14 / 67
カーランド王国編
14. カーランド王生き返る
しおりを挟む「エリクル!」
俺は、ドラ○エ魔法を唱えてやる。
すると、王様は、パッチリ目を開け、何事でも無いように起き上がった。
やっぱり、ドラ○エ魔法スゲー!
寝所に居た者達は、目ん玉飛び出して驚いている。
俺が見えてる者達は、精霊スゲーとか言ってるし、見えて無い者は何が起こったのか全く分かってない。
多分、セリカ姫が振り掛けたエリクサーが効いたと思っているのだろう。
てか、セリカ姫、俺が一緒じゃなきゃ詰んでたじゃん。
この王様、俺の事、薄らとしか見えてないよ。多分。メッチャ目を凝らして、俺の事見てるし。
【恐れながら、申し上げます!アルフォード王を生き返らせて下さったのは、ここにおられます。精霊王様でございます! 】
何故か、カーランド王国の宰相で偉い人らしいリーフが、王様の方を全く見ず、俺に土下座したままの状態で、今の状況を王様に伝える。
どうやら、リーフは、この国の宰相でありながら、その国の王様より、俺の方がとても偉い人だと思ってるようだ。
多分、俺にお尻を向けるなどトンデモないとか思ってるに違いない。
【それは、まことか……精霊王殿が、わざわざこの国に来て下さったのか……】
王様も、信じられないという顔をしている。
そりゃあそうだよね。
俺の前任者の森の精霊は、どうだったか知らないけど。
俺って、森に100年間も引き籠もりしてた訳だし。
「おい! 俺は、セリカ姫に懇願されて、この国に来てやったって言ってやれ!」
俺は、リーフに命令する。
セリカ姫の好感度をアップさせる為に。
俺は、可愛い女の子に好かれたいのである。
カーランド王国の宰相であるリーフに命令?
まあ、命令してもいいでしょ。
俺に土下座してくるくらいだし、俺から命令受けたそうだし。きっとドMなのだ。
【カーランド王、精霊王様は、セリカ姫に請われて、カーランド王国に来たと仰られてます!】
リーフは、俺に土下座してるから、王様にしりを向けたまま、通訳する。
【そうか……セリカが、ワシの為に、あの魔の森に行ってくれたとういのか……】
どうやら、王様は、セリカ姫が王様の病気を治す為、エリクサーを求めて魔の森に赴いたとは知らなかったようだ。
まあ、本当に、死の間際だったぽいから、そりゃあ知らないよね。
【精霊王殿。そして、セリカ。本当に感謝する!】
カーランド王は、俺とセリカに威厳に満ちた表情で、堂々と、上から目線で感謝の言葉を述べる。
何故か、セリカ姫は号泣。
よっぽど、褒められ嬉しかったのだろう。
【カーランド王、流石に、お礼の言葉を言うだけでは、精霊王様に失礼だと思います!】
何故か知らないが、リーフが汗をダラダラ垂らしながら、王様に進言する。
【そうじゃな、そしたら、精霊王殿に褒美を取らせよう!】
カーランド王は、尊大な態度で言い放つ。
それに焦るのは、リーフ。
【違います!カーランド王!精霊王様は神に匹敵する存在です!褒美じゃなくて、貢物です!
言葉を間違えないで下さいませ!】
なんか、リーフが王様に怒っている。
コイツ、どんだけ俺の事が大好きなんだ。
流石に、一国の王様が、ただの森の精霊さんに貢物って、有り得んだろ……
【そ……そうか……】
なんか、リーフの鬼気迫る物言いに、カーランド王も焦りだす。
ここでやっと、自分より、森の精霊さんの方が偉いと気付いたのかもしれない。
【それでは改て、精霊王殿、なんなりと貢物のリクエストを仰ってくださいませ。
私に出来る範囲ならば、どのような貢物でも献上致しまする】
うそ! 何でも貰えちゃうの!
俺は有頂天。
領地とか爵位とか、なんか貰えるかもとは思ってたけど、何でもとは思ってなかった。
ヤッパリ金?金があれば、美味しものも、女だって買えちゃうのだ。
だけれども、俺って、実を言うと金持ちなんだよね。職業商人やってた頃、ハイエルフに色んなもの売りつけて、1兆ゴル持ってるし。(日本で1兆円と同等)
どうしよう……
で、考えた結果がこんな感じ。
「セリカ姫とお友達になりたい。それから毎月、お小遣いとして100万ゴル欲しい!」
セリカ姫とお友達になりたいのは本当。
だって、セリカ姫って性格良いし。可愛いからね。そして、セリカ姫と友達になれば、この国でデカい顔出来そうだし。
そして、お小遣い100万ゴルは、1兆ゴルの貯金を使いたいくないから。森の精霊さんは、老後の事も考えてるのだよ。
【そんな貢物で、宜しいので……】
リーフが通訳すると、なんか、王様が驚いてる。
まあ、しょうがない。俺って、中身がオッサンだから、拝金主義なのだ。
月給100万って、メッチャ嬉しいし、しかも働かないで給料100万って、天国かよ!
(森の精霊さんの中身は、日本の底辺のオッサン。月給100万が、とんでもなく凄い給料だと思っている)
【精霊王様は、無欲なのです!】
なんか、リーフがおかしな事を言っている。
毎月、100万貰うのが無欲?
何言ってんだか分からない。
俺が、強欲な拝金主義だというのを、誤魔化してくれてるのか?
まあ、無駄に俺を敬ってるから、俺の行動が何でも善性であると思い込んでるのかもしれない。
森に慎ましく住まうハイエルフにとって、森の中央、聖なる泉に住む森の精霊さんは、とても聖なる存在なのであろう。
例え、職業魔王をカンストしててもね。
【セリカよ?お前はどうしたい?】
王様が、セリカ姫に確認する。
まあ、こればっかりしは王様が決められないからね。俺も無理強いするつもりは無い。
【ハイ! 私でよろしければ】
セリカ姫は、ハッキリと返事をした。
やったね! これでついに、人間の女の子とお友達になれた。
彼女居ない歴135年。ついに、俺にも春が来たのだ。
まあ、イキナリ彼女になってとか言えないから、最初はお友達から始めようと思ったのだ。
将来、勝手にセリカ姫と付き合うつもりでいるけど、俺って、男でも女でもないんだよね。付き合っても何も出来ないから、一生童貞決定だけど。
まあ、そのかわり、付き合ったら、お触りしまくってやる。
ナニがなくても、煩悩だけは男のままなのだ。
「俺、城に住みたいんだけど?」
一応、ついでに我儘言っておく。
宿代もバカにならないし、城に住めたら宿代タダ。それから、食事付きがいいな。
【精霊王様が、城に住みたいと仰せられております!】
リーフが通訳してくれる。
【何と、精霊王殿が、そう仰られているのか?】
なんか、王様が、心底動揺している。
そんなに、俺が城に住むのが嫌だったの?
まあ、城の中に、この国の王様より偉い存在が居たら、そりゃあ、王様としては嫌だよね。
だけれども、俺は譲らないのだ。
そして、伝家の宝刀。
「僕、悪い精霊じゃないよ」
【精霊様は、悪い精霊ではないと言ってます】
クククククッ。これでイチコロだ。
このセリフに、クラっとこない人間などいないのだ。
しかしながら、俺のセリフに、寝所に集まっていた国の重鎮達や、王妃様、セリカ姫の弟妹も、全員固まってしまった。
どうした?
俺、変な事言ったか?
ドラ○エ的には、正解だろ?
「お父様、それなら私の部屋に精霊様に住んで貰えたらと思います!」
セリカ姫の問題発言。
まさか、まだ、友達になったばかりなのに同棲だと!
この国は、どんだけ進んでるんだよ!
多分、性に寛容な国なのだろう。
俺的には、とても嬉しいんだけど。
それか、俺が悪い精霊じゃないよ!とか言ったのを、真に受けてしまったのか?
俺の頭は、煩悩で溢れているというのに。
【しかし、精霊王殿が、セリカと同じ部屋で良い筈は……】
なんか、王様が言葉を濁している。やはり、どうしても王様は、俺とセリカ姫との同棲を反対しているようだ。
「俺は、セリカ姫の部屋で問題ないぞ!
俺って、見ての通り小さいからね!」
【精霊王様は、セリカ様の部屋で問題無いと仰られています!】
リーフが、翻訳しくれる。
絶対に、俺は、セリカ姫と同棲したいのである。
【そ……そうですか……それなら、精霊王殿、セリカのお部屋でお住み下さいませ】
どうやら、王様も同棲を認めてくれたようだ。
まあ、俺って、王様の命の恩人だもんね!
渋々ぽかったが、リーフの圧が物凄かったので、王様もOKするしかなかったのだろう。
結構、リーフって使える奴だ。
そのうち、祝福してやってもいいかも。
契約してる精霊がしょぼくて、ザオ○クじゃなくて、エリクル使えないとか言ってたしね。
そんな感じで、俺は、念願の女の子との同棲を勝ち取る事が出来たのだ。
ウッヒョー!!
ーーー
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
森の精霊さんは、拝金主義だったようです。
そして、セリカ姫とお友達になれました。しかも、同棲です。森の精霊さん、この世の春です。
そりゃあ、ウッヒョーとも叫んじゃうよね!
面白かったら、復活の呪文【お気に入り】を押してくれると嬉しく思います。
0
お気に入りに追加
245
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
特殊スキル持ちの低ランク冒険者の少年は、勇者パーティーから追い出される際に散々罵しった癖に能力が惜しくなって戻れって…頭は大丈夫か?
アノマロカリス
ファンタジー
少年テイトは特殊スキルの持ち主だった。
どんなスキルかというと…?
本人でも把握出来ない程に多いスキルなのだが、パーティーでは大して役には立たなかった。
パーティーで役立つスキルといえば、【獲得経験値数○倍】という物だった。
だが、このスキルには欠点が有り…テイトに経験値がほとんど入らない代わりに、メンバーには大量に作用するという物だった。
テイトの村で育った子供達で冒険者になり、パーティーを組んで活躍し、更にはリーダーが国王陛下に認められて勇者の称号を得た。
勇者パーティーは、活躍の場を広げて有名になる一方…レベルやランクがいつまでも低いテイトを疎ましく思っていた。
そしてリーダーは、テイトをパーティーから追い出した。
ところが…勇者パーティーはのちに後悔する事になる。
テイトのスキルの【獲得経験値数○倍】の本当の効果を…
8月5日0:30…
HOTランキング3位に浮上しました。
8月5日5:00…
HOTランキング2位になりました!
8月5日13:00…
HOTランキング1位になりました(๑╹ω╹๑ )
皆様の応援のおかげです(つД`)ノ
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし〜
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
黒銀の精霊マスター ~ニートの俺が撃たれて死んだら異世界に転生した~
中七七三
ファンタジー
デブでニートで32歳。
理不尽ないじめを契機に、引きこもりを続ける生粋のニート。ネット監視と自宅警備の無償労働を行う清い心の持ち主だ。
ニート・オブ・ニートの俺は、家族に妹の下着を盗んだと疑われる。
なんの証拠もなしに、なぜ疑うのか!?
怒りを胸に、そして失意に沈んだ俺は、深夜のコンビニで自爆テロを敢行する。妹のパンツ履いて露出狂となり、お巡りさんに捕まるのだ。それで、家族の幸せもぶち壊すのが目的だ。
しかし、俺はコンビニ強盗に遭遇。なぜか、店員をかばって撃たれて死ぬ。
俺が目を覚ましたのは異世界だった。
ラッキー!!
そして、俺の異世界ライフが始まるのであった。
私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!
りーさん
ファンタジー
ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。
でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。
こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね!
のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる