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本当に悲しかった発言

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『阿鼻叫喚』
仏教における地獄(八大地獄)の中の『阿鼻地獄』と『叫喚地獄』に由来する言葉で、意味はである。
特に日本人は人前で激しく取り乱し、見苦しく騒ぎ立てるのを良しとしない気質が強いので、ドラマ等でも滅多に見ない。
主に海を隔てた某半島の人の得意技なのだが、今回取り上げるのはその国の事ではない。


先日、アメリカ合衆国の大統領を決める選挙が実施され、共和党の候補であり、前の合衆国大統領であったドナルド・トランプ氏が民主党の候補でバイデン政権の現職副大統領であるカマラ・ハリス氏を大差で破って大統領に返り咲くというアメリカ史上二例目の快挙を成し遂げた。
同盟国日本に住む者として、トランプ氏に御慶び申し上げると共に、ハリス氏の健闘を讃えようと思う。

さて

この選挙に関しては、日本のTV、新聞、ラジオでも連日取り上げられていたが、その論調は一様にハリス氏優勢、民主党が激戦州を制す見込みというものだった。
某有名コメンテーター( ? )または解説者( ? )達はハリス氏を初の女性大統領になると太鼓判を押し、オバマ元大統領に次ぐ有色人種の大統領になると褒めそやしていた。
日本で活動している外国出身タレント等も、そのほとんどがハリス氏を支持していたらしい。
ケント・ギルバード氏はトランプ氏の再選を予想していたらしいが、それがわざわざピックアップされるというのが、本当に少数意見であったという証左と言えよう。

正直に言わせて貰えば、今回の選挙で共和党/トランプ氏が勝つ事を予想するのは実に容易く、民主党/ハリス氏が勝つ見込みが無いと気付かなかったというのは些か信じがたい事態である。
日頃、有識者と言われ、TV番組で世界状勢を解説しているのに、いったい何を見ていたのだろうか。
まあ、人間というものは『見たいものを見て、聞きたい言葉を聞き、見たくないものは見ないし、聞きたくない言葉は右から左に聞き流す生き物』である。
本来なら、その衝動/誘惑を、理性と知性をもって捩じ伏せ、公正中立に分析と解説を行うのがプロの仕事というものだとは思うが、ただ、完璧な人間は居ないというのも事実なので、反省して次に活かすなり、自分の限界を見極めて身の振り方を決めるなりすると宜しいかと考える。


さてさて、そもそも選挙に参加する権利も無い日本の視聴者に向けて開票作業が始まっているという『』に過ぎない状態になっても一生懸命、ハリス氏讚美とトランプ氏酷評を続けていたの事は置いておく事にして、今回、書きたい事に話を移していきたいと思う。

取り上げるのは、アメリカの民主党支持者諸氏である。

阿鼻叫喚、それ以外に言葉が出ない。
私はあまりネットに詳しく無いのではあるが、それでもある程度は利用している。
そこで飛び込んできたのが『トランプショックに狂乱する民主党支持者の醜態』だ。
酷い。
あまりにも酷い。
叫ぶ、髪を剃り始める、泣き崩れる辺りは大人しい部類。
TVを叩き壊し、ベッドに斧を振り下ろし、走り出して壁にぶつかって倒れて泣き出す。トランプ氏を悪魔と罵り、トランプ支持者は低能だの裏切り者だのと声の限り叫び倒す。

人間は知性と理性を持つ生物である筈なのだが、はて、彼ら彼女らは、一体何処にそれらを落としてしまったのだろうか。


中絶問題に関して叫ぶ女性も多い。
トランプ氏が大統領になったら中絶が全面禁止になり、すべての女性はレ◯プされ、子供を産み落とす家畜にされるのだそうだ。
トランプ氏に投票したのは特権主義の白人男性であり、女性を支配したがっている異常者だと泣き叫んでいる。
トランプ氏の任期中は男性と関係を持たず、次の選挙でハリス氏が正義を取り戻してくれるまで妊娠しないから、男は絶対に自分に声を掛けるなと宣言したり、交際中だった男性がその主張を理解しないので別れた、とか、離婚したといった声もある。

私がもっとも驚いた動画は、無数のピアスとタトゥーの女性と、彼女を宥める様に抱き締めている男性が映っており、女性は『中絶規制に反対する為に、これから50回妊娠して、50回中絶してやる』と息巻いていた。
そして男性が悲しそうに『ボクは子供が欲しいよ』と話しかけると憎々しげに顔を歪めて男性を睨み付け『中絶してやる ! 』と怒鳴ったものである。

主義主張は自由であるし、どの様な主張も発信する権利はある。
しかし、これはあまりにも悲しく、とんでもない主張であると思う。

性被害に晒されたり、外傷や病気や、あるいは年齢等による母体の危険がある場合は勿論、退っ引きならない事情というものはあるものだし、一律すべての中絶を禁止するというのなら、それは間違っていると思うし、反発するのも頷けなくはない。
男性と女性の間には、どんなに取り繕っても隠しきれない基礎筋力の差があり、妊娠/出産は女性のみが被るリスクであるのだから、全面禁止は困るというのは当たり前であろう。

しかし、しかしである。
トランプ氏は『中絶を全面禁止』などとは一言も言っていない。
トランプ氏の中絶に関する基本姿勢は以下の通りである。

『中絶に関するルールは、それぞれの州の州法が適用される』

アメリカの州には州法があり、中絶に関してはアメリカ合衆国全体の規制などは行わない。
また、妊娠した女性の州を跨ぐ移動も禁止しないし、別の州での中絶も適法範囲内であるなら問題視しない。
トランプ氏はキリスト教徒であり、中絶に関しては信仰上賛成はしていないが、別に弾圧する意図は持っていないというのが本当の所だ。
事実、トランプ氏は連邦単位での中絶禁止法案に対しては拒否権を行使して反対する事を言明している。

つまりは、空騒ぎだ。
メディアによる印象操作と、活動家による洗脳じみた虚言、怠惰による不勉強と根拠の無い自己礼讃による思い込み、そして訂正する言葉を認めない頑迷さが生んだ幻想である。
自分で作り上げた虚構に過敏に反応し、『悪のトランプに反対する、正義の自分』を否定されたくないという、歪んだ自己愛とも言える。
まあ、それでも構わないと言えば構わない。
どんなに馬鹿な発言をしようと、自宅のTVやベッドを破壊しようと、他人に迷惑を掛けさえしなければ、それは自由だ。
結果として恋人や家族、友人との関係が壊れたり、物理的に家電や家具を買い直す結果になったとしても『』の一言に尽きる。
何年か経って、その時の動画を自分で見て悶え苦しむかもしれないが、それも超厨二病を患った自分の姿なのだから諦めて貰いたい。
『自業自得』という素敵な言葉もある事だし。

だが、それはあくまでも『』であった場合のみの話だ。
前述の中絶してやる宣言をした女性には、物申したいと思う。
自分の思想に酔い、思想に殉ずるのは構わないが、中絶するという事が何を意味するのかを
それはお腹に宿った新たな命を◯す事に他ならないのだから。
勿論、動画だから、言葉だけだから、本気じゃないからという事での発言だったかもしれない(むしろ、そうであって欲しい)が、それでも言って良い言葉と言ってはいけない言葉の区別はつけるものだ。
世の中には、互いに望んでも子を得られない人が五万と居る。
貴女の言葉は、あまりにも無神経で、無配慮で、無責任で、そして残酷だ。
パートナーの男性の事も考えるべきだ。
彼は、過激な発言をする貴女を支えてくれようとしていた。それに気付かないばかりか、貴女は彼を睨み付け『(お前との子供が出来たら)中絶してやる』と宣言した。
私は、それがとても悲しく、憤ってしまっている。
彼は貴女の愛する人じゃないのかい?
関係ない奴は引っ込んでいろ、と言われればそれまでだが、もういい加減年寄りであるこの身としては、若い人には前向きに生きて欲しいし、賢明な判断が下せる様になって欲しいと考えている。
子供は親の宝であるが、同時に世界の宝であると信じるが故に。

この考えは、古いのかも知れないが、決して的外れな考えではないと信じる。

皆さんはどう思われるのでしょうか ?



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