼び出しで、王城に仕事を残してきたらしい。
「同行は俺だけでも良いか?」
「あなた様が1番敵を倒しておられた。あなた様だけで結構です。護衛をお願いします」
警備の代表らしい人から頼まれ、他の宮廷魔道士は城に帰し、二郎は馬車に同行するのであった。
3時間ほどして一行は王都にたどり着いた。
「それではもう護衛は必要ありませんね。それではこれで…」
「そういうわけにもいきません。護衛の謝礼を受け取っていただきませんと。これから王城までご同行願います」
まだこのパターン続くのかぁ。二郎は諦め、王城まで同行し、
「しばしこちらでお待ちください」
豪華な部屋で待たされ、
「王が謁見なさいます。どうぞこちらへ」
と、言われて謁見の間へ。
「王族の方々の命を救ったメイガスが到着しました」
「入れ」
謁見の間へ通される。両サイドにはこの国の貴族重鎮の者であろう、ズラリと人が並び、王、って、さっき矢を受け、治療した人じゃないか!のほど近くで二郎は片膝を付き、頭を垂れた。
「メイガスよ、余と我が王族をよくも守ってくれた。頭を上げてくれ。余はこの国の国王、エレンハイム・アントワリッチと申す。メイガスよ、そなたの名は?」
「トザンギャク山脈の向こう、ザガンガ王国からやって参りましたジロウ・アソウ公爵にございます」
トザンギャク山脈とは、ハスピリーネ山脈の、こちらでの呼び方だ。
「何、トザンギャク山脈の向こうに国があると申すか!して、どんな国か!」
二郎はザガンガ王国について、話して聞かせる。
「ふむ、その様な国があるか。これは命を助けられただけでなく、貴重な情報をいただいた。して、そなたの褒美は、」
二郎はゴクリとつばを飲む。
「そなたの力は今この国に居る者で最強であろう!最強な者に王族の姫を指し出すが我が家の伝統!そちには我が娘、ヨーネスティン・アントワリッチと結婚してもらう!異議のある者はおるか!」
「「「「「異議なし!」」」」」
二郎はマズいと思った。
「私は国元では妻子持ちでして、もうすぐまた子もできます。お姫様と婚約などもったいない…」
「そちの国では嫁は1人なのか?」
「いえ。今現在、私にも4人妻がいまして…」
「それなら大丈夫じゃないか。それに婚約ではなく結婚だ。この後披露宴を執り行うぞ!」
二郎は、心の中で、「ひえぇぇぇー!何この急展開!」と、驚いていたが、この王の威圧、周りの貴族の重圧には耐えきれず、渋々承諾するのであった。
城内は披露宴の準備で大わらわの中、
「それではジロウ君、教会へ行くぞ!」
「はい」
二郎は王族と護衛に、教会まで連れ去られるのであった。
結婚式が終わり、
「エレンハイム王よ、結婚式に、こちらからも親族を参加させても宜しいか?」
「ジロウ君、義父で結構だ。式は3時間後だ。間に合うなら連れてきても良かろう」
「ありがとうございます」
話が終わり、控え室に通された。部屋に入ってすぐにゲートでザガンガ王国へ行き、説明に走り回った。
走り回った末、麻宗家の面々、ザガンガ王国の王族、バーンクリット公爵家の面々が集まってくれた。皆、正装をして、二郎も娘の前着た背広に袖を通し、ゲートでジルベチア王国の控え室へと飛んだ。
廊下へ続く扉を開け、控えていた城の従者に親族を連れて来たことを話すと、
「こ、こんなにいつの間に連れて来たのですか!この人数、ちょ、ちょっと私はここを離れます」
従者君は急いで走って行った。この人数の追加。予定オーバーで、式の現場を取り仕切る人間に伝えに行ったのであろう。
式まであと少し。しばし待ちますか。
二郎たちの一方的な魔法の威力に、程なくして黒鎧を退け、
「馬車の者は無事か!」
二郎が馬車の1台を開け、確認すると、2人が矢を受け、うずくまっていた。
「ジロウ様、こちらも1名、矢を受けています」
まずは目の前の人から。年配の男性だ。矢を抜き、毒消しのアンチドーテの魔法をかけ、ハイヒールの魔法で癒やす。あと2人にも同様の処置を施す。
「矢を受けてあまり時間が経っていないため、矢に毒を受けていたとしても体に回らずにちゃんと毒消しが効いているものと思われます。このまま安静にしていれば大丈夫でしょう」
と言って、立ち去ろうとすると、
「申し訳ないのですが、これだけの警備の中襲われてしまいました。また襲われるやも知れません護衛をお願いしてもよろしいでしょうか?」
そうお願いされれば時間がもったいない気もするが、ジルベチア王国の調査に時間制限があるわけではない。護衛もやぶさかではない。と、考えていると、
「ジロウ様、私どもは、仕事が残っていまして…」
宮廷魔道士たちはいきなりの呼び出しで、王城に仕事を残してきたらしい。
「同行は俺だけでも良いか?」
「あなた様が1番敵を倒しておられた。あなた様だけで結構です。護衛をお願いします」
警備の代表らしい人から頼まれ、他の宮廷魔道士は城に帰し、二郎は馬車に同行するのであった。
3時間ほどして一行は王都にたどり着いた。
「それではもう護衛は必要ありませんね。それではこれで…」
「そういうわけにもいきません。護衛の謝礼を受け取っていただきませんと。これから王城までご同行願います」
まだこのパターン続くのかぁ。二郎は諦め、王城まで同行し、
「しばしこちらでお待ちください」
豪華な部屋で待たされ、
「王が謁見なさいます。どうぞこちらへ」
と、言われて謁見の間へ。
「王族の方々の命を救ったメイガスが到着しました」
「入れ」
謁見の間へ通される。両サイドにはこの国の貴族重鎮の者であろう、ズラリと人が並び、王、って、さっき矢を受け、治療した人じゃないか!のほど近くで二郎は片膝を付き、頭を垂れた。
「メイガスよ、余と我が王族をよくも守ってくれた。頭を上げてくれ。余はこの国の国王、エレンハイム・アントワリッチと申す。メイガスよ、そなたの名は?」
「トザンギャク山脈の向こう、ザガンガ王国からやって参りましたジロウ・アソウ公爵にございます」
トザンギャク山脈とは、ハスピリーネ山脈の、こちらでの呼び方だ。
「何、トザンギャク山脈の向こうに国があると申すか!して、どんな国か!」
二郎はザガンガ王国について、話して聞かせる。
「ふむ、その様な国があるか。これは命を助けられただけでなく、貴重な情報をいただいた。して、そなたの褒美は、」
二郎はゴクリとつばを飲む。
「そなたの力は今この国に居る者で最強であろう!最強な者に王族の姫を指し出すが我が家の伝統!そちには我が娘、ヨーネスティン・アントワリッチと結婚してもらう!異議のある者はおるか!」
「「「「「異議なし!」」」」」
二郎はマズいと思った。
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二郎は、心の中で、「ひえぇぇぇー!何この急展開!」と、驚いていたが、この王の威圧、周りの貴族の重圧には耐えきれず、渋々承諾するのであった。
城内は披露宴の準備で大わらわの中、
「それではジロウ君、教会へ行くぞ!」
「はい」
二郎は王族と護衛に、教会まで連れ去られるのであった。
結婚式が終わり、
「エレンハイム王よ、結婚式に、こちらからも親族を参加させても宜しいか?」
「ジロウ君、義父で結構だ。式は3時間後だ。間に合うなら連れてきても良かろう」
「ありがとうございます」
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廊下へ続く扉を開け、控えていた城の従者に親族を連れて来たことを話すと、
「こ、こんなにいつの間に連れて来たのですか!この人数、ちょ、ちょっと私はここを離れます」
従者君は急いで走って行った。この人数の追加。予定オーバーで、式の現場を取り仕切る人間に伝えに行ったのであろう。
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