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嫌がらせ1
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その日ヴィオラが仕事を終えて、掃除道具を用具室に片付けていると。
バタンと突然、扉を閉められてしまう。
ーーえ、開かない……
嘘、どうしてっ?
その扉は内側に開くタイプのものだったが、取手の間に棒が挟まれていたため、どんなに引いても開くはずなどなかったのだ。
「すみません!誰かっ……
用具室の扉を開けてくれませんかっ!?」
すると、クスクスと笑い声が聞こえ。
ヴィオラは嫌がらせで閉じ込められたのだと察する。
だとしたら……
掃除道具が全て収められている事や。
用具室はそのエリアの掃除担当しか利用しない、片隅に位置する事から。
明日の仕事が始まるまで、そこで過ごさなければならない事が窺え。
ヴィオラは不安と恐怖に襲われる。
なにせ、用具室はかなりの不衛生で、ネズミや害虫が蔓延っており。
物で溢れ返っていて、くたくたの身体を休められる場所もなければ。
夜食や朝食どころか、水分すら摂る事が出来ず。
頼りのランプも、数時間しか待ちそうになかったからだ。
ーーどうしてこんな事に……
ニケと親しくしてるから?
それとも、新人の分際で専用書庫の掃除に抜擢されたから?
何にしても……
さすがにこれは酷いと、思わず涙ぐむヴィオラ。
しかし、いつかサイフォスの力になるためには、こんな事で挫けていられないと。
ぐっと歯を食いしばって、折れそうな心を奮い立たせた。
ところが次第に、あちこちからカサカサカリカリと、小生物の不気味な音が聞こえ始め……
その蠢く影に、何度もビクと慄く羽目になり。
ーーもう嫌っ、早くここから出たい!
と、またしても泣きそうになるヴィオラ。
それでも、サイフォスと言葉を交わせた奇跡を支えに……
必死に必死に耐え忍んだのだった。
けれどとうとう、ランプの火が尽きそうになり……
どうしよう!と焦った矢先。
ギイと音が響いて。
「きゃああ!」
恐怖で叫び声を上げてしまう。
するとすかさず。
「大丈夫、僕だってば」
と、聞き覚えのある声がかけられる。
「っっ、ニケ!」
「あまりに鈍臭いから助けに来てあげたよ」
その途端。
あまりの嬉しさと、これまでの恐怖や心細さの反動で……
「ありがとうニケっ!」
ヴィオラはそう言いながら、縋り付くように抱き付いてしまう。
「うわっ、ちょっ……」
思わぬ反応と慣れないコミニュケーションに、戸惑うニケ。
と同時に照れ臭くて、すぐさま押し離そうするも。
張り詰めていたものが一気に切れたヴィオラは、勝手に涙が溢れ出してしまい。
それに気付いたニケは、離す事が出来なくなり。
むしろ、ほっとけない気持ちになり……
「……いいけど、この貸しは高く付くからね」
そう憎まれ口で誤魔化しながら。
不器用な手つきで、ヴィオラの頭を撫でたのだった。
その日は、夜も遅くなっていたため。
また、ヴィオラが心身共に監禁のダメージを負っていたため。
詳しい話は後日に持ち越される事となった。
とはいえ、ニケから扉の取手に棒が挟まれていた事だけ報告を受けたヴィオラは……
翌日。
その用具室を利用する下女たちの前で、そういった嫌がらせがあった事を告発した。
「このような事があった際は報告するよう、王宮魔術士さまに言われてますので、そうするつもりです。
ですが正直に名乗り出て、2度としないとお約束いただければ、報告は致しません」
事を荒立てたくなかったヴィオラは、そう自分で解決しようと試みる。
謝罪を求めなかったのも、名乗り易くするためで。
目下の不満対象に頭を下げたくないだろうと踏んだからだ。
それにより加害者たちは……
報告されては困るうえに、謝らなくていいのならと、ファラの部屋を訪れた。
「朝の件だけど。
2度と閉じ込めなければ、報告はしないのよね?」
「はい、その件は報告しないとお約束します。
ですが他の嫌がらせを受けた場合、それは報告させてもらいます」
「はあ!?
仕事も出来ない半人前が調子乗ってんじゃないわよっ。
だいたいねえ!嫌がらせされる自分にも原因があるってわかんないのっ?」
「でしたら改善に努めますので、その原因を教えてください」
「そういう生意気なとこよ!
おまけに気取ってて賢ぶってて、鼻に付くのよっ」
そんなつもりは微塵もなかったが……
育ちが良く上品な仕草は、気取っているように見え。
下女らしからぬ教養があるため、賢ぶって見えるのも当然の事だった。
「第一ねえ!
仕事もせずに男に色目ばっか振り撒いてっ。
そういう浮ついた気持ちで仕事されちゃ迷惑なの!」
「そんなつもりはありませんっ」
「しらばっくれないで!
いるのよねぇ、あんたみたいに玉の輿目当てで王宮勤めしたがる女。
それで下女なら簡単になれるとでも思ったんだろうけど、甘く見ないでちょうだいっ。
それにねえ、どんなに気取ったって所詮下女なの!
王太子様があんたなんかを気にかけるわけないんだから、少しは身の程を弁えなさいっ」
その発言でヴィオラは、専用書庫の掃除に抜擢された事が、閉じ込められた原因だと察する。
実際その推測に間違いはなく、さらには……
図書室で鉢合わせた際、感傷に浸って手が止まってしまった事から、「仕事もせずに」という解釈に繋がっており。
視線を感じてサイフォスと目が合った事から、「色目を振り撒いて」という解釈に繋がっていたのだった。
「……それは重々、承知しております。
むしろ、解雇するかどうかを見極められていたのだと思っています」
「あら、そお~。
だったら、せいぜい解雇されないように。
それと、これからは先輩を立てるように気をつけなさいっ」
そう言い捨てて、加害者たちは去っていった。
結局、約束は有耶無耶になったものの。
どのみち嫌がらせをすれば、モエに報告されるため。
一応は、再犯を防ぐ目的は果たせたのだった。
バタンと突然、扉を閉められてしまう。
ーーえ、開かない……
嘘、どうしてっ?
その扉は内側に開くタイプのものだったが、取手の間に棒が挟まれていたため、どんなに引いても開くはずなどなかったのだ。
「すみません!誰かっ……
用具室の扉を開けてくれませんかっ!?」
すると、クスクスと笑い声が聞こえ。
ヴィオラは嫌がらせで閉じ込められたのだと察する。
だとしたら……
掃除道具が全て収められている事や。
用具室はそのエリアの掃除担当しか利用しない、片隅に位置する事から。
明日の仕事が始まるまで、そこで過ごさなければならない事が窺え。
ヴィオラは不安と恐怖に襲われる。
なにせ、用具室はかなりの不衛生で、ネズミや害虫が蔓延っており。
物で溢れ返っていて、くたくたの身体を休められる場所もなければ。
夜食や朝食どころか、水分すら摂る事が出来ず。
頼りのランプも、数時間しか待ちそうになかったからだ。
ーーどうしてこんな事に……
ニケと親しくしてるから?
それとも、新人の分際で専用書庫の掃除に抜擢されたから?
何にしても……
さすがにこれは酷いと、思わず涙ぐむヴィオラ。
しかし、いつかサイフォスの力になるためには、こんな事で挫けていられないと。
ぐっと歯を食いしばって、折れそうな心を奮い立たせた。
ところが次第に、あちこちからカサカサカリカリと、小生物の不気味な音が聞こえ始め……
その蠢く影に、何度もビクと慄く羽目になり。
ーーもう嫌っ、早くここから出たい!
と、またしても泣きそうになるヴィオラ。
それでも、サイフォスと言葉を交わせた奇跡を支えに……
必死に必死に耐え忍んだのだった。
けれどとうとう、ランプの火が尽きそうになり……
どうしよう!と焦った矢先。
ギイと音が響いて。
「きゃああ!」
恐怖で叫び声を上げてしまう。
するとすかさず。
「大丈夫、僕だってば」
と、聞き覚えのある声がかけられる。
「っっ、ニケ!」
「あまりに鈍臭いから助けに来てあげたよ」
その途端。
あまりの嬉しさと、これまでの恐怖や心細さの反動で……
「ありがとうニケっ!」
ヴィオラはそう言いながら、縋り付くように抱き付いてしまう。
「うわっ、ちょっ……」
思わぬ反応と慣れないコミニュケーションに、戸惑うニケ。
と同時に照れ臭くて、すぐさま押し離そうするも。
張り詰めていたものが一気に切れたヴィオラは、勝手に涙が溢れ出してしまい。
それに気付いたニケは、離す事が出来なくなり。
むしろ、ほっとけない気持ちになり……
「……いいけど、この貸しは高く付くからね」
そう憎まれ口で誤魔化しながら。
不器用な手つきで、ヴィオラの頭を撫でたのだった。
その日は、夜も遅くなっていたため。
また、ヴィオラが心身共に監禁のダメージを負っていたため。
詳しい話は後日に持ち越される事となった。
とはいえ、ニケから扉の取手に棒が挟まれていた事だけ報告を受けたヴィオラは……
翌日。
その用具室を利用する下女たちの前で、そういった嫌がらせがあった事を告発した。
「このような事があった際は報告するよう、王宮魔術士さまに言われてますので、そうするつもりです。
ですが正直に名乗り出て、2度としないとお約束いただければ、報告は致しません」
事を荒立てたくなかったヴィオラは、そう自分で解決しようと試みる。
謝罪を求めなかったのも、名乗り易くするためで。
目下の不満対象に頭を下げたくないだろうと踏んだからだ。
それにより加害者たちは……
報告されては困るうえに、謝らなくていいのならと、ファラの部屋を訪れた。
「朝の件だけど。
2度と閉じ込めなければ、報告はしないのよね?」
「はい、その件は報告しないとお約束します。
ですが他の嫌がらせを受けた場合、それは報告させてもらいます」
「はあ!?
仕事も出来ない半人前が調子乗ってんじゃないわよっ。
だいたいねえ!嫌がらせされる自分にも原因があるってわかんないのっ?」
「でしたら改善に努めますので、その原因を教えてください」
「そういう生意気なとこよ!
おまけに気取ってて賢ぶってて、鼻に付くのよっ」
そんなつもりは微塵もなかったが……
育ちが良く上品な仕草は、気取っているように見え。
下女らしからぬ教養があるため、賢ぶって見えるのも当然の事だった。
「第一ねえ!
仕事もせずに男に色目ばっか振り撒いてっ。
そういう浮ついた気持ちで仕事されちゃ迷惑なの!」
「そんなつもりはありませんっ」
「しらばっくれないで!
いるのよねぇ、あんたみたいに玉の輿目当てで王宮勤めしたがる女。
それで下女なら簡単になれるとでも思ったんだろうけど、甘く見ないでちょうだいっ。
それにねえ、どんなに気取ったって所詮下女なの!
王太子様があんたなんかを気にかけるわけないんだから、少しは身の程を弁えなさいっ」
その発言でヴィオラは、専用書庫の掃除に抜擢された事が、閉じ込められた原因だと察する。
実際その推測に間違いはなく、さらには……
図書室で鉢合わせた際、感傷に浸って手が止まってしまった事から、「仕事もせずに」という解釈に繋がっており。
視線を感じてサイフォスと目が合った事から、「色目を振り撒いて」という解釈に繋がっていたのだった。
「……それは重々、承知しております。
むしろ、解雇するかどうかを見極められていたのだと思っています」
「あら、そお~。
だったら、せいぜい解雇されないように。
それと、これからは先輩を立てるように気をつけなさいっ」
そう言い捨てて、加害者たちは去っていった。
結局、約束は有耶無耶になったものの。
どのみち嫌がらせをすれば、モエに報告されるため。
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