上 下
214 / 286

214. ロリエコ少女

しおりを挟む
 
「それじゃあ、フロアーボスがいる階段フロアーの扉の前で落ち合うわよ!」

 シャンティーさん達は、そう言い残し、『三日月旅団』を率いて、ありえないスピードでダンジョンの探索に向かった。

「ゴドウ·サイト! 早くスタートしないと、このフロアーのお宝は、全て『鷹の爪』が頂くぞ!」

 シンタローさん達『鷹の爪』も、そう言って、探索をスタートさせた。

「僕達も、他のパーティーに負けないように頑張ろう!
 今回の編成は、ブリトニー姉さんとペロちゃんが前衛で、僕とサイト君が、魔物の解体とコアの採取、姫ちゃんが、みんなの回復で行くよ!」

 アンちゃんが、いつものようにパーティーの配置を言う。

「解体?」

「そう、解体。魔物の解体も立派な仕事だよ!
 ダンジョンでの1の番の稼ぎは、結局は、魔物を倒してコアを回収する事に尽きるんだよ。
 2番目は魔物の素材採取で、3番目が、たまに魔物が落とすドロップアイテム。
 4番目がお宝。
 4番目のお宝は、たまにとんでもないレアアイテムが出て来る事があるけど、未攻略ダンジョン限定で、深層まで潜らないと良いアイテムはゲットできないの。

 兎に角、未攻略ダンジョンの上層部でのお宝は、それ程期待できないので、今回は特に、素早くマッピングして、魔物を倒しまくるのが得策なんだよ!
 その為に、作業を分断化して、スピードを重視するんだよ!」

 多分、アンちゃんの作戦が正解なのだろう。
 確かに、シャンティーさんも、ララとモモを解体係にしていた。

 まあ、アンちゃんは、シャンティーさんの愛弟子なので、やり方が似ているのは当たり前といえば当たり前なのだが。

 俺も、そんなに戦いが好きではないので、解体でも良いか。
 コアはお金に変えられるんだ。
 なので、コアをお金だと思えば、魔物からのコアの取り出しも、楽しくなるというものだな。

「それじゃあ、『犬の尻尾』もスタートするぞ!
 ペロ! お宝を探しつつ探索だ!」

「ワン!」

「ペロが、お宝見つけたと言ってるのです!
 マスター! どうしますか?」

「エッ!! もう?」

 ペロはどんだけ有能犬なのだ。
 普通の犬の嗅覚の何倍あるんだ?
 ハッキリ言って、ペロさえ居ればダンジョンでマッピングなど不要だ。
 実際に今まで、マップ無しでやってきたのだ。

 フフフフフ。ペロさえ居れば、お宝取り放題だ!

「よし! それじゃあ、お宝へ向かうぞ!」

「ハイなのです!」

「お宝なのニャ!」

「やっと冒険者っぽくなってきたよ!
 やっぱり、未攻略ダンジョンのお宝探しが、冒険の醍醐味だよね!」

「ワン! ワン! ワン!」

 アンちゃんが、いつにも増して興奮している様だ。

 ペロとブリトニーが、もうスピードで魔物を殲滅しつつお宝目指して突き進む。

 俺とアンちゃんは、ペロとブリトニーが倒した魔物を次々に解体していき、コアと素材に分けて、冒険者バックに詰め込んで行く。

「これは、魔物を倒すより、解体作業の方が大変なんじゃないのか?」

「普通は、こんなに大変じゃないよ!
 ペロとブリトニー姉さんが、魔物を倒すスピードが早すぎるんだよ!」
 と、アンちゃんは言いつつも、物凄いスピードで、しっかりと魔物を素材とコアに解体し続けている。

 その動きに、一切の迷いがない。

 魔物の、どこにコアがあるのか、どの素材が必要なのか、瞬時に見分けをつけているのだ。
 やはり、ドワーフ族なので、素材の善し悪しの目利きが凄まじいのだろう。

 俺とアンちゃんとの役割はというと、初見の魔物は、アンちゃんが先ず解体し、それを俺が見て覚え、同じように真似して解体するような感じだ。

 姫はというと、俺とアンちゃんに回復魔法をかけ続けている。

 ブリトニーとペロのスピードに付いていくには、相当な体力と集中力を使うのだ。

 いつでも万全な状態でないと、スピードが落ちるし、手元がくるって素材を傷付けてしまう。

 少しでも素材を傷付けると、アンちゃんから、何やら殺気を感じるのだ。

 アンちゃんは、ドワーフ族の至宝であるドン爺さん、ガン爺さん、ゾイ爺さんにその才能をみとめられた愛弟子でもある。

 素材を見る目も、厳しいのだ。

 解体作業のような、一見、楽しくないような仕事が、アンちゃんにとって一番楽しい時間のように見える。

 何故なら、物凄くニヤケながら魔物を解体していくのだ。

 アンちゃんは冒険者なのだが、超一流の鍛冶師でもあるのだ。

 良い素材を見ると、思わずヨダレを垂らしてしまうのであろう。
 何度か、アンちゃんがヨダレを垂らしているのを目撃したのだが、その度にアンちゃんは、直ぐに気付いてヨダレをすすり、何事もなかったような顔をして解体をし続けるのだ。

 多分、アンちゃんが冒険者になりたかったのも、良い素材を自分で採取し、そして、自分で採取してきた素材で、武器や防具を製作したかった。というのが正解なのだろう。

 まさに地産地消。

 ちょっと、地産地消の使い方が間違っている気もするが、自分で魔物を倒して、その素材で自分の装備品を作る。

 なんてエコなんだ。

 アンちゃんは、ロリエロ少女で、ロリエコ少女だったのだ!

「サイト君! 手が止まっているよ!
 また、しょうもない事 妄想してたんでしょ!」

 いつものように、アンちゃんに叱られて、勃起するサイトなのであった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

サファヴィア秘話 ―月下の虜囚―

文月 沙織
BL
祖国を出た軍人ダリクは、異国の地サファヴィアで娼館の用心棒として働くことになった。だが、そこにはなんとかつての上官で貴族のサイラスが囚われていた。彼とは因縁があり、ダリクが国を出る理由をつくった相手だ。 性奴隷にされることになったかつての上官が、目のまえでいたぶられる様子を、ダリクは復讐の想いをこめて見つめる。 誇りたかき軍人貴族は、異国の娼館で男娼に堕ちていくーー。 かなり過激な性描写があります。十八歳以下の方はご遠慮ください。

公開凌辱される話まとめ

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 ・性奴隷を飼う街 元敵兵を性奴隷として飼っている街の話です。 ・玩具でアナルを焦らされる話 猫じゃらし型の玩具を開発済アナルに挿れられて啼かされる話です。

社畜サラリーマンの優雅な性奴隷生活

BL
異世界トリップした先は、人間の数が異様に少なく絶滅寸前の世界でした。 草臥れた社畜サラリーマンが性奴隷としてご主人様に可愛がられたり嬲られたり虐められたりする日々の記録です。 露骨な性描写あるのでご注意ください。

憧れの剣士とセフレになったけど俺は本気で恋してます!

藤間背骨
BL
若い傭兵・クエルチアは、凄腕の傭兵・ディヒトバイと戦って負け、その強さに憧れた。 クエルチアは戦場から姿を消したディヒトバイを探し続け、数年後に見つけた彼は闘技場の剣闘士になっていた。 初めてディヒトバイの素顔を見たクエルチアは一目惚れし、彼と戦うために剣闘士になる。 そして、勢いで体を重ねてしまう。 それ以来戦いのあとはディヒトバイと寝ることになったが、自分の気持ちを伝えるのが怖くて体だけの関係を続けていた。 このままでいいのかと悩むクエルチアは護衛の依頼を持ちかけられる。これを機にクエルチアは勇気を出してディヒトバイと想いを伝えようとするが――。 ※2人の関係ではありませんが、近親相姦描写が含まれるため苦手な方はご注意ください。 ※年下わんこ攻め×人生に疲れたおじさん受け ※毎日更新・午後8時投稿・全32話

俺にはラブラブな超絶イケメンのスパダリ彼氏がいるので、王道学園とやらに無理やり巻き込まないでくださいっ!!

しおりんごん
BL
俺の名前は 笹島 小太郎 高校2年生のちょっと激しめの甘党 顔は可もなく不可もなく、、、と思いたい 身長は170、、、行ってる、、、し ウルセェ!本人が言ってるんだからほんとなんだよ! そんな比較的どこにでもいそうな人柄の俺だが少し周りと違うことがあって、、、 それは、、、 俺には超絶ラブラブなイケメン彼氏がいるのだ!!! 容姿端麗、文武両道 金髪碧眼(ロシアの血が多く入ってるかららしい) 一つ下の学年で、通ってる高校は違うけど、一週間に一度は放課後デートを欠かさないそんなスパダリ完璧彼氏! 名前を堂坂レオンくん! 俺はレオンが大好きだし、レオンも俺が大好きで (自己肯定感が高すぎるって? 実は付き合いたての時に、なんで俺なんか、、、って1人で考えて喧嘩して 結局レオンからわからせという名のおしお、(re 、、、ま、まぁレオンからわかりやすすぎる愛情を一思いに受けてたらそりゃ自身も出るわなっていうこと!) ちょうどこの春レオンが高校に上がって、それでも変わりないラブラブな生活を送っていたんだけど なんとある日空から人が降って来て! ※ファンタジーでもなんでもなく、物理的に降って来たんだ 信じられるか?いや、信じろ 腐ってる姉さんたちが言うには、そいつはみんな大好き王道転校生! 、、、ってなんだ? 兎にも角にも、そいつが現れてから俺の高校がおかしくなってる? いやなんだよ平凡巻き込まれ役って! あーもう!そんな睨むな!牽制するな! 俺には超絶ラブラブな彼氏がいるからそっちのいざこざに巻き込まないでくださいっ!!! ※主人公は固定カプ、、、というか、初っ端から2人でイチャイチャしてるし、ずっと変わりません ※同姓同士の婚姻が認められている世界線での話です ※王道学園とはなんぞや?という人のために一応説明を載せていますが、私には文才が圧倒的に足りないのでわからないままでしたら、他の方の作品を参照していただきたいです🙇‍♀️ ※シリアスは皆無です 終始ドタバタイチャイチャラブコメディでおとどけします

全ての悪評を押し付けられた僕は人が怖くなった。それなのに、僕を嫌っているはずの王子が迫ってくる。溺愛ってなんですか?! 僕には無理です!

迷路を跳ぶ狐
BL
 森の中の小さな領地の弱小貴族の僕は、領主の息子として生まれた。だけど両親は可愛い兄弟たちに夢中で、いつも邪魔者扱いされていた。  なんとか認められたくて、魔法や剣技、領地経営なんかも学んだけど、何が起これば全て僕が悪いと言われて、激しい折檻を受けた。  そんな家族は領地で好き放題に搾取して、領民を襲う魔物は放置。そんなことをしているうちに、悪事がバレそうになって、全ての悪評を僕に押し付けて逃げた。  それどころか、家族を逃す交換条件として領主の代わりになった男たちに、僕は毎日奴隷として働かされる日々……  暗い地下に閉じ込められては鞭で打たれ、拷問され、仕事を押し付けられる毎日を送っていたある日、僕の前に、竜が現れる。それはかつて僕が、悪事を働く竜と間違えて、背後から襲いかかった竜の王子だった。  あの時のことを思い出して、跪いて謝る僕の手を、王子は握って立たせる。そして、僕にずっと会いたかったと言い出した。え…………? なんで? 二話目まで胸糞注意。R18は保険です。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

処理中です...