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ドラ〇エ旅編
62. 知らない街でクエスト
しおりを挟む宿屋から逃げてきた、俺と竜王は、取り敢えず、この街の冒険者ギルドに行く事にした。
やはり、冒険する上で情報収集は重要なのだ。
ドラ〇エでも、初めての街に着いたら、色んな人に喋り掛けるもんね。
そして、たまにパフパフしてく?と訪ねられるのだ。
まあ、パフパフは置いといて、冒険者ギルドに到着した。
「竜王よ! 分かっているな!」
「ハイ! 父様、初めての街の冒険者ギルドでは、必ず舐められないといけないのですよね!」
「そうだ! ちゃんと勉強してるな!」
「ハイ! 母様から習いました!」
流石はシロ。しっかりと、竜王に教育してるようだ。
今回旅するに当たって、竜王もしっかり冒険者登録しておいたのだ。
ハゲのオッサンは、竜王をS級冒険者にしようとしたが、却下した。
竜王も、俺と同じくG級冒険者。
ダンジョンのラスボスだった竜王が、冒険者やって良いか謎だが、ハゲのオッサンが良いと言ったら良いのである。
ハゲのオッサンは、口は悪いが、エルフの血を引いてる為か、俺がゴネれば、グズグズ言いながらも言う事を聞いてくれるのである。
「じゃあ行くぞ!」
「ハイ! 妾が冒険者ギルドに入ったら、バーカウンターに座ってミルクを頼めばいいんですね!」
「その通り!」
俺を頭の上に乗せた竜王が、皆の注目を集めるように、勢い良く扉を開ける。
すると、
【オイオイ! ドラゴニュートのお嬢ちゃん。ここは、お前さんのような子供が来る所じゃないぜ!】
可愛らしい容姿の竜王は、いきなり荒くれ冒険者に弄られる。
「竜王、無視して、そのままバーカウンターに迎え!」
俺の小声の指示にしたがって、竜王は、うんしょと、バーカウンターの椅子に座る。
そして、バーカウンターから頭だけを出して、
【お姉さん!ミルク下さい!】
竜王は、バーカウンターのお姉さんにミルクを注文した。
【えっ?ああ……ミルクね】
バーカウンターのお姉さんは、戸惑いながらも注文を受けてくれる。
【カッハッハッハッハッ!ミルクだってよ!やっぱり、お子様じゃねーかよ!早く、ママのオッパイ飲みにお家に帰んな!】
俺の時と全く違う。俺なんか、荒くれ冒険者に全く弄られなかったし。
だがしかし、俺が求めていたのは、こんな感じ。
暫く待つと、ミルクが出てくる。
多分、ミルクを頼む人なんか居ないから出てくるのが遅かったのだろう。
【ありがとうございます!】
竜王は、矮小な人間に対しても、しっかり挨拶出来る子に育っている。
竜王は、ヨイショと、ミルクを一気飲みして、ゲフッ!とゲップ。
そして、トコトコ歩いて、依頼書を見に行こうとする。
そこに、
酔っ払いの荒くれ冒険者が、竜王を転ばそうと足を出してきた。
「ヨシ! 来たぞ! チャンス到来だ!」
「承知!」
俺の小声の声に、竜王が答える。
そして、
バキッ!
竜王は、荒くれ冒険者の足を踏んづけた。
勿論、龍体の体積の体重でね。
【痛ってーー!!】
酔っ払いの荒くれ冒険者は、もんどり打って転がっている。
【邪魔ですよ!】
竜王は躊躇なく、酔っ払い荒くれ冒険者の頭の真横に、ドスン!と、足を踏みつけ床を粉砕する。
【うわぁぁーー!】
荒くれ冒険者は、失禁。多分、お酒を飲み過ぎていたのであろう。お酒をたくさん飲むとオシッコ近くなるからね。
周りの冒険者達は、ポカンとしてるし。
フフフフフ。うちの娘は凄いんです!
まあ、可哀想だから冒険者の足は、ハイミで治してやった。だって、あらぬ方向に向いてたし。多分、踏まれた所、粉砕骨折してたようだし。下手な治癒士じゃ直せないレベルだったからね。
ついでに、鱗粉で浄化。ちょっと冒険者ギルド内がオシッコ臭くなってたから。これもエチケットだよね。
でもって、ポカンとしてる冒険者達を尻目に、G級でも受けれるクエストを物色。
ゴブリン退治や薬草採取、それから子犬探しや、ドブ川の清掃とかがあったから、取り敢えず、G級のクエストの張り紙は全部取って、ドン!と、受付嬢に渡す。
【あの……クエスト失敗しますと、違約金が掛かりますが……】
ちょっと、受付嬢のお姉さんが困惑してる。
【大丈夫です!】
竜王が答える。
俺は取り敢えず、コマンドから99個の薬草を取り出し、カウンターの上に置いてやる。
【えっ?!どこから?】
【セイレイハバンノウナノダ!】
ちょっとここまで、俺の存在感が薄過ぎたので、少しだけ分かる現地語で喋ってやる。
【ええと、この精霊さんは?】
【妾の父様じゃが、何か?】
竜王は、不思議な顔をして首を捻る。
【そ……そうですか……では、薬草の買取りしますので、ギルドカードの提出お願いします】
受付嬢は、戸惑いながらも薬草の買取をやってくれた。
俺らは薬草の買取が終わると、すぐさまフーラで、魔の森の泉に飛び、銀を捕まえて子犬になるように命令する。
そして、再び、街までフーラで戻り、子犬姿の銀をカウンターに置いた。
【もう、見つけてきちゃったんですか?】
【ワタシハユウシュウナセイレイナノダ!】
受付嬢の言葉に、またまた現地語で答えてやった。俺って実は優秀なんですよ。セリカ姫より、現地語喋れちゃうし。
そして、次はゴブリン退治。
速攻で、30匹程度捕まえて、生け捕りで冒険者ギルドに連れてきた。
自分達で倒してないのに、どっかで討伐証明の左耳を買ってきたと思われると嫌だしね!
【あの……ゴブリンは左耳を持ってきてくれるだけで良かったのてをすけど……】
【そうなのか?】
何も知らなかった竜王が、受付嬢の話を聞いて、その場でゴブリン達の耳を引きちぎる。
「ぎゅぃーー!!」
ちょっと、ゴブリンの悲鳴が凄い。普通、生きたまま耳を引きちぎらないからね。
竜王は、基本、魔物なので人間の普通の知識が無いようである。ちょっと、受付嬢引き攣ってるし。
で、最後のクエスト。ドブ川の清掃。
これは、俺の領分。速攻でドブ川に鱗粉を振り撒いて浄化してやった。
クエストの終了の確認の為に、受付嬢が来てくれたら、物凄くビックリしていた。
物凄く臭かったドブ川が、異臭も無くなり透明になってたから当然か。しかも、鱗粉を結構混ぜたからドブ川の水自体が浄化作用があり、10年間ぐらいは決して汚くならない仕様にした。
ドブ川に糞尿を流しても、浄化される感じ。
ドブ川にオシッコしても、普通に飲めちゃうし、顔を洗えば化粧水替わりになって、肌がツヤツヤしちゃう。一応、効能を紙に書いて受付嬢に渡しておいた。
でもって、何故か、成功報酬もたくさん貰えちゃったのでいつものように、
【今日は、妾の奢りなのじゃ!好きなだけ、飲んで食べていいのじゃ!】
取り敢えず、セリフを竜王に言わして、俺は、今日のクエスト代金よりも多く入ってる金貨袋を、バーカウンターの机の上にドン!と、置いてやった!
【【ウオォォォーー!!ドラゴニュートの嬢ちゃん、太っ腹!!】】
なんか、竜王が大人気。多分、俺って、竜王の使い魔か何かと思われてるみたい。
だけれども、竜王がチヤホヤされるのは気分がいい。だって、竜王は、俺の大切な娘なんだからね!
ーーー
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
竜王は、今日も大活躍。
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