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1-25強くカッコいい男になってみたい
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「ああ、早く大きくカッコよくなりたいなぁ」
「ふふっ、シエルはこんなに可愛いのに勿体ないわね」
「危ないですわ、今だって可愛いが過ぎるのですわ」
「そうそう、可愛くていいんだよ」
「神は言っておられます、可愛いこそ正義!!」
相変わらず俺はジュジュたちと仲が良い、俺の可愛さに皆がメロメロのようだった。可愛いと言って頭をなでなでされるのも悪くないが、逆に俺がもっと大きくて大人な男になって、ジュジュたちの頭をなでなでしてみたいものだ。そう言ってみたら俺の髪の毛がふわふわになるまで、可愛いとジュジュ達からなでなでされてしまった。むぅ、何故こうなった。
「まだ成長期だからな、背が伸びるとは思うんだけどさ」
人間の図書館にある本の中には牛乳を飲むとよいと書いてある本もあった、でも牛乳なんて牛を飼っている家の子じゃないとなかなか飲めるものじゃないのだ。運動をすると良いと書いてある本もあったが、既に俺は毎日のように走り回っているし、時には魔物と戦っているのでそれは十分だ。背が伸びる薬なんかあったらいいのにな、昔そう言ったらあかり姉さんは努力が大切なのと言ってた。
身長はまぁいい、そのうちにきっとぐんぐんと伸びだすのだ。多分。ではカッコいいとは何だろうか、俺の友達になったケントニスは、彼は間違いなくカッコいいドラゴンだった。よく彼のことを思い出してみると態度が紳士的だった、うっ俺は人間のいろいろあるマナーもよく知らなかった。相手が女性だったら種族を問わず大切にしていて酒場でモテていた、うっ俺はジュジュたちくらいしか女性を知らないしモテたこともなかった。
ちなみにドラゴンスレイヤーというパーティの痴女たち、あの四人のことを俺は女性だと認めていなかった、あんなのは美しい女性とは言わないのだ。そうあれはただの発情したメスだった、発情期のメス猿とほとんど変わりなかった。いやあんな碌でもない生き物たちはどうでもいいのだ、俺は改めて友達であるケントニスのことをまた考え分析してみた。
そう他にもケントニスのカッコいいところを俺は考えてみた、彼は何をするにも余裕というものを感じさせた。とても強いのにまだ強くなろうとしていたし、弱い俺にも優しく厳しく剣や戦い方の稽古をしてくれた。お金も沢山持っていたし、時には誰にでも気前よく奢ってくれた。余裕、俺にはまだ余裕がないのだ。それに人間のマナーを学ぶ必要もある、紳士的な美しい所作というものはカッコいいのだ。
「というわけなんだ、ツカサ」
「あっはははっ、シエルは思いもしないことを言うものだ。いや、だからこそ面白い」
「俺はわりと本気なんだぞ、人間のマナーとやらを学んでみたい」
「そうだね、基本的には相手を不快にさせないことだ。それ以上の細かいことは、私が知る範囲で教えよう」
「しばらくは月の日はマナーの練習だな!! ツカサ!!」
「シエル、君が思う以上にいろいろとあるぞ。挨拶、姿勢、食事の仕方、言葉遣い、貴族との接し方、それに女性への優しい心遣いなどだね」
俺は月の日のツカサに会える短い時間で沢山のマナーを学んだ、確かにこれは頭が混乱するくらいに難しかった。飯を食べるのにカトラリーを何本使うんだ、ご飯は美味しく食べるのが一番だろと頭が爆発しそうになった。それでも俺は紳士的な男になりたくて色々と学んでいった、ツカサの所作も落ち着いていて紳士的で綺麗なものだった。ツカサという見本がとても良いから、マナーとは難しいが学びがいはあった。
「でも、鍛練は何より大事だよな!!」
強さはなによりも大事なことだ、こればっかりはドラゴンとして譲れなかった。だから月の日以外の六日はほとんど外に出て魔物を狩っていた、俺は縛りプレイを更に難しくしてみた。デビルベアと素手で戦って無傷で勝利することなどだ、無傷のまま素手で倒すとなると難易度が更に上がった。魔法さえ使えればすぐに倒せる相手だが、無傷のまま素手でとなると強い力が必要になった。
デビルベアの攻撃の仕方を注意深く観察するようになった、そうしないとあっという間に爪での傷を受けた。振り下ろしてきた爪のある手を逆に掴んで、俺の体全体を使ってそのまま関節を圧し折ることを覚えた。残りは牙がある頭だったが、何度何度も挑戦して失敗を繰り返したが、とうとう俺は首を掴んで圧し折れるようになったのだ。
最初の一頭を無傷のまま素手で倒した時には爽快感すら感じた、ずっとやってきたことが報われたような気がしたのだ。でも迷宮や他の地域にはもっと強い敵がいるはずだった、デビルベアだけで満足してしまってはいけなかった。俺は強くなりたいもっともっと強くなって、あかり姉さんや母さんを守れるくらいの最強のドラゴンになるのだ。
「これはどうやって倒したんだ?」
「……首だけ折れてるみたい」
「えっと、そんなことできるの」
「拳法家でも無理だぞ」
「本当に貴方が倒したのですか?」
首を圧し折ったデビルベアを解体しようとしているときだった、偶々知らないパーティと出くわしてしまった。俺は全く見覚えのない冒険者たちだったが、首が折れている以外は綺麗なデビルベアの体を見て驚いていた。俺はどう答えようか悩んだすえに、なんかこう魔法で倒したことにした。ドラゴンは嘘が嫌いだが、こういう場合は仕方がないと思った。だからこう深く考えずに答えたんだ、それは俺が適当に考えた言い訳だった。
「えっと、風魔法でちょちょいっとな」
「その魔法!! 教えてください!!」
そのパーティの魔法使いから俺は両肩をがっしり掴まれて、そう凄い勢いで迫られてしまったのだった。と言われても実際には俺は素手で倒したので、どう答えればいいのか分からずに大変困った。
「えっと、デビルベアの首にだけ当てる、そんな小さな竜巻みたいなもんだ!!」
「……なるほど」
その時はそれでどーにか相手の魔法使いは納得してくれた、しかしその後も何度か似たようなことがあった。その度に俺は魔法のせいにしたから、街での俺の評判がとんでもないことになっていった。『竜巻の魔法使い』だとか、『烈風の魔法使い』だとか、『暴風の魔法使い』だとかだった。そして冒険者にならないかという知らないパーティからの勧誘が増えた、デビルベアとも単独で戦えるような強い魔法使いは貴重だからだ。
「あーん、シエル。どうこのドラゴンスレイヤーに来ない?」
「来てくれたら、ふふっ。素敵な夜を過ごせるわよ」
「私の寝技も見せてあげるよ!!」
「神の名のもとに共に戦うのです、もちろん夜も」
俺は街での勧誘は逃げれる時はもちろん逃げた、特にドラゴンスレイヤーの痴女四人組からは逃げまくった。ジュジュたちのパーティは俺が冒険者になるのを嫌がっている、それをよく知っているので何も言わずにいつもどおり接してくれた。俺はハルトというドラゴンスレイヤーのリーダー、奴がどうも気に入らなかった。何かを見透かしているような目をしていた、そして俺のことを獲物みたいに奴は見ていた。
俺は何かを忘れているような気がしていた、ハルトというリーダーの何かを見落としていた、ハルトの金髪に蒼い目を見るたびにそう思った。何かとんでもない間違いをしてしまっているようで俺は焦っていた、それでとにかくドラゴンスレイヤーの彼女たちには捕まらないように逃げた。一方でドラゴンスレイヤーの方も少し焦っているようだった、彼女たちはまだ二頭目のドラゴンを倒すことができていなかったからだ。
「ドラゴンの住処を探すのが難しいのです、見つけてしまえば後は観察して弱点を見つけるだけです」
ドラゴンスレイヤーのリーダーであるハルトはそう言い訳をしていた、それでもドラゴン以外ならフェイクドラゴンくらいは楽に倒してくるパーティだった。だからフィーレの街の皆はドラゴンスレイヤーの実力を疑ったりしなかった、正々堂々と本当はドラゴンを倒していないじゃないかとか、そんなことを考え疑っているのは街の中で俺だけだった。
「なんか嫌な予感がする、あいつは信用できない」
俺はそう思ってもっと鍛練するようになった、ツカサからマナーを学んだりもしていたが、それ以外の時間は全て強くなるために使っていた。でも俺が強くなればなるほど、ドラゴンスレイヤーのハルトからの視線も凶悪なものになった。彼女たちはいつも俺を見る度に楽しそうに笑っていたし、俺をパーティに勧誘する言葉が会う度に優しくかけられた。だが俺にとってはどうしても気持ちが悪い感じがあり、決してハルトたちのことを信用することができなかった。
母さんやあかり姉さんのことも心配だった、母さんはとても強いドラゴンだが、人間は卑怯で手段を選ばないことがあるからだった。心配で毎日飛んでいきたいくらいだったが、そんなに頻繁に会いに行ってしまったら、それこそ母さんやあかり姉さんを危険にさらすかもしれなかった。だから強く拳を握りしめて我慢して、俺にできることをやっていた。そんなある日のことだった、ジュジュたちから声をかけられたのだ。
「ねぇ、シエル。ダンジョンスタンピートって知ってる?」
「ふふっ、シエルはこんなに可愛いのに勿体ないわね」
「危ないですわ、今だって可愛いが過ぎるのですわ」
「そうそう、可愛くていいんだよ」
「神は言っておられます、可愛いこそ正義!!」
相変わらず俺はジュジュたちと仲が良い、俺の可愛さに皆がメロメロのようだった。可愛いと言って頭をなでなでされるのも悪くないが、逆に俺がもっと大きくて大人な男になって、ジュジュたちの頭をなでなでしてみたいものだ。そう言ってみたら俺の髪の毛がふわふわになるまで、可愛いとジュジュ達からなでなでされてしまった。むぅ、何故こうなった。
「まだ成長期だからな、背が伸びるとは思うんだけどさ」
人間の図書館にある本の中には牛乳を飲むとよいと書いてある本もあった、でも牛乳なんて牛を飼っている家の子じゃないとなかなか飲めるものじゃないのだ。運動をすると良いと書いてある本もあったが、既に俺は毎日のように走り回っているし、時には魔物と戦っているのでそれは十分だ。背が伸びる薬なんかあったらいいのにな、昔そう言ったらあかり姉さんは努力が大切なのと言ってた。
身長はまぁいい、そのうちにきっとぐんぐんと伸びだすのだ。多分。ではカッコいいとは何だろうか、俺の友達になったケントニスは、彼は間違いなくカッコいいドラゴンだった。よく彼のことを思い出してみると態度が紳士的だった、うっ俺は人間のいろいろあるマナーもよく知らなかった。相手が女性だったら種族を問わず大切にしていて酒場でモテていた、うっ俺はジュジュたちくらいしか女性を知らないしモテたこともなかった。
ちなみにドラゴンスレイヤーというパーティの痴女たち、あの四人のことを俺は女性だと認めていなかった、あんなのは美しい女性とは言わないのだ。そうあれはただの発情したメスだった、発情期のメス猿とほとんど変わりなかった。いやあんな碌でもない生き物たちはどうでもいいのだ、俺は改めて友達であるケントニスのことをまた考え分析してみた。
そう他にもケントニスのカッコいいところを俺は考えてみた、彼は何をするにも余裕というものを感じさせた。とても強いのにまだ強くなろうとしていたし、弱い俺にも優しく厳しく剣や戦い方の稽古をしてくれた。お金も沢山持っていたし、時には誰にでも気前よく奢ってくれた。余裕、俺にはまだ余裕がないのだ。それに人間のマナーを学ぶ必要もある、紳士的な美しい所作というものはカッコいいのだ。
「というわけなんだ、ツカサ」
「あっはははっ、シエルは思いもしないことを言うものだ。いや、だからこそ面白い」
「俺はわりと本気なんだぞ、人間のマナーとやらを学んでみたい」
「そうだね、基本的には相手を不快にさせないことだ。それ以上の細かいことは、私が知る範囲で教えよう」
「しばらくは月の日はマナーの練習だな!! ツカサ!!」
「シエル、君が思う以上にいろいろとあるぞ。挨拶、姿勢、食事の仕方、言葉遣い、貴族との接し方、それに女性への優しい心遣いなどだね」
俺は月の日のツカサに会える短い時間で沢山のマナーを学んだ、確かにこれは頭が混乱するくらいに難しかった。飯を食べるのにカトラリーを何本使うんだ、ご飯は美味しく食べるのが一番だろと頭が爆発しそうになった。それでも俺は紳士的な男になりたくて色々と学んでいった、ツカサの所作も落ち着いていて紳士的で綺麗なものだった。ツカサという見本がとても良いから、マナーとは難しいが学びがいはあった。
「でも、鍛練は何より大事だよな!!」
強さはなによりも大事なことだ、こればっかりはドラゴンとして譲れなかった。だから月の日以外の六日はほとんど外に出て魔物を狩っていた、俺は縛りプレイを更に難しくしてみた。デビルベアと素手で戦って無傷で勝利することなどだ、無傷のまま素手で倒すとなると難易度が更に上がった。魔法さえ使えればすぐに倒せる相手だが、無傷のまま素手でとなると強い力が必要になった。
デビルベアの攻撃の仕方を注意深く観察するようになった、そうしないとあっという間に爪での傷を受けた。振り下ろしてきた爪のある手を逆に掴んで、俺の体全体を使ってそのまま関節を圧し折ることを覚えた。残りは牙がある頭だったが、何度何度も挑戦して失敗を繰り返したが、とうとう俺は首を掴んで圧し折れるようになったのだ。
最初の一頭を無傷のまま素手で倒した時には爽快感すら感じた、ずっとやってきたことが報われたような気がしたのだ。でも迷宮や他の地域にはもっと強い敵がいるはずだった、デビルベアだけで満足してしまってはいけなかった。俺は強くなりたいもっともっと強くなって、あかり姉さんや母さんを守れるくらいの最強のドラゴンになるのだ。
「これはどうやって倒したんだ?」
「……首だけ折れてるみたい」
「えっと、そんなことできるの」
「拳法家でも無理だぞ」
「本当に貴方が倒したのですか?」
首を圧し折ったデビルベアを解体しようとしているときだった、偶々知らないパーティと出くわしてしまった。俺は全く見覚えのない冒険者たちだったが、首が折れている以外は綺麗なデビルベアの体を見て驚いていた。俺はどう答えようか悩んだすえに、なんかこう魔法で倒したことにした。ドラゴンは嘘が嫌いだが、こういう場合は仕方がないと思った。だからこう深く考えずに答えたんだ、それは俺が適当に考えた言い訳だった。
「えっと、風魔法でちょちょいっとな」
「その魔法!! 教えてください!!」
そのパーティの魔法使いから俺は両肩をがっしり掴まれて、そう凄い勢いで迫られてしまったのだった。と言われても実際には俺は素手で倒したので、どう答えればいいのか分からずに大変困った。
「えっと、デビルベアの首にだけ当てる、そんな小さな竜巻みたいなもんだ!!」
「……なるほど」
その時はそれでどーにか相手の魔法使いは納得してくれた、しかしその後も何度か似たようなことがあった。その度に俺は魔法のせいにしたから、街での俺の評判がとんでもないことになっていった。『竜巻の魔法使い』だとか、『烈風の魔法使い』だとか、『暴風の魔法使い』だとかだった。そして冒険者にならないかという知らないパーティからの勧誘が増えた、デビルベアとも単独で戦えるような強い魔法使いは貴重だからだ。
「あーん、シエル。どうこのドラゴンスレイヤーに来ない?」
「来てくれたら、ふふっ。素敵な夜を過ごせるわよ」
「私の寝技も見せてあげるよ!!」
「神の名のもとに共に戦うのです、もちろん夜も」
俺は街での勧誘は逃げれる時はもちろん逃げた、特にドラゴンスレイヤーの痴女四人組からは逃げまくった。ジュジュたちのパーティは俺が冒険者になるのを嫌がっている、それをよく知っているので何も言わずにいつもどおり接してくれた。俺はハルトというドラゴンスレイヤーのリーダー、奴がどうも気に入らなかった。何かを見透かしているような目をしていた、そして俺のことを獲物みたいに奴は見ていた。
俺は何かを忘れているような気がしていた、ハルトというリーダーの何かを見落としていた、ハルトの金髪に蒼い目を見るたびにそう思った。何かとんでもない間違いをしてしまっているようで俺は焦っていた、それでとにかくドラゴンスレイヤーの彼女たちには捕まらないように逃げた。一方でドラゴンスレイヤーの方も少し焦っているようだった、彼女たちはまだ二頭目のドラゴンを倒すことができていなかったからだ。
「ドラゴンの住処を探すのが難しいのです、見つけてしまえば後は観察して弱点を見つけるだけです」
ドラゴンスレイヤーのリーダーであるハルトはそう言い訳をしていた、それでもドラゴン以外ならフェイクドラゴンくらいは楽に倒してくるパーティだった。だからフィーレの街の皆はドラゴンスレイヤーの実力を疑ったりしなかった、正々堂々と本当はドラゴンを倒していないじゃないかとか、そんなことを考え疑っているのは街の中で俺だけだった。
「なんか嫌な予感がする、あいつは信用できない」
俺はそう思ってもっと鍛練するようになった、ツカサからマナーを学んだりもしていたが、それ以外の時間は全て強くなるために使っていた。でも俺が強くなればなるほど、ドラゴンスレイヤーのハルトからの視線も凶悪なものになった。彼女たちはいつも俺を見る度に楽しそうに笑っていたし、俺をパーティに勧誘する言葉が会う度に優しくかけられた。だが俺にとってはどうしても気持ちが悪い感じがあり、決してハルトたちのことを信用することができなかった。
母さんやあかり姉さんのことも心配だった、母さんはとても強いドラゴンだが、人間は卑怯で手段を選ばないことがあるからだった。心配で毎日飛んでいきたいくらいだったが、そんなに頻繁に会いに行ってしまったら、それこそ母さんやあかり姉さんを危険にさらすかもしれなかった。だから強く拳を握りしめて我慢して、俺にできることをやっていた。そんなある日のことだった、ジュジュたちから声をかけられたのだ。
「ねぇ、シエル。ダンジョンスタンピートって知ってる?」
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