毒華王女伝

荒谷創

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毒華の驚愕

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「無駄な贅沢してるのは認めるんだな!」
「ですから、無駄ではないと申しているのですよ?貴方、人の話を聞いてらして?」
「絹のドレス着て、宝石を沢山着けて!毎日ご馳走食べてるじゃねぇか!!」
「必要な事ですもの」
男の怒りに、しかし王女はまったく動じない。
「ドレスなんて普段から着なれていなければ、目の肥えた貴族には見透かされて侮られる原因にしかなりません。宝石もそう。目利きの一つも出来なければ商人には足元を見られ、最悪イミテーションを掴まされる事になります。上質のものを知る者達と良好な関係を築こうとすれば、上質の物を身に着け、上質の物を食して、隙を見せない様に教養を深めるしかないのですわ。私達にとっては、いわば騎士の鎧であり、戦うための剣ですのよ」
「た、戦うって、何と戦うんだよ!」
「先程言いましたでしょう?全てと、ですわ。国を脅かす全てと戦う義務が、私達王族と貴族にはあるのです」
「だったら!」
声を上げたのは革命軍の中核をなした軍服の男。
「なんで軍に予算が無いんだよ!国境警備隊では銃の不発と食中りしょくあたりが日常茶飯事なんだぞ!」
「何ですって!?」
血相を変えて詰め寄る王女。
てっきり澄ました顔で『私の知った事ではありませんわ』とでも言うだろうと思っていた男は、あまりの反応に面食らってしまう。
「すぐに改善しなくては!国境警備隊は国防の要ですわ!」
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