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ゴールドフィンガー編

55. 伊達メガネ巨乳娘

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 山田・リクトと目が合った者は、例に漏れず、魅了に掛かってしまう。

 それを利用して、次々と敵兵に魅了を掛け、ローランド帝国に寝返りさせてしまうのだ。
 そして、人間以外の者は、全てヤマダ・リクトの奴隷にされる。

 山田・リクトの奴隷部隊は死を恐れない。そう、命令されてるから。

 カーランド王国は、いつの間にか、同士討ちの戦いに突入していたりする。
 そして、既に、カーランド王国が誇る騎士団長オットンや、フッサーもヤマダ・リクトの奴隷になっており、カーランド王国を破竹の勢いで、侵略しているのだった。

「シロ姉ちゃん。どうするニャ?ご主人様居ないし、カーランド王国を助けるのニャ?」

 クロが、自室(セリカ姫の部屋)でダラケてるシロに質問する。

「そんなの知らないよ。人間がいくら死んでも問題ないし。ただ、カーランド城と冒険者ギルド、それから初級者の森のダンジョンとお店が被害にあったら、ローランド帝国を滅亡させちゃうけどね。それまでは静観だよね」

 シロは、ベッドでダラケながら答える。
 基本、ご主人様の所有物に手を出された時だけ動く方針なのだ。

「私も、賛成にゃ。動くと疲れるし、人間食べれるなら頑張るけど、食べるとご主人様に怒られちゃうし」

「だよね~」

 とか、喋ってると、リーフが悲愴な顔をして、セリカ姫の部屋にやってきた。

「シロ様!どうかカーランド王国を救って下さいませ!」

 リーフが、土下座して、シロに頭を下げてくる。

「え~嫌だよ。人間好きなご主人様なら助けてあげるかもしれないけど、僕に得の事なんて、何もないんだもん!」

「もう、ローランド帝国が城まで迫ってるのです!」

「もう、来たの?なんか、早すぎない?」

「それが、どうやらローランド帝国は、異世界から勇者を呼び出したようなんです!
 そして、その勇者は、どうやら魅了スキルを使えるらしく、味方がドンドン寝返り、もうすぐ近くに……」

「オットンとかは、どうしたの?」

「それが……勇者の魅了に掛かってしまい、敵側に寝返ってしまっています」

 リーフは、唇を噛み締め悔しがっている。

「何なんだよ! 折角、ご主人様に精霊魔法を使えるようにして貰えたのに、情けないな!まだ、マヌーハじゃなくて、ムヌーハ覚えてないのーー!!」

「あの……ムヌーハとは?」

 リーフが、頭を捻り質問する。

「幻惑を解呪させる精霊魔法だよ!もう、マリンだって覚えてるよ!」

「そうなんですか……オットンは兵役に出てるので、効率良くレベル上げが出来ていなかったようでして……」

 リーフは、とても無念そうに答える。

「本当にもう! ご主人様がいつも言ってるのに、ドラ〇エ道は、レベル上げに始まり、レベル上げに終わるって!
 これはもう、レベル上げをサボってた報いだよね!」

「それはそうなんですが……それで、あの……ローランド帝国との戦争を手伝ってくれるのでしょうか?」

 リーフの焦点は、シロが戦争を手伝ってくれるかどうか。

「ああ。それなら、城だけは守るから安心してね!ご主人様と僕の家を奪われる訳には行かないからね!」

「国民が、たくさん殺されてしまってるのですが……」

「あの? 僕もクロも魔物なんだからね?人間の殺し合いなんか興味ないよ!」

「で……ですよね……」

 リーフは苦笑いする。
 シロは、そもそも厄災級の魔物で、過去に3つの国を滅ぼした前科があるのだ。
 助けて欲しいと思ってても、機嫌を損ねる訳にはいかないのである。

「まあ、マリンにでも頼んでみたら?あのオッパイデカ美、相当強くなってるから、ムヌーハも使えるから役には立つと思うよ!」

「そうでした! ならば、すぐにマリンと話を付けに行きます!」

 リーフはシロに一礼すると、急いで、マリンが居るであろう初級者の森の前にある、森の精霊さんのお店に急いだのだった。

 ーーー

 冒険者達は、戦争であろうが我関せず。基本、冒険者ギルドは、国には加担しないし、不干渉。
 まあ、ギルドに手を出して来たら、国が相手であろうと、全ギルド支部が結託し、全力で相手するのだけど。

 そんな理由もあり、もうすぐ、ローランド帝国が攻めてくると分かっていても、いつも通り、みんな初級者の森のダンジョンに通っている。

 なので、いつものように森の精霊さんのお店は、大繁盛。セリカ姫もマリンも普通に働いているのだ。

 そこへ、

「マリン居るか!」

 カーランド王国の宰相リーフが、走り込んで来た。

「何でしょうか?今は営業中なので、私的な話なら、仕事が終わった後にお願い出来るでしょうか?」

 マリンは、伊達メガネをクイッとさせて、答える。基本、マリンは会話の後に、メガネをクイッとするよう、森の精霊さんに叩き込まれているのだ。

「ここの日給の2倍出す!」

「10倍ですね!」

「5倍で何とかしてくれ!」

「なら8倍で」

「分かった、8倍で手を打とう!」

 拝金主義者のマリンは、ニンマリほくそ笑む。
 リーフは、城に戻る道すがら、マリンにローランド帝国が、もうそこまで迫ってきており、敵に魅了が使える勇者が居るので、解呪の魔法でカーランド王国を助けて欲しいと、マリンに伝える。

「1億ゴルですね!」

 マリンが、リーフに言う。

「1億ゴル?一体、何の話をしてるんだ?」

「1億ゴルで、手伝ってあげると言ってます」

 マリンは、リーフに答える。

「解呪の魔法を頼むのに、1億ゴルも請求するのか?」

「そうではなくて、私が、カーランド王都に攻めてきた敵を1人で殲滅するので、1億ゴル寄越せと言ってるのです!」

「お前は、何を言ってるんだ?敵には、魅了スキルで操つられてる、我が国の騎士団長だったオットンや、精霊魔法が使えるフッサーとかも居るんだぞ?そう簡単に殲滅など出来る訳ないだろ?!」

「精霊魔法じゃなくて、ドラ〇エ魔法なら可能なのです。私は、精霊様の一番弟子と自負しております。精霊様の一番弟子なら、ローランド帝国など簡単に退けられて当然ですので!」

 マリンは、何故かドヤ顔で、伊達メガネをクイッと、する。

「そ……そうか……お前ができるというなら、できるのだろうな……だがしかし、ローランド帝国を退けれなかったら1億ゴルは払わないぞ!」

 リーフは、保険を賭ける。失敗されて、しかも金まで払わう羽目になったら、目も当てられないから。

「成功報酬という事ですか?それでなんら問題ありません」

 マリンは、伊達メガネをクイッ、と、上げた後、後ろを向いてガッツポーズをする。
 マリンは、師匠の森の精霊さんと同様金の亡者なのである。
 たまに、森の精霊さんと一緒に、初心者の森のダンジョンのラスボス部屋(金貨ルーム)で、裸で泳いだりしているし。

「じゃあ、向かいますか?」

「エッ?! 今から向かうのか?」

「ハイ。サッサと終わらしてしまいます。私は、仕事は早く終わらせたいタイプなので」

 伊達メガネのせいで優等生タイプに見えるけど、全く優等生タイプじゃないマリンは、メガネをクイッと、させ、ドヤ顔で答えた。

 ーーー

 ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

 マリンは、黒髪パッツンの眼鏡っ娘。そして、パイ乙カイデー。
 現在、森の精霊さんが1番気にいってる女の子(オ〇パイの居心地だけ)そんなマリン回でした。

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