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3-14犯人を曲にする
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「リタ様も恋を知ってください、私はずっと待っていますから」
そう言って笑うソアンはとても愛らしかった、彼女はいつも可愛らしいが今夜は女性として魅力的に見えた。ソアンのそんな成長を嬉しいと思い、同時に少し僕だけ置いていかれているようで寂しく感じた。確かに恋をするという感情に関して、それだけはソアンよりも僕の方が子どものようだ。僕はまた綺麗になったソアンを誇らしく思いつつ、彼女の笑顔に苦笑しながら僕自身の心の成長を願った。
「僕も恋を知りたいよ、どうすればいいのかな」
「それは私にも分かりません、恋とはリタ様が言う通り落ちるものです」
「気がついたらその相手を好きになっているのかい」
「はい、ある日ですが突然に気がつくんです。ああ、これが恋だって」
「僕は今までのんびりし過ぎて、そんな感情に気がつかなかったのかも」
「いいえ、きっとリタ様もいつか気がつきます。それが……、どうか私と同じだと嬉しいです」
ソアンは僕にも彼女と同じように恋をして欲しいと思っているようだ、だけども僕はそんなことができる自信があまりなかった。僕は今まで一人でいることが多かったし、若長候補でいる時でさえ仲間とは一歩離れた関係だった。そんな僕が誰かを愛おしいと思えるだろうか、ソアンのことは別だがそれは彼女が大切な家族だからだ。
酒場のいつもの席でソアンと一緒に、そんな会話をしながら僕はこれでいいと思った。今の僕にとってはこのソアンとの関係が一番に大切なものだった、僕にとって恋人ではないけれど愛おしく思えるのはソアンだけだった。だから今はこれでいいと思ってしまったのだ、いつかは僕も恋をすると思うけれど、今はソアンと大切な家族として過ごす時間、それがとても幸せで僕はそれで満足だったのだ。
「そういえば、私はリタ様のお部屋に帰ってもいいでしょうか」
「もちろん喜んで、おかえりソアン」
「後で宿屋の人に言っておきます、またよろしくお願いします。リタ様」
「ソアンが戻ってきてくれて嬉しいよ、君がいない部屋はどこか寂しくていけない」
「リタ様は自覚してないのか、してるのか分からないですね」
「うん、僕は何が分かっていないのかな」
ソアンはそれでこそリタ様ですと頷いていた、とにかく僕の部屋にソアンが戻ってくることになった。これで寂しく一人で眠らなくて済む、ソアンと一緒だととても安心して眠れるんだ。それが嬉しくて僕は笑顔で楽しく夕食を食べた、ソアンも一人は寂しかったのか同じように笑顔だった。僕はその笑顔がたまらなく愛おしいと思った、やっぱり今がとても幸せだとも思っていた。
「師匠、聞いたかいな。また一人な、こんどは美男が殺されよったわ」
「僕は今とても幸せな気分だったのに、まったく連続殺人犯が憎くなるな」
「また一人犠牲者が、それは大変ですね」
「そうなんや、なんでも顔と体が何十回も刺されて、ボロボロやったそうや」
「美人を狙って、その美しさを壊すのが狙いなのかな」
「美しい者から酷い目にあって、それが恐ろしくて殺すのかもしれません」
「なんか、ステラから聞いてきよったんか」
「ああ、どうやら連続殺人犯は美しい者から何か酷い目に遭っている」
「そのお返しといいますか、恐怖が殺意に変わったのかもしれないです」
僕たちはステラから聞いた話をミーティアにも話した、ミーティアは犯人が女らしいというところは認めなかった。でもそれ以外の情報で犯人の性別は言わない曲が作れる、そう吟遊詩人らしいことを言っていた。ミーティアにとっては連続殺人犯も曲のネタでしかない、彼女も美人だがまだ直接関わったことがないからだった。
「ミーティア、あまり怖い曲を作らないでくれ」
「そうです、連続殺人犯を喜ばせるだけです」
「そりゃ分かっとるわ、逆に犯人を徹底的に嫌な奴にしてやるんや」
そう言っていたミーティア、彼女は翌日の夜から殺人鬼の曲を歌っていた。内容は恐ろしい殺人鬼が今夜もやってくるが、こいつは美しい者が怖いだけの卑怯な臆病者だ、だから勇気をだして立ち向かえというものだった。もう街の中でも殺人鬼の噂が流れていたから、ミーティアの人を勇気づけるような歌は評判が良かった。
「いやぁ、殺人鬼さまさまや。えらい稼ぎがいいわ、でもはよう捕まって欲しいわ」
「良い曲だけど、殺人鬼が聞いたら怒りそうだ」
「そうですよ、ミーティアさん。もう、そうやってあまり相手を刺激しちゃ駄目ですよ」
「そやけど、こんな酒場に殺人鬼がわざわざ来るかいな」
「どこにいて、どんな者なのか、何も分かっていないんだ」
「凄く意外な人物、そうなのかもしれないです」
「大丈夫や、帰りは必ず表通りを帰るし家は安全や、しっかり鍵もかけとるわ」
「今までは路上での犯行ばかりだから、まぁそれなら安全なのかな」
「でも、犯行はエスカレートしますから、家も安全じゃなくなるかも」
その後、ソアンとミーティアは女子会と言ってちょっと二人だけで話をしていた。女同士だけの秘密の話があるらしい、僕は参加できないので先に部屋に帰っていた。しばらくしたらソアンも僕の部屋にきた、だが彼女は困った顔でリュートを抱えていた。それは見覚えのあるミーティアのリュートだった、だから僕が聞いてみるとミーティアが忘れていったのだとソアンは言った。
ミーティアが酒場を出てからそんなに時間は経っていなかった、僕は何か嫌な予感がしてソアンと一緒にミーティアの家に行くことにした。ミーティアの大切にしているリュートが何か、そう大事なことを教えてくれているような気がした。そうして僕はミーティアの家を知らないので、ソアンが案内をしてくれて表通りを走っていた時だった。
ようやく僕たちはミーティアの背中を見つけた、だが彼女のすぐ傍には黒いローブを着た小柄な者がいた。僕たちがその姿に驚いているうちにソイツは動いた、ミーティアに声をかけようとした時に既にナイフがミーティアを襲っていた。僕たちは急いでミーティアに近づこうとした、彼女の顔から血が流れているのが見えたその時だった。
「『風竜巻』」
僕はとても高い美しい声を聞いたような気がした、その次の瞬間にはミーティアが肌を切り刻む激しい竜巻に飲み込まれていた。僕は慌ててクレーネ草の薬の効果が強い方を飲んだ、そうして風が止むとすぐに倒れてしまったミーティアにかけよった、ミーティアは風の刃で体のあちこちを切られて血だらけだった。顔も血まみれで良く見ると×印が刻まれていた、僕は急いで上級の回復魔法を完成させるとミーティアに使った。
「『完全なる癒しの光!!』」
ミーティアの酷い傷がみるみるうちに塞がっていった、やがて彼女は意識を取り戻してそれから僕たちを見て、酷く震えながらソアンにしがみついてからこう言った。
「ステラの言うとおりや、あれは魔女や!! 高い声で美しく歌う魔女やわ!!」
「ミーティア、犯人の声を聞いたのかい」
「ミーティアさん、大丈夫ですか。一体、何を言われましたか」
ミーティアはソアンの体にしがみついて震えていた、しばらくはそうしていたがやがて彼女はソアンから離れた。その頃にはミーティアは落ち着いてきていた、銀の冒険者として命を狙われる経験があるからだ。そんな強さがあるから彼女は落ち着いて、僕たちの問いに答えることができた。連続殺人犯は高く美しい声でミーティアにこう言い残したらしい、それはステラに犯人が言ったこととよく似ていた。
「美しい者の恐ろしさも知らない女め、真っ赤な血を好み悲鳴を喜ぶ者め、それならば自分が切り刻まれる恐怖をお前も知るがいい……」
連続殺人犯は美しい者から何か酷い目に遭った者だった、どうやら美しい者から切り刻まれる恐怖を味わったことがありそうだ。そして、今回の襲撃で街はどこも安全ではなくなった。少なくとも犯人は中級魔法が使える者だ、だからミーティアが表通りを歩いていたのに襲ってきた、とても大胆でそして防ぎようがない恐ろしい襲撃だった。
僕たちは夜中だったがそのまま役場へ行った、夜の当番の役人が起きていて殺人鬼に襲われたと言うと、ミーティアが襲われた話を詳しく聞いてくれた。特に僕がミーティアの顔に×印が刻まれていたと言うと、役人はそれを聞いて激しく頷きながら話を更によく聞いてくれた。ミーティアは顔の傷はあっという間に刃でつけられて、本当に一瞬の出来事だったと言っていた。
役人は他の役人も起こして話をしていた、それから僕たちは一人ずつ別々に役人から話を聞かれた。これは話の内容が一致するかどうか調べるためだろう、僕は起きたことを隠さず正直に話した。他の二人もおそらくそうしているはずだった、一刻ほどかかってから僕たちは解放された。役人たちは殺人鬼が更に捕まえにくくなったと話し合っていた、もう街のどこで誰が襲われても不思議ではなかった。
「深淵にいる怪物か、確かに恐ろしいものを見ることになりそうだ」
そう言って笑うソアンはとても愛らしかった、彼女はいつも可愛らしいが今夜は女性として魅力的に見えた。ソアンのそんな成長を嬉しいと思い、同時に少し僕だけ置いていかれているようで寂しく感じた。確かに恋をするという感情に関して、それだけはソアンよりも僕の方が子どものようだ。僕はまた綺麗になったソアンを誇らしく思いつつ、彼女の笑顔に苦笑しながら僕自身の心の成長を願った。
「僕も恋を知りたいよ、どうすればいいのかな」
「それは私にも分かりません、恋とはリタ様が言う通り落ちるものです」
「気がついたらその相手を好きになっているのかい」
「はい、ある日ですが突然に気がつくんです。ああ、これが恋だって」
「僕は今までのんびりし過ぎて、そんな感情に気がつかなかったのかも」
「いいえ、きっとリタ様もいつか気がつきます。それが……、どうか私と同じだと嬉しいです」
ソアンは僕にも彼女と同じように恋をして欲しいと思っているようだ、だけども僕はそんなことができる自信があまりなかった。僕は今まで一人でいることが多かったし、若長候補でいる時でさえ仲間とは一歩離れた関係だった。そんな僕が誰かを愛おしいと思えるだろうか、ソアンのことは別だがそれは彼女が大切な家族だからだ。
酒場のいつもの席でソアンと一緒に、そんな会話をしながら僕はこれでいいと思った。今の僕にとってはこのソアンとの関係が一番に大切なものだった、僕にとって恋人ではないけれど愛おしく思えるのはソアンだけだった。だから今はこれでいいと思ってしまったのだ、いつかは僕も恋をすると思うけれど、今はソアンと大切な家族として過ごす時間、それがとても幸せで僕はそれで満足だったのだ。
「そういえば、私はリタ様のお部屋に帰ってもいいでしょうか」
「もちろん喜んで、おかえりソアン」
「後で宿屋の人に言っておきます、またよろしくお願いします。リタ様」
「ソアンが戻ってきてくれて嬉しいよ、君がいない部屋はどこか寂しくていけない」
「リタ様は自覚してないのか、してるのか分からないですね」
「うん、僕は何が分かっていないのかな」
ソアンはそれでこそリタ様ですと頷いていた、とにかく僕の部屋にソアンが戻ってくることになった。これで寂しく一人で眠らなくて済む、ソアンと一緒だととても安心して眠れるんだ。それが嬉しくて僕は笑顔で楽しく夕食を食べた、ソアンも一人は寂しかったのか同じように笑顔だった。僕はその笑顔がたまらなく愛おしいと思った、やっぱり今がとても幸せだとも思っていた。
「師匠、聞いたかいな。また一人な、こんどは美男が殺されよったわ」
「僕は今とても幸せな気分だったのに、まったく連続殺人犯が憎くなるな」
「また一人犠牲者が、それは大変ですね」
「そうなんや、なんでも顔と体が何十回も刺されて、ボロボロやったそうや」
「美人を狙って、その美しさを壊すのが狙いなのかな」
「美しい者から酷い目にあって、それが恐ろしくて殺すのかもしれません」
「なんか、ステラから聞いてきよったんか」
「ああ、どうやら連続殺人犯は美しい者から何か酷い目に遭っている」
「そのお返しといいますか、恐怖が殺意に変わったのかもしれないです」
僕たちはステラから聞いた話をミーティアにも話した、ミーティアは犯人が女らしいというところは認めなかった。でもそれ以外の情報で犯人の性別は言わない曲が作れる、そう吟遊詩人らしいことを言っていた。ミーティアにとっては連続殺人犯も曲のネタでしかない、彼女も美人だがまだ直接関わったことがないからだった。
「ミーティア、あまり怖い曲を作らないでくれ」
「そうです、連続殺人犯を喜ばせるだけです」
「そりゃ分かっとるわ、逆に犯人を徹底的に嫌な奴にしてやるんや」
そう言っていたミーティア、彼女は翌日の夜から殺人鬼の曲を歌っていた。内容は恐ろしい殺人鬼が今夜もやってくるが、こいつは美しい者が怖いだけの卑怯な臆病者だ、だから勇気をだして立ち向かえというものだった。もう街の中でも殺人鬼の噂が流れていたから、ミーティアの人を勇気づけるような歌は評判が良かった。
「いやぁ、殺人鬼さまさまや。えらい稼ぎがいいわ、でもはよう捕まって欲しいわ」
「良い曲だけど、殺人鬼が聞いたら怒りそうだ」
「そうですよ、ミーティアさん。もう、そうやってあまり相手を刺激しちゃ駄目ですよ」
「そやけど、こんな酒場に殺人鬼がわざわざ来るかいな」
「どこにいて、どんな者なのか、何も分かっていないんだ」
「凄く意外な人物、そうなのかもしれないです」
「大丈夫や、帰りは必ず表通りを帰るし家は安全や、しっかり鍵もかけとるわ」
「今までは路上での犯行ばかりだから、まぁそれなら安全なのかな」
「でも、犯行はエスカレートしますから、家も安全じゃなくなるかも」
その後、ソアンとミーティアは女子会と言ってちょっと二人だけで話をしていた。女同士だけの秘密の話があるらしい、僕は参加できないので先に部屋に帰っていた。しばらくしたらソアンも僕の部屋にきた、だが彼女は困った顔でリュートを抱えていた。それは見覚えのあるミーティアのリュートだった、だから僕が聞いてみるとミーティアが忘れていったのだとソアンは言った。
ミーティアが酒場を出てからそんなに時間は経っていなかった、僕は何か嫌な予感がしてソアンと一緒にミーティアの家に行くことにした。ミーティアの大切にしているリュートが何か、そう大事なことを教えてくれているような気がした。そうして僕はミーティアの家を知らないので、ソアンが案内をしてくれて表通りを走っていた時だった。
ようやく僕たちはミーティアの背中を見つけた、だが彼女のすぐ傍には黒いローブを着た小柄な者がいた。僕たちがその姿に驚いているうちにソイツは動いた、ミーティアに声をかけようとした時に既にナイフがミーティアを襲っていた。僕たちは急いでミーティアに近づこうとした、彼女の顔から血が流れているのが見えたその時だった。
「『風竜巻』」
僕はとても高い美しい声を聞いたような気がした、その次の瞬間にはミーティアが肌を切り刻む激しい竜巻に飲み込まれていた。僕は慌ててクレーネ草の薬の効果が強い方を飲んだ、そうして風が止むとすぐに倒れてしまったミーティアにかけよった、ミーティアは風の刃で体のあちこちを切られて血だらけだった。顔も血まみれで良く見ると×印が刻まれていた、僕は急いで上級の回復魔法を完成させるとミーティアに使った。
「『完全なる癒しの光!!』」
ミーティアの酷い傷がみるみるうちに塞がっていった、やがて彼女は意識を取り戻してそれから僕たちを見て、酷く震えながらソアンにしがみついてからこう言った。
「ステラの言うとおりや、あれは魔女や!! 高い声で美しく歌う魔女やわ!!」
「ミーティア、犯人の声を聞いたのかい」
「ミーティアさん、大丈夫ですか。一体、何を言われましたか」
ミーティアはソアンの体にしがみついて震えていた、しばらくはそうしていたがやがて彼女はソアンから離れた。その頃にはミーティアは落ち着いてきていた、銀の冒険者として命を狙われる経験があるからだ。そんな強さがあるから彼女は落ち着いて、僕たちの問いに答えることができた。連続殺人犯は高く美しい声でミーティアにこう言い残したらしい、それはステラに犯人が言ったこととよく似ていた。
「美しい者の恐ろしさも知らない女め、真っ赤な血を好み悲鳴を喜ぶ者め、それならば自分が切り刻まれる恐怖をお前も知るがいい……」
連続殺人犯は美しい者から何か酷い目に遭った者だった、どうやら美しい者から切り刻まれる恐怖を味わったことがありそうだ。そして、今回の襲撃で街はどこも安全ではなくなった。少なくとも犯人は中級魔法が使える者だ、だからミーティアが表通りを歩いていたのに襲ってきた、とても大胆でそして防ぎようがない恐ろしい襲撃だった。
僕たちは夜中だったがそのまま役場へ行った、夜の当番の役人が起きていて殺人鬼に襲われたと言うと、ミーティアが襲われた話を詳しく聞いてくれた。特に僕がミーティアの顔に×印が刻まれていたと言うと、役人はそれを聞いて激しく頷きながら話を更によく聞いてくれた。ミーティアは顔の傷はあっという間に刃でつけられて、本当に一瞬の出来事だったと言っていた。
役人は他の役人も起こして話をしていた、それから僕たちは一人ずつ別々に役人から話を聞かれた。これは話の内容が一致するかどうか調べるためだろう、僕は起きたことを隠さず正直に話した。他の二人もおそらくそうしているはずだった、一刻ほどかかってから僕たちは解放された。役人たちは殺人鬼が更に捕まえにくくなったと話し合っていた、もう街のどこで誰が襲われても不思議ではなかった。
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