異世界マゼマゼ奮闘記

ぷい16

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第二章 変わり始める互いの世界

王都邸新居の従者募集やら片付け

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 王都に戻った姉弟達。マイクはこう言った。


「あんな心安まる時間が過ごせるならもっと早くにみなそろって訪れるべきであったな。アカツキ男爵、感謝する」

「とんでもありません、お兄様。でも、またスケジュールを合わせて行きたいものですね」


 その後はその日の授業の準備に追われた。そして授業後、風呂も終わって夕食時、マイクからこんな質問が来た。


「そういえば、アカツキ男爵、部屋にこもって教材の準備をよくしているようだがどんな方法で準備をしているんだい?
 文字がみなはんで押したようにそろっていて、手書きに見えないのだが」

「それなら今度、作業を見てみますか?こちらの世界ではかなり特殊な方法で教材を作っているので面白いと思いますよ」

「そうか。なら、一度、見せてもらおう。シフォンやリサも来るか?」

「はい。前々から気になっていました。お邪魔させていただきます」

「何だか面白そうなので、私もついて行きますわ」


 どうやら姉弟そろって教材作りの見学に来るらしい。

 そのうちパソコン教室をするのもいいかも知れない。


     *


 次の日から、パラパラと従者希望者がやって来た。

 教材の準備は1週間分先行していて余裕がある。

 カンデラ家の執事がその都度応対し、面接日時を決めていった。


 面接当日、面接に参加するのは悠生ゆうせい、ステファニア、シフォン、マイク、リサ、カンデラ家の執事、ユートピー、セバスチャンである。

 面接はとどこおりなく進行し、ほとんどが採用となったが、たまに、素行そこうの悪そうな者も混じっていたため、若干落とした。

 そうして人員は続々ぞくぞくと集まり、定員になったので締め切った。


 面接が終わり、採用になった者の最初にすることは、屋敷の大掃除であった。

 まずは異例だが、使用人の住居スペースとキッチン周りを先に掃除させることにした。

 使用人の中には王都在住の者もいるが、地方から来て、宿暮らしの者もおり、まずは住める環境をとの悠生ゆうせい配慮はいりょであった。

 使用人のスペースが片付くと、続々とアカツキ邸に従者が住むようになり、全員住むようになったところで館内の他の部屋の大掃除が始まったのである。

 それから2週間、大掃除はかかり、やっと全館人の住める状態となった。ここで、またお触れを出してもらうことにした。


「貴族街区、アカツキ男爵邸にてこれから騒音が発生するも、何事もない故、驚かぬように」


 カンデラ子爵邸も、アカツキ男爵邸も近所である。

 音にれている家の者もいるが、音が届かない、閑静かんせいな場所もあったため、あらためて出してもらったのである。


 当初、悠生ゆうせいの考えでは、カンデラ邸の発電機をアカツキ邸へ移すつもりでいたが、電気が便利なのでそのまま置いていてもらいたいとカンデラ家からの申し出があった。

 それならと、スティーブ、ナンシー、シフォン、マイク、リサの部屋と、食堂にも配線工事をし、電気が使えるようにした。兄姉たちは自室で電気が使えると喜んでいた。

 さて、カンデラ家の発電機が使えないことになったので、新たに発電機を購入した。

 やはり、規模は同じで、100cc程のエンジン、燃料はプロパンガス4本並列繋へいれつつなぎ、1ヶ月くらいの頻度でプロパンガスを交換してもらう手はずと、あと、充電用蓄電池とソーラーパネルも取り付けた。

 夜に発電機を回すと騒音でうるさいからである。

 配線場所は、拡大して、玄関、大広間、食堂、悠生ゆうせいの自室、悠生ゆうせいの執務室、ステファニアの部屋、二人の寝室、客間、使用人達の住居スペース。全館に配線をした。

 電気足りるかな?

 まぁ、ほぼ、使うのは昼間のパソコン作業と、夜はパソコンは使わずに照明メインだし、照明も、今は省エネになっているから問題ないか。

 アカツキ邸の準備が着々と進む中、要望のあった教材作りをシフォン、マイク、リサに公開した。

 便利な物もあるものだなぁと感心していたが、実際、何をやっていたかはあまり分かってはいなかったようだ。


 アカツキ邸の配線が終わった頃、悠生ゆうせいとステファニアは引っ越しの準備をしていた。

 日本のときと同じように、全部、物を土のう袋の魔法に詰め、アカツキ邸の自室で取り出して配置して、引っ越し作業終了。

 悠生ゆうせいの部屋は3倍に広がり、執務室は別、個室も別。寝室はステファニアと一緒になった。ステファニアの部屋も3倍になった。部屋に荷物を置き終え、ステファニアの部屋を覗いてみた。


「やっと片付きました」


 土のう袋の魔法のおかでで引っ越し作業は2~3日かかる所を半日くらいで終わってしまった。

 便利すぎるだろう、土のう袋の魔法!

 それと、あいも変わらず魔法のネーミングセンス、おかしいだろう!

 そして、二人でお茶にしながら一時歓談かんだんをし、その後、悠生ゆうせいは、カンデラ邸の自分が使っていた荷物の何も無い部屋に戻った。

 そこで、土のう袋の魔法を使い、新しいパソコン一式とプリンターを設置した。

 日本の悠生ゆうせいがセッティングして、この国の言葉であるサーメイヤ語が使える仕様にしたものである。

 アカウントも悠生ゆうせいやステファニアの他に、シフォン、マイク、リサ用に作ってある。

 最後に、自分のアカウントで入って、今までの教材のデータを放り込んだ。これで兄姉がパソコンを使える環境は整った。使えるようになるかは知らないが…

 パソコンの準備を終えた悠生ゆうせいは、アカツキ邸の自室に戻り、今日の授業の準備をする。

 今日も授業だ。悠生ゆうせいには本当に休みがあまりなかったのであった。
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