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32話

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穢れをまとった聖獣キリンに出逢って、それを浄化して、ひざ抱っこされて胸を触られて、まで話してから、玲の声は甘い喘ぎに呑まれて途切れがちになった。

湯船の中で座ったまま、玲を後ろから抱きしめている薫が耳たぶを噛みながら続きを促すと、「あ、あんっ」と湿った声が浴室にこだまする。
「ふふ、玲ちゃんそれで?乳首弄られて勃っちゃったの?」
「んっ、あぁっ、にぃさまぁ…」
薫がお湯の中でゆるゆると玲の乳首を弄ぶと、玲はこくこくと頷いて、潤んだ瞳で見上げてきた。
片手を玲の膝裏から太腿へと滑らせ、「どれどれ」とわざと声に出してから、健気に膨らんだ屹立をそっと撫で上げる。
「ああんっ」
「本当だ…まだかわいい感触だけど、ちゃぁんと硬くなってるね…。ねえ玲ちゃん、こっち向いて立って、兄さまによく見せてごらん」
「や、ん…恥ずかしい…」
いやいやと首を振る玲の体を、薫はお湯の浮力を借りてなんなく180度回す。向かい合わせて、膝立ちになるよう軽く持ち上げると、薫の眼前にまだ色の淡い玲の屹立が晒された。
「あっ、あ、にいさま、そんなに…見ないで…」
薫の肩に手をついて自分を支えている玲が、視姦されているだけで震えている。その愛らしさに、薫ははぁ、と熱っぽい息を吐いた。
「玲ちゃんはそのキリンさんに、手で触られて出しちゃったの?それともお口でされたのかな?」
そこに息がかかるように薫が囁くと、玲は達してしまいそうにびくんと体を揺らした。必死に口をつぐんで、ぎゅっと目を閉じている。
「黙っていたらこのままだよ、玲ちゃん」
「ひゃんっ!あ、あっ、おくち、お口で…っ」
薫がお尻を軽く撫で上げただけで、玲は簡単に白状した。
薫は「玲ちゃんの一番搾り、俺が飲みたかったなー」と笑いながら、ねっとりとした舌使いで玲の果実を口に含む。深く口淫し、舌を絡め、果汁を絞るように吸い上げた。それだけで、焦らされていた玲には爆ぜる引き金になってしまう。
「やぁんっ!にいさまダメぇ…っ、出ちゃうっ、ああぁん」
玲の放つ薄い精液を飲み干した薫は、崩れてきた細い体を抱きとめると、「よくできました」と褒めるように口づける。軽く舌を絡めてから唇を離すと、玲が「僕ってこんな味なの?」と微妙な顔をした。
「俺の玲ちゃんはほんとにかわいいな…のぼせるから、そろそろ上がろうか」
「ん……待って、兄さま。僕も兄さまの…したいの」
上気した頬で俯きながら言った玲が、とっくに猛っていた薫の股間へと手を伸ばした。その積極的な態度に誰が教えたのかと嫉妬を抱けば、「これは兄さまにしかしたことないから…」と恥ずかしそうに打ち明ける。唯一の馬ぺろりは、ノーカンだろう。
「兄さまのツボ心得てる玲ちゃん…マジ天使。むしろ小悪魔?」
「もう、兄さまってば…ぅん…」
バスタブに腰掛けた薫の足の間に玲が顔を埋め、口いっぱいに熱い屹立を頬張った。
2年前はこの熱や苦しみから兄を助けるのだと思っていた行為だが、玲は後ろでこれを受け入れることを知ったせいで、その意味が変わっていることに気づく。薫の熱が自分を貫くことを想像して、玲は体が熱くなってしまった。
「ふふ…えっちな顔してるよ、玲ちゃん。なに考えてるのかな?」
「…っん、ちゅ…ふ…ぅっ…ぁん」
「腰が動いて…あそこもまた、元気になっちゃってるね…?兄さまのしゃぶりながら、自分でさわってごらん?」
耳の後ろをくすぐりながら唆してくる薫に、玲はその屹立を咥えたまま「んー!」と抗議の声を上げた。
自分で触るより、薫のが欲しいのだと、薄紅に染まる目じりを上げてじっと薫の顔を見つめる。
「……はっ、俺、もうイッちゃうわ…玲ちゃん、飲まなくていいから、顔にかけさせて。サイコーにエロい玲ちゃん、見たいわ」
薫はそう言うなり玲の顔を固定し、自ら腰を動かした。
絶頂の瞬間に玲の口を解放し、熱い飛沫を迸らせる。それは玲の顔から胸にかけて散り、薄紅に染まる肌を卑猥に汚した。
「はー…、苦くて涙目になってた無垢な玲ちゃんもかわいかったけど、精液塗れでうっとりしてる玲ちゃんも格別だわ…俺、幸せ…」
薫が悦に入ってると、玲はこてん、とその太腿に頭を持たせかけた。
「にいさま……ごめんなさい…ぼく、のぼせちゃった…ふにゃ」
「おう!ごめんよ、玲ちゃん!お風呂でやりすぎちゃったわ」
さっとお湯で精液を流し、薫は玲を抱えて湯船から上がった。
大きなタオルでくるむと、玲は自分で『乾燥』と『治癒』をかけてから、ほっと息をついて薫に甘える。
「玲ちゃんお水飲む?」と聞くと、やはり自分でグラスに氷と水を出したので、薫はその便利さに目を剥いた。
「兄さま、お水飲ませて…」
玲の逆上せは治ったようだが、風呂でのイチャイチャに疲れたのか、眠いのか、両方なのか。玲はもうくにゃくにゃだった。
「玲ちゃんはおねむだね…」
薫はちょっとため息をつきながらも口移しで玲に水を飲ませ、力の入らない体をベッドへと運んだ。
寝間着を着せて、自分も着替え、一緒に横になる。
「第二ラウンドは王都で住む場所が決まってからかな…」
「んふ…兄さま」
寝ぼけたような声で玲が薫を呼び、腕にこめかみを擦りつけてきた。
薫はその子猫のようなしぐさに苦笑して、胸に抱きこみ、さらさらした手触りの髪を撫でる。
「だいすき…」
「…俺も。愛してるよ、玲ちゃん」
薫の返事が聞こえているのかいないのか。
玲は子供のころと変わらない顔でふにゃんと微笑み、眠りに落ちた。
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