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冒険者編

34. 問題児のアオが現れた!

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 俺達『森の精霊さんと仲間達』は、薬草を探す次いでに、問題児のアオも探す。

 というか、今回は、ドラ〇エコマンドが使える者が4人も居るから、99×4で、396個も薬草を納める事が出来ちゃうのである。

 分かってると思って説明してなかったかも知れないけど、シロ達、四天王は俺の眷族になった時点でドラ〇エ魔法が使えるようになっている。

 兎に角、薬草396個も納められてウハウハ。きっと、ハゲのオッサンに喜んで貰えるだろう。
 俺は、人に喜んで貰うのが大好きなのである。

【精霊様、ルンルンですね。やはり、久しぶりに森に帰って来れたからですか?】

 セリカ姫が、尋ねてくる。

「そんな訳じゃないな。だって、フーラが使える事が分かったから、実家の泉には、もう簡単に帰ってくる事が出来るから!」

 俺は、正直に答える。
 そう、フーラを使えるようになった時点で、森の実家は、カーランド王城から徒歩1秒になってしまったのだ。
 カーランド城のセリカの部屋から、冒険者ギルドに行くより近かったりする。

 そりゃあ、クロも頻繁に、マタタビ取りに森に帰るよ。だって、フーラ使えれば森まで1秒だからね。

【精霊様は、森のお友達達に会えて、とても嬉しいと仰ってます】

 なんか、翻訳係のマリンが、俺の言葉と全く違う回答をする。
 マリンは優秀なので、俺が、セリカ姫に良い人と思われるように翻訳してくれるのだ。

 ほら、俺って口悪いから、思わず変なこと口走っちゃうんだよね。
 その辺の所を、セリカ姫が語学が苦手なのを逆手にとって、上手く翻訳してくれるのである。

 これにより、俺は、いつでも適当な事が言える。

「セリカ姫、今日のクエスト帰って、城に帰ったら、お風呂で、色んな所を洗い倒してやんからな!」

【精霊様は、早くクエストを終わらせて、お風呂に入ってノンビリしたいと、仰られています】

 こんな感じ。
 本当に、マリンは優秀。パイ乙カイデーだし。今の所、マリンの胸の谷間が一番居心地いいし。

 とか思ってると、俺は、マリンに捕まって、胸の谷間に入れられてしまう。

 マリンは、エスパーかよ!俺が思った事まで、理解してるようである。

【精霊様は、疲れてらっしゃるのですね!
 そしたら、早くクエストを終わらせてしまいましょう】

 セリカ姫は、俺が疲れたので、マリンの胸の谷間に入れられたと思ったみたいだ。

 でもって、パーティーメンバーは薬草摘みなのだが、俺は摘まなくてもよい。
 薬草摘みをしてるセリカ姫やマリンが、ドラ〇エコマンド【わたす】ボタンをポチ!と押して、俺に渡してくれるのだ。

 なんと、インベントリの中身の物を、わざわざ出さなくても、コマンド操作のみで、パーティー内で入れ替え出来ちゃうのである。

 これって、凄いよね!
 他の異世界転生モノのインベントリを完全に越えてるし。
 ドラ〇エは、ローテクなのだけど、実際は、メチャクチャ凄いのである。

 俺は、マリンが歩く度に揺れるパイ乙でパフパフされながら、どっかのハーレム王みたいに座ってるだけで、みんなが集めた薬草が、勝手に俺のコマンドの中に移されちゃうのである。

 多分、俺は、異世界転生者史上、初めてオ〇パイでパフパフされながら冒険する、ハーレム主人公で間違いないと自負できる。

 とか、思ってると、突然、マリンは両手で眼鏡のフレームを高速クイクイさせる。
 そして、それと連動するように、俺は激しくオ〇パイパフパフされちゃうのだ。

 やっぱり、マリンは、俺の心を読んでいる!
 とか、思ってるうちに、俺は秒で昇天されてしまったのだった。

 ーーー

「精霊様。精霊様」

 なんか、極上フワフワのマショマロベッドが揺れている。

「もうちょっとだけ、寝かせて……」

 俺は、寝返りをうち、マショマロ布団を蹴り上げる。

「アッ! そこは……」

 マリンの艶めかしい声が聞こえてくる。

「ん? 俺、寝ちゃってた……」

 俺は、どうやらマリンの胸の谷間で寝ていて、しかも、マリン丘の頂上の一番敏感な所を蹴り飛ばしてしまったようであった。

「精霊様。もっと激しく蹴ってもOKでございます!」

 なんか、マリンが怖い。ドMなのか。
 ハァハァ言ってるし。

「というか、何、これ?」

 俺は、ドM侍女のマリンを置いといて、森の惨状を見やる。

 だって、一面焼け野原なんだもん。
 そして、その焼け野原の中心には、四天王で鳳凰のアオがいる。

 そして、そんなアオに対して、銀とシロが、必死になって森を焼かないように説得しているのだ。

【どうしましょう……】

 セリカ姫は、心配そうにシロと銀の様子を見ている。
 まあ、やっぱり、四天王最強のアオを抑え込むのは、俺か、元四天王の龍達にしか無理かもしれない。
 せめて、クロも居たら、シロと銀とクロの3人がかりで、アオを抑え込めるかもしれないけど。

 ここは、ご主人様である俺の力を見せつける時だな。
 忠犬の銀は、俺を頼ってきたし。
 そんでもって、セリカ姫にも俺の格好良いとこみせたいしね。

 てな訳で、俺は、久々に本気を出す事にする。
 鳳凰のアオは、基本、炎なので物理で殴っても空振りする。かと言って、魔法も、アオの青い炎を超える冷たさの氷魔法じゃないと、全くダメージ与えられないし。しかも不死身だし。倒しても、勝手に蘇っちゃうし。本当にアオと戦うのは厄介なのである。

 だから、何?
 というのが、47の職業をカンストさせた俺の感想。

 俺は、武道家も極め、モンクも極め、気を操る事が出来ちゃうのだ。
 炎だから殴れない?ノンノン。気を操れば、炎だって拳で殴れちゃうんだよ。しかも、凄く痛い奴。
 いやいや、青い炎だから熱くて近づけないでしょ?ノンノン。気功の達人は、温度なんて関係ないのである。『心頭滅却すれば火もまた涼し』て、言葉知らない?アレ、本当だから。

 それで、アオをボコボコに殴ってやればいいだけ。
 アオって、基本、物理攻撃効かない設定だから、俺に殴られるまで、痛さとか知らなかったみたいだし。
 俺に、初めて殴られた時、痛いよ~!て、エンエン泣いてたし。

 てな訳で、俺、登場!!

 ヒーローは、遅れてやってくるものなのである。まあ、普通に、マリンのパイ乙の間で寝てただけだけど。

「ゲッ! 脳筋精霊?!」

 どうやら、アオが、俺の存在に気付いたようだ。
 アオは、進んで、俺の配下になった訳ではない。
 俺が、ボコって配下にしたのだ。

 だって、アオって不死鳥の鳳凰で、絶対に死なないんだよ。
 しかも、森を放火しまくる問題児だし。ほかって悪さされるより、配下にして手元に置いとく方が良いと考えた訳。
 たまたま、職業魔王時代に、四天王を決めるイベントも有ったしね。

「久しぶりだな! アオ! また、悪さして、銀を困らせてるんだって?」

「うっせー! 俺が何をしようが勝手だろ! 俺は自由な鳳凰様なんだ!誰の指図も、絶対に受けないんだよ!」

 なんか、アオが逆ギレしてる。

「アッそう」

 俺は、一気に、アオの元まで詰めて、渾身の一撃をアオに打ち込む。

「バッカじゃねーの! そんな大振りかパンチ当たるかよ!」

 アオは、華麗に俺の高速メガトンパンチを避けた。

 そう、アオは、スピードスターなのだ。しかも放火魔で、本当に厄介。
 絶対に、捕まえれない放火魔を想像してみて、暫くほかって置いたら、周りが火の海になっちゃうからね。

 だがしかし、スピードスターなのは、俺も同じ。種族的に、最初から素早さのステータスだけは良かったのだ。
 それから、鬼のような修行で、全てのステータスを化け物並に上げたんだけどね。

「フン。俺と、スピードで勝負すると?」

 俺は、ニヒルに笑って、アオに尋ねる。

「アホか! お前になんか負けるかよ!俺は、お前が森を出て行ってから、血が滲み出る修行でメッチャ速くなったんだからな!」

 俺も口が悪い方だが、アオの方がもっと悪い。
 ご主人様に、アホとか言う奴は、教育的指導決定だな。

 またまた、俺が、一瞬でアオに詰め寄ると、アオは「アホ~!」と、捨て台詞を吐きながら、必死になって逃げる。
 どうやら、俺とは、絶対に戦いたくないようである。
 アオにとって、俺は唯一の天敵。
 何せ、炎であろうが拳でぶん殴れちゃうから。

「フン。懲りん奴め。スピードでも俺の方が上なんだよ!」

 俺は、森を燃やしながら飛ぶアオを追い掛ける。
 本当にスピード勝負。というか、このままアオに森を飛ばれると、火消しが大変だから。早く捕まえたい。

 なので俺は、アオを越える光の速度を越す速さで飛び、次いでに鱗粉も撒き散らす。
 俺の鱗粉は、炎消えろ!と思いながら出すと、炎も消えちゃうのだ。

 森の火消しと、アオの教育的指導を一緒に出来て、超便利。

 でもって、俺はすぐに、アオの前に回り込む。

 そして、

「オラッ!」

 ボコっ!

 アオに強烈な右フックをお見舞いする。

「い……痛い……」

「ほら、もっと逃げてみろよ!この鈍足鳥がよー!」

「無理です……」

 どうやら、既に、アオの心は折れてしまったようである。
 基本、普段、物理攻撃が効かないアオは、メチャンコ物理攻撃に弱いヘタレなのだ。

「はぁ~。さっき、あれほど啖呵切ってたのに、その程度かよ?」

「すみません。自分が速くなったと勘違いしてたみたいです……」

「お前、さっき、俺の事、アホとか言ってたよな?」

「アホは、俺だったみたいです……」

「じゃあ、アホなアオ君は、どうすんだ?」

「金輪際、精霊様に逆らいません……」

「だよね!」

 てな感じで、調子に乗ってたアオの教育的指導を無事終えた。

 ーーー

 ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

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