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1-7二度寝する
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「ふふっ、ソアンったらいつの間にか大きくなって、……本当に優しい子になって良かったなぁ」
そういろいろな今までのことを考えていたらいつの間にか僕は眠っていた、それは短い眠りだったがとっても気持ちが良い眠りだった。とても良い夢をみたような気がする、明るい温かい森でソアンと楽しく一緒に歌っていたような気がした。目覚めてみたらもうお昼が近くなっていた、謎のだるさもおさまっていたので僕はベッドから起き上がる。しばらく体をほぐすように体操をしていたら、ドアをノックされたのでそれに応えた。
「リタ様、お昼ご飯はどうされますか?」
「さっきは駄目そうだったけど、今なら食べれそうだよ。ソアン」
「それじゃ、1階の酒場に行きましょう!!」
「うん、お腹が空いた気がする」
ソアンは元気に帰ってきた、僕が朝起きれなかったことにも何も言わない。こういうところがソアンの凄いところだと思う、他のエルフたちは僕が体調が悪くても大丈夫か頑張れと言っていた。僕は頑張れという言葉が苦手だ、僕は若長候補になってからいつも頑張っていた、凄く頑張っていたのにそれではまだ足りないらしい。でもソアンは僕が具合が悪くても、魔法が使えなくなっても、頑張れとは一言も言わなかった。ただ、ゆっくりと休んでくれとそう言って心配してくれた。僕はそれがとても嬉しくて、ソアンに本当に心からお礼を言った。
「……ありがとう、ソアン」
「はい、どういたしまして!!」
僕の言葉にソアンは元気良く応えてくれた、僕も彼女のように元気になりたいものだ。でもソアンはゆっくり休んでという、確かに僕には休息が必要なのだろう。だからソアンの言う通りにゆっくりと元気になっていこうと思った、焦らずに無理をせずに僕のできることから始めるんだ。とりあえずはソアンと一緒にしっかりと昼ご飯を食べること、それから午後は運動して冒険者ギルドにでも行ってみようか。
「今日の昼ご飯は肉と野菜のスープに、これは何だろう?」
「パスタだぁ!! ええとこれはですね、小麦粉が麵状になっているご飯です」
「へぇー、ソアンは物知りだね。うん、細かい肉のソースと絡まって美味しいね」
「はい、ふっふっふ。私の密かなお願いが一つ叶いました!!」
「密かなお願いって、他にはどんなことがあるんだい?」
「食に関して言えば日本のソウルフードであるお米、ええと異国のご飯を食べるのが夢です!!」
僕の村のエルフにはあまり料理を追求する者がいなかった、だから野菜や果物はほとんどそのまま、肉はただ焼いて塩で味つけて食べていた。そうかソアンにはそんな夢があったのか、今の僕には叶えられないけれど、いつか僕が元気になったら二人で異国に行ってみるのもいいなと思った。そうして美味しい昼ご飯を食べた後は、二人で冒険者ギルドに行ってみた。そこにある掲示板にはいろんな依頼が出ていた、一通りそれを見ると僕はギルドに併設されている酒場で、最近の注目されている話題などをそこにいた冒険者に聞いてみた。
「ダンジョンに挑戦する新人が増えたな、あそこのダンジョンはスライムが多いから魔法を使えるといいな」
「どこかの酒場にすっごい美形のエルフの吟遊詩人がいたんですって、でも滅多にみられないそうよ」
「私の猫ちゃんがいなくなっちゃって、でもギルドに頼んだらすぐに見つけて貰えたのよ」
「遠くのどっかの国じゃ勇者が現れたって話だな、でも今は魔王はいなくて魔の国とも平和なのにな」
「この国は魔の国から遠いから、魔物は弱い奴が多いな」
「昔、この国は凄く偉大な魔法使いがいたんだって、その遺産が今もどこかに眠ってるんだってさ」
「パーティを募集してる新人が多いな、ダンジョンに行くんならそいつらと組んでみな」
「吟遊詩人ってほとんど冒険者じゃみかけないわねぇ」
この日は冒険者ギルドで噂を聞いただけで仕事は受けなかった、僕は午後からソアンは朝からの運動の続きをすることにした。街の広場を何十週も走ったり、ソアンは剣の素振りや型の練習をしたり、二人で模擬戦をしてみたりした。戦うとなると大剣使いのソアンは手強い相手だ、以前は魔法があったから僕がほとんど勝っていたが、今は短剣しかないのでそれだけを武器に戦うのは厳しい。
ソアンはドワーフとエルフのハーフだからか、身長は低くてそのわりに力がとても強い。自分の体ほどもある大剣を軽々と振り回すのでうかつに近づけない、近づいてしまえば僕にも勝機があるのだが、ソアンは積極的に村にくる冒険者に剣を習っていた。だからなのか剣術も相当なものだ、短剣だけの僕ではなかなか近づけずに、壁まで追い詰められて負けてしまうことが多くなった。それでもやればやっただけ力になる、負けてしまうことが多いがこの模擬戦は無駄にはなっていないはずだ。
「考えたんだけどね、ソアン」
「はい、何でしょうか。リタ様」
「一度、他のパーティと組んで、噂のダンジョンに行ってみないか?」
「はいいぃぃ!? 行きたいです、行ってみたいです!!」
僕が考えていたことを口にすると、思った以上の反応がソアンからあった。僕の袖をつかんでぐいぐいっとまた冒険者ギルドへと引っ張っていく、でももう夕方だから僕は一旦ソアンの頭をくしゃくしゃっと撫でて落ち着かせた。ソアンも時間が遅過ぎることに気がついたのか、少し恥ずかしそうに赤くなって僕の袖を引っ張るのを止めた。
「それじゃあ、明日。一緒に行けるようなパーティがないか、冒険者ギルドに行って探してみよう」
「はい、絶対ですよ!! 約束ですからね、リタ様!!」
「分かった、分かったよ。はい、約束だよ。ソアン」
「わーい、やったぁ。ダンジョンだぁ!!」
こうしてダンジョンに行くことになった僕たちは帰りに武器屋と道具屋に立ち寄った、スライムが相手の場合は物理攻撃なら距離をとって面で攻撃できる武器、そういうものが僕には必要だったからだ。
それに魔法が中級までしか使えないソアンと、今は魔法が全く使えない僕にはアイテムも必要だった。火炎玉というアイテムで、小さな『火炎球』みたいなものだ、普通のスライムが相手ならこれで十分らしい。ただしエルフが提供する特殊な薬草と、優秀な錬金術師がいないとできないアイテムで銀貨3枚もした。だからどうにか10個ほど頼み込んで買ったが、使うのは本当に危険な時だけだ。魔物なら大体が持っている魔石は、スライムの魔石なら銅貨1枚にしかならない。そういえばワイルドボアを倒したがその魔石をとるのを忘れていた、もしくは魔石が小さ過ぎて見逃したのかもしれない。
重要なのは火炎玉でスライムを倒しても、それで得られる魔石はとても割に合わない値段だということだ。それではスライムを倒す意味がない、スライムは魔石以外は何も得られないからだ。そのアイテム以外では少し平べったい鉄板でできたこん棒みたいなものを勧められた、この街の新人冒険者は結構それを買っていくらしいので買ってみた。こん棒もどきを買ってから宿屋に戻り、今日もきていたミーティアの歌を聞いて、演奏が全て終わった後で指導をする。その後は軽く水浴びを裏庭でして、ソアンと二人で僕は薬を飲んでベッドでぐっすりと眠った。
「良い冒険者に出会えるといいですね!!」
「そうだね、信頼できる人だといいね」
翌朝に冒険者ギルドに行って受付で、ダンジョンに行きたいので仲間を探していることを話した。そうすると受付のお姉さんはギルドの中を見まわした後に、一組のパーティを紹介してくれた。人間だけのパーティで20歳くらいの男性がリーダーで、残りの二人は女性だった。だがギルドのお姉さんが僕たちを紹介してくれたとたん、女性の一人が僕のほうを見てこう言って鼻で笑った。
「えー、職業が吟遊詩人って、ダンジョンで一体何の役に立つのよ」
そういろいろな今までのことを考えていたらいつの間にか僕は眠っていた、それは短い眠りだったがとっても気持ちが良い眠りだった。とても良い夢をみたような気がする、明るい温かい森でソアンと楽しく一緒に歌っていたような気がした。目覚めてみたらもうお昼が近くなっていた、謎のだるさもおさまっていたので僕はベッドから起き上がる。しばらく体をほぐすように体操をしていたら、ドアをノックされたのでそれに応えた。
「リタ様、お昼ご飯はどうされますか?」
「さっきは駄目そうだったけど、今なら食べれそうだよ。ソアン」
「それじゃ、1階の酒場に行きましょう!!」
「うん、お腹が空いた気がする」
ソアンは元気に帰ってきた、僕が朝起きれなかったことにも何も言わない。こういうところがソアンの凄いところだと思う、他のエルフたちは僕が体調が悪くても大丈夫か頑張れと言っていた。僕は頑張れという言葉が苦手だ、僕は若長候補になってからいつも頑張っていた、凄く頑張っていたのにそれではまだ足りないらしい。でもソアンは僕が具合が悪くても、魔法が使えなくなっても、頑張れとは一言も言わなかった。ただ、ゆっくりと休んでくれとそう言って心配してくれた。僕はそれがとても嬉しくて、ソアンに本当に心からお礼を言った。
「……ありがとう、ソアン」
「はい、どういたしまして!!」
僕の言葉にソアンは元気良く応えてくれた、僕も彼女のように元気になりたいものだ。でもソアンはゆっくり休んでという、確かに僕には休息が必要なのだろう。だからソアンの言う通りにゆっくりと元気になっていこうと思った、焦らずに無理をせずに僕のできることから始めるんだ。とりあえずはソアンと一緒にしっかりと昼ご飯を食べること、それから午後は運動して冒険者ギルドにでも行ってみようか。
「今日の昼ご飯は肉と野菜のスープに、これは何だろう?」
「パスタだぁ!! ええとこれはですね、小麦粉が麵状になっているご飯です」
「へぇー、ソアンは物知りだね。うん、細かい肉のソースと絡まって美味しいね」
「はい、ふっふっふ。私の密かなお願いが一つ叶いました!!」
「密かなお願いって、他にはどんなことがあるんだい?」
「食に関して言えば日本のソウルフードであるお米、ええと異国のご飯を食べるのが夢です!!」
僕の村のエルフにはあまり料理を追求する者がいなかった、だから野菜や果物はほとんどそのまま、肉はただ焼いて塩で味つけて食べていた。そうかソアンにはそんな夢があったのか、今の僕には叶えられないけれど、いつか僕が元気になったら二人で異国に行ってみるのもいいなと思った。そうして美味しい昼ご飯を食べた後は、二人で冒険者ギルドに行ってみた。そこにある掲示板にはいろんな依頼が出ていた、一通りそれを見ると僕はギルドに併設されている酒場で、最近の注目されている話題などをそこにいた冒険者に聞いてみた。
「ダンジョンに挑戦する新人が増えたな、あそこのダンジョンはスライムが多いから魔法を使えるといいな」
「どこかの酒場にすっごい美形のエルフの吟遊詩人がいたんですって、でも滅多にみられないそうよ」
「私の猫ちゃんがいなくなっちゃって、でもギルドに頼んだらすぐに見つけて貰えたのよ」
「遠くのどっかの国じゃ勇者が現れたって話だな、でも今は魔王はいなくて魔の国とも平和なのにな」
「この国は魔の国から遠いから、魔物は弱い奴が多いな」
「昔、この国は凄く偉大な魔法使いがいたんだって、その遺産が今もどこかに眠ってるんだってさ」
「パーティを募集してる新人が多いな、ダンジョンに行くんならそいつらと組んでみな」
「吟遊詩人ってほとんど冒険者じゃみかけないわねぇ」
この日は冒険者ギルドで噂を聞いただけで仕事は受けなかった、僕は午後からソアンは朝からの運動の続きをすることにした。街の広場を何十週も走ったり、ソアンは剣の素振りや型の練習をしたり、二人で模擬戦をしてみたりした。戦うとなると大剣使いのソアンは手強い相手だ、以前は魔法があったから僕がほとんど勝っていたが、今は短剣しかないのでそれだけを武器に戦うのは厳しい。
ソアンはドワーフとエルフのハーフだからか、身長は低くてそのわりに力がとても強い。自分の体ほどもある大剣を軽々と振り回すのでうかつに近づけない、近づいてしまえば僕にも勝機があるのだが、ソアンは積極的に村にくる冒険者に剣を習っていた。だからなのか剣術も相当なものだ、短剣だけの僕ではなかなか近づけずに、壁まで追い詰められて負けてしまうことが多くなった。それでもやればやっただけ力になる、負けてしまうことが多いがこの模擬戦は無駄にはなっていないはずだ。
「考えたんだけどね、ソアン」
「はい、何でしょうか。リタ様」
「一度、他のパーティと組んで、噂のダンジョンに行ってみないか?」
「はいいぃぃ!? 行きたいです、行ってみたいです!!」
僕が考えていたことを口にすると、思った以上の反応がソアンからあった。僕の袖をつかんでぐいぐいっとまた冒険者ギルドへと引っ張っていく、でももう夕方だから僕は一旦ソアンの頭をくしゃくしゃっと撫でて落ち着かせた。ソアンも時間が遅過ぎることに気がついたのか、少し恥ずかしそうに赤くなって僕の袖を引っ張るのを止めた。
「それじゃあ、明日。一緒に行けるようなパーティがないか、冒険者ギルドに行って探してみよう」
「はい、絶対ですよ!! 約束ですからね、リタ様!!」
「分かった、分かったよ。はい、約束だよ。ソアン」
「わーい、やったぁ。ダンジョンだぁ!!」
こうしてダンジョンに行くことになった僕たちは帰りに武器屋と道具屋に立ち寄った、スライムが相手の場合は物理攻撃なら距離をとって面で攻撃できる武器、そういうものが僕には必要だったからだ。
それに魔法が中級までしか使えないソアンと、今は魔法が全く使えない僕にはアイテムも必要だった。火炎玉というアイテムで、小さな『火炎球』みたいなものだ、普通のスライムが相手ならこれで十分らしい。ただしエルフが提供する特殊な薬草と、優秀な錬金術師がいないとできないアイテムで銀貨3枚もした。だからどうにか10個ほど頼み込んで買ったが、使うのは本当に危険な時だけだ。魔物なら大体が持っている魔石は、スライムの魔石なら銅貨1枚にしかならない。そういえばワイルドボアを倒したがその魔石をとるのを忘れていた、もしくは魔石が小さ過ぎて見逃したのかもしれない。
重要なのは火炎玉でスライムを倒しても、それで得られる魔石はとても割に合わない値段だということだ。それではスライムを倒す意味がない、スライムは魔石以外は何も得られないからだ。そのアイテム以外では少し平べったい鉄板でできたこん棒みたいなものを勧められた、この街の新人冒険者は結構それを買っていくらしいので買ってみた。こん棒もどきを買ってから宿屋に戻り、今日もきていたミーティアの歌を聞いて、演奏が全て終わった後で指導をする。その後は軽く水浴びを裏庭でして、ソアンと二人で僕は薬を飲んでベッドでぐっすりと眠った。
「良い冒険者に出会えるといいですね!!」
「そうだね、信頼できる人だといいね」
翌朝に冒険者ギルドに行って受付で、ダンジョンに行きたいので仲間を探していることを話した。そうすると受付のお姉さんはギルドの中を見まわした後に、一組のパーティを紹介してくれた。人間だけのパーティで20歳くらいの男性がリーダーで、残りの二人は女性だった。だがギルドのお姉さんが僕たちを紹介してくれたとたん、女性の一人が僕のほうを見てこう言って鼻で笑った。
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