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214. ロリエコ少女
しおりを挟む「それじゃあ、フロアーボスがいる階段フロアーの扉の前で落ち合うわよ!」
シャンティーさん達は、そう言い残し、『三日月旅団』を率いて、ありえないスピードでダンジョンの探索に向かった。
「ゴドウ·サイト! 早くスタートしないと、このフロアーのお宝は、全て『鷹の爪』が頂くぞ!」
シンタローさん達『鷹の爪』も、そう言って、探索をスタートさせた。
「僕達も、他のパーティーに負けないように頑張ろう!
今回の編成は、ブリトニー姉さんとペロちゃんが前衛で、僕とサイト君が、魔物の解体とコアの採取、姫ちゃんが、みんなの回復で行くよ!」
アンちゃんが、いつものようにパーティーの配置を言う。
「解体?」
「そう、解体。魔物の解体も立派な仕事だよ!
ダンジョンでの1の番の稼ぎは、結局は、魔物を倒してコアを回収する事に尽きるんだよ。
2番目は魔物の素材採取で、3番目が、たまに魔物が落とすドロップアイテム。
4番目がお宝。
4番目のお宝は、たまにとんでもないレアアイテムが出て来る事があるけど、未攻略ダンジョン限定で、深層まで潜らないと良いアイテムはゲットできないの。
兎に角、未攻略ダンジョンの上層部でのお宝は、それ程期待できないので、今回は特に、素早くマッピングして、魔物を倒しまくるのが得策なんだよ!
その為に、作業を分断化して、スピードを重視するんだよ!」
多分、アンちゃんの作戦が正解なのだろう。
確かに、シャンティーさんも、ララとモモを解体係にしていた。
まあ、アンちゃんは、シャンティーさんの愛弟子なので、やり方が似ているのは当たり前といえば当たり前なのだが。
俺も、そんなに戦いが好きではないので、解体でも良いか。
コアはお金に変えられるんだ。
なので、コアをお金だと思えば、魔物からのコアの取り出しも、楽しくなるというものだな。
「それじゃあ、『犬の尻尾』もスタートするぞ!
ペロ! お宝を探しつつ探索だ!」
「ワン!」
「ペロが、お宝見つけたと言ってるのです!
マスター! どうしますか?」
「エッ!! もう?」
ペロはどんだけ有能犬なのだ。
普通の犬の嗅覚の何倍あるんだ?
ハッキリ言って、ペロさえ居ればダンジョンでマッピングなど不要だ。
実際に今まで、マップ無しでやってきたのだ。
フフフフフ。ペロさえ居れば、お宝取り放題だ!
「よし! それじゃあ、お宝へ向かうぞ!」
「ハイなのです!」
「お宝なのニャ!」
「やっと冒険者っぽくなってきたよ!
やっぱり、未攻略ダンジョンのお宝探しが、冒険の醍醐味だよね!」
「ワン! ワン! ワン!」
アンちゃんが、いつにも増して興奮している様だ。
ペロとブリトニーが、もうスピードで魔物を殲滅しつつお宝目指して突き進む。
俺とアンちゃんは、ペロとブリトニーが倒した魔物を次々に解体していき、コアと素材に分けて、冒険者バックに詰め込んで行く。
「これは、魔物を倒すより、解体作業の方が大変なんじゃないのか?」
「普通は、こんなに大変じゃないよ!
ペロとブリトニー姉さんが、魔物を倒すスピードが早すぎるんだよ!」
と、アンちゃんは言いつつも、物凄いスピードで、しっかりと魔物を素材とコアに解体し続けている。
その動きに、一切の迷いがない。
魔物の、どこにコアがあるのか、どの素材が必要なのか、瞬時に見分けをつけているのだ。
やはり、ドワーフ族なので、素材の善し悪しの目利きが凄まじいのだろう。
俺とアンちゃんとの役割はというと、初見の魔物は、アンちゃんが先ず解体し、それを俺が見て覚え、同じように真似して解体するような感じだ。
姫はというと、俺とアンちゃんに回復魔法をかけ続けている。
ブリトニーとペロのスピードに付いていくには、相当な体力と集中力を使うのだ。
いつでも万全な状態でないと、スピードが落ちるし、手元がくるって素材を傷付けてしまう。
少しでも素材を傷付けると、アンちゃんから、何やら殺気を感じるのだ。
アンちゃんは、ドワーフ族の至宝であるドン爺さん、ガン爺さん、ゾイ爺さんにその才能をみとめられた愛弟子でもある。
素材を見る目も、厳しいのだ。
解体作業のような、一見、楽しくないような仕事が、アンちゃんにとって一番楽しい時間のように見える。
何故なら、物凄くニヤケながら魔物を解体していくのだ。
アンちゃんは冒険者なのだが、超一流の鍛冶師でもあるのだ。
良い素材を見ると、思わずヨダレを垂らしてしまうのであろう。
何度か、アンちゃんがヨダレを垂らしているのを目撃したのだが、その度にアンちゃんは、直ぐに気付いてヨダレをすすり、何事もなかったような顔をして解体をし続けるのだ。
多分、アンちゃんが冒険者になりたかったのも、良い素材を自分で採取し、そして、自分で採取してきた素材で、武器や防具を製作したかった。というのが正解なのだろう。
まさに地産地消。
ちょっと、地産地消の使い方が間違っている気もするが、自分で魔物を倒して、その素材で自分の装備品を作る。
なんてエコなんだ。
アンちゃんは、ロリエロ少女で、ロリエコ少女だったのだ!
「サイト君! 手が止まっているよ!
また、しょうもない事 妄想してたんでしょ!」
いつものように、アンちゃんに叱られて、勃起するサイトなのであった。
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