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25話 ※ソフトに3P

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──どうしてこうなった。

玲は頭の片隅で、かすかにそう、考えていた。


「面倒くさいが、国にゴミを置いてくる」
心底嫌そうに宣言したエルが、新しく使えるようになった精霊魔法で、消えた。
『転移か。精霊は世界のどこにでもいるから理論上は可能だが、精霊魔法としては最上級だな』
「エル、すごいなあ…。よし、僕も頑張らなきゃ。あ、まずギルドにもう大丈夫って知らせてあげないと」
『それはいいですけど、明かす内容を精査する必要がありますね。レイは全部しゃべっちゃうでしょ?』
とシャールに言われ、おうちに入って、ギルドにどこまで報告するか話し合った。

はず、だったが。

人型に戻ったキリンに、「今日はよくやったな、レイ」とわしゃわしゃ撫でられて、褒められて、ちゅっちゅされて、気持ちよさにとろんとしているうちに、気が付いたら挿入されていた。そこまではいい。

「あっ、やぁん…エル…っ、ダメ」

それがいつのまにどうして、キリンに後ろから貫かれ、前からエルに弄られているのか─。
けれど玲の思考は、前後から満たされる快楽に押し流され、途切れた。

ソファの上でキリンの膝に座った状態で、玲はキリンを受け入れていた。
キリンは腰を動かさず、後ろから耳たぶを舐り、胸元に回した手のひらで乳首を転がす。
エルには唯一履いていた靴下を脱がされ、つま先から徐々に上へと向かって愛撫されている。
エルは玲が感じるポイントを見つけてはきつく吸い、しなやかな足に薄紅の跡を残した。
「はぁ……っ、あん…ゃ…ぼく、とけ、ちゃぅ…」
ゆるゆると続く快楽はたやすく玲を蕩かし、もうどちらがどこに触れているのか、自分の境界線がどこなのかもわからなくなる。二人分の指も唇もこの上なく優しく、玲を丁寧に高めていった。
「…ふ、レイの花は欲張りだな。俺を舐って、呑み込んで、さらに奥へと誘おうとする…」
玲の中で、キリンの雄が質量を増した。それを反射的に締め付けた反動が、きゅんとした快楽となり玲へと返る。
「こちらもまだ幼い色なのに、こんなにも果汁を溢れさせて…私を惑わせる」
いけない子だね、と、エルに昂った果実を根元から先端まで舌で辿られた。
「ひゃぁあんっ、エル、だめ、舐め…ちゃ…あっ、ああっ」
鋭い刺激に玲が背をのけぞらせたのを機に、エルとキリンは視線を交わし、頷き合う。
キリンがゆっくりと腰を使い始め、エルは指で玲の根元をせき止めながら、先端からあふれる蜜汁を啜った。
追い上げられ焦らされて、玲は二人に促されるままにあられもない嬌声を上げる。
「エル、エルぅ…やぁっ…も、たすけて…あぁんっ」
目の前のエルに縋れば、「俺の名は呼んでくれないのかい?」と含み笑うキリンに突き上げられ、泣きながらキリンを仰のけば射精を止められたままの果実をきつく吸い上げられた。
止められてなお何度も絶頂を感じてしまう玲が、ひくひくと痙攣を繰り返す。
「ああ…この収縮がたまらない、が…少々いじめすぎたか」
玲の耳元でキリンが囁いて、戒められていた愉悦が解放される。
玲は体の奥に吐き出されたキリンの熱い奔流を感じながら、エルの口内で悦を放った。
「…ぁ…ン……ふ…っ…」
体の震えが収まらない玲を、キリンがぎゅっと抱きしめて支える。
ようやく焦点の定まってきた玲の目に、上着を脱ぎすてたエルの裸体が映った。
まだ成長の余地を残す伸びやかな骨格に、細身ながら引き締まった筋肉が乗り、褐色の肌は艶を帯びている。
玲は無意識に「きれい」と呟いて、エルに手を伸ばした。
裸の胸に抱きしめられてキリンの楔から抜かれると、玲の唇からほっと安堵の息が漏れた。
熱い肌と肌が触れ合って、安心感が増す。
「連れていくか?」
キリンが尋ねると、エルは玲のこめかみに口づけながら苦笑した。
「ベッドでと思っていましたが…我慢の限界です」
「ふふ、若いな」
「若いですから」
玲がぼんやりとしながら、二人の会話を聞くともなしに聞いていると、くるんとあお向けに転がされた。
キリンがそれを受け止め、エルが玲の揃えた膝を折り曲げる。
キリンはその玲の足も膝裏を支えるように受け止めて、はいどうぞ、と言わんばかりに濡れた秘蕾をエルに向けた。体中から力が抜けきったままの玲はなすがままだ。
「え?あれ?」
「レイ、今度は私を感じてくれ─」
頬をやさしく撫でたエルの瞳が甘く眇められるのに見惚れていたら、玲の中へと固く熱いものが押し入ってきた。
「っあ!やぁん、える、ふといの、怖い…っ、ああぁんっ」
固さも太さも自在のキリンは、玲の蕾に合わせて少しずつ慣らしながら抱いていた。ここだけの話、馬並みにすることも可能なので、いつかはそれを玲にムフフ、と思っていたりする。
そんなキリンしか知らない玲は、最初から限界まで張りつめた剛直に怯えながら、縋るようにエルの名を呼んだ。
「…ふ、ぅっ、レイ…やわらかいのに、狭くて…なんという…」
「んっ、ああっ、エル、エルぅ…っ」
それでも玲の中が心地いいのだと熱い息で告げられればうれしくて、玲は懸命にエルを受け入れた。
力を抜こうと収縮させるたびに、はっきりとエルの形を感じて、ぞくぞくとした新しい感覚が芽生える。
「…大丈夫だ、ルシエル、レイも気に入ってるようだぞ?」
「やっ、あん!」
再び熟していた果実をキリンに指ではじかれて、玲は高い鳴き声を出した。羞恥に目を開ければ、心配そうにのぞき込むエルと視線が絡む。愉悦を堪えて玲を気遣い、顰められた眉が男らしくて、胸が高鳴るほど色気があった。
「……ん、エル、ぁっ……きて…?」
「レイ…」
身を乗り出したエルは玲に触れるだけの口づけをして、ぐっと強く腰を進めてきた。
「んんっ、あ、あぁ……ッ…!」
そこから頭のてっぺんまで駆け抜けた衝撃が、射精とはまた違った絶頂へと玲を押し上げる。
「ああ…レイ、かわいいよ…」
そう言ったのがどちらの声なのか、玲にはもう判別がつかない。
蜜に塗れたエルの力強い抽挿に、玲が感じすぎてしまう個所も最奥もかき乱され、淫らな喘ぎが口をついて出てしまう。
「きゃんっ、あん、ダメぇ…っ!いゃぁ…っ、こわい、エル…っ」
「く、レイ、辛いのか…?」
熱に浮かれたような荒い息の下から、それでも心配げに囁くエルに、玲はフルフルと首を横に振った。涙の滴を散らしながら、気持ちよすぎてどうしたらいいかわからない、と訴えた。
「レイ…っ、私もだ…レイが愛おしすぎて、怖いよ…」
「ん、エル、あっ…ね、ぎゅって、して…っ」
キリンはほんの少し苦い笑みを浮かべながら、抱えたままだった玲の膝をはなす。玲の頬に口付け、ちょっと乳首にいたずらして「ひゃっ」とかわいく喘がせてから、そっとソファに下ろした。
「…レイ」
エルは玲の望み通りそのまだ華奢な体をきつく抱きしめ、最奥を穿つ。
唇を重ねて舌を、素肌の手足を絡ませながら思いを繋げ合う二人を、隣に座ったままのキリンが微笑ましそうに眺めて呟いた。
「若いっていいねえ」
処女1000人斬りの500歳は、エルにしがみつく玲の髪を、気づかれないようそっと撫でた。


『いやあ、若いというのは素晴らしいことじゃな!』
『なんか見守ってるっぽく言ってるけど、ただの覗きですからねこれ』
「ああん、うらやましいわぁ。アタシもイケメン二人に愛されたいっ」

神の間のシアタールームは盛り上がっていた。
神格が上がったオルカルマールと、『精霊の寵児』となったエルの周りに集まる精霊とのコラボで、玲たちの蜜事は生中継されている。
『イケメン二人ならここにおるではないか』
『物理的に無理ですし、いろいろと勘弁してください』
鼻息荒く宣言したピッピに、シャールは冷ややかな目を向ける。
オルカルマールが「…そうね、この子たちが人化できればあるいは…」と言い出すにいたっては、尻尾の毛を逆立てて抗議した。

ごとん。

『なんじゃ?』
創世神の許可なしに入ることができない神の間に、重い何かが落ちる音が響く。
シアタールームを出てリビングへ行くと、そこには太い巻物が落ちていた。
『ななな、なんですか、これ』
オルカルマールはふう、とため息をついた。これでもう三通目よ、とぼやく。
「異世界からの呼び出し状なの。ほら、今まで格が違いすぎて、アタシが向こうでちょっとくらいやんちゃしても、この世界まで干渉されなかったじゃない?それがねえ…」
『ほ、マールの格と一緒に世界の格が上がって、認識されるようになった、ということじゃな?』
「ピッピちゃんのことで忙しかったから無視してたんだけど…やっぱり行かなきゃダメかしら」
オルカルマールは巻物を拾い上げ、それを指先でもて遊んだ。
シャールは眉間にしわを寄せ、苦々しく呟く

『それ、嫌な予感しかしないです』
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