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混血系大公編:第一部

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 団長室までの廊下を歩いているときに、丁度帰着したらしいロルフ隊の団員と鉢合わせた。まだ新人に毛が生えた程度の、若い団員だ。ロルフってば強行軍過ぎてアンリ以外置いてきちゃったのね…。彼しか見当たらないので、他の連中はまだ到着できてないっぽいな。
「うわぁ!隊長が団長を攫ってる!やば!拷問?!強姦?!」
 お調子者の団員…ビートがアワアワしながらアホなことを言い、ロルフに蹴られる。
「和姦だクソ童貞」
「いでッ!あ、でもこの程度の痛みってことは隊長落ち着いたんスね?団長のおかげ?団長すげー!!」
「もっと褒めてくれていいのよ」
 今から体は張る羽目になりましたけれどもね。
「団長ソンケーします!え、でもどこ行くんスか?報告は?」
「アンリがやってるよ。テメェも行ってこい」
「ああ!帰り道で隊長がブチ殺しちゃった盗賊、賞金首だったんで報告しときますねー」
「そうかよ」
 何やってんの…強行軍しながら賞金首討ち取るって…。
 だけどロルフは興味なさげな返事をすると、しっしっとビートを追い払う仕草をした。
「オラ邪魔だ、さっさと行け」
「え?どこ行くんすか?昼飯?すぐ報告して来るんで俺も連れてってくださいよー!」
 奢られ上手なビート君が、ロルフの周りをウロチョロしてまた足蹴にされる。
「ちげーよボケ、溜まったもん抜いてくんだよ」
「ロルフ!!」
 ああぁぁ何でそんな余計なこと言うのよ!ビートが目ぇまん丸にして、私とロルフの顔交互に見てんじゃん!
「ビート、いま言ったことは忘れ…」
「うわッ!うわーッ!えッ、ちょッ、どこっすか団長室?!倉庫?!やべー職場でこっそりセックスとか、想像したらちんこ勃ちそう!!」
 ああ、どうしよう、ロルフと同種の下品さ…。何だか頭が痛くなってきた。
「うるせーバカ。ああ、お前報告終わったら隊の連中の昼飯買ってこい。俺の分は団長室の前に置いとけよ」
 そう言ってロルフがポイっとコインを投げると、ビートは上手くキャッチしてピュイっと口笛を吹いた。
「ラジャー!やっぱ団長室だ!うっひょー!妄想がはかどる―!!」
「さっさと行け。ウチの嫁で抜いたら殺すぞ、テメェ」
「あ、ダイジョーブっす初めてを捧げる相手は決めてるんで!そっちで妄想します!」
「ヘッ、ほざいてろ童貞が」 
 もう、下品過ぎて途中から耳が聞くの拒否してたわ…。いつの間にやらビートがいなくなっていて、そのまま団長室に連れ込まれる。肩に担がれたまま、お尻をスルっと撫でられた所で正気を取り戻す。奥のベッドルームに向かおうとしているので、慌てて髪を引っ張ってロルフを止める。
「待って、鍵と防音装置はセットして!」
「あ?めんどくせぇな」
「めんどくせぇじゃねーわ皆に聞かれたらどーすんのよ!死ぬ!恥ずか死ぬ!!」
「ち…ッ、わぁったよ」
 ブツブツ文句言いつつも、鍵を掛けて防音装置を作動させてくれた。ホッ。取り敢えずこれで聞かれることはないから、後で「何もなかった!」って言い張ればきっと闇に葬れるはず。いや、団長の強権で葬ってみせる!!
 ポイっとベッドに放り投げられて、ロルフがのしかかってくる。カプっとキスをされ、舌を差し入れられるけどつい逃げてしまう。
 ひぃぃ、マジでやるの?ここ職場だよ?前団長が使ってたベッドだよ?覚悟を決めたつもりだけど、やっぱ嫌すぎるんだけど!!
「…テメェ、やる気ねーのかよ」
 唇を離し、苛立った声を出すロルフにムッと口をつぐむ。
 いやねーわ。あるわけねーわ。職場でエロい気分になんてなれんわ。あとちょっと汗臭いし。そう言いたいけど黙っておく。絶対怒るもん。
 しばしムスッとした顔でお互い睨み合っていると、ロルフがいきなりズボッとパンツの中に手を突っ込んできた。
「うぎゃー!」
「テメェ濡れてねーぞ」
「そんなホイホイ濡れんわ!今はそーゆー気分じゃないの!」
「あぁ?いつもはビッチョビチョじゃねーか」
「ホント下品だなー。雰囲気作りが大切なんですー。おちんちん擦ればイケる男とは違うんですー」
「お前、今の…」
「何?」
「……滾るな」
「ウソでしょ?!」
 今のセリフのどこに滾る要素あった?!
「ちんちんイテェわ」とか言いながら股関の装備をいそいそと外すロルフにドン引きする。てか私も売り言葉に買い言葉で下品な言葉使っちゃったけど、よくそれで引かないよね。男こそ繊細だ!っていう意見一定数聞くけど、この男には当てはまらんわ。
 それからロルフは装備を外してはポイポイ床に放るので、文句を言いつつ拾い集めてサイドテーブルに置く。もー、お行儀悪いんだから!
「よくこの空気で、勃起維持できるわね…」
「あー?できるだろ。禁欲生活明けでお前が目の前にいるんだ。勃つに決まってる」
「…あそ」
 不覚にも、キュンとしちゃったじゃないか。
 ロルフがゴチャゴチャした装備を外し終えて、上着をガバッと脱ぐ。私はベッドサイドに座って、その様子をじっと見る。引き締まった、いい体。肩幅が広くて、厚みがあって、肌にたくさん傷があるけど、それが野生味を足して魅力が増している。やや女性的な顔立ちなのに、体は男らしくて逞しいのよね。でもウエストはギュッと締まってて…ホントに、すごくセクシー。思わず見惚れてしまう。
 そんな私の視線に、ロルフはしっかり気づいていたんだろう。上着を脱ぎ捨てて、ベルトを外して、見せつけるようにズボンの前を寛げていく。おへその下、ほんのちょっと、亀頭が見えるくらい。ロルフが私の右手を取って、手の平から指までベロっと舐めて、自分の亀頭に触れさせる。濡れてる。先走りってやつ?すごく、興奮してるんだ。コクリ、と思わず唾を飲み込んでしまう。ロルフが情欲に蕩けた瞳を私に向けて、自分の唇を歪めて笑う。
「どーよ。雰囲気、出たか?ん?」
「ん…」
 ロルフの灰色の瞳を見つめながら目を細めると、ガブっとキスされる。ぬるりと舌が入り込んできて、今度はそれに応える。そのままベッドに押し倒されて、裸の背中に手を回す。ロルフの左手が下着の下に潜り込んで、指が膣の入口をズルっとなぞって。
「…濡れたな」
「うふ……」
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