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第一章 絶対に見てはいけない光景
第二話 お姉ちゃんって、馬鹿だよね!
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「誰かに見られちゃったら、か。……ははは! けど、アンナ? 僕たちの関係は、アイツの誕生日会で、発表するんだろ?」
「もっちろん! だって、私、アイツのこと嫌いだもん! ヨゼフも知ってるでしょ? うち、親がいないからってさ、まるで私に対して母親ぶってるんだよ? 根暗な地味女のくせに」
(え……? あ……あはは。そうだったんだ……)
もちろん、疎ましく思われている部分があったのは……分かっていたけど……そんなに……?
夢、だよね?
これが、マリッジブルー……っていうやつなのかな?
だんだん、何も考えられなくなってきた。
それなのに、意識は醒めて、状況だけは、はっきりと分かってしまう。
妹とヨゼフが……今どんな表情で、この会話をしているのか。
「私と私が付き合っていた彼氏の仲を引き裂いたことだってあるのに、自分だけ結婚しようとか、馬鹿なんじゃないのって感じ!」
(だって……アンナにとって、いい人とは思えなかったんだもの)
言い訳が、頭の中に浮かんだ。
実際、その相手は、貧困街で違法薬物を売りさばいていた罪で、王国の憲兵に捕まっている。
(あの時は、あの彼氏だけはだめだと思ったから……)
完璧な人じゃなくても、絶対的な幸せを約束してくれる人じゃなくても……私は別に反対なんかしなかったのに。
(けど……そっか。アンナ、そんなに好きだったんだね。だったら、確かに、私が……)
「ま、あの男なんて、ただの遊びだったから、別にどうでもいいけどね! せっかく上手く、貢がせられそうだったのに! あのバカが邪魔をするから」
「そうだな。そりゃ確かに、酷い話だ。お前は頑張ってただけなのにな。ほんと酷い姉だぜ。きっと自分がブスだから、お前に嫉妬してたんだよ」
ヨゼフが……私の婚約者のヨゼフが……相槌を打った。
そして、それだけじゃなかった。
「いいよ。アンナのことは、俺が幸せにするから」
そういえば……私に対して、「好き」とか「幸せにしてあげる」なんて言葉、一度も言ってくれたことはなかった。
男の人に甘えて、自分が得ることばかりしか考えてなくて……私は、そういう恋愛も、結婚も嫌だから……それでいいと思っていたのに。
完璧な人じゃないからこそ、結婚しようと思ったのに……ヨゼフにとっても、私がいいと思っていた。
そうすれば、最初からものすごく好きじゃなくても……ずっと好きでいてくれると……思っていたのに。
「あれ……? 私、妹とヨゼフを……疑ってる?」
「もっちろん! だって、私、アイツのこと嫌いだもん! ヨゼフも知ってるでしょ? うち、親がいないからってさ、まるで私に対して母親ぶってるんだよ? 根暗な地味女のくせに」
(え……? あ……あはは。そうだったんだ……)
もちろん、疎ましく思われている部分があったのは……分かっていたけど……そんなに……?
夢、だよね?
これが、マリッジブルー……っていうやつなのかな?
だんだん、何も考えられなくなってきた。
それなのに、意識は醒めて、状況だけは、はっきりと分かってしまう。
妹とヨゼフが……今どんな表情で、この会話をしているのか。
「私と私が付き合っていた彼氏の仲を引き裂いたことだってあるのに、自分だけ結婚しようとか、馬鹿なんじゃないのって感じ!」
(だって……アンナにとって、いい人とは思えなかったんだもの)
言い訳が、頭の中に浮かんだ。
実際、その相手は、貧困街で違法薬物を売りさばいていた罪で、王国の憲兵に捕まっている。
(あの時は、あの彼氏だけはだめだと思ったから……)
完璧な人じゃなくても、絶対的な幸せを約束してくれる人じゃなくても……私は別に反対なんかしなかったのに。
(けど……そっか。アンナ、そんなに好きだったんだね。だったら、確かに、私が……)
「ま、あの男なんて、ただの遊びだったから、別にどうでもいいけどね! せっかく上手く、貢がせられそうだったのに! あのバカが邪魔をするから」
「そうだな。そりゃ確かに、酷い話だ。お前は頑張ってただけなのにな。ほんと酷い姉だぜ。きっと自分がブスだから、お前に嫉妬してたんだよ」
ヨゼフが……私の婚約者のヨゼフが……相槌を打った。
そして、それだけじゃなかった。
「いいよ。アンナのことは、俺が幸せにするから」
そういえば……私に対して、「好き」とか「幸せにしてあげる」なんて言葉、一度も言ってくれたことはなかった。
男の人に甘えて、自分が得ることばかりしか考えてなくて……私は、そういう恋愛も、結婚も嫌だから……それでいいと思っていたのに。
完璧な人じゃないからこそ、結婚しようと思ったのに……ヨゼフにとっても、私がいいと思っていた。
そうすれば、最初からものすごく好きじゃなくても……ずっと好きでいてくれると……思っていたのに。
「あれ……? 私、妹とヨゼフを……疑ってる?」
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