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Another Side:蒼士郎 ※近親相姦あり

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ランドルフィア王国は、魔法があり、人以外の異種族も暮らすファンタジー世界の中にある、人族が治める大国だ。
この国で私、村上蒼士郎の第二の人生を始められるのは、実に幸運と言って良いだろう。

王都の貴族街に用意された邸は、息子である蒼夜と二人で暮らすのに十分な広さと格式がある。使用人はいずれもよく教育されているのがうかがえた。
文明や文化の違いに不便を感じる日もあるかもしれないが、胸を躍らせる興味と好奇心を凌駕することはないだろう。

私は傾けていたグラスをテーブルに置いて、座っていたソファから立ち上がった。
視線の先、広い天蓋付きの寝台の上には、長年離れて暮らしていた可愛い息子と二人の男がいる。

「蒼夜のケツは欲張りだな。もう指じゃ物足りないか?」

一人はジュード=ランドルフィア。
この国の王弟の息子、つまり国王の甥にあたり、王位継承権を持つ王族だ。
幼い頃から父親と世界を巡った経歴のせいか野性味があり粗野な印象もあるが、連綿と受け継がれてきたのであろう傅かれる者が持つ王者の気や品格を併せ持っている。自身の実力で魔法省魔術師団の団長も勤める、名実共申し分のない良い男だ。

「ソーヤ、こちらに顔を向けて…あなたがどんなに愛らしいか、お父上に見せて差し上げなさい」

蒼夜の背後からしなやかな体を抱きしめて、首筋を舐りながら胸の突起を摘むのはセス=フロイラス。
侯爵家の次男で、宗教画の聖者のような美しさに底知れない微笑みを浮かべる美丈夫だ。丁寧な物腰の中に支配者然とした佇まいがあり、まさにブルーブラッドと呼ぶにふさわしい。
我が子ながら、蒼夜はとんでもない男たちに愛されたものだ。

「あっ、あぁ…おと、さま、見ちゃだめ…っ、はぁんっ」

ジュードに前から指で犯され、後ろからはセスに上半身を愛されている蒼夜は、ベッドサイドに私の姿を見つけた途端にかわいい悲鳴をあげて体を震わせた。
同時に吐き出された白濁が、健気に立ち上がる幹を伝って流れ落ちる。

「私に見られただけでイったのか?ふふ、私の息子ははしたなくてかわいいな」

極上の男たちに愛でられ、実の父である私に痴態を晒している蒼夜は、むずがるように首を振って恥じらった。それが我々悪い男の欲を一層煽るのだが、無自覚なところがたまらないので、それを教えてやるつもりはない。

「もぉ…っ、お父さまと、なんてっ…あん、だめ、なのに、ぃ…っ」

「羞恥に悶える初々しいソーヤも愛いですね…初めての時を思い出します」

「ダメとか言いつつ、イヤじゃねえんだろ?毎回ソウシのキスで腰砕けになってるくらいだもんな」

前後から揶揄われて、「ふたりともいじわる」と蕩けた声で詰る蒼夜を見れば、2人の男にどれだけ大事にされているかわかる。

女衒の男に襲われたトラウマもなく、複数に愛されることの羞らいはあっても嫌悪は見当たらない。よくぞここまで丹精したものだと、同じ男として素直に感心する。

「さて、我が子の成長を、お父さまに見せてもらおうか、蒼夜」

ベッドに膝を乗り上げると、心得た男たちが場所を空けた。
蒼夜の奥深くまで埋め込まれていたジュードの指が抜き取られ、後ろから蒼夜の膝を抱えたセスが、十分に潤って開いた蕾をこちらに向ける。
「ほんとにするの?」と、眉をハの字に下げた蒼夜がこちらに視線を向けた途端、私の手にあるエチケットグローブを見て目を見開いた。

「コ、コンドームだ…!お父さま、持ってきたの?」

「当然のマナーだろう?…いや待て、こっちにはないのか?今までどうしてたんだ」

「ソウシ、なんだそれ」

ジュードもセスも興味深そうに覗いてくるので、仕方なく使い方を教える。
似たようなものはないのか尋ねたら、魔法で腸内洗浄ができるので生で中出しが当たり前だそうだ。なんだそれは。魔法、けしからんな。

ただ、魔法でのケアが難しい庶民層では、病気が発生する事もあるらしい。商機、という言葉が脳裏を掠めたが、問題はそこじゃない。

「ひゃぁっ、お、おとうさまっ」

私は蒼夜の両足首を掴んで、熟して収縮を繰り返す淫媚な蕾を覗き込んだ。見る限り異常はない。

「事前と事後に洗浄、必要に応じて治癒も施していますから、万が一のこともありませんよ」

私の心配を察したセスがそうフォローする。
ますます魔法、けしからん。なんという良い世界だ。

「うむ、2人が蒼夜を大切にしてくれているのは、よくわかっている。つい元の世界の習慣でな」

男同士の性交は手間暇がかかる。
洗って、濡らして、解して…まあ、それが愉しみでもあるのだが。

「ん、あっ、俺、生しか…知らな…ん、んん」

蒼夜の中に指を入れて中まで確かめていると、今までの常識では考えられない告白を聞いた。
生しか知らないだと。まったくもってけしからん。
一瞬、グローブなしで挿入することも頭をかすめたが、長年の習慣からやはり装着する。私自身が魔法を使えるわけではないしな。

「ではこの機会に比べてみるといい」

「あぅっ、ん…なんか、つめた…ッア!あぁっ、あっ、そこ、やぁっ」

手早くグローブを被せて蕩けた蕾の中に押し入り、鬼頭を前立腺部分に留めて撫でるように刺激する。
快楽に泣いて悶える肢体を背後にいるセスがしっかりと受け止め、『いかがですか』と言わんばかりの自慢げな笑みを向けてきた。その優雅な指先はゆったりとした動きで、蒼夜の輪郭をなぞるようにすべる。

「ふ、処女のように狭いのに、貪欲だな…」

「あっ、あん!そこ、や、ンッ、だめえっ、あっ!」

浅瀬のポイントをねちねちと嬲り、蒼夜にかわいい声をあげさせながら、引き締まった下腹に手を伸ばした。無駄な脂肪がなく、薄い筋肉の向こうに、妖しく蠕動する淫媚な器官が見えそうだ。

「私に絡みついて食みながら…奥へと引き込もうとする。ココに、欲しいのか?」

「ん…あぁっ、お…とうさま…ぁ…っ」

一度動きを止めて、臍の下、直腸の最奥あたりを手のひらで押さえると、蒼夜は世にも淫らな甘え声で私を呼んだ。『父』と呼ばれる背徳感に、たまらなく滾る。
蒼夜の羞恥と快楽に潤んだ瞳が、迷うように揺れるのがいとけなくて愛おしい。「どうなんだ?」ともう一度問うと、唇を震わせてこくりと頷いた。

「凶悪なほどにかわいいな、蒼夜は…っ!」

「あぅっ!あぁああ──ッ!」

ぐっと一息に最奥を突くと、蒼夜の悲鳴が迸った。しなやかに背が反り、ドライオーガズムに達したようでびくびくと身体を震わせている。きつい締め付けと収縮に、危うく一緒に達してしまうところだった。齢50を超えた私を挿入だけでイかせようとするとは、本当にけしからん身体だ。

「…はぅっ、待って、まだうごいちゃイヤ…ッ、ん、ふ…」

少し腰を引くと、蒼夜はほろほろと涙をこぼしながら快楽から逃げるように身を捩った。無意識なのだろうが、その動きから伝わる下肢への刺激がまた良い。蒼夜の濡れた頬に手をあて、「まだ、だぞ?」と囁いて腰をゆすれば、「ふにゃ」と子猫のような声を零して視線を上げた。男の欲望を向けられ快楽にまみれていても、その瞳は不思議なほどに澄んでいる。

「フ…透き通った目をして。ねっとりと絡みつくように濃厚で淫らな体と、欲に汚れない無垢さ…お前は至高の美酒のようだな」

「あっ、ん!」

とん、と軽く突くと、首をかしげていた蒼夜の瞳はとろりと蕩けた。
蒼夜が極上の男たちを虜にしていることに得心して、私も堪能すべく行為を再開する。

ジュードとセス。どちらの目にも蒼夜への愛情はしかと見て取ったが、不安もあった。異世界人である蒼夜が珍しいゆえの、一時的なものかもしれないと。
恋愛など不変のものではないからな。
ましてや男同士。同性婚が可能とはいえ、永遠に縛るのは難しい。二人の庇護を失えば、蒼夜は異世界で一人きりになってしまう。

「あぁっ、あん、おとうさま、はげし…っ!あぁぁあん!セ、セ…スっ、それいやぁっ」

「ふふ、ソーヤはここをいじめられると、切ないほど締め付けますからね。あなたを抱きながらよそ事を考えるようなお父上からは、さっさと搾り取ってしまいなさい?」

「く……たしかに、すごいな…。揉みながら、吸い上げられているようだ」

思わず感嘆の声を上げると、セスは聖者のように微笑み、「言わないで」と恥ずかし気に乱れる蒼夜を愛おし気に見下ろした。セスの恋人である蒼夜が他の男に抱かれていても、慈しむような眼差しは深い。

「ソウシ、俺も試したいから早くしろ」

「あっ、あん、ふふっ、ん、んん…ッ」

横から手を伸ばして蒼夜の唇を塞ぐジュードは、私の真似をしてすでにグローブを装着済みだ。子供のように新しいものを試したいとごねる姿に、蒼夜も笑みを零す。
ジュードとは元の世界で3日間過ごしたことで、一度懐に入れた子猫を見放すような男ではないとわかっている。腹に一物も二物もありそうなセスはどうかと思っていたが、杞憂だったようだ。2人とも、蒼夜に心から深く沈溺している。

「くくっ、ではそろそろ昇りつめようか。蒼夜、少し我慢しなさい」

私の言葉を読んで、セスがすかさず蒼夜の屹立を軽く握った。堰き止められる予感に潤む眦には、ジュードのキスが雨のように降る。息の合った連携が、日ごろから3人ですることもあるのだと匂わせる。
ならば今後、私一人増えたところで問題はあるまい。

「いやぁっ、ああっ!あっ、だめ、だめぇっ、も、おかしくなっちゃう、から…っ!あんっ、や、きちゃう…っ!」

中程から最深部への抽挿を繰り返すと、蒼夜は形の良い爪先まで跳ね上げてあられもなく身悶えた。蒼夜が乱れるのに伴い、蕾の中が容赦なく蠢いて思考が溶けていく。経験は多い方だが、これほどまでに男を蕩けさせる器は初めてだ。

「…っ、さあ、いいぞ、イきなさい」

私が悦を放つのとタイミングを合わせ、蒼夜の絶頂を堰き止めていたセスの指がゆるく解かれる。
蒼夜の屹立から断続的に精が吐き出されて、淡いピングに染まった肌を卑猥に濡らした。

「アッ!あぁっ、ああん!ん、んにゃむ、ン…ッ!」

「こら、ジュード…。蒼夜が窒息するだろう」

蒼夜が途中で変な声を上げたのは、達している最中の痙攣ごとジュードに唇を吸い上げられたせいだ。「かわいい…」と悦に入って呟いたセスも、蒼夜が下肢に飛び散らせた白濁を塗り込むように肌をまさぐっている。
うむ、いろいろと杞憂だったな。
閨では心も裸になる。2人の男の蒼夜への情愛も、蒼夜が2人に向けるそれも、疑うべくもなく信頼に足るものだ。

「では、あとは頼むぞ?うちの子を存分に可愛がってやってくれ」

言いながら蒼夜の中から抜け出し、自分が吐き出した精を受け止めたグローブを外す。いびつな水風船のようになったそれを、セスが「なるほど…そのようになっているのですね」と、驚きの表情で凝視していた。
そのわずかな隙を突くようにようにして、ジュードが蒼夜に覆いかぶさっていく。

「はっ、団長。あなたサボってたくせに、何すかさずソーヤを襲っているんですかっ」

「ま、待ってっ。休憩…ッ…!お父さますごすぎて、腰の感覚が…ああっ」

「大丈夫だ。俺がもっとすごいのしてやるから」

「や、やぁっ、セス、セス、たすけてっ」

じゃれあい始めた3人に苦笑をこぼしつつ、ソファに戻り飲みかけだったワインで喉を潤した。あとは鑑賞と洒落こむことにする。

ジュード、セス、それぞれがエチケットグローブを試した後、蒼夜がぽそりと「俺、中に出される方が好きみたい…」と恥じらいながら告げた。蒼夜は利発なのに抜けているところがある。そんなことを言えば、男たちが奮起するのは目に見えているだろうに。まあ、かわいいからいいのだが。

さすがに若者たちにはついて行けないと、自分の部屋へ引き上げることにした。
蒼夜にとっての良き巡りあわせを、カヤの骨壺とでも語るとしよう。

◆────────────────────────────────────◆

※エチケットグローブというコンドーさんの別名は、蒼士郎さんだけの造語だと思われます。

※蒼士郎さんが蒼夜を好きすぎて、書きすぎては削り書きすぎては削りで時間がかかりました。ちょっとお父さん落ち着いて。いやほんとことりも落ち着いて。

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