110 / 177
110. スパイダーデス!
しおりを挟む種族: スパイダーデス!
称号: ヨナンのペット、世界樹の護り手
スキル: 風魔法Lv.4、操糸Lv.8、毒生成Lv.9、薬生成Lv.5、織物Lv.5
力: 5000
HP: 4500
MP: 6666
因みに、これがデススパイダー改め、スパイダーデス!のステータス。
多分、世界樹の護り手となったので、流石にデススパイダーじゃ、名前が怖すぎるという事で、スパイダーデス!に読み方を変える事としたのだろう。
「なんか、俺のペットって称号が付いてんだけど……」
『そんなことより、世界樹の守護者のほうが重要でしょ!』
ヨナンの呟きに、鑑定スキルが反応する。
「だな。スパイダーデス!も、レッドドラゴンやハイエルフみたいに世界樹の守護者になっちゃったんだね。これは、ますます世界樹の防備が万全になったという理解で、正解なのか?」
『ですね。蜘蛛と森の組み合わせって、相当強力ですよ。森に張った蜘蛛の巣で、侵入者を絡め取り、そして、レッドドラゴンさんが、捕まった侵入者をファイアーブレスで消し炭にするんです!』
「そんな事したら、大森林が燃えちゃうんじゃないのか?」
『僕の鑑定によると、レッドドラゴンさんのファイアーブレスは、大森林を燃やさないらしいですよ!』
「すげえな……」
とか話してると、
キュィ!
『ご主人様、なんかスパイダーデス君が、早く世界樹に向かわないと行けないとか言ってますよ!』
「そりゃあ、世界樹の雫をかけられて、世界樹の守護者になったんだから、世界樹を守りに行かないといけないよな」
『ですね!』
てな訳で、俺のペットの筈なのに、いきなりスパイダーデス君とお別れ。
まあどっちみち、カララム王都の家で飼えないから、しょうがないんだけどね。
「そんじゃあな!」
キュィ!
スパイダーデス君は、右脚を上げてバイバイしてから、ダンジョンを、猛スピードで駆け下って行ったのだった。
「で、陛下。これでも世界樹の雫を飲みますか?」
スパイダーデス君との涙涙のお別れの後、俺は、一応、アレクサンダー君に確認を取る。
「ウム。止めておくとしよう。流石に、不老不死になって、悠久の時を世界樹と共に過ごすのは、飽きそうなのでな!
ワシって、結構、アグレッシブだから、エルフみたいに、森でのんびり暮らす事など無理じゃしな!カッカッカッカッカッカッ!」
なんか、アレクサンダー君は、高笑いして諦めた。
何が面白いんだろう。
でもって、再び、カララムダンジョンの攻略が続く。
65階層のフロアーボスだったスパイダーデス!を倒したら、後はサクサク進む。
他の魔物は、俺の地球の母ちゃんに殺しちゃ駄目とか言われてないしね!
まあ、70階層のフロアーボスの、でっかいゴキブリは、消し炭になるまで燃やしてやったけど。
地球の母ちゃんは、ゴキブリを見つけたら、責任を持って殺し切りなさいと言ってたし。
というか、その時殺せなかったら、必ず、バルサン炊けと言ってたしね。
だから、しっかり70階層は、全て聖剣ムラサメで、フロアーごと消滅させておいた。
まあ、バルサン持ってなかったから、しょうがないよね!
フロアーボスの、でっかいゴキブリが卵産んでるかもしれないし。
1匹居たら100匹居ると思えと言うしね!
地球の母の言いつけを、異世界でも守る俺って、どんだけ親孝行なんだろう。
まあ、俺はこの世界で、家族の為なら躊躇しないと決めたし、躊躇うと、家族が死んでしまうと学んだのだ。
『ご主人様、きっと、でっかいゴキブリは、ダンジョンに卵産んでないと思いますよ。
基本、ダンジョンの魔物って、ダンジョンから産まれるものですからね!』
「じゃあ、ゴキブリを産み落としたダンジョンごと、消し炭にしてやるか!」
『それはちょっと、ほら、後ろでアレクサンダー君の顔が真っ青になってますよ!
一応、カララムダンジョンって、カララム王国の金を生み出す財源になってますからね!』
鑑定スキルが、慌てて指摘してくる。
「そうか……だがしかし、地球の母ちゃんの言いつけは守らないといけないし……」
『多分、これからは、カララムダンジョンも、ゴキブリを生み出しませんって!
というか、鑑定で調べたら、カララムダンジョンは、金輪際、ゴキブリの魔物を生み出さないと言ってますし!』
「お前、カララムダンジョンと喋れるのかよ?」
『鑑定で調べたら、普通に書いてありましたもん! ほら!』
鑑定スキルは、カララムダンジョンのステータスを見せる。
名前: カララムダンジョン。
種族: ダンジョン
階層: 88階層
スキル: ダンジョン製作、魔物製作
攻撃力: 9999
防御力: 9999
追記: 金輪際、ゴキブリの魔物は生み出さないので、とっとと攻略して帰って下さい。
「この追記の内容って、俺個人に言ってるのか?」
『じゃないですか? 余っ程、70階層を燃やし尽くされた時、恐ろしかったんですよ!
多分、このままでは、カララムダンジョンを消滅させられると思って、必死になんとかしようとした結果が、この追記だったんじゃないですか?』
どうやら、鑑定スキルも、俺と同意見のようだ。
「俺、ダンジョンに恐れられてるの?」
『そりゃあ、そうですよ!ご主人様、たかがゴキブリ駆除に、聖剣ムラサメを使ったんですよ!
アレは、本当に、金輪際、封印した方がいいと思います!
完全に、この世界のパワーバランスを崩壊させてますからね!』
「ワシも、そう思うぞ!」
何故か、アレクサンダー君まで、鑑定スキルに乗っかってくる。
「じゃあ、ゴキブリを倒す時以外は、聖剣ムラサメは封印するか!」
『ゴキブリ倒す時も、封印して下さい!』
鑑定スキルの声が、カララムダンジョンに響き渡った。
まあ、念話だから、実際、比喩表現なんだけど。
11
お気に入りに追加
2,899
あなたにおすすめの小説
職種がら目立つの自重してた幕末の人斬りが、異世界行ったらとんでもない事となりました
飼猫タマ
ファンタジー
幕末最強の人斬りが、異世界転移。
令和日本人なら、誰しも知ってる異世界お約束を何も知らなくて、毎度、悪戦苦闘。
しかし、並々ならぬ人斬りスキルで、逆境を力技で捩じ伏せちゃう物語。
『骨から始まる異世界転生』の続き。
ReBirth 上位世界から下位世界へ
小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは――
※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。
1~4巻発売中です。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
秘宝を集めし領主~異世界から始める領地再建~
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とした平凡なサラリーマン・タカミが目を覚ますと、そこは荒廃した異世界リューザリアの小さな領地「アルテリア領」だった。突然、底辺貴族アルテリア家の跡取りとして転生した彼は、何もかもが荒れ果てた領地と困窮する領民たちを目の当たりにし、彼らのために立ち上がることを決意する。
頼れるのは前世で得た知識と、伝説の秘宝の力。仲間と共に試練を乗り越え、秘宝を集めながら荒廃した領地を再建していくタカミ。やがて貴族社会の権力争いにも巻き込まれ、孤立無援となりながらも、領主として成長し、リューザリアで成り上がりを目指す。新しい世界で、タカミは仲間と共に領地を守り抜き、繁栄を築けるのか?
異世界での冒険と成長が交錯するファンタジーストーリー、ここに開幕!
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる