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第4話 2日目午前 武器と防具を新調しよう

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 前の日は、異世界転移から始まって、初体験まで色々と目まぐるしかったからクタクタで、エリーさんのご厚意で冒険者ギルドに泊まらせて貰った。

 冒険者ギルドなのに宿泊施設? それって普通なのかと佐藤に聞いてみたい。

 実際に利用をしたことはないけれどカプセルホテルみたいな狭さだった。女性の「あんあん」という嬌声が響き渡るような夢を見たのは疲れていたからだと思う。

 聞いた話では冒険者ギルドに登録すると指定されたお店に限るという条件付きで、武器と防具を安く購入する特典があるらしい。

 カードにインストールされた冒険者の心得によると、冒険者の義務は街の中に時々湧いてくる「淀み」から出てくる魔物退治だ。
 戦うにしても、武器と防具がないと話にならない。

 紹介されたお店を尋ねる。

「いらっしゃいませ。あら、新人さんかしら、武器と防具のお店にようこそ」

 しっとりと落ち着いた、若妻風の女性の素敵な笑顔に出迎えられた。
 金髪のポニーテールに足首まで隠れている洋風の白いドレスワンピースが清楚な雰囲気だ。だけど胸元はけしからんくらいに盛り上がっている。

「武器も防具もしっかりと身体にあったモノを選ばないとだめですよ?」

 人差し指をピンと立て、ウインク混じりに優しく指南してくれる。
 年上の女性ってそれだけでもう素敵だな。エリーさんといい僕は相当年上の女性が好みらしい。

「当店は、主人が工房で作った武器と防具を直接取り扱いしているお店ですから、アフターケアも万全です。今後とも贔屓にして下さいね」
「はい、毎日通います!」
「あらあら、お買い物もしてもらわないと困ります」

 くすくすと笑われる。脳が溶けそうなくらい幸せだ。
 やっぱり人妻だったみたい。見た目は20代前半。お若いのに結婚が早いのは異世界文化なのかな。

 年上の女性に憧れるのは少年の特権だから、漢を目指す上でマイナス要因にはならないはず。
 ちょっと過激な冒険者ギルドでの出来事の翌日だから心が洗われるような清涼感が心地良い。

 駄目だ、女性を眺めていると初めての事を思い出してしまう。
 エリーさんの匂いもやわらかい身体もヌルヌルのあそこも忘れられない体験だった。

「じゃあ、採寸しますから服を脱いで下さい」
「はい……はい?」

 メジャーを片手にした若妻店員は、にこにこと笑っていた。
 
「服を脱ぐの?」
「ええ、採寸ですから」

 採寸の度に服を脱いでいたら仕立屋なのかストリップ小屋なのかわからなくなりそうですけど?

「さぁ、どうぞ?」

 いい笑顔の圧力に気圧されて服を脱ぐ。
 シャツを脱ぐと手が差し出され、ズボンを脱ぐと手を差し出され、そこで止まってしまう。
 まだ日も高いのに、お店でパンツ一丁の半裸の僕っておかしくない? それともこれが異世界クオリティ?

 若妻店員は脱いだというのに採寸を始めずに、動かずじっと待っているし。
 更衣室とかないのかな?

「新人さん、脱がないと採寸できませんよ?」

 何を採寸するつもりなんですか!?
 あと脱げるものは一枚だけど、これを脱いでも通報されないの?

「さあさあ」

 恥ずかしいけど漢は度胸だ!
 昨日、童貞を卒業したばかりのニュービーを露出させる。

 顔色を変えることもなく若妻店員はパンツを受け取り、隅にあったかごに丁寧に折りたたんだ。
 さすがに人妻だけあって男の裸程度でたじろいだり動揺を見せたりしない。プロフェッショナルだ。

 手慣れているなぁ。変に恥ずかしがる僕の方が非常識だったらしい。
 ここは異世界。僕の持っている常識とは色々とかけ離れていてもおかしくない。郷に入れば郷に従えの精神で行こう。

「では、採寸を開始しますね」
「お願いします」

 肩幅とか首周りとかお腹とか細かく詳細にメジャーで測られメモされていく。文字通り裸なんだけど、丸裸にされていく感覚に体が震える。

 やわらかくてけしからんおっぱいが当たる当たる。サイズを測るたびにもっちりとした感触が感じられ、あたっている肌に意識を集中してしまう。
 おっぱいって本当に魔性のやわらかさだ。

 いや駄目だ。若妻店員さんは仕事中だよ? 何を邪な事を考えているんだよ。
 集中して無心になる。悟りを開くくらい心の目を閉じる。

 でも、いい匂いがする若妻店員さんが、体にベタベタと触りながら密着して胸をたっぷりと押し当ててくるから、隠しようのない部分が反応してしまった。
 若妻店員さんの目の前で、ゆっくりとペニスが元気になって挿入可能状態に!

「あらあら……ここは測る必要ないですよ?」

 若妻店員さんは仕方がありませんねぇとくすくす優しく微笑む。

「ご、ごめんなさい!」

 顔が熱い。何を勘違いをしているんですか、ここはそういうお店じゃないですよ? 主人に代わってもらおうかしら? なんて言われたら、僕の異世界人生の最後は自殺で終わりそう。

「これだとサイズが測れないですね……」
「ごめんなさい、すぐに小さくします」
「お若いから仕方がないですね。次はふとももを測ります」

 若妻店員はしゃがみ込む。綺麗なお顔の前に恥ずかしくも勃起したペニスがドン! ああ、マジで恥ずかしい! 鎮まれ、僕の恥知らず!

「んー、良い匂い、あむ」

 目を疑った。
 だって、若妻店員さんが躊躇なく突然にペニスの先を口に含んだから。
 熱い口の中でペニスがビクビクと震えてしまう。

 どういうこと!?
 邪魔になったから、お口を使って小さくする算段なの!?

「んー、んー、じゅぽっ」

 プロだ。ノーハンドで邪魔っけなペニスを頬張り顔を前後させているのに視線はブレずにメジャーを巧みに使って採寸を続けている。エロいマルチタスクに脱帽しかない。

 昨日初体験したばかりのエリーさんの口の中とはまた違う、まろやかなお口の中の感触にうっとりとしてしまう。舌の使い方が巧みすぎる。円を描くようにペニスの先端に舌が絡んで痛いくらいの快感に腰がどうしても引けてしまう。
 若妻店員さんは口からペニスを離さないように、僕が引いた分だけ顔を寄せる。

 ぷじゅっ、ぷじゅっと口の中の唾液が泡立つような音をさせて、顔は小刻みに前後に動いて口内粘膜全部を使ってペニスは刺激を与え続けられた。

 気が狂いそうになるほど気持ちいい。だけど、ここは武器と防具のお店で工房には旦那さんがいるんだよね!?

「あの、旦那さんがいるのに、大丈夫なんですか?」

 チュポッとエッチな音を立ててペニスからお口を離すと、若妻店員さんは上目遣いで見上げながら「ふふ、内緒ですよ?」とキュートに悪戯っぽくウインクをして微笑んだ。

 心臓が止まりそうなくらい興奮する。
 これは浮気。しかも、すぐ近くで仕事をしている旦那さんの目を盗んでの不埒な行為。

 もう、メジャーなんて床に落としているし!
 魅惑的な唇を尖らせるように吸い付かせて、ペニスを吸い込みながら口を離していく快感!
 若妻店員さんに両手で腰をがっちりとホールドされて、そこからはされるがまま。

 口の中に飲みこむ時は、僕の股間に顔にくっつくまで顔を密着させて停止して、喉の奥できゅっと締めつけてくる。
 じゅぼっと卑猥な音を立てて、ペニスが喉から解放される。
 白っぽい唾液が若妻店員さんの口からだらりと垂れる。

「すごい……お口いっぱいになる、いいおちん○ん……」

 そのままお口で慰められて気持ちよくて我慢できず、口内にドクドクと放ってしまった。
 昨日に引き続きすごい量が放出されて腰が抜けそう。
 僕の精力ってどうなっているのか驚愕だよ!

「あんっ、ん……、ん……、けほっ、すごく……濃いですね」

 若妻店員さんは眉を寄せながら、こくんと喉を鳴らして口のものを飲み下した。
 それからうっとりとペニスを頬に擦りつけて来る。

「あ、汚れるよ……」

 顔にべっとりと遅れて出た精液が付着しているのも気にせずに、若妻店員さんは愛おしげにスリスリと続ける。綺麗なお顔を汚いもので汚す下品な行為に目が奪われる。

「あら、全部出ていなかったんですね?」

 ペニスの先にぷっくりと浮かんだ精液を見つけて、また口に含んで来る。
 ちゅるりとお掃除をするようにペニス全体に舌を絡めてくる。

「いい子ね……ふふ、ちゅっ、んふぅ」

 いつまでもペニスに舌を這わせている若妻店員さんの顔は蕩けきっていた。

 *

 抜いて貰った後、無事に採寸は終わりサイズピッタリの革の胸当てと小型の剣を揃えて貰った。
 あまり重装備だと新人の僕では動きが制約されてしまうから、このくらいでいいらしい。

「お買い上げありがとうございます」

 電子マネー決済で支払いを済ませると、若妻店員さんはにこにこと微笑んだ。
 お代は20万。安いのか高いのか判断ができるほどこの世界に馴染んでいないので、冒険者ギルドと若妻店員さんを信じよう。

 残金は80万円。しっかり稼がないとあっという間に街から放り出されてしまう。

「店員さん、少し教えてほしいことがあるんですけど……」
「あら、何かしら?」

 聞きたいのは、この世界の文化というか常識の話だ。
 異世界だからなのか、僕の持つ常識と非常識が役に立っていない出来事が立て続けに起こっていて、身の振り方に迷うから。
 主に女性の貞操観念については是非おうかがいしたい次第。

 冒険者ギルドでの出来事をかいつまんで話してみると、何故かぎゅうっと腕を抓られた。

「もう、妬けちゃいますね。私の前で他の女の子との事を話すこともだけど、初体験のお話まで聞かせるなんて、酷い人」

 えー。どうして恋人みたいな言い回しなの?
 少し焦っていると「冗談よ、新人さん」と若妻店員さんはくすくす笑う。

「……知らずにこの街に来たことが驚きね。んー。教えない方がボクにとっては、もっとこの街を楽しめそうだけど、いいわ、そんな顔されたら意地悪も出来ないわね」

 若妻店員さんは赤い唇を使って艶やかに笑う。物凄い色っぽさだった。

「この街はね――」
「おっ、ボウズ似合ってるじゃねぇか!」

 若妻店員さんが口を開き掛けた時、工房から出てきたひげもじゃのおっさんと目があった。
 背筋がピンと伸びる。
 奥さんの不貞になんて全く気付く素振りもない人の良さそうな笑顔だった。

 少し前までこの人の奥さんの口にペニスを突っ込んで精液まで飲ませたという事実に背筋が凍る様な緊張感。
 脂汗が噴き出して止まらない!

 世の中の不倫をディナーみたいに楽しめるリア充たちの強靱な精神力に感服します。

「あらあら、凄い汗。大丈夫よ? 怖い顔をしているけど噛み付いたりしないわ」

 すごい。若妻店員さんには動揺なんて微塵も感じられない。近すぎず遠すぎずの絶妙な距離感だ。

「ははっ、格好だけはいっぱしなのにな!」

 おっさんに背中をバンバンと叩かれた。

「ははっ。そろそろお暇させて貰いますね」
「おう! しっかり稼いでこい! 命は大事にだぞ? まあ、街の中の魔物相手なら怪我することもないだろうけどな!」

 若妻店員さんはハンカチを取り出して、僕の額の汗をふきふきしながら耳に顔を寄せて小声で囁く。旦那さんに見えない角度で見せてきた妖しい色気の流し目に陶酔しそう。

「うふふ、また来てね新人くん。今日のことは主人には内緒よ?」

 エッチで浮気な若妻店員さんからの悪戯っぽいアバンチュールのお誘いだった。
 この世界のお話が聞けなかったのは少し気がかりだけど、修羅場は勘弁して欲しいので次は別のお店に致します。
 名残惜しそうに悲しむ若妻店員さんのお見送りに愛想笑いで店を出る。

 噴水のある街の憩いの場に戻ってきた。
 僕たちが異世界に降り立った場所。
 当然だけど、綾小路たちの姿はない。
 単独行動を口にした僕が心配するのも烏滸がましいけど、上手くやってくれているといいなと思う。佐藤もね。
 
 冒険者ギルドを出る時にカードに付与されたファーストミッションを表示させる。
 世界を救う関連の有益な情報は手に入っていない。
 まだ、2日目だ。目の前の問題を1つずつこなしていくしかない。

 冒険者の背負う義務は、魔物の討伐。
 まずは、魔物相手に一狩り行くとしよう!
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