95 / 222
95. サトラレ
しおりを挟むいい匂いがする。
懐かしい匂い。
お日様の匂いだ。
俺はその懐かしい匂いに誘われて、目を覚ます。
目を覚ますと、見覚えのある巨大な峰が2つ、目の前に現れる。
俺はその巨大な峰にむしゃぶりつく。
「あぁぁぁ……気持ちいいニャ!
そんなに激しくされたら、またイッちゃうニャ!」
ハッ!
「(俺はいつの間に寝たんだ?)」
「マスター! おはようなのです!」
背後から姫に、声をかけられる。
俺が後ろを振り返ると、姫は生まれたままの姿で横になっていた。
というか、この無駄にでかいベッドに寝ている人達は、全員裸だ。
俺も勿論裸で、朝勃ちをしている。
俺は姫達に、勃起をしている所を見られたくない。
俺は年頃のお子様なのだ。
例え、姫の超絶魔法で剥けチンにされていたとしても、これとそれとは別の話だ。
俺は両手で勃起したオチンチンを必死に隠す。
「パンツはどこ?!」
俺はベッドの周りに立っている、姫達付きのデーモンメイドに訴える。
「「「ハッ!」」」
巨大ベッドの周りで愛液をただ漏らしにしていたデーモンメイド達が、揃って返事をした瞬間には、いつの間にかベッドの上に移動しており、褌型のパンツを履かせてくれていた。
「(移動した、姿が全く見えなかった……)」
「マスター! メイドさん達は瞬間移動スキルを使ったのです!」
姫が、俺の心を読んでいるかのように、俺の疑問を解説してくれた。
「(姫は、俺の心が読めるのか?)」
「マスターの心は、私には読めないのです!」
姫は否定するが、どう考えても俺の心を読んでいる。
現に、俺の心の中で思った疑問の返答をしているし……
ゴトウ族の奴らは、兎に角チート過ぎる。
「当然なのです! ゴトウ族は、マスターが創り出した至高なる種族なのですから!」
また、俺が心の中で思った事の回答してるし。
「姫、絶対に俺の心を読んでいるだろ!」
「読んでないのです!」
姫はどう言い訳したとても俺の心を読んでる癖に、どうあっても心を読んでるとは認めない気らしい。
「姫が俺の心を読んでいるのは別にして、それより俺はいつの間に寝たんだ?」
終わりそうも無い論争に終止符を打つ為に、話題を変えてみた。
「私が夜中に気付いた時には、ブリトニーとアンさん達と既に寝ていたのです!」
姫が答える。
「……そうか」
「ご主人様は、お風呂にのぼせて倒れてしまったのニャ!
それで、私とアンで介抱しベッドで寝かせたのね!
そうだよね! ドラクエル!」
「そ……そうです! ブリトニー姉さまの言う通りです!
決して私達は、アレン君とヤラシイ事なんてしてないです!」
何故だか知らないが、ブリトニーとアンさんが必死で言い訳をしている。
アンさんが口にしたヤラシイ事というのは気になるが、しかし、俺には全く記憶が無いので、結局は何をされていたのかを知る術はないのだが……
「グランドマスター! そろそろお時間でございます!」
俺が暫く思考していると、姫付きメイドのその名もメイドさんが、有無を言わせず俺のジャージとマントを着せてくれた。
何気に、メイドさん達の動きが全く見えないのだが、今回は瞬間移動を使っていない事だけは分かった。
ここにいる3人のメイド達は、このダンジョンにいる他のデーモンメイド達に比べて別格だ。
「姫、メイドさん達の爵位って何なんだ?」
俺は少し気になり、聞いてみる。
「ここにいる3人は、爵位は有りません!
3人ともデーモンロードなので、他のデーモン達を統べる者達なのです!」
姫が簡単に教えてくれた。
「補足しますと、只今Gデーモン族でデーモンロードに至っておりますのは、ここにおります3人と、ゴキ男爵様。
それと、グランドマスターだけのデーモンメイドであります行方不明のメリル様の5人だけでございます」
メイドさんが、補足情報を教えてくれる。
「メリル?」
どこかで聞いた名だ。
懐かしい響き。
何故か、どうしても合わなければならない人物の様な気がするのだ。
「メリルは何で、行方不明なんだ?」
「メリル様は、グランドマスターが亡くなられた時、最後まで一緒におられたお方です。
一緒に居たのに、グランドマスターを助けれなかった事を悔やみ続け、『漆黒の森』を1人で出て行ってしまったのです」
「でも俺を助けれなかったのは、仕方が無かったのだろ?
ベルゼブブは、姫達や冒険者ギルド、お母さん達の力を合わせて、やっと倒せた程の実力だったと言ってたよな?」
「それでもメリル様は後悔し、どこかで壮絶な修行をし続け、何度もベルゼブブに挑んでいたようです。
50年前の冒険者ギルドの威信をかけたベルゼブブとの戦いの時に、フラッと現れ私達に力を貸してくれたのですが、その後、直ぐに消えてしまい、今に至っております」
俺はメイドさんの話を聞いて、何故だか、メリルを探してしっかりと話をしないとダメな気がした。
「マスター! 安心して下さいなのです!
メリルもマスターが生まれ変わり、この世界に転生してきたと知ったら、マスターの元に必ず戻ってくるのです!」
「姫! ヤッパリ俺の心の中を読んでいるだろ!」
やはり、姫は俺の心を完全に読んでいる。
「決して私には、マスターの心の声が聞こえないのです!
マスターの事が好き過ぎて、いつの間にかマスターの考えている事が、分かるようになったなんて、決して無いのです!」
もう既に、自分で俺の心の声が聞こえていると言っているし……
これは姫だけの能力なのか?
念話より厄介だ。
常時、俺の考えている事がわかるのだろ。
昔、サトラレという漫画を読んだ事があったが、今の俺はサトラレの状態という事なのか……
一体、どれだけの範囲で、姫に俺の考えてる事が分かってしまうのだ?
「マスターの心が読めるのは、ゴトウ族で私だけなのです!
マスターの心が読める範囲は、20メートル程なのです!」
「ヤッパリ、俺の心を読んでいるじゃないか!
自分で言ってしまってるぞ!」
俺は姫に指摘した。
「エッ!!」
姫は、ハッとした顔をしている。
どうやら、姫は俺に嘘を付けないようだ。
俺の質問に、何でも思わず答えてしまうみたいだし……
「私は、絶対にマスターの心の中を読めないのです!」
どうやら姫は、俺の心を読めないという設定だけは、崩したくないようであったのだった。
5
お気に入りに追加
510
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる