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1-30広い世界へ旅立ちたい
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「生きたままバラバラにしてやるぜ!!」
そう宣言してハルトはロングソードを俺の体に向かって振り下ろした、だがそれは俺の体の硬い鱗にはじかれた。他の女たちの攻撃も同じだった、俺の体はとても固い鱗で覆われていた。俺はまた尾で今度はハルトたち全員をはじきとばした。もう俺の頭の痛みはなくなっていた、簡単な『治癒』しか使っていないのに、俺の体の傷はどうしたことか全て癒えていた。俺の魔法の力が強くなっていたのだ、あかり姉さんの教えてくれた縛りプレイ、それでドラゴンの俺の体はこんなに強くなっていた。
「な、なんでだ。『治癒』くらいで治る傷じゃねぇ、両手両足を折っていたんだぞ!!」
そうハルトが悲鳴のように俺を見て叫んだ、俺の体はただ頭を殴られただけじゃなく、そんなに酷い傷を負っていたのだ。でももうどこも痛くなかったし、体はこれまでになく自由に動かすことができた。そのままドラゴンの姿でハルトたちを踏みつぶしたってよかった、彼らの両手両足を食いちぎってもよかった。でも俺はそのどちらの方法も選ばなかった、俺は何度も何度も尾を打ち付けてハルトたち全員をこの俺の故郷から外まで吹っ飛ばした、大切な母さんの洞窟から彼ら全員をまとめて外に放り出した。
「くっそっ、このくそガキが!? もういい、ぶっ殺してやる!!」
「ふざけんな、『火炎球』!!」
「その目玉、えぐり出してやる!!」
「神よ、私たちを邪悪なドラゴンからお守りください!!」
俺はハルトたちが放った魔法や攻撃を『障壁』で軽く防いでしまった、母さんの洞窟は汚したくなかったからそのまま外で、俺はそれからハルトたちを今度は一人ずつ片付けていった。まずは全員に向かって俺は口から高温の炎、ブレスを吐いて彼らの体の表面だけを焼く軽い攻撃をした。ハルトたちは全員がそれぞれ悲鳴をあげた、彼らは全身に酷い火傷を負って生焼けの体になっていた。
「チア、早くこの火傷を治せ!!」
「早くして、痛いぃぃ!!」
「喉も焼かれて、苦しいのっ……」
「私だって痛いのです!?」
それでハルトたち全員は痛みに泣き喚いた、彼らは俺に向かって攻撃することも忘れ、必死に回復魔法を神官である仲間に求めた。神官であるその女は仲間たちの声に応えようとした、なんとか声をだして神への祈りを唱えようとしていた、魔法で仲間たちと自分を癒そうとしていた。
「神よ、ええ!? きゃあああぁぁぁぁぁ!!」
でも俺はその神官に仲間たちを、ハルトたちを回復させる暇なんて与えなかった。まず火傷の痛みに耐えて神に祈り続けた神官の女、そいつを捕まえてその下半身を嚙み砕いてその場に捨てた。神官の女は痛みのあまりのたうちまわり、魔法制御もできずに回復魔法をかけることもできなくなった。
「止めて、止めて、ごめんなさい!!」
俺は次にシーフの女を捕まえた、この女はあかり姉さんを特に激しく殴った奴だ。俺はどうしてもこの女が許せなかった、だからその女の両腕を食いちぎって捨てた。彼女も悲鳴をあげることしかできなくなり、失った両腕からの痛みに耐えかねて、その辺りの地面を血まみれにして転げまわった。
「わ、私はこんなところで死ぬわけには、嫌あああぁぁぁ!!」
魔法使いの女は全身に火傷を負いながらも逃げようとした、もちろん俺はその女を逃がしてなんてやらなかった。俺は慎重に爪でその女の両目をえぐりとり、次に喉を引っ掻いて魔法を使えなくした。魔法使いの女は悲鳴すらあげられず、その場に蹲りヒューヒューとかろうじて呼吸をしていた。
「し、シエル。なぁ、止めてくれ。止めてくれよおおぉぉぉ!!」
俺の家族を殺すことになった原因、ハルトは特に簡単に殺してやるつもりはなかった。だから両手と両足を食いちぎった後、ブレスで傷口を焼いて止血した。痛い、痛いと泣き喚く男の急所を更にえぐり出し、その場に放りだして俺は魔の森へと入っていった。俺がいなくなって助かったと思ったのか、ハルトたちはどうにか逃げ出そうとしたが、誰もその場から逃げ出すことはできなかった。
「う、うぞ、嘘だろ。やっ、止めてくれ。生きたまま食われるのは嫌だぁ!!」
「ヒュー!! ヒューウウゥ!!」
「嫌あああぁぁぁ!! 来るな、こっちに来るなー!!」
「ひぃ!? ああ、神よ!!」
俺はわざわざ生きているデビルベア、それを口にくわえて運んできたのだった。そんなことを手間をかけて二回繰り返した、そしてハルトたちを簡単には死なせてやらなかった。だからかなり飢えているデビルベアを捕まえて運んできたのだった、俺に捕まったデビルベアたちは何も疑問を抱かなかった。最初は自分を捕まえたドラゴンである俺の力を恐れていたが、やがて目の前にある他の肉を見つけて思う存分にむさぼり食った。何度もハルトたちからいっそ殺してくれと頼まれたが、俺はそれ以上は何もせず彼らの息が絶えるまで、俺の家族を殺した全ての者の最期を見届けた。
「ごめんね、あかり姉さん待たせたね」
ハルトたちを始末したら俺は人間の姿に変身した、そして冷たくなったあかり姉さんの体を優しく抱き上げた。そうして魔の森をぬけたところにあった、美しい花々が咲く懐かしい場所へとその体を運んでいった。あかり姉さんは俺とお茶会をした時にこの景色が好きだと言っていた、だったらその景色の中にあかり姉さんをいさせてあげたかった。だからその懐かしい思い出のある場所に、俺が泣きながら魔法で掘った深い穴の中に、俺はあかり姉さんの体をそっと優しく丁寧に横たえた。
「俺も大好きだよ、あかり姉さん」
俺はそう言ってもう一度だけ冷たくなったその体を抱きしめた、そしてまた泣きながらあかり姉さんの体に土をかけて埋めた。狼などに遺体を荒らされたくなかったから、その場所に大きな石を沢山置いていった。全部が終わると俺は母さんの洞窟に行った、母さんはまだ戻っていなかった。いや母さんはどうやらここから既に旅立ったようだった、だから母さんはあかり姉さんを助けにこなかったのだ。あかり姉さんという大切な家族のような友人を、俺の分かりにくいけど優しい母さんは決して見捨てたわけではなかったのだ。
俺は全てが終わって呆然とした、これから何をしていいのか分からなくなった。随分と長い時間俺はただぼーっとして、最期まで優しくて強かったあかり姉さんのことを考えていた。そうしていつの間にか俺もそんな強いドラゴンになりたいと思うようになった、あかり姉さんのように最期の時まで優しさと強さを持ったドラゴンだ。そして自分の大切な者への惜しみない愛情、それを決して忘れない最強のドラゴンに俺はなりたくなった。
「俺、もう行くよ。母さん、あかり姉さん」
そうして俺は人間の姿のままで、でもドラゴンとして本当の意味で旅立った、俺の子ども時代がようやく今終わったのだった。できることならもっと良い終わり方をしたかった、できることならあかり姉さんを守り抜きたかった。でも時間は戻ってはくれないのだ、俺はあかり姉さんから貰った様々な気持ちを胸に抱いて、母さんの縄張りだった懐かしい故郷である洞窟を出ていった。
それから俺はとりあえずフィーレの街に帰って来た、俺は一カ月くらい留守にしていたから、ジュジュたちから心配されていた。俺はぎこちない笑顔だったけど笑って、会いに行った家族が亡くなったから留守にしていたのだと説明した。ジュジュたちはそんな俺をとても心配してくれた、いっぱい皆から頭を撫でられて俺はまた少しだけ笑った。
俺は月の日にツカサにも会いに行った、そしてとても大事な家族が亡くなったことを伝えた。ツカサはあかり姉さんのことを神に祈ってくれた、生きているうちに彼女に会えなくて残念だと言ってくれた。ツカサが祈ってくれたから、あかり姉さんの魂はきっと世界の大きな力の源に返れたと思った。それともにほんという懐かしい故郷の世界の国に、あかり姉さんはそこに魂が帰ったのかもしれなかった。
「シエル、本当に行っちゃうのね」
「寂しくなりますわ」
「ホントだぜ」
「神は常に貴方の傍に、どうかお気をつけて」
「おう!! 俺は最強の男になるんだ!!」
俺はもっといろんな世界が見たくなった、母さんもあかり姉さんもいなくなって、この地にずっといる必要がなくなった。だから仲が良かったジュジュたちにお別れを言った、彼女たちもとても残念に思ってくれて、最後の夜はお酒を一緒に飲みながら思う存分に楽しんだ。ちょっぴり俺が泣いたりもしたら、皆も大泣きしてそうして俺を外の世界に送り出してくれた。
「シエル、君の新しい世界が安全で優しくて素晴らしい場所であることを祈っている」
「うん、そんな良い世界を作れるように頑張るよ!!」
ツカサとも俺はお別れをした、ツカサも少し泣きながら俺のこれからの幸せを祈ってくれた。あかり姉さんもツカサも良い迷い人だった、この二人を会わせてあげられなかったことが残念だった。きっとお爺ちゃんと孫のような良い関係になることは間違いなかった、どちらも俺の事を大切に思ってくれて、そして俺も二人のことが大好きでいた。
「よーし、これからも縛りプレイで、俺は最強のドラゴンになるぞー!!」
俺はまた縛りプレイをはじめた、誰かと約束したものではないが、俺の家族たちに関する命の危険と俺のお嫁さんに会う時以外は、ずっと人間の姿で旅をするつもりだった。何故ならそれで俺はとても強くなれたから、何故ならそれは俺の大切な人とした約束を忘れたくなかったから、だから俺はあかり姉さんと同じ人間の姿のままで、まだ知らない広い世界へと一人で旅立ったのだった。
そう宣言してハルトはロングソードを俺の体に向かって振り下ろした、だがそれは俺の体の硬い鱗にはじかれた。他の女たちの攻撃も同じだった、俺の体はとても固い鱗で覆われていた。俺はまた尾で今度はハルトたち全員をはじきとばした。もう俺の頭の痛みはなくなっていた、簡単な『治癒』しか使っていないのに、俺の体の傷はどうしたことか全て癒えていた。俺の魔法の力が強くなっていたのだ、あかり姉さんの教えてくれた縛りプレイ、それでドラゴンの俺の体はこんなに強くなっていた。
「な、なんでだ。『治癒』くらいで治る傷じゃねぇ、両手両足を折っていたんだぞ!!」
そうハルトが悲鳴のように俺を見て叫んだ、俺の体はただ頭を殴られただけじゃなく、そんなに酷い傷を負っていたのだ。でももうどこも痛くなかったし、体はこれまでになく自由に動かすことができた。そのままドラゴンの姿でハルトたちを踏みつぶしたってよかった、彼らの両手両足を食いちぎってもよかった。でも俺はそのどちらの方法も選ばなかった、俺は何度も何度も尾を打ち付けてハルトたち全員をこの俺の故郷から外まで吹っ飛ばした、大切な母さんの洞窟から彼ら全員をまとめて外に放り出した。
「くっそっ、このくそガキが!? もういい、ぶっ殺してやる!!」
「ふざけんな、『火炎球』!!」
「その目玉、えぐり出してやる!!」
「神よ、私たちを邪悪なドラゴンからお守りください!!」
俺はハルトたちが放った魔法や攻撃を『障壁』で軽く防いでしまった、母さんの洞窟は汚したくなかったからそのまま外で、俺はそれからハルトたちを今度は一人ずつ片付けていった。まずは全員に向かって俺は口から高温の炎、ブレスを吐いて彼らの体の表面だけを焼く軽い攻撃をした。ハルトたちは全員がそれぞれ悲鳴をあげた、彼らは全身に酷い火傷を負って生焼けの体になっていた。
「チア、早くこの火傷を治せ!!」
「早くして、痛いぃぃ!!」
「喉も焼かれて、苦しいのっ……」
「私だって痛いのです!?」
それでハルトたち全員は痛みに泣き喚いた、彼らは俺に向かって攻撃することも忘れ、必死に回復魔法を神官である仲間に求めた。神官であるその女は仲間たちの声に応えようとした、なんとか声をだして神への祈りを唱えようとしていた、魔法で仲間たちと自分を癒そうとしていた。
「神よ、ええ!? きゃあああぁぁぁぁぁ!!」
でも俺はその神官に仲間たちを、ハルトたちを回復させる暇なんて与えなかった。まず火傷の痛みに耐えて神に祈り続けた神官の女、そいつを捕まえてその下半身を嚙み砕いてその場に捨てた。神官の女は痛みのあまりのたうちまわり、魔法制御もできずに回復魔法をかけることもできなくなった。
「止めて、止めて、ごめんなさい!!」
俺は次にシーフの女を捕まえた、この女はあかり姉さんを特に激しく殴った奴だ。俺はどうしてもこの女が許せなかった、だからその女の両腕を食いちぎって捨てた。彼女も悲鳴をあげることしかできなくなり、失った両腕からの痛みに耐えかねて、その辺りの地面を血まみれにして転げまわった。
「わ、私はこんなところで死ぬわけには、嫌あああぁぁぁ!!」
魔法使いの女は全身に火傷を負いながらも逃げようとした、もちろん俺はその女を逃がしてなんてやらなかった。俺は慎重に爪でその女の両目をえぐりとり、次に喉を引っ掻いて魔法を使えなくした。魔法使いの女は悲鳴すらあげられず、その場に蹲りヒューヒューとかろうじて呼吸をしていた。
「し、シエル。なぁ、止めてくれ。止めてくれよおおぉぉぉ!!」
俺の家族を殺すことになった原因、ハルトは特に簡単に殺してやるつもりはなかった。だから両手と両足を食いちぎった後、ブレスで傷口を焼いて止血した。痛い、痛いと泣き喚く男の急所を更にえぐり出し、その場に放りだして俺は魔の森へと入っていった。俺がいなくなって助かったと思ったのか、ハルトたちはどうにか逃げ出そうとしたが、誰もその場から逃げ出すことはできなかった。
「う、うぞ、嘘だろ。やっ、止めてくれ。生きたまま食われるのは嫌だぁ!!」
「ヒュー!! ヒューウウゥ!!」
「嫌あああぁぁぁ!! 来るな、こっちに来るなー!!」
「ひぃ!? ああ、神よ!!」
俺はわざわざ生きているデビルベア、それを口にくわえて運んできたのだった。そんなことを手間をかけて二回繰り返した、そしてハルトたちを簡単には死なせてやらなかった。だからかなり飢えているデビルベアを捕まえて運んできたのだった、俺に捕まったデビルベアたちは何も疑問を抱かなかった。最初は自分を捕まえたドラゴンである俺の力を恐れていたが、やがて目の前にある他の肉を見つけて思う存分にむさぼり食った。何度もハルトたちからいっそ殺してくれと頼まれたが、俺はそれ以上は何もせず彼らの息が絶えるまで、俺の家族を殺した全ての者の最期を見届けた。
「ごめんね、あかり姉さん待たせたね」
ハルトたちを始末したら俺は人間の姿に変身した、そして冷たくなったあかり姉さんの体を優しく抱き上げた。そうして魔の森をぬけたところにあった、美しい花々が咲く懐かしい場所へとその体を運んでいった。あかり姉さんは俺とお茶会をした時にこの景色が好きだと言っていた、だったらその景色の中にあかり姉さんをいさせてあげたかった。だからその懐かしい思い出のある場所に、俺が泣きながら魔法で掘った深い穴の中に、俺はあかり姉さんの体をそっと優しく丁寧に横たえた。
「俺も大好きだよ、あかり姉さん」
俺はそう言ってもう一度だけ冷たくなったその体を抱きしめた、そしてまた泣きながらあかり姉さんの体に土をかけて埋めた。狼などに遺体を荒らされたくなかったから、その場所に大きな石を沢山置いていった。全部が終わると俺は母さんの洞窟に行った、母さんはまだ戻っていなかった。いや母さんはどうやらここから既に旅立ったようだった、だから母さんはあかり姉さんを助けにこなかったのだ。あかり姉さんという大切な家族のような友人を、俺の分かりにくいけど優しい母さんは決して見捨てたわけではなかったのだ。
俺は全てが終わって呆然とした、これから何をしていいのか分からなくなった。随分と長い時間俺はただぼーっとして、最期まで優しくて強かったあかり姉さんのことを考えていた。そうしていつの間にか俺もそんな強いドラゴンになりたいと思うようになった、あかり姉さんのように最期の時まで優しさと強さを持ったドラゴンだ。そして自分の大切な者への惜しみない愛情、それを決して忘れない最強のドラゴンに俺はなりたくなった。
「俺、もう行くよ。母さん、あかり姉さん」
そうして俺は人間の姿のままで、でもドラゴンとして本当の意味で旅立った、俺の子ども時代がようやく今終わったのだった。できることならもっと良い終わり方をしたかった、できることならあかり姉さんを守り抜きたかった。でも時間は戻ってはくれないのだ、俺はあかり姉さんから貰った様々な気持ちを胸に抱いて、母さんの縄張りだった懐かしい故郷である洞窟を出ていった。
それから俺はとりあえずフィーレの街に帰って来た、俺は一カ月くらい留守にしていたから、ジュジュたちから心配されていた。俺はぎこちない笑顔だったけど笑って、会いに行った家族が亡くなったから留守にしていたのだと説明した。ジュジュたちはそんな俺をとても心配してくれた、いっぱい皆から頭を撫でられて俺はまた少しだけ笑った。
俺は月の日にツカサにも会いに行った、そしてとても大事な家族が亡くなったことを伝えた。ツカサはあかり姉さんのことを神に祈ってくれた、生きているうちに彼女に会えなくて残念だと言ってくれた。ツカサが祈ってくれたから、あかり姉さんの魂はきっと世界の大きな力の源に返れたと思った。それともにほんという懐かしい故郷の世界の国に、あかり姉さんはそこに魂が帰ったのかもしれなかった。
「シエル、本当に行っちゃうのね」
「寂しくなりますわ」
「ホントだぜ」
「神は常に貴方の傍に、どうかお気をつけて」
「おう!! 俺は最強の男になるんだ!!」
俺はもっといろんな世界が見たくなった、母さんもあかり姉さんもいなくなって、この地にずっといる必要がなくなった。だから仲が良かったジュジュたちにお別れを言った、彼女たちもとても残念に思ってくれて、最後の夜はお酒を一緒に飲みながら思う存分に楽しんだ。ちょっぴり俺が泣いたりもしたら、皆も大泣きしてそうして俺を外の世界に送り出してくれた。
「シエル、君の新しい世界が安全で優しくて素晴らしい場所であることを祈っている」
「うん、そんな良い世界を作れるように頑張るよ!!」
ツカサとも俺はお別れをした、ツカサも少し泣きながら俺のこれからの幸せを祈ってくれた。あかり姉さんもツカサも良い迷い人だった、この二人を会わせてあげられなかったことが残念だった。きっとお爺ちゃんと孫のような良い関係になることは間違いなかった、どちらも俺の事を大切に思ってくれて、そして俺も二人のことが大好きでいた。
「よーし、これからも縛りプレイで、俺は最強のドラゴンになるぞー!!」
俺はまた縛りプレイをはじめた、誰かと約束したものではないが、俺の家族たちに関する命の危険と俺のお嫁さんに会う時以外は、ずっと人間の姿で旅をするつもりだった。何故ならそれで俺はとても強くなれたから、何故ならそれは俺の大切な人とした約束を忘れたくなかったから、だから俺はあかり姉さんと同じ人間の姿のままで、まだ知らない広い世界へと一人で旅立ったのだった。
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