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76. アンちゃんの秘密
しおりを挟むS級第416ダンジョンの攻略を終え、『犬の尻尾秘密基地』に【影渡り】を使って移動してきた。
【聖級移転】を使って移動しても良いのだが、色んな場所に設置した状態のままにしておくと、人の目についてしまい、調べられたりすると厄介だ。
【聖級移転】は伝説のスキルなのだ。
使える事が知れるだけでも、問題になるかもしれない。
なので、頻繁に使わない場所に設置した【聖級移転】は、早急に解除していくのがセオリーなのだ。
「ブリトニー様、私の影を使って頂きありがとうございます」
ゴキ男爵が執事風の礼をしなが、ブリトニーに話しかける。
「ウゲェーなのね!
好き好んでお前の影から出たくないのね!
ただ単に、ここに居る者達の中で、私の格に合う者がいないので、仕方がなくお前の影を使うのニャ!」
「ハッハッハッハ! ブリトニー嬢に認められるとは嬉しいですな」
「誰も認めてないのニャ!
この中では、お前がマシというだけニャ!
私の認める程のデーモンを生み出してくれると有り難いのニャ!」
「ブリトニー嬢はどのようなデーモンをお望みで?」
「ふーん……まずチンコがでかいのが絶対ニャ!
それからイケメン!
オッパイも欲しいのニャ!
私は女も好きなのニャ!」
「それは難しいですな……
ですが、問題ありません。
こんな感じで宜しいですかな?」
ゴキ男爵が中性的な美男子に変身した。
「わ……私好みニャ!」
「これだけではございません!」
ゴキ男爵が、早着替えのように一瞬で服を脱ぎさると、華奢な身体には似合わない30センチ程の巨根が現れた。
「これ位の大きさで良いですかな?」
「き…巨根なのニャ!
ご主人様のナニばかり見ていたので、そんなに大きなナニを見るとクラクラするのニャ!」
何気ににディスられてる。
俺は少しだけ、ナニが小さいのがコンプレックスなのだ。
クッ!! ブリトニーめ!
やはり大きなナニが好みだったのか。
「胸の、大きさもこれ位で宜しいですかな?」
ゴキ男爵が、胸を張って強調する。
よく見ると胸が少し膨らんでいる。
両性具有か……
「な……なんなのニャ!
何でオッパイがあるのニャ!」
「オッパイだけでなく、女性のアレもありますよ」
「な……な……何いってるのニャ。
ゴキ男爵……そんな訳ある筈ないのニャ!」
すると、ゴキ男爵がおもむろにV字バランスして、お股をご開帳した。
「ウェェェ……な……なんなのニャ……
こ…これは、どちらも楽しめるのではニャいのか……
み……魅力的なのだけど……
元がゴキ男爵だと知ってると、何も興奮しないのニャ……」
ブリトニーとゴキ男爵がいつもの掛け合いをしているが、いつまでも終わりそうもないので話しかけた。
「オイ! ゴキ男爵、秘密基地の整備の状況はどうなってる?」
ゴキ男爵は、スグにいつもの執事風の姿に戻る。
「ハッ! グランドマスター!
ただいま、腕利きのドワーフ達を攫ってきて、王の間と、大浴場の建設にあたらせております。
工期は、後、1ヶ月位の予定になりますので、楽しみにお待ち下さいませ!
それから、ベッドルームですが、後、2日程で完成致します!
コチラの目玉は、10人一緒に寝る事ができる巨大ベッドです!
グランドマスター程の精力の持主には、1日10人の相手では少ないとは思いますが、御容赦下さいませ」
「そ……そうか、順調のようだな!
この調子で頼むぞ!」
「男爵さん。今聞き捨てならないお話を聞いたのだけど、ドワーフを攫ってきたってどういう事かな」
アンちゃんがキッと、ゴキ男爵を睨みつけた。
「アン様、その辺は問題ございません。
確かに、ドワーフ達を目隠しして攫ってきましたが、それは『犬の尻尾秘密基地』の居場所を秘密にする為の処置でございます!
サンアリ殿にお願いし、それ相応の給料を払っておりますし、ドワーフ達も納得して仕事をしております!」
「そ……そうですか。
それならば、問題ないです。
男爵さん、疑ってしまって申し訳ございませんでした」
「いえいえ、アン様が心配なさるのは最もでございます。
なにせ、アン様はドワーフ族の姫様であらせられますからね」
ゴキ男爵が一瞬悪そうに、ニヤリと笑った。
ん……ゴキ男爵、今サラッと、聞き捨てならないこと言ってなかったか……
「エッ! 何故それを男爵さんが知ってるんですか!?」
アンちゃんが動揺したのか、手をアワアワさせている。
「ゴトウ族に仕える執事として、当然の事であります。
取り敢えず、主要メンバーの出自や、嗜好などは全てチェック済であります。
ドワーフ達にアン様の事をお話ししたら、皆様 喜んで『犬の尻尾秘密基地』でのお手伝いをさせて頂くと、仰っておりました」
これは、ドワーフ達に頼んだのではなく、脅したと言う事ではないのか……
そんな事より、姫だけじゃなくて、アンちゃんまでもお姫様だったのか……
確かに、家にお風呂があったり、仕草なども洗練されている。
テーブルマナーも優雅だ。
それが、俺の性奴隷でいいのか……
姫の場合は両親が死んでいるので、俺の奴隷になっても問題ないが、アンちゃんの場合は、両親が生きている。
しかも、勇者パーティーの現役だ。
娘が性奴隷になったと知れたら怒り狂って、娘を性奴隷にした俺を、間違いなく八つ裂きにするだろう……
「ア……アンちゃん……
俺の性奴隷は辞めてもらって、お家に帰った方がいいんじゃないかな?」
「嫌ですよ! 僕はお父さんのように、冒険したくて家を出たのです!
折角、刺激的な冒険ができるパーティーに入れたのに、むざむざ自分から出ていく事など考えられません!」
「でもね……アンちゃん、お父さんは、娘が性奴隷になってしまった事をどう思うかな?
俺は怒ると思うよ。
俺がアンちゃんのお父さんの立場だったら、娘を性奴隷にした男を必ずミンチにして、カラスの餌にしてしまうと思うよ」
「サイト君は心配しないで大丈夫です!
冒険者ギルドランキングベスト10入りできれば、何ら問題ありません!
ランキング10入りできる程のギルドの長なら、お父さんもサイト君の事を認めてくれる筈ですから!」
そういう事か……
アンちゃんが、やたらギルドランキングベスト10入りの為に張り切っていたのは、お父さんに俺の事を認めてもらう口実にするつもりだったからか……
「アンちゃん……
お父さんは本当にギルドランキングベスト10入りするだけで、俺を認めくれるのか?」
「認めるというのは語弊があったかな……
認めはしないけど、手出しはできなくなると思います!」
結局は認められないのかよ!!
娘を性奴隷にている男を認める父親なんて、いる訳ないか……
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