異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

北欧系戦士兄弟編

２７ 完結

　それから３週間経った。ビョルンとロルフはまた任務に出ている。ロルフは単騎の戦闘力なら傭兵団でも２番目に強い…どころか帝国内でもトップクラスなんだけど、隊長をやれる器じゃない。今まではそう判断して、前団長やビョルン、私みたいな相性がいい団員と組ませて任務に出ていた。でも前団長は亡くなってしまったし、私が今後現場に出ることはほぼない。相性のいい隊員は少ないながらもいるけど、彼らに隊長はまだ無理だ。そもそもロルフの上に立てない。隊長をやりつつロルフをコントロールできるのは、現時点ではビョルンしかいないのだけど、それでは困るのだ。
　実は生理が１週間遅れている。もちろん今までも遅れて来ることはあったから、妊娠しているとは限らない。でも今回が違ったとしても、ビョルンとロルフがいる間は毎日致してるんだから、そう遠くない未来に妊娠する可能性が高い。それなら今後は、私の側に必ずどちらかがいられるようにしたいと、ビョルンが主張したのだ。２人の留守中に私になにかあったらと、気が気でないらしい。過保護なビョルンさんのお願いで、今は新居でなく団長室で寝泊まりしてるしね。傭兵団としては、主戦力であるロルフを遊ばせておくわけにはいかない。でもどちらかが残るには、別部隊で任務に出てもらうしかない…というわけで、ロルフが隊長を務められるよう、現在ビョルンが指導中だ。ビョルンは指導も上手いし、ロルフも一皮剥けた感じで、ここ数週間で格段に落ち着いているので、期待できそうだ。それを褒めたら「剥いたのはお前だろーが」と下ネタかまされたけれども。剥いてねーよ包茎じゃなかったろアンタ。
　ようやく落ち着いたと思ったところに新たな問題が出てきて、不安もいっぱいだけれど。ビョルンは関係が深まったぶん前より頼りにできるし、どこか投げやりだったロルフもいい方向に変わっている。お腹に新たな命が灯っているかはわからないけれど、どちらとの子であっても何とかなると思う。
　何にしろ、私にできることは少ない。現状を受け入れて、目の前にある問題をクリアしたり逃げたりどっかにぶん投げたり諦めたりしながら、一つ一つ片付けていくだけだ。今までそうやって生きてきた。そしてこれからもそうすることで、それなりに満足できる未来を掴み取れると信じている。