上 下
76 / 286

76. アンちゃんの秘密

しおりを挟む
 
 S級第416ダンジョンの攻略を終え、『犬の尻尾秘密基地』に【影渡り】を使って移動してきた。

【聖級移転】を使って移動しても良いのだが、色んな場所に設置した状態のままにしておくと、人の目についてしまい、調べられたりすると厄介だ。
 【聖級移転】は伝説のスキルなのだ。
 使える事が知れるだけでも、問題になるかもしれない。
 なので、頻繁に使わない場所に設置した【聖級移転】は、早急に解除していくのがセオリーなのだ。

「ブリトニー様、私の影を使って頂きありがとうございます」

 ゴキ男爵が執事風の礼をしなが、ブリトニーに話しかける。

「ウゲェーなのね!
 好き好んでお前の影から出たくないのね! 
 ただ単に、ここに居る者達の中で、私の格に合う者がいないので、仕方がなくお前の影を使うのニャ!」

「ハッハッハッハ!  ブリトニー嬢に認められるとは嬉しいですな」

「誰も認めてないのニャ!
 この中では、お前がマシというだけニャ!  
 私の認める程のデーモンを生み出してくれると有り難いのニャ!」

「ブリトニー嬢はどのようなデーモンをお望みで?」

「ふーん……まずチンコがでかいのが絶対ニャ!
 それからイケメン!
 オッパイも欲しいのニャ!
 私は女も好きなのニャ!」

「それは難しいですな……
 ですが、問題ありません。
 こんな感じで宜しいですかな?」

 ゴキ男爵が中性的な美男子に変身した。

「わ……私好みニャ!」

「これだけではございません!」

 ゴキ男爵が、早着替えのように一瞬で服を脱ぎさると、華奢な身体には似合わない30センチ程の巨根が現れた。

「これ位の大きさで良いですかな?」

「き…巨根なのニャ!
 ご主人様のナニばかり見ていたので、そんなに大きなナニを見るとクラクラするのニャ!」

 何気ににディスられてる。
 俺は少しだけ、ナニが小さいのがコンプレックスなのだ。
 クッ!!  ブリトニーめ! 
 やはり大きなナニが好みだったのか。

「胸の、大きさもこれ位で宜しいですかな?」

 ゴキ男爵が、胸を張って強調する。
 よく見ると胸が少し膨らんでいる。
 両性具有か……

「な……なんなのニャ!
 何でオッパイがあるのニャ!」

「オッパイだけでなく、女性のアレもありますよ」

「な……な……何いってるのニャ。
 ゴキ男爵……そんな訳ある筈ないのニャ!」

 すると、ゴキ男爵がおもむろにV字バランスして、お股をご開帳した。

「ウェェェ……な……なんなのニャ……
 こ…これは、どちらも楽しめるのではニャいのか……
 み……魅力的なのだけど……
 元がゴキ男爵だと知ってると、何も興奮しないのニャ……」

 ブリトニーとゴキ男爵がいつもの掛け合いをしているが、いつまでも終わりそうもないので話しかけた。

「オイ! ゴキ男爵、秘密基地の整備の状況はどうなってる?」

 ゴキ男爵は、スグにいつもの執事風の姿に戻る。

「ハッ! グランドマスター!
 ただいま、腕利きのドワーフ達を攫ってきて、王の間と、大浴場の建設にあたらせております。
 工期は、後、1ヶ月位の予定になりますので、楽しみにお待ち下さいませ!
 それから、ベッドルームですが、後、2日程で完成致します!
 コチラの目玉は、10人一緒に寝る事ができる巨大ベッドです!
 グランドマスター程の精力の持主には、1日10人の相手では少ないとは思いますが、御容赦下さいませ」

「そ……そうか、順調のようだな!
 この調子で頼むぞ!」

「男爵さん。今聞き捨てならないお話を聞いたのだけど、ドワーフを攫ってきたってどういう事かな」

 アンちゃんがキッと、ゴキ男爵を睨みつけた。

「アン様、その辺は問題ございません。
 確かに、ドワーフ達を目隠しして攫ってきましたが、それは『犬の尻尾秘密基地』の居場所を秘密にする為の処置でございます!
 サンアリ殿にお願いし、それ相応の給料を払っておりますし、ドワーフ達も納得して仕事をしております!」

「そ……そうですか。
 それならば、問題ないです。
 男爵さん、疑ってしまって申し訳ございませんでした」

「いえいえ、アン様が心配なさるのは最もでございます。
 なにせ、アン様はドワーフ族の姫様であらせられますからね」

 ゴキ男爵が一瞬悪そうに、ニヤリと笑った。

 ん……ゴキ男爵、今サラッと、聞き捨てならないこと言ってなかったか……

「エッ!  何故それを男爵さんが知ってるんですか!?」

 アンちゃんが動揺したのか、手をアワアワさせている。

「ゴトウ族に仕える執事として、当然の事であります。
 取り敢えず、主要メンバーの出自や、嗜好などは全てチェック済であります。
 ドワーフ達にアン様の事をお話ししたら、皆様 喜んで『犬の尻尾秘密基地』でのお手伝いをさせて頂くと、仰っておりました」

 これは、ドワーフ達に頼んだのではなく、脅したと言う事ではないのか……

 そんな事より、姫だけじゃなくて、アンちゃんまでもお姫様だったのか……
 確かに、家にお風呂があったり、仕草なども洗練されている。
 テーブルマナーも優雅だ。
 それが、俺の性奴隷でいいのか……
 姫の場合は両親が死んでいるので、俺の奴隷になっても問題ないが、アンちゃんの場合は、両親が生きている。
 しかも、勇者パーティーの現役だ。
 娘が性奴隷になったと知れたら怒り狂って、娘を性奴隷にした俺を、間違いなく八つ裂きにするだろう……

「ア……アンちゃん……
 俺の性奴隷は辞めてもらって、お家に帰った方がいいんじゃないかな?」

「嫌ですよ! 僕はお父さんのように、冒険したくて家を出たのです!
 折角、刺激的な冒険ができるパーティーに入れたのに、むざむざ自分から出ていく事など考えられません!」

「でもね……アンちゃん、お父さんは、娘が性奴隷になってしまった事をどう思うかな? 
 俺は怒ると思うよ。
 俺がアンちゃんのお父さんの立場だったら、娘を性奴隷にした男を必ずミンチにして、カラスの餌にしてしまうと思うよ」

「サイト君は心配しないで大丈夫です!
 冒険者ギルドランキングベスト10入りできれば、何ら問題ありません!
 ランキング10入りできる程のギルドの長なら、お父さんもサイト君の事を認めてくれる筈ですから!」

 そういう事か……

 アンちゃんが、やたらギルドランキングベスト10入りの為に張り切っていたのは、お父さんに俺の事を認めてもらう口実にするつもりだったからか……

「アンちゃん……
 お父さんは本当にギルドランキングベスト10入りするだけで、俺を認めくれるのか?」

「認めるというのは語弊があったかな……
 認めはしないけど、手出しはできなくなると思います!」

 結局は認められないのかよ!!

 娘を性奴隷にている男を認める父親なんて、いる訳ないか……

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

サファヴィア秘話 ―月下の虜囚―

文月 沙織
BL
祖国を出た軍人ダリクは、異国の地サファヴィアで娼館の用心棒として働くことになった。だが、そこにはなんとかつての上官で貴族のサイラスが囚われていた。彼とは因縁があり、ダリクが国を出る理由をつくった相手だ。 性奴隷にされることになったかつての上官が、目のまえでいたぶられる様子を、ダリクは復讐の想いをこめて見つめる。 誇りたかき軍人貴族は、異国の娼館で男娼に堕ちていくーー。 かなり過激な性描写があります。十八歳以下の方はご遠慮ください。

公開凌辱される話まとめ

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 ・性奴隷を飼う街 元敵兵を性奴隷として飼っている街の話です。 ・玩具でアナルを焦らされる話 猫じゃらし型の玩具を開発済アナルに挿れられて啼かされる話です。

社畜サラリーマンの優雅な性奴隷生活

BL
異世界トリップした先は、人間の数が異様に少なく絶滅寸前の世界でした。 草臥れた社畜サラリーマンが性奴隷としてご主人様に可愛がられたり嬲られたり虐められたりする日々の記録です。 露骨な性描写あるのでご注意ください。

憧れの剣士とセフレになったけど俺は本気で恋してます!

藤間背骨
BL
若い傭兵・クエルチアは、凄腕の傭兵・ディヒトバイと戦って負け、その強さに憧れた。 クエルチアは戦場から姿を消したディヒトバイを探し続け、数年後に見つけた彼は闘技場の剣闘士になっていた。 初めてディヒトバイの素顔を見たクエルチアは一目惚れし、彼と戦うために剣闘士になる。 そして、勢いで体を重ねてしまう。 それ以来戦いのあとはディヒトバイと寝ることになったが、自分の気持ちを伝えるのが怖くて体だけの関係を続けていた。 このままでいいのかと悩むクエルチアは護衛の依頼を持ちかけられる。これを機にクエルチアは勇気を出してディヒトバイと想いを伝えようとするが――。 ※2人の関係ではありませんが、近親相姦描写が含まれるため苦手な方はご注意ください。 ※年下わんこ攻め×人生に疲れたおじさん受け ※毎日更新・午後8時投稿・全32話

俺にはラブラブな超絶イケメンのスパダリ彼氏がいるので、王道学園とやらに無理やり巻き込まないでくださいっ!!

しおりんごん
BL
俺の名前は 笹島 小太郎 高校2年生のちょっと激しめの甘党 顔は可もなく不可もなく、、、と思いたい 身長は170、、、行ってる、、、し ウルセェ!本人が言ってるんだからほんとなんだよ! そんな比較的どこにでもいそうな人柄の俺だが少し周りと違うことがあって、、、 それは、、、 俺には超絶ラブラブなイケメン彼氏がいるのだ!!! 容姿端麗、文武両道 金髪碧眼(ロシアの血が多く入ってるかららしい) 一つ下の学年で、通ってる高校は違うけど、一週間に一度は放課後デートを欠かさないそんなスパダリ完璧彼氏! 名前を堂坂レオンくん! 俺はレオンが大好きだし、レオンも俺が大好きで (自己肯定感が高すぎるって? 実は付き合いたての時に、なんで俺なんか、、、って1人で考えて喧嘩して 結局レオンからわからせという名のおしお、(re 、、、ま、まぁレオンからわかりやすすぎる愛情を一思いに受けてたらそりゃ自身も出るわなっていうこと!) ちょうどこの春レオンが高校に上がって、それでも変わりないラブラブな生活を送っていたんだけど なんとある日空から人が降って来て! ※ファンタジーでもなんでもなく、物理的に降って来たんだ 信じられるか?いや、信じろ 腐ってる姉さんたちが言うには、そいつはみんな大好き王道転校生! 、、、ってなんだ? 兎にも角にも、そいつが現れてから俺の高校がおかしくなってる? いやなんだよ平凡巻き込まれ役って! あーもう!そんな睨むな!牽制するな! 俺には超絶ラブラブな彼氏がいるからそっちのいざこざに巻き込まないでくださいっ!!! ※主人公は固定カプ、、、というか、初っ端から2人でイチャイチャしてるし、ずっと変わりません ※同姓同士の婚姻が認められている世界線での話です ※王道学園とはなんぞや?という人のために一応説明を載せていますが、私には文才が圧倒的に足りないのでわからないままでしたら、他の方の作品を参照していただきたいです🙇‍♀️ ※シリアスは皆無です 終始ドタバタイチャイチャラブコメディでおとどけします

全ての悪評を押し付けられた僕は人が怖くなった。それなのに、僕を嫌っているはずの王子が迫ってくる。溺愛ってなんですか?! 僕には無理です!

迷路を跳ぶ狐
BL
 森の中の小さな領地の弱小貴族の僕は、領主の息子として生まれた。だけど両親は可愛い兄弟たちに夢中で、いつも邪魔者扱いされていた。  なんとか認められたくて、魔法や剣技、領地経営なんかも学んだけど、何が起これば全て僕が悪いと言われて、激しい折檻を受けた。  そんな家族は領地で好き放題に搾取して、領民を襲う魔物は放置。そんなことをしているうちに、悪事がバレそうになって、全ての悪評を僕に押し付けて逃げた。  それどころか、家族を逃す交換条件として領主の代わりになった男たちに、僕は毎日奴隷として働かされる日々……  暗い地下に閉じ込められては鞭で打たれ、拷問され、仕事を押し付けられる毎日を送っていたある日、僕の前に、竜が現れる。それはかつて僕が、悪事を働く竜と間違えて、背後から襲いかかった竜の王子だった。  あの時のことを思い出して、跪いて謝る僕の手を、王子は握って立たせる。そして、僕にずっと会いたかったと言い出した。え…………? なんで? 二話目まで胸糞注意。R18は保険です。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

処理中です...